生まれ変わっても無能は無能 ~ハードモード~

大味貞世氏

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第2章 再会、集結

第19話 挟撃

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やってしまった。出来てしまったんだから仕方ないよね。
呆れてるかも知れないけど、諦めて欲しい。

諦めて、ぶっ叩こう。叩いてしまおう貴金属。
と思ったのも束の間。融点の高さに絶望した。

詰り!碌に鉄しか打った事がない素人が加工出来るはずも無く。

2000度を超せる炉。堪えうる溶解釜。
高耐熱性のハンマー。皮膚を覆い尽くせる防具。
ダイヤモンド級の研磨機。又はウォーターカッター。

設備全てが足りなかった。知識も経験も。

とてもじゃないけど後数日で何とかなる物じゃない。

何ヶ月も何年も金属と炉に向い合い、漸く一本打てるかどうかの世界。

材料さえ用意すれば造れる。その素人考えが裏目に出た。

仕入れには成功したが、加工が困難であると判明。
ここまで高温だと鋳造ではなく鍛造設備が要る。

中でも圧倒的に足りない物。高出力の熱源。


クリエイタースキルには頼らないと豪語しておいて、やっぱり出来ませんでしたでは格好悪いったらないぜ。

今日は女性陣が工房の中で観覧している。このままじゃ終われない。男として

こうなったら原点回帰。将来展望なんて後でいいや。

「現時点で加工は無理!」
「ソードブレイカーの上を目指すかねぇ」
ヒオシ先生も同意見。


ブレイカーをジェシカさんに出して貰い、テーブルの上に置いて考察。

配合割合は魔石溶液1に対し、鉄材7の割合。
質量比重をガン無視。液量だけで決めていた。
我ながら良くぞ仕上がってくれたものです。

魔石の溶解度は実は個性が在った。溶かしてみないと解らない。今回使うのはゴーレムキング一択。だって王様だもん。その補正力に期待して。

属性は色で大凡判別出来る。
赤は火。青は水。黄は土。橙は風。灰は雷。
無色透明は無。黒と白が意味不明。

「イメージ的に、黒が闇。白が聖だと思うけど…。合ってる?」

「聖属性も闇属性も聞いた事がない。でも白色は特に稀少で主に回復系の魔道具に使われているわね。意味合い的には外れてはいないかも」

「なら、このキングの魔石って…」
「何色に該当するのでしょうね」

ゴーレムキングの魔石。8色全てが石の中心部で撚り糸みたく複雑に絡み合い、螺旋状に渦巻いていた。

決して混じり合わない色たち。溶かしたら何色に成るのでしょうか…。正解は。

無色透明です!無属性に戻った、のではなく。無よりも尚透明。透過率が異常なのか、光の屈折率が壊れているのか。どっちだろ。

蒸発じゃない。杯で掬い取るとしっかり重みを感じる。

バトル中にこれを見つけるのは至難の業。高温の魔術で霧散したと勘違いされても無理ないね。


続きまして、金材の選定。鉄材じゃないの?
いえいえ、回数がそれ程熟せないなら。敢えて材質不明品を試すのが男ってもんでしょ。研究と失敗なくして成功など有り得ない。と言うのが我輩の持論です。
あ、誰かのパクりです。


初期でゴールドは排除。その他、大体同じ大きさの切片で重みを比較。ゴールドと同じなら排除。重くて柔らかい物は戦闘には不向き。

鉄と同等か軽い物を。

軽い茶褐色の塊も出た。恐らく僕が求めていたチタン。
ただこれが全く溶かせなかった。借りている炉では融点まで届いてない。今回は断念決定。

候補は3つ。同じ鉄材。鉄鋼ステン材。謎の灰色軽量インゴット。ステンは純鉄よりやや強度と靱性で劣る。代わりに耐食性に優れる。魅力的。

銅や銀や金類を除き、同じ鉄系のグレー色で纏まった。
無難と言えば無難。

合金を研究している時間無し!単一金属と魔石だけで造ります。

歪な塊ではなく、四角いインゴットが謎過ぎる。まるでこれを使いなさい、とでも言われてる気がしてしまう。

「素直に従う?」
「時間そんなに無いじゃん。今回はそれでもいいんじゃない?」
「意外に安易に決める物なのだな」
「2人が特殊だと思ったほうが良さそうかと」
ジェシカさん、人聞き悪いよ。異論はないけどね。


溶かします。鉄材融点よりもかなり高い温度。キングの魔石よりやや下方。ブレンドするには問題ナッシング。

3つ目の釜に1対7の割合で注ぎ入れ、均一になるようにチタン棒(天然物)で混ぜ混ぜ。

前回同様、中剣の型に流し入れる。今回は型の終端部に初めから細工を施し、魔石セット用の切れ込みが入るようにしてある。時短時短。

目標は明日までに3本。明後日はブレイカー含め仕上げ処理に割り当てる予定。

型起しの為、胴芯の延べ板は直ぐに出来上がる。
ここから先は焼き増しで叩いて回るのみ。

前回は装着しなかった、飛び火防止の防具を着用。
着用だと汗が大量に飛び出て体力が続かない。その汗を吸った防具が地味に重くなり、腕が上がらなくなる。

一本だけ限定の短時間勝負だったので、火傷覚悟。
今回は長期戦が見込まれる為、ちゃんと休憩や食事を挟んで入れながらとなる。こまめな塩水分補給も忘れずに。

女性陣には水供給をメインに動いて貰う。流れが掴めて来たら交互に軽めの食事をデリバリーを依頼。

「荷物運びやらせちゃってごめんね」
「これだけは代わって貰えないからなぁ」

「気持ち1つ。存外男の為に動くのも悪い気はしない」
「私の場合は、先日までのお仕事と基本的に変わりませんので何ら苦ではありませんよ」
強力サポ助かります。好きな女子に見られてるとやる気も出るし、感謝感謝。

そして作業に集中集中。何分初めての組み合わせ。
打つ時の音色の変化点を聞き漏らしては元も子もない。

板の表裏を一巡する度に、休憩と打ち手の交代。

張り付いた肌着を2人の目の前で堂々と交換。
時間短縮の為。仕方が無いのです。

恥ずかしかったのは初回だけ。以降は変な照れは消えた。

打ち込む度により高音へと変化する音色。大きな変化点は7巡目に現われた。

「そろそろだね」
「おう。7周が限界強度みたいだねぇ」
叩けば叩く程、靱性が増す鉄とは違う。金属にはそれぞれの特性があり、伸び代も各々。真の強度は芯が冷めてからしか解らない。

砂時計は丁度半分。一本打つのに約6時間。
時間的な余裕があっても、体力面では疲労が顕著。

サンド砂山に塗して放置。水に着ける手もある。時短には優れても水は貴重だし、ここをサウナにしたくない。
素性の知れない物の場合は、やはり自然冷却が一番。

小窓を開け、換気する。
炉と釜の様子を伺いながらの本格的な休憩。

「どうして窓を開けながら打たないのですか?」

「打ち込みの時の音の変化を聞き逃さない為と」
「他の工房主に聞かれると困るから」

「熟練の工夫程、音色で大体どんな金属を打ってるのかがバレちゃうからね」
「聞いた事がない音が聞こえたら、気になるでしょ。面倒な人だったら、見せろ見せろ五月蠅い」

「成程。納得しました」


「可能なら交代を、と考えていたが…。これは無理だね」
回復薬入りの水を飲みながら、リンジーさんが呟いた。
待ってる時は暇だもんねぇ。

「明日の目標を達成し終えて時間があったら、余った材料で長剣とか、ジェシカ用の短剣を打とうかなって思ってるから、その時に打ってみる?」

「いえ、服が無いので遠慮します」

「俺らが新品の防具に拘った理由、解ったでしょ」

「ハハハッ。無駄遣いはするなと言ってしまって御免なさいね。実情を見れば明らかだったわね」

気持ち悪いのよ。洗ってあっても知らんおっさん職人が着た中古を借りるってのはねぇ。抵抗あるよ。

休憩終了。
「さっさと2本目。行っちゃいますか」
「行ってみよー」

「打ち切りまでだと今日も夜遅くなるけどいい?」
昨夜も何だかんだで帰着は遅くなってしまった。巻き込まれたイオラたちもプンプンだったしな。今度完熟メロンでも買って行こう。

「最後まで付き合うわ」

「半端で終えても、明日の作業に響くなら。打ち切ったほうが断然良いのは、素人の私にも解ります」
理解あるお言葉。よし、やる気が湧いて来たぞ。



-----

「そうか。タッチーとヒオシは居なかったのだな」
「はい。数日間ここへ滞在しただけで、直ぐにセンゼリカへと立ちました」

よく知る若者2人。戦死していなかったと聞き安堵した。

戦線に復帰したザイリスが畏まっている。
「固い。無用な気は遣うな。疲弊の元になってしまうぞ。彼らが何処かで生きている。それだけ聞ければ、私は思う存分剣が振れる」

「しかし…、ゴルザ様」

「律儀な奴め。この氾濫の責は私が負うと言っただろ。これだけは譲らんぞ」

「はい…」

気にしすぎだ。想定外の氾濫。準備を怠ったのは国の責。誰に問える物でもない。

「情けない声を出すな。気合いを入れ直せ。氾濫はまだ終わった訳ではない。この町一つ。ここで我らが食い止める。たったそれだけの事」

赤竜が撤退して3日。町の被害は甚大。
ある程度までは立て直しても、残る疲労は隠し切れる物でないのは明らか。


「ゴルザ様ー!!ザイリスさん!!北からの援軍が…」

「…早いな」折り返すまでに後2日は掛かると予測していたが。見込み違いか。

「有り難い。援軍の規模は」


「援軍は約2百騎。しかし…、その背後には。後ろには」

「はっきりと言え!」

「オーガロード級多数。率いる集団が凡そ1千!援軍が引き連れて来た模様です!」

「何と言う事を…」赤竜の咆哮は、場違いな東にも届いていたのか。それよりも、なぜ砦を放棄した?

「時の猶予は無い。ザイリス、町を頼むぞ。私が出て半壊させる」

「了解です」部を弁えた返事。彼もまたロード級複数の相手は出来ないと判断したに違いない。


「私が出たら北門封鎖。援軍諸共、何人も中へ入れるな」

期待していただけに落胆は大きい。士気にも響く。去れども余計な物を連れてきた責任は取らせる。


貴重な馬を使わず、北門から出る。全力走での消費は考えて居られない。

町との距離約2km。それしか稼げなかった。

先頭集団に見覚えのある顔が居た。

「おぉこれは僥倖。ゴルザ、余を救えい」
「ラムール。この失態は何だ!どうして砦を放棄した」

「余に対して何と言う口を…」

「話にならん。馬から下りよ!」
激しい剣幕に押し負け、慌てて馬から飛び降りた。

地に足を着けた瞬間に、ラムールの首を斬り落とした。
絶命の言を聞いてやる暇も惜しい。

良く肥えたラムールの亡骸を踏み台に、優秀な軍馬に跨がる。

「聞けい!反逆者ラムールの首、たった今このゴルザが討ち取った。この責は皆に同列。死にたくなくばツーザサを守り抜け。どの道散開されたら逃げ場など無い。その命と軍属の魂を以て、己が責任を果たして散れ!!」

氾濫の目はここで潰し切る。西側への流出を阻止し、北側の森まで押し返す。最悪ベンジャム側に押し付ける。

「逃げたくば逃げ出せ。敵前逃亡に果てがあるならば。私は1人でも迎え撃つ。矜持を見せろ!行くぞ」
馬を反転し、見えた敵影に正面から挑む。

「うおぉぉぉーーー!!」
「ゴルザ様に続けーーー!」

戦術?笑止な!

ゴルザを先頭に凸型の陣形が形成された。自殺に向かう狂気が兵士たちを大いに奮い立たせていた。



-----

「申し訳ない!」不甲斐ない。
その一念で拳を握り締めた。

ザイリスは奥歯を噛み砕き、大剣を抜刀。そして掲げる。
口から溢れる血を拭ったりはしない。

「赤竜が来るぞ!総員、戦闘準備」
自分が相手の立場なら、狙い外せぬ絶好期。

「兄さん。私たちはもう…」
「泣くなメイ!死なば諸共。同じ死ぬなら、責めて一匹でも多く刈り取れ!」
妹だけではなく、周囲の全てに聞こえるように叫んだ。

南方の上空に赤い点が浮上して見えた。

「これ以上の無様を、英雄殿に見せるな!!」
背で響き渡る声。悲観を含む物は少ない。
皆の覚悟は決まった。

メイリダは浮かべた涙を拭い取る。
「弓隊、対空重点準備!竜だけに専念。地上班、2班に分かれザイリスに続いて!魔術隊、後悔する前に出し切りなさい!代価は全て国に払わせます」


残り僅かな魔道具を握る。
「あなたは生きて…、ヒオシ。願わくば、もう一度だけ…」
唱えるは心の中で。
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