生まれ変わっても無能は無能 ~ハードモード~

大味貞世氏

文字の大きさ
58 / 115
第3章 大狼討伐戦

第19話 福を招く、音色

しおりを挟む
学校内で収拾した荷物を放り込み、馬車を強化&2台編成で旅立った。学校丸ごとは流石に我が無限BOXでも邪魔臭いので放置。

するのも勿体ないので、地下水脈の中へ水没させた。
野盗の住処にされても困るしね。

藤原君(仮)のご尊体は、総プラチナ製の巨大棺桶で安静にして貰ってる。時が来るまで惰眠を貪り尽くして欲しい。
うっかり忘れないとも。多分。

帰還のタイミングが本当にやって来た時。対応はそれまでに考える。冗談でも不死身のモンスターのまんまじゃ帰してやれないからさ。
こっちでもあっちでもパニックですわ。


ツーザサに立ち寄り、王都へ出発限界まで復興を手伝う。
無闇に荒らされた農地を改修。崩れた外壁を建て直す。

瓦礫やご遺体の供養が終わった箇所だけの家屋を整え、中央広場に記念碑を建てた。

ヒオシが形見の大剣を頂きに差し込み、祈りを捧げた。
復興は始まったばかり。何も終わってはいない。

アビが祈りの唄を唄う。細やかでも前向きに。

僕らが居なければ。この世界に来なければ。召還が失敗していたら。カルバンも、彼女の故国も。それまで通りの日常を過ごしていたはず。誰も、何も失敗を、過ちを犯す事は無かった。

無能は何処まで行っても無能。お得意のたられば。
どんな懺悔も謝罪も意味が無い。
「カルバン。ごめん。僕らが来たばかりに。君を含め、多くの人を悲しませ、苦しませた。多くの大切な人を失った」
それは滅びたゴーウィンと、カルバンの父親や同志たちも含めての言葉。

「…呼び出してしまったのは、私たちゴーウィンの魔術師です。なら全ては」
涙を浮かべるカルバンをメイリダさんが諫めた。
「これ以上の擦り合いは無意味。言ったでしょ?これはこの町の運命。それが少しだけ早まっただけ。後悔や謝罪を唱えても、死者は誰も蘇りはしない」

拳を握り絞め、唇を噛むカルバンの前に、キュリオが白い花束を差し出した。
「一緒に手向けてくれる?町の西側に共同墓地を造ったの。みんなそこに眠ってる」

「…はい」震える手で一輪受け取った。


キュリオの両親。遂にご挨拶すら叶わなかった。
「こんな形で済みません。キュリオを必ず幸せにしてみせます。どうか安らかに。見守ってて下さい」
「もう。恥ずかしいよぉ」

「第2だけは死守します。来るなら容赦はしませんよ」
「じょ、上等よ。絶対に認めさせてやるんだから」
ジェシカと鷲尾さんがバチバチしてる。返事は未だ何ですがね…。ひょっとして決定事項?


「ザイリスさん。メイリダを連れて行きます。小言ならあの世でたっぷりと聞きます。首を長ーくして待ってて。メイリダとリンジーと。ずーっと長生きする予定なんで」
「欲張りだねぇ、ヒオシは」
「強欲だな。簡単な道じゃないわよ。何せ、こちらの第1はまだ決まってないのだから」
「な…」
先生が硬直しております。睨み合う2人を前に。半分以上冗談であって欲しい。そんな顔で。


「私は、手当たり次第に。てワケにも行かないから。記念碑にお供えしてくるよ」
「んだべなー」
山査子さんとアルバさんがお手々繋いで、スキップ…。不思議な踊りを披露しながら去って行った。

不謹慎かも知れないが、重苦しい雰囲気を変えるのに一役買ってくれそう。


カルバンの長めのお祈りが終わった頃。8人で広場の記念碑まで戻った。
長い参列の横。掲げられた大剣を見上げながら、佇む少年が一人。その少年に鷲尾さんが歩み寄った。

「あの剣がどうかしたの?」
「ぁ…、あの時のお姉さん。あの時は、御免なさい」

「いいのよ。気にしないで。勝手に大切な人に触れようとしてしまった私が悪いの」
「…僕に、もっと力があれば。ザイリス様のように、あの剣を振り。ゴルザ様のように、大きな盾が操れたら。大切な人や友達を。いっぱい救えたんじゃないかって」
この町で生き残った誰もが思う願望。叶わなかった願い。

「そう。私はアビ。アビ・ワシオ。お名前、聞いても?」
「僕は…サリス。名も無きサリス。ザイリス様みたく強くなれって、お父さんが付けてくれたんだ」

「サリス。いい名前だね。格好良い」
ザイリスさんと直接の面識は無い。無くても、彼が命を賭けてこの町を守り抜いたのを知っている。それだけでいいんだ。たったそれだけで。

「アビさん。アビさんには、彼氏とか想い人は居ますか?」
「え…。居る、ような。居ない、ような…」
助けを求める視線を投げられましても。それは自分で決める事。それは男として無責任か。

「鷲尾さん。いやアビ。僕をここへ残る理由にするな。王都までって約束だったけど、今この場で返事するよ。ハッキリ言って迷惑です。友達としては好きだけど。そんな独り善がりは恋愛の好きじゃないよ」
キュリオとジェシカに対して抱く感情とは違う。そう付け加えようとしたが、それは思い留まった。

もう充分に伝わったと思う。

「うん。解ってた。無理だろうって。王都で再会した時から。私、卑怯だね。何もしてない。何も伝えてもいないのに確証だけ欲しいだなんて。サリス。たった今フラれちゃった」

「…みたいだね。コレあげるよ。元気出して」
サリスが懐から取り出したのは、古びたネックレス。
「これは?」
「お母さんの形見。アビさんに持ってて欲しい。何時か取り返しに行くから。それまで」
おい、待て少年。
僕が言えた台詞じゃないけど、早まるな。それじゃ、まるでプロポーズだぞ。
「そんな大切な物受け取れないよ。でも差し出された贈り物は貰う主義だから。今は預かります」
これは、成立したのか。してしまったのか。

カルバンの顔を振り返ると、首をブンブン横に振ってた。
鷲尾さん…知らないんだ。
目の前でフッてしまった相手を止める理由が見つからず。
僕も何も知らない振りをして見守った。

「強敵が、自ら舞台を降りて行きました」
「良かった。うん、良かったぁ」
背後の2人が何やらほくそ笑んでいた。見るのが怖いので振り返らない。

「アビさんの大切な物も。何か預からせて」
尚も畳みかける少年。天然…じゃない!奴は策士だ。
「うーん。何がイイかなぁ。男の子に何かあげたのって何時振りだろ。義理チョコを無能君にあげたのが最後かな」
何時のお話でしょうか。頂いた記憶がございませんが。
チラ見されても、もうあなたは手遅れっす。

「そうだ。サリスは強くなりたいんだよね。護身用に貰った中剣。どうせ私には使い熟せないし。剣は兎も角、鞘の装飾は私の思いが詰まってるから。大事にしてね」
それは、ピンク色の♡型が各所に散りばめられた、男が待つには少々小っ恥ずかしい代物。因みに中身は先日僕が拵えた物。これにて終了。

「わーい。大切にするよ」半笑いで戸惑いながらも、サリスは剣を受け取った。

-スキル【勇者】発動が確認されました。
 尚、現在は未開状態に尽き、並列スキルは成長と共に
 順次解放される予定です。-

「ほう、ほーう。こりゃまた、めんずらしい」
アルバさんが全く別方面で、少年を見ながら驚いていた。
ちょっとだけ気になる…。

気にはなっても、今は。どうしよ。
「知らないって、怖いね。面白そうだから放置してたら、こんなイベントが起きるなんて」
意味深な山査子さん。あんた知ってたん?

「急展開過ぎて…。ごめんなさい。アビちゃん」
道具を作り捲れる山査子さんには注意していたが、脳天気な魅了な相方は放置していたと。解らなくはない。

「解除方法はちゃんと在ります」
ジェシカ殿。それは聞き捨てなりませぬよ。

「双方が合意の上で、互いに新しい伴侶を立てれば晴れて離縁出来る。簡単でしょ」
あら以外に単純な解。
「私は死んでも認めませんので。末永く」
そうでしょうともジェシカ様。方法を知っても別れは考えられない。

「私もだぞ。捨てると言うなら…」
「おーけいおーけい。物騒な事言いそうだから一応止める。男に二言は無いってば。もうちょい信用してよ。タッチーよりは不器用だけど、おれも頑張りまっす」


サリスに手を取られ、鷲尾さんも何だか嬉しそうだし、善しとしよう。僕じゃ責任は取れんしね。

話が大方片付いた所で、出発の準備と相成った。

「ちょいちょい。ちょびっと、サリスに興味が湧いたっぺ。おいらは後から追い付くべさ」
「お、あの少年鍛えるんですか?」
「ちょびっとなー。おいら一度覚えたオーラ忘れないない。離れてても、ビューンって行くべよー」
相当興味が湧いたらしい。言ってる言葉はよく解らないんですが。

「良かったな。サリス君」
アルバさんが何者かをサリスに耳打ち。途端に大喜びで飛び跳ね、グルグル回っては師にお辞儀を繰り返してた。

山査子さんが町に残るか否かで、出発間際まで悩んでた。
「頑張れ、頑張る。おいら手を抜く子は、嫌いだんべ」
「はいっ!精一杯頑張ります!!」
見事な敬礼を振り捨て、馬車に颯爽と乗り込んだ。
恋人同士…には見えないな。宛ら親子。とは口が裂けても本人には言えないです。



離れ行くツーザサ。アルバさんとサリスを先頭に、手の空いた町の人々に見送られ、馬車は独りでに走る。

深い悲しみは、少ない喜びよりも鮮明に。
「行ってきます、兄さん。愛する人と、新たな友と。自由な旅を」
「行ってきまーす。お母さん、お父さん。お達者でぇ」
2人が天幕を広げ、青い空に向かって叫んでいた。
本来なら生者に贈るべき言葉。語り尽くせぬ思い出と共に投げ放っていた。


町から遠く離れたメイン街道脇の畔道。
サーチを全開で害敵確認。休憩を兼ねた停車。

「どうしたの?次の宿場はまだ先でしょ」
後続の馬車から3人が降りて来た。鷲尾さんの後ろの2人のホッペには真っ赤な紅葉模様。
「どうしたってこっちの…まぁいいや。これからちょっと大切な友達呼ぶから。3人は知ってると思う。キュリオとメイリダは驚かないでね。見た目は魔物でも攻撃しちゃ駄目だよ」

「うん」
「はい?魔物の友達?」
良好な反応。2人の驚く顔が早く見たい。

在庫の青林檎を全て配置。便利な魔力回復薬になるから勿体ない?そんなケチ臭い性根じゃ嫌われるよ。

微風に紛れて現われた4羽。兎に含めてしまうなら羽。気分的には匹。そこら辺は曖昧にして置く。

-おー、伝説の-
-青リンゴ♡-
-また食べられるなんて-
-あたしは初めてだよ-

「今までのお礼。これだけしかないから、しっかり味わって食べてね」

その巨体に比べれば小さな林檎を大切に頬張る兎。
奇妙な光景にもめげず、折角ゆっくりモフれるチャンス。
「新しい友達も触りたいってさ。いいかな?」

-良きに計らえ-

急に尊大になったな。ご機嫌が良い内に毛繕い。
「5人もぼーっとしてないで触ったら?希少種に触れられるチャンスなんて早々無いよ」

それぞれ思い思いの相手の背中に回り、たっぷりと堪能。

全ての林檎が消えた後。
突如イオラがキュキュっと一鳴き。そして起きたのは。

ラビットガンナー。ランク圏外。
伝説級の超希少種。歴史上誰も存在を確認出来ず。嘗ての唯一の証言者は、嘘吐きの烙印を押され断罪された程。

「おぉ!?」
「おー、すげぇ…」

兎たちの身体は更に一回り大きく。全身の体毛は金色に変色。デッカい瞳は明度の高い水色になった。

「この様な生き物が、本当に存在するなんて…」
それを口にしたカルバンだけでなく、全員が言葉を失った。どんな形容詞も似合わない。唯々美しく綺麗な造形。


-スキル【福音】発動が確認されました。-


-滾る。滾るぞ-
-力が湧いて来る-
-世界一周も簡単さ-
-今なら空でも跳べそうな-

幾ら何でも最後のは無理でしょ。翼無いんだし。まさかあの象さんみたく、お耳で飛ぶとか…。有りや無しや。

アルバさんのお空ビューンは、ひょっとするとお仲間?



スキル発動限界まで。残り、後11個。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~

楠富 つかさ
ファンタジー
 ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。  そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。 「やばい……これ、動けない……」  怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。 「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」  異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~

専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。 ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

グミ食べたい
ファンタジー
 現実に疲れ果てた俺がたどり着いたのは、圧倒的な自由度を誇るVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。  選んだ職業は、幼い頃から密かに憧れていた“料理人”。しかし戦闘とは無縁のその職業は、目立つこともなく、ゲーム内でも完全に負け組。素材を集めては料理を作るだけの、地味で退屈な日々が続いていた。  だが、ある日突然――運命は動き出す。  フレンドに誘われて参加したレベル上げの最中、突如として現れたネームドモンスター「猛き猪」。本来なら三パーティ十八人で挑むべき強敵に対し、俺たちはたった六人。しかも、頼みの綱であるアタッカーたちはログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク・クマサン、ヒーラーのミコトさん、そして非戦闘職の俺だけ。  「逃げろ」と言われても、仲間を見捨てるわけにはいかない。  死を覚悟し、包丁を構えたその瞬間――料理スキルがまさかの効果を発揮し、常識外のダメージがモンスターに突き刺さる。  この予想外の一撃が、俺の運命を一変させた。  孤独だった俺がギルドを立ち上げ、仲間と出会い、ひょんなことからクマサンの意外すぎる正体を知り、ついにはVチューバーとしての活動まで始めることに。  リアルでは無職、ゲームでは負け組職業。  そんな俺が、仲間と共にゲームと現実の垣根を越えて奇跡を起こしていく物語が、いま始まる。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...