お願いだから俺に構わないで下さい

大味貞世氏

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第139話 帰路は寄り道ばかりなり

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帝都でお土産を頂き、エンバミル氏と商業のお話をして。
帰還者20人に挨拶を交して帝都を逃げ出した。

今回も引き留めが酷い酷い。
トッド隊やラーランが所属する騎士団に手合わせを申し込まれたりしたのは当然で他の隊からも続々と。

面倒だったので全員纏めて叩きのめした。

クワンジアでの闘技大会では華々しく負けるんだよと聞いたラーランは泣いていた。
「何故!どうしてですか。お二人が敗北するなど!有っては為らない」
「しゃーないじゃん。敵の残党を炙り出すのにどうしても必要なんだって」
「長ーい目で見て。お馬鹿な悪者なんかに踊らされてる暇は私たちには此れっぽっちも無いの」

そんなの嫌だ。そんな知らせは聞きたくないと泣き腫らすラーランを宥めるのには苦労した。

クルシュたち帰還者とも話し合い。フェンリル様とどんな生活をしていただとか、俺たちに手紙を送って遣り取りをしていただとかは伏せるようにお願いした。

「勿論ですわ。口外などは致しません。あそこでの生活は辛くとも私たちだけの善き思い出。他の誰にも知られたく有りません」
「口外してしまったら北に向かう馬鹿共が増えて大狼様のご迷惑に成ってしまいますもの。誰に言えましょうか」

「まあ言っても誰も信じないと思うけど」
「逆に熱心に聞いて来る人が居たら。そいつらは敵だと考えた方がいいわ」

「確かに。それでしたら盛大に話を盛って差し上げましょう。少しだけ大狼様には悪者に成って頂いて」
クルシュが悪い顔を浮べている。
「その辺は任せるよ」

「グーニャの事も内緒でね。もし広めてしまったら…スタンを行き成り押し倒して迫った事言い触らすから」
「め、滅相も無い。あれは気の迷い。お許し下さい」
みんな顔を真っ赤にモジモジ。

これ以上長居は出来ないと強引に追手を振り切り、昼過ぎまで掛かって帝都を出た。


出国手続きを帝都で事前に済ませてマッハリアのカウテリアに飛んだ。

特に約束はしていなかったが運良く行きで出会ったエルヴィス登山隊に酒場で再会出来た。

これが目的で立ち寄ったのだから僥倖。

「お久し振りです。皆さんご無事なようで」
「お久し振り」

「いやーお二人共お元気そうで。ここで出会えたのも偶然と言うよりも奇跡です。冒険者ギルドを使ってお探ししようかと考えていた所ですよ」
「こちらこそちゃんと約束もしてなかったのに。何だか申し訳ない気分です」

「何の何の。今日は奢らせて下さい。今回のアタックではお二人に頂いた食糧で命拾いをしたようなもんなんで」
「へぇ。それは良かったです」
「こちらも渡した甲斐が有りました」

詳しく聞くと登りの途中で食糧を詰めたリュックの1つを落としてしまったそうで。俺たちが渡した分が無かったら冗談抜きで帰って来られなかったと感謝された。

エール酒を皆で飲みながらエルヴィスさんが。
「そのお礼と言っては安過ぎますが。どうぞこれを」
割と大き目なズッシリとした包みを差し出された。
「これは?」

声を潜めて。
「ここでは開かないで下さい。今回未開の新ルートを登ったんですが。その山の頂上手前で偶然足が滑った拍子に見付けました。
マウデリンと呼ばれる超硬度な金属を含んだ鉱石です。
西の鉱脈で取れるタングステン鋼よりも遙かに硬くて軽い素材です。使う人が使えば属性魔力まで封入出来る魔装金属。マニアの間じゃ国が買える値段で取引されてます」
異世界物で良く聞くアダマンやヒヒイロみたいな金属か。
「そんな高価な物貰えませんよ。食糧渡しただけなのに」
「何なら中身を伏せて商業ギルド経由で買い取ります。お金なら腐る程増え続けてますので言い値で結構ですよ」

「それでは逆に困ります。急に羽振りが良くなれば仲間内に何か見付けたんだと知れ渡ります。あの場所は丁度国境辺り。公表されれば山は荒らされ国同士で戦争にまで発展してしまう。
それは登山家としてとても辛く悲しい事です。金では命は買えません。
これはスターレン様にお渡ししてあのルートは忘れてしまおうと八人で決めました」
金で命は買えない、か。身に染みる言葉だな。

「解りました。これは有り難く使わせて頂きます。
今後もしもお金に困った事があればギルド経由で伝えて下さい。援助なら幾らでもします」
「タイラントまで来て頂ければ。お仕事だって何だってご紹介出来ます。タイラントの中北部の山間に1つの町を造る計画も有って。そこからなら未開の大山脈を南側からアタックも可能ですよ」

「おぉそれは願ってもない…。南かぁ。何だかワクワクして来たな」
他の人も目をキラキラさせて興奮していた。

心底山を愛してるんだなぁ。

それから飲んで騒いで。山の素晴らしさ、険しさ、難しさ、それらを乗り越えた先から見下ろす光景。達成感と高揚感は何にも代え難く美しい物だと教えて貰った。

見渡す限りの地平線や水平線。その時その場所でしか味わえない踏破者だけに許される至福。

俺もフィーネも話を聞いている内に段々と登ってみたいと考え始めた。

店を出て町に在る登山用品店を紹介して貰い。直ぐには行かないのに用品を買い漁ってしまった。

また山の話を聞かせて下さいと握手を交して。その別れ際に1枚の上質紙をエルヴィスさんから頂いた。
「何ですかこれ」
「例の場所までの簡易図です。お二人なら山を荒らさないと信じて。いや確信したんでお渡しします。それが有ったとしても簡単には登れやしませんがね」
最後はハハハッと笑って彼らの定宿に帰って行った。

自分たちの宿に戻って包みを開いて鉱石を眺めながら晩酌を楽しんだ。

クワンがスマホから。
「明日連泊して偵察に行きましょうか?」
「どうしよっかなぁ。空を飛べない人間に取って登山って言うのは大自然への挑戦なんだ。自分たちの足で歩むからこそ達成感が味わえるんだ。
俺たちにはロープやマントも有る。もし行くんだったら麓から正々堂々登ってみるよ」
「ロープ持ってる時点で充分卑怯だけどね。偶には何も考えずに綺麗な景色眺めておいでよ」
「クワッ!」

「折角行ってくれるんなら。これと同じ石を適当に拾って来て。上から見えた範囲で掘り起こさなくていいからさ」
「クワァ」
「私たちが行く時は。ちゃんと山神教の礼拝堂にお参りに行かなきゃね」
「だな」

静かに2人でグラスを差し合っているとソラリマが。
『済まん。レイルがシャンプー類が無くなったと騒いで五月蠅い。北のワンコが終わったなら早く帰れと』
『わ、ワンコて!?』
「グーニャ、今のは伝えるなよ」
「えぇー。前に多目に渡したのに使い過ぎよぉ。ごめんスタン。朝一でパージェント寄って行って来るわ。
適量を教えてショートヘアの説得を試みるから少し遅くなるかも」

「あーじゃあ。俺実家で1泊してるよ。スタルフに伝言有るし。クワンも帰りは俺の実家で」
「オッケー」
「クワッ」
フィーネが追加で。
「そうだ。こないだ聞きそびれた音響道具。お城に寄るなら購入ルート聞いて来て。あれも多分スマホに繋がってる気がする」
「おぉそうだった。忘れずに聞いとく」

更にソラリマが。
『もう一つ。アッテンハイムでクワンジアの…何たら将校から剥ぎ取った魔装鎧だが。どうやらその鉱石と同じ金属が含まれている。大半はタングステン鋼と鉄だと思う。
返せと言われる前に溶かしてしまえ』

「言われてみればあの馬鹿みたいな重さ。タングステンだったかぁ。でも3種以上となると素人の俺じゃ分離は無理だな」
「どうするの?」
「自宅に帰ってからデニーロさんとこで相談してみるよ」
「居たわね金属加工の専門家で武器マニアさんが。
あぁでも…自宅でゆっくりがまたしても遠いなぁ」

これはもう運命だと諦めて。
「いや諦めるのはまだ早い。馬車馬のように頑張って準備を片せば1週間位は時間が取れる。ラフドッグのエリュグンテを予約しよう!」
「よ、よーし。去年の新婚旅行のリベンジね。今度こそ誰にも邪魔させないわ。絶対に」
「絶対に!」

休みに向けて決意も新たに俺たちは突き進む。




---------------

クワンに帝都で作っておいたお弁当を持たせ、カウテリアを出た所で別れた。

グーニャを頭に乗せて暫く南へ歩いてみた。

去年のラザーリア出発からを振り返りながら。

メメット隊との出会い。フィーネとの出会い。
旅の間の思い出の数々。色々な戦い。

パージェントでも多くの出会い。フレゼリカとの対決。
アッテンハイムへの新婚旅行…。

あれ…何か、日数が合ってない気が…。
「今更気付いたのですか?」
やっぱりズレてるよね?
「累積すると2週分程度は。何方が操作したのかは言わなくてもお解りですね」
マジかぁ。凄えな時の女神様。
「出会うべき者に出会える様に。運命。導きとは些細な出来事の積み重ね。不自然さが残らないように。智哉やその周囲を少しずつ。相当なご苦労を為されています。感謝為さって下さい」
愛してます!フィーネとロイドちゃんの次に!
「私を巻き込まないで下さい。ですが智哉が決意を固め周囲の人々と共に在り。役職を得て先々の予定を決めながら行動している今」
時間介入は不可能になった。
「そうです。時間軸をこの世界に固定化してしまった以上普通の人間と同じ流れに入りました」
…元世界とのリンクが、切れた。
「人生は一度切りです。フィーネさんの言う通り。それは過去の記憶に過ぎません。智哉の生命維持装置は外されました。その後は私にも見えません。
智哉も…いえスターレンの人生も一度切り。今世で使命を果たせなければ永遠の時の牢獄を彷徨い続けます」
俺が使命を果たすと誓ったからか。ロイドちゃんはどうなるの?
「それを今考える必要が有りますか?」
無いっすね。果たすべき使命は、見えている。

俺のステータスの名前の元燻木智哉の記述が消滅した。

使命を果たしたら消えるんじゃない。俺の覚悟が足りていなかっただけだ。フィーネのように。この世界で今の人生を生き抜くその覚悟が。

一匹の蠅。それが俺のスタート地点。
最初の転生は俺の自滅願望が招いた結果。ロイドちゃんが悪い訳でも女神様の所為でもない。

なら誰がやったのか。誰が俺を引っ張り込んだのか。

ミレアローゼス。お前がどんな神様かは知らないが、これは盛大な人選ミスだ。お前は選択を間違えた。

俺を呼び込んだ事を異界の空で震えながら後悔してろ。
バーカ。

ミネストローネが可哀想だから。バレそうになったらミレバカローズスにでも改名してやろう。それがいい!
「また調子に乗って」
どうせ聞こえてないって。

「グーニャ。少し自分の足で走ってみるよ」
そんな気分。
『ファ~ン』

固定化前なら逆行も多少は出来た。もうそれは無い。
こっから先は未知の領域。それも皆同じ。
見えないからこそ前へ進む。

俺は足を前に進めた。一歩、また一歩。

ベルさんは黒竜様の鱗は取れたと記録を残している。
緋色の結晶石は在処が不明。
吸血姫の生血は行方不明。
凍土の石英の在処は判明している。
生贄候補はフィーネ以外にもまだ居る。
祭壇はクワンジアか西大陸に運ばれた。
魔王の因子は西大陸から外には出ていない。

決戦の地は西大陸。

時空を歪める石英をベルさんは最も危険視した。だから守護者を極点に置いたんだ。

石英を敵の手に渡さないのと現魔王様の説得が出来るのかが争点となる。

俺は走るのを止めた。時空を歪める…て何だ。
『ニャ?』
時間操作…。時を司る女神様の力。
ペリーニャが最有力な理由。まだ発現していない力。
発現させているのは、俺自身。
「あぁごめん。ちょっと考え事してた」

そうだったのか。生贄は俺も入るのか。気持ち悪。
俺が居れば石英は要らなくなる。しかも俺はミレバカが引っ張って来た人間だ。

面白え。絶対に揃えさせてやるもんか。
全ての道具を俺の周囲に置かない。ペリーニャの周囲に集めるのも愚の手。

単純だが中々条件設定が難しいな。
「…勇者である貴方はどうしても西へ行けなければ為りません」
まだ気になる事が有る。
「何でしょうか」

どうして腐れ勇者は自分の目を抜いたんだ。
どうして東大陸や帝国でグーニャを狙って来なかった。
「陽動だとすると…敵は既に持っている。か持っていた」
南西や東の行動が俺への罠だとしたら。

行き着く答えは、あの義眼の中だ。
「フィーネさんが危険では」
危険?怖ーい吸血姫さんの傍に居るのに?
「失言だったようです」

ちょいと移動が不便に成るが相談して義眼は壊すか。
「勿体ないですが仕方が有りませんね。手袋と指輪だけでも贅沢な話ですが」言えてるぅ。

現在クワンが持っている指輪は架振から廊振にバージョンアップされ。座標軸フリーの店員25名になっている。

架振は交換でゼノンと教皇様に預けた。

今俺が持ってるのは唐草手袋で店員が100名。
義眼の1000名に見事に踊らされた。

よー考えるわあの外道も。途中まで皿の破片で指示出してたんだろうが。
「姑息ですね。やる事なす事」ホントそれ。

更に義眼にペラニウム混じってたらインゴット作るまでの俺たちの行動が筒抜けだ。南東に大陸間転移までしてた事までは割れてはいないと思いたい。

馬鹿でかいコイン持ってたら別だけど。

あーやだやだ。ちゃっちゃとスタルフに伝言して音響道具分けて貰おっと。




---------------

無事にマイク道具を1個だけ貰い(兄権限発動)実家でフィーネとクワンと合流後。父上たちと夕食を共にして泊まらず自宅へ転移した。

誰も居ない静かなリビングでフィーネたちに昼間の考察と義眼の中に緋色の結晶石が有りそうだと話した。

「えぇ…。スタンまで候補に入っちゃってるのも衝撃だけどこの義眼は。真に眼中に無かった」
「上手い!完全に性能に騙されてた。これなら絶対に壊さないからなぁ」

「じゃあやる事は1つね。非常に勿体ないけど。今の私たちが協力すれば返せない物は無し」
「百倍返し。行っちゃいますか」
「行っちゃおー」

無人島に行き、フル装備で義眼を両手で包み、フィーネが上から手を添えた。

大きなコインをイメージして枯渇寸前まで2人の魔力を注ぎ込んで砕き割った。

破片を落とさないように空き箱に詰めて。中から出て来たのは直径2cm程の赤い金平糖。

名前:緋色の結晶石
性能:任意の場所に瞬間転移できる
   魔力消費:4割/1回
   座標条件:装着者が行った事の在る場所
   座標軸:記憶した場所。誰も居ない平場
   同時搬送可能数:最大1000名+装備品
   (紐等で締結された状態で装着者と接触)
特徴:転移秘宝の1つ
   転移の能力を持つ赤い魔物から稀に出る

「義眼自体は消費魔力を半減するのと中身を隠す機能を持ってただけだな」
「嫌な感じぃ…」

魔力の回復を待ち、氷と炎を交互に緋色を跡形も無く消し去った。

「あばよ。腐れ勇者。いい加減に諦めろ」
「ばいばーい」棒読み。
「クワッw」
『ニュフw』

「さ。帰って風呂入って寝よう。疲れたわ」
「賛成。お疲れ様!」



スターレンたちが意趣返しをした瞬間。
西大陸南部の一角が盛大に吹き飛んだと言う。
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