玄幻:女尊修仙界の白い月の光の星落ち別れた愛恋!

辺縁仙域・瑶帝Yao

文字の大きさ
26 / 33

玄幻:女尊修仙界の白い月の光の星落ち別れた愛恋!第二十六章

しおりを挟む
玄幻:女尊修仙界の白い月の光の星落ち別れた愛恋!

第二十六章

叶瑶は最後まで、自分がかつて最も愛してくれた“白月光”を失ったことを悔やみ続けた。それは、顧詩雪にとってこの上ない幸運だった。

一瞬、林笙は呆然とした。

焚き火の光が顧詩雪の漆黒の瞳に映り込み、きらきらと輝いていた。やがて彼女はふっと笑って言った。

「NASAが言ってただけで、本当に見られるかは分からないの。……怒る?」

林笙は頭を横に振った。

彼の胸の中に、ふわりと柔らかい感情が芽生えた。顧詩雪はまるで子供のように、自分が面白いと思ったものを全部見せてあげようとしてくれている。それが林笙に、自分が大切にされていると感じさせたのだった。

顧詩雪には金銭的な不自由はないし、バーのマーケティングの一環というわけでもない。それなら——なぜ、彼女はこんなにも自分に優しくしてくれるのだろうか。

喉元まで出かかった答えに、心臓の鼓動はどんどん速くなっていく。

けれど林笙は、前の恋愛でひどく痛い目を見たことをまだ忘れてはいなかった。

会社では一連の騒動がまだ片付いていないのに、彼はまるで駆け落ちでもするように、実在するかも分からない流星群を見に来てしまったのだ。

――馬鹿げている。でも、だからこそ面白い。

ポケットの中でAIスマホが何度も震える。

林笙には、それが叶瑶か、あるいは会社の上司からのメッセージだと分かっていた。

だが彼はもう応える気にはなれなかった。音を消して、電源を切った。

顧詩雪は、ほとんどアルコール度数のないフルーツビールの缶を手に持ちながら、林笙を見て笑っていた。

「どうしてお酒飲まないの?」と林笙が聞いた。

「あとで運転して帰らなきゃいけないから。危ないでしょ」と顧詩雪は答えた。

夕食は、焚き火のそばで焼いたジューシーな牛肉や羊肉、鶏肉だった。軽い空腹感もあって、漬け込みなしのシンプルな味付けでも、その美味しさが際立っていた。

林笙は運転する必要がなかったため、皆に勧められるまま少し酒を口にし、顔にはうっすらと赤みが差していた。まるで火であぶられて柔らかくなったマシュマロのようだった。

「流星雨、もう来ないかもしれないね……」
林笙は酔ったように空を見上げながら、少しぼんやりとした声で言った。「どうしようか?」

顧詩雪は彼の隣に座って、まるで子守唄のように静かに言った。

「私にお願いしてもいいよ。」

その言葉はまるで心を震わせるようだった。けれど林笙はとぼけたふりをして、頬杖をつきながら顧詩雪を見つめ、にこにこと笑って言った。

「じゃあ……三百年の記憶がなかったことにしてください、って願うよ。」

その言葉はどこか曖昧で、不明瞭だった。

それは顧詩雪には打ち明けられない、記憶の奥深くに刻まれた痛みゆえだった。

叶瑶との三百年が、彼が表に見せるほど簡単に忘れられるものではないことを、林笙自身だけがよく知っていた。

林笙は、信じることも、愛することも、もうできなくなっていた。

けれど顧詩雪は、何も言わなかった。問い詰めることも、探ろうとすることもせず、ただ彼のあたたかい手を握り、指を絡めてそっと包み込んだ。

「あなたの願い、ちゃんと聞こえたよ。私が叶えてあげる。」

それが本当かどうかなんて、林笙にはもう関係なかった。

彼には、それだけで十分だった。

通知に書かれていた最適な観測時間はすでに過ぎていたが、夜空にまたたく星たちはまだ落ちてくる気配を見せなかった。それでも誰も残念がることはなく、リュックを片付け、焚き火を消して三々五々と帰る準備を始めた。

沈夕顔は林笙と連絡先を交換した、「次も一緒に来よう、車で迎えに行くから」と言った。

林笙がまだ返事をする前に、顧詩雪が眉を上げて冷笑した。「あんたが来る必要ある?」

「食べ物を守る犬かよ」と沈夕顔が笑いながら言った。「顧詩雪、おまえ犬か?」

バイクは再び人気のない道路を駆け抜けていた。顧詩雪は、林笙が酔っ払っているのを心配して、「しっかり腰を抱いててね」と何度も念を押した。林笙はケラケラ笑いながら素直に答え、両手できゅっと彼女の腰を抱きしめた。

「君の腰、細いね」と彼は新しい大陸を発見したかのように驚いたように言った。「細い小蛮腰のウエストに綺麗な顔、女の人にとって最高の夫娶る道具だよ!」

これは林笙がシラフでは絶対に口にしないセリフだった。顧詩雪は思わず笑って、「ありがとう、君の腰も細いよ」と返した。

林笙は空を見上げながら何も言わず、ぽつりと呟いた。「顧詩雪、見て。あれって、流星群じゃない?」

顧詩雪はバイクを路肩に停めて、自分も空を見上げた。

運命とはこういうものだ。真剣に空を見つめていたときには一筋の流星すら見つけられなかったのに、帰り道のなんのロマンもない国道で、思いがけずきらめく流星群に出会ってしまう。

——それなら、願いごとをしよう。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する

ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。 夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。 社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。 ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。 「私たち、離婚しましょう」 アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。 どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。 彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。 アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。 こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました

由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。 ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。 遠い存在になったはずの彼。 けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。 冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

お姫様は死に、魔女様は目覚めた

悠十
恋愛
 とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。  しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。  そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして…… 「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」  姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。 「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」  魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……

【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。

猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で―― 私の願いは一瞬にして踏みにじられました。 母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、 婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。 「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」 まさか――あの優しい彼が? そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。 子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。 でも、私には、味方など誰もいませんでした。 ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。 白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。 「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」 やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。 それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、 冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。 没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。 これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。 ※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ ※わんこが繋ぐ恋物語です ※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ

幼馴染以上、婚約者未満の王子と侯爵令嬢の関係

紫月 由良
恋愛
第二王子エインの婚約者は、貴族には珍しい赤茶色の髪を持つ侯爵令嬢のディアドラ。だが彼女の冷たい瞳と無口な性格が気に入らず、エインは婚約者の義兄フィオンとともに彼女を疎んじていた。そんな中、ディアドラが学院内で留学してきた男子学生たちと親しくしているという噂が広まる。注意しに行ったエインは彼女の見知らぬ一面に心を乱された。しかし婚約者の異母兄妹たちの思惑が問題を引き起こして……。 顔と頭が良く性格が悪い男の失恋ストーリー。 ※流血シーンがあります。(各話の前書きに注意書き+次話前書きにあらすじがあるので、飛ばし読み可能です)

【完結】言いつけ通り、夫となる人を自力で見つけました!

まりぃべる
恋愛
エーファ=バルヒェットは、父から十七歳になったからお見合い話を持ってこようかと提案された。 人に決められた人とより、自分が見定めた人と結婚したい! そう思ったエーファは考え抜いた結果、引き籠もっていた侯爵領から人の行き交いが多い王都へと出向く事とした。 そして、思わぬ形で友人が出来、様々な人と出会い結婚相手も無事に見つかって新しい生活をしていくエーファのお話。 ☆まりぃべるの世界観です。現実世界とは似ているもの、違うものもあります。 ☆現実世界で似たもしくは同じ人名、地名があるかもしれませんが、全く関係ありません。 ☆現実世界とは似ているようで違う世界です。常識も現実世界と似ているようで違います。それをご理解いただいた上で、楽しんでいただけると幸いです。 ☆この世界でも季節はありますが、現実世界と似ているところと少し違うところもあります。まりぃべるの世界だと思って楽しんでいただけると幸いです。 ☆書き上げています。 その途中間違えて投稿してしまいました…すぐ取り下げたのですがお気に入り入れてくれた方、ありがとうございます。ずいぶんとお待たせいたしました。

処理中です...