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5話
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しおりを挟む大学は、1週間前から長い長い夏休みに入っていた。
柑菜は、朝から家のリビングでだらだらと過ごしている。
いつも朝食を作るのは柑菜、そして後片付けは春樹というように決まっているのだが、長期休みや休みになると、2人とも起きる時間もバラバラで、お互いに食べたいものを自分で作るようにしていた。
今日は気温も高く、柑菜の朝食は豆乳のヨーグルトのみ。
暑くて食欲がない様子だ。
「おはよう」
柑菜が起きてから約1時間後、のろのろと目をこすりながらリビングにやってくる春樹。
冷蔵庫からオレンジジュースを取り出して飲もうとする春樹に「歯は磨いた?」と柑菜は確認する。
以前に朝に歯を磨くとインフルエンザになる確率が低くなるとテレビで見てから、柑菜はそれを続けていた。
そのおかげか、ここ最近は風邪などをひかない。
「今日何時だっけ?」
オレンジジュースをいっぱい飲み終えた春樹は、今日のスケジュールを確認する。
「午後の1時だよ」
だらだらしていた柑菜は、一気に姿勢を正した。
今日は柑菜が心待ちにしていた、6人で海に行く日だ。
そこは所謂プライベートビーチで、櫻子の別荘がある。
もちろん今日は、その櫻子の別荘にみんなで泊まる。
すっかりと仲良くなった亜紀と美鈴が海に行きたいと言ったところから始まった今日の計画。
最初は女4人の計画だったが、男手が必要だと誰かが言い出し、結局6人になった。
「駅で待ち合わせだから、それまでに用意しないと」
「だな」
柑菜と春樹は、それぞれ準備をするために自分の部屋へと戻った。
「何持って行こう……」
そう考える柑菜とは正反対に、約5分で準備が完成する春樹。
柑菜は隠せぬ笑顔を浮かべて、まだ見ぬ夏のひと時を心待ちにするのだった。
「お待たせー」
春樹と柑菜が駅に着くと、すでにほかの4人は到着していて、2人は小走りで4人のもとへ向かう。
「じゃあ、行きますか」
美鈴が先頭になり、改札口を通り抜けた。
夏休みということもあって、駅には若者が溢れている。
みんな、この暑さに合わせてかなり薄着をしており、それでもなおアイスを食べたりうちわを仰いだりしていた。
亜紀も、持ってきた水を一口飲んで水分補給をする。
冷たい水がのどを潤し、身体にしみ込んでいくのが分かった。
電車に乗ると、特に席は決まっておらず各々好きなように座ろうと話し合った。
電車も席は空いているものの、6人連続でというものは当たり前のようになく、2人ずつ少し離れた席に座ることにした。
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