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5話
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「美鈴さんって、もしかしてですけど秋斗さんのこと好きだったりします?」
美鈴と亜紀は、女子の大好きな恋愛トークをし始めた。
それぞれ、お互いの会話は聞こえないところに座っている。
また、電車の中ということもありなるべく小さい声で話しているが、高校生の女子軍団らしき人々の話し声のおかげで、隣接する人以外にはほぼ聞こえない。
「亜紀ちゃんって、よく観察してるわよね」
美鈴は感心したように言った。
「やっぱり、そうなんですね」
この前の誕生日からなんとなく感じていたものの、どこか確信を得られなかった亜紀だったが、本人の口から聞くことによって納得する。
それと同時に、『どうしよう』という思いも感じ始めた。
自分の友達である柑菜、そして先輩の美鈴。どちらの恋も応援したい亜紀だけど、同じ人を好きだという2人の人間を同時に応援するのは不可能だ。
「先輩は、いつから好きなんですか?」
「だいぶ前。……でももう諦めるからいいの」
「なんで……絶対お似合いなのに」
「ある人にそう言われたから」
「ある人……? その人って絶対先輩のこと好きですよね、そんなこと言うなんて」
「そう、かしらねえ?」
美鈴は、斜めに見える春樹の顔をちらっと見た。
その春樹は、秋斗と一緒に座っていた。
「男同士で話すの、初めてですよね」
秋斗は春樹にそう言うとははっと笑う。
「そうですね」
「春樹さんも絵を描くんですよね」
「はい」
「いいですね、僕も絵を描いてみたいと時々思うんですよ。まあ、下手なので実際に描いたりはしないんですけど」
「秋斗さんは、あんなに美味しいお菓子を作れるじゃないですか」
「まあ……。そうですね、ありがとうございます」
春樹は、秋斗が柑菜や美鈴から好かれる理由がなんとなく分かる気がした。
話していると一切棘がなく、雰囲気も柔らかくすべてを受け入れてくれそうな感じ。
しかし、その秋斗は1人しかいない。
どちらかが幸せを掴めば、もう一方が苦しむことになる。
もしかしたら、どちらも幸せを掴めないなんて言う展開さえ出てきてしまうかもしれない。
春樹は、秋斗の横顔を見て『モテる人も楽そうじゃないな』と思うのであった。
美鈴と亜紀は、女子の大好きな恋愛トークをし始めた。
それぞれ、お互いの会話は聞こえないところに座っている。
また、電車の中ということもありなるべく小さい声で話しているが、高校生の女子軍団らしき人々の話し声のおかげで、隣接する人以外にはほぼ聞こえない。
「亜紀ちゃんって、よく観察してるわよね」
美鈴は感心したように言った。
「やっぱり、そうなんですね」
この前の誕生日からなんとなく感じていたものの、どこか確信を得られなかった亜紀だったが、本人の口から聞くことによって納得する。
それと同時に、『どうしよう』という思いも感じ始めた。
自分の友達である柑菜、そして先輩の美鈴。どちらの恋も応援したい亜紀だけど、同じ人を好きだという2人の人間を同時に応援するのは不可能だ。
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「だいぶ前。……でももう諦めるからいいの」
「なんで……絶対お似合いなのに」
「ある人にそう言われたから」
「ある人……? その人って絶対先輩のこと好きですよね、そんなこと言うなんて」
「そう、かしらねえ?」
美鈴は、斜めに見える春樹の顔をちらっと見た。
その春樹は、秋斗と一緒に座っていた。
「男同士で話すの、初めてですよね」
秋斗は春樹にそう言うとははっと笑う。
「そうですね」
「春樹さんも絵を描くんですよね」
「はい」
「いいですね、僕も絵を描いてみたいと時々思うんですよ。まあ、下手なので実際に描いたりはしないんですけど」
「秋斗さんは、あんなに美味しいお菓子を作れるじゃないですか」
「まあ……。そうですね、ありがとうございます」
春樹は、秋斗が柑菜や美鈴から好かれる理由がなんとなく分かる気がした。
話していると一切棘がなく、雰囲気も柔らかくすべてを受け入れてくれそうな感じ。
しかし、その秋斗は1人しかいない。
どちらかが幸せを掴めば、もう一方が苦しむことになる。
もしかしたら、どちらも幸せを掴めないなんて言う展開さえ出てきてしまうかもしれない。
春樹は、秋斗の横顔を見て『モテる人も楽そうじゃないな』と思うのであった。
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