69 / 82
10話
3
しおりを挟む「それより、柑菜ちゃん、秋斗さんへのクリスマスプレゼントはどうするの?」
「何が良いのかな……秋斗さんが欲しそうなものって思い浮かばない」
パテシエの秋斗に甘いものを贈ることは到底有り得ないだろうし、かと言ってなにか残るものをプレゼントするにはまだまだそこまでの関係ではない。
柑菜はいろいろとプレゼント候補になりそうなものを考えているが、なかなか良いものが思い浮かばないでいる。
「柑菜ちゃんが選ぶものなら、きっとなんでも嬉しいはずよ」
「えへへ、そうかな?」
「きっとそう」と、櫻子は本当に嬉しそうな笑顔を浮かべて柑菜の話を聞いていた。
そんな笑顔を見る柑菜は、心の中にある疑問を櫻子に問いてみたくなる。
「櫻子は……クリスマスどうするの?」
「私は、亜紀と過ごそうかしら」
ふふっと笑う櫻子だが、柑菜はその笑顔を見ると心がぎゅっとなる。
きっと、好きな人と過ごしたいはずなのに、それを必死で抑えつけて……。
「じゃあ、24日に私の家でクリスマスパーティーやらない? 去年みたいに! 去年は櫻子の家だったけれど、今年は私の家にしよう」
それならきっと、春樹と櫻子が一緒に過ごせるはず、そう柑菜は思う。
「迷惑じゃないかしら?」
「大丈夫だよ」
今日の夜にでも春樹にお願いをしようと思う柑菜。
それに、単純に今年のクリスマスも友達と過ごしたいと思っていた柑菜は、秋斗とのクリスマスだけじゃなく柑菜や亜紀とのクリスマスも心待ちにしている。
好きな人とのクリスマスもいいけれど、気の知れた仲間とのクリスマスも最高の日だ。
「今年も、プレゼント交換会する?」
「そうね、みんなプレゼントのセンスが良くて私もセンス磨かないと」
「櫻子のプレゼントも可愛いよ」
2人は、すっかりクリスマスの話題で盛り上がっている。
ちなみに、去年のプレゼントは腕時計や有名チョコレート店のチョコ詰め合わせだった。
そのうち、授業を終わらせるためのチャイムが校内に響き渡る。
楽しい話をするときは、時間があっという間に過ぎてしまうものだ。
「授業、行こっか」
チャイムと同時に、2人はラウンジを後にした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる