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告白される。
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「留衣ー! 今日から高校生だね私たち」
今までとは違う、まるで建てたばかりのような真新しい建物は、私たちが今日から通う学校だった。
朝から、入学を祝ってくれるような青い空に光っている太陽。
息を吸えば、ちょうどいい温度の風が体の中にはいってくる。
だけど。
変わらないものもある。
例えば、友人。3年のときから同じクラスで親友と呼べるほどに仲良くなった一華。
無事に同じ高校に入学して、なんと!
さっきクラスの表を確認したら同じクラスだった。
進学校で勉強に厳しいと聞いていたけれど、一華と一緒ならなんとかやっていけそう。
中靴に履き替えて、知らない顔ばかりの廊下を2人で歩く。
ときどき、中学の同級生がすれ違う。
「2人とも相変わらず仲良いね」
「まあね、しかも同じクラスなの」
「運命じゃん」
運命、なんて言葉を言い放って通り過ぎていく。
新しい校舎の、新しい空気。
張り詰められていて、息苦しかったらどうしようかと思っていたけれど、深呼吸をしたくなるほど軽い空気に心はほっと安心する。
「とりあえずあれだね。一か月後のテスト頑張らなきゃだね」
「ああ、うん、そうだった」
流石進学校、と教室に向かいながら空を見て思った。
教室に着くと、すでに多くの人で賑わっていた。
黒板に張られている座席表。
教室に来た人たちはそれを見て自分の席を確認している。
「留衣はどこー?」
「うんとね、あ、ここ。隣はまさかの蒼だよ」
「まじ、すごい腐れ縁。あ、わたしの斜め後ろじゃない?」
ちょうど教室の真ん中あたりの席。
どうせなら窓側がよかったなあ、なんて黒板から教室内に目を向けると、1人の男子学生と目が合う。
しかも、顔がすっごく整っている人。
その人はわたしのことをじっと見ていて、目を逸らさない。
「留衣、トイレ行かない? 入学式だし、トイレ行けないでしょ?」
「あ、うん」
一度一華に目を向けて、再び彼のことを見るとまた目が合った。
だからすぐに逸らした。
なにか、わたし変なことでも言ってたかな、もしかしてさっき廊下であの人の足踏んじゃったとか?
整った顔の無表情は美しいというよりも少し怖い。
荷物を置いて廊下に出ると、一華は「ねえねえ」と肩に手を置く。
「1人さ、めっちゃイケメンいたよね? 2列目の1番前に座ってた人」
ぱっと頭に浮かんだのはさっきの人。
2列目の、1番前。
それは確かにあの人の席。
「あ、うん、確かに。わたしもちらっと見たんだけど、すっごい顔整ってたよね」
「うんうん、いいなあ、彼と友達になりたい」
一華は胸の前で手を組んで目をこれ以上ないくらいに輝かせていた。
今までとは違う、まるで建てたばかりのような真新しい建物は、私たちが今日から通う学校だった。
朝から、入学を祝ってくれるような青い空に光っている太陽。
息を吸えば、ちょうどいい温度の風が体の中にはいってくる。
だけど。
変わらないものもある。
例えば、友人。3年のときから同じクラスで親友と呼べるほどに仲良くなった一華。
無事に同じ高校に入学して、なんと!
さっきクラスの表を確認したら同じクラスだった。
進学校で勉強に厳しいと聞いていたけれど、一華と一緒ならなんとかやっていけそう。
中靴に履き替えて、知らない顔ばかりの廊下を2人で歩く。
ときどき、中学の同級生がすれ違う。
「2人とも相変わらず仲良いね」
「まあね、しかも同じクラスなの」
「運命じゃん」
運命、なんて言葉を言い放って通り過ぎていく。
新しい校舎の、新しい空気。
張り詰められていて、息苦しかったらどうしようかと思っていたけれど、深呼吸をしたくなるほど軽い空気に心はほっと安心する。
「とりあえずあれだね。一か月後のテスト頑張らなきゃだね」
「ああ、うん、そうだった」
流石進学校、と教室に向かいながら空を見て思った。
教室に着くと、すでに多くの人で賑わっていた。
黒板に張られている座席表。
教室に来た人たちはそれを見て自分の席を確認している。
「留衣はどこー?」
「うんとね、あ、ここ。隣はまさかの蒼だよ」
「まじ、すごい腐れ縁。あ、わたしの斜め後ろじゃない?」
ちょうど教室の真ん中あたりの席。
どうせなら窓側がよかったなあ、なんて黒板から教室内に目を向けると、1人の男子学生と目が合う。
しかも、顔がすっごく整っている人。
その人はわたしのことをじっと見ていて、目を逸らさない。
「留衣、トイレ行かない? 入学式だし、トイレ行けないでしょ?」
「あ、うん」
一度一華に目を向けて、再び彼のことを見るとまた目が合った。
だからすぐに逸らした。
なにか、わたし変なことでも言ってたかな、もしかしてさっき廊下であの人の足踏んじゃったとか?
整った顔の無表情は美しいというよりも少し怖い。
荷物を置いて廊下に出ると、一華は「ねえねえ」と肩に手を置く。
「1人さ、めっちゃイケメンいたよね? 2列目の1番前に座ってた人」
ぱっと頭に浮かんだのはさっきの人。
2列目の、1番前。
それは確かにあの人の席。
「あ、うん、確かに。わたしもちらっと見たんだけど、すっごい顔整ってたよね」
「うんうん、いいなあ、彼と友達になりたい」
一華は胸の前で手を組んで目をこれ以上ないくらいに輝かせていた。
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