好きになっちゃ、ダメでしたか?

みー

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告白される。

2

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 入学式は無事に終わり、今日は授業もなく自己紹介で午前中が終わった。

 午後はなにもなく、あとは帰るだけ。

 一華と同じ電車に乗る。

 昼の電車は空いている。

「ねえ、このままどっかでお昼食べて行かない?」

 一華の提案に、頭を縦に振った。

「ああ、うん、いいかも」

 一華は早速連絡先を交換したクラスの人にメッセージを送っていた。

「ていうか、あのイケメン。神山春樹って言うんだね。春樹、かあ。たしかに春っぽいかも。でも、あの肌の白さ考えたら春樹より冬樹?」

「そ、そうかもね」



 自己紹介のときのことを思い出す。

 1人1人、その場で立って皆のほうに顔を向けて名前と適当に好きなものの紹介をしていった。

 彼の番が来たとき、1番前に座っている彼はくるりと身体の方向を変えてクラスメートを見た。

 クラスメートの女子たちが少しざわついたのを覚えている。

 なんとなく、彼の顔を見るのが怖くて視線を下に向けていた。

 でも、ふっと顔を上げて彼の顔を見ると。

 ばちり。

 やっぱり目が合った。
 
 強い視線。まるで、わたしだけに自己紹介をしているように感じる。

「もともとはこっちに住んでいたのですが、つい最近までは神奈川にいたので知り合いが全然いません。よろしければ、仲良くしてください」

 わたしの目を見ながら。

 彼は言う。

 整った顔で、奇麗な目でじっと見つめられたら心臓の鼓動がおかしいことになってしまう。

 よろしければ、仲良くしてください。

 自分だけに語りかけている?

 って、そんなことはない。

 彼が座った後も、心臓の鼓動の速さは相変わらずで、自分の自己紹介の番が来るまで顔を上げることができなかった。

「よーし、留衣はなに食べたい?」

「えーとね、わたしは」

 わたしたちの最寄りの駅の周辺は結構栄えていて、カフェとかレストランが多い。

 どこにしようかな、と空腹具合と今日の気分を考えながら街を見ているとき、ある人の姿が目にはいる。

「え」

「留衣?」

「あ、あの人」

「あの人って……って、神山春樹じゃん! もう、留衣あの人って。クラスメートだよ? あの人じゃかわいそうじゃん。あ、そうだ。友達欲しいって言ってたし、誘う?」

 一華は彼に近付こうとする。

 そんな一華の腕を掴んで、彼女の歩行を邪魔する。

「ちょ、ちょっと。あれはきっと、男友達が欲しいって意味だって。それに、わたしは、一華と2人がいいな? ね、リラックスできないし」

「ええ、そう? そんなに、わたしと2人がいいの?」

「そ、そう! 一華との時間邪魔されたくない!」

「もう、可愛いんだから」

 一華は彼から目を離してわたしの方を向くと、頭を思いきり撫でてきた。

 朝から今まで整っていた髪形は、一華の手によって一瞬でぐちゃぐちゃになってしまった。
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