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告白される。
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適当に近くのカフェにはいり、窓際の席に座った。
本当は、外から見えない席がよかったけれど昼の今は混雑していてそこしか空いていなかった。
ランチプレート。
ここから見えるみんなが、同じランチプレートを食べている。
わたしもこれでいいや、と思って外を見ると、目が合った。
「蒼」
「あれ、大野じゃん」
蒼は指を指しながら何かを言っている。
唇の動きを読もうとするけれど、読唇術を心得ていないわたしには全くと言っていいほど読み取ることができない。
そのとき、スマホが鳴る。
見ると、蒼からだった。
「そっち行っていい? ってメッセージきたんだけど」
「留衣はいいの?」
「え?」
「ほら、さっき私と2人がいいって言ってたじゃない? まあでも、大野だったらいっか」
蒼に向かって指で丸を作ると、蒼は目の前から消えてカフェの中へとはいってきた。
蒼は一華の隣に遠慮なく座ると「俺も同じやつ」と言った。
「同じやつって?」
「どうせ、ランチプレートだろ? ここのカフェってランチはランチプレートしかないし」
と、蒼はわたしよりもここのカフェに詳しいよう。
「良く知ってるね蒼」
「あれでしょ? デートに誘おうと思って下調べしてるんでしょ」
「な、なわけねえだろ」
「なに蒼。好きな人いるんだ。同じ高校? てか、あれか。同じ中学だよね。もしかして、高校も一緒?」
蒼は「好きなやつとかいねえから、まじで、嘘じゃなく。てことでこの話は終わりな」と勝手に話の幕を閉じてしまった。
「もともとはこっちに住んでいたのですが、つい最近までは神奈川にいたので知り合いが全然いません。よろしければ、仲良くしてください」
わたしの目を見ながら。
彼は言う。
整った顔で、奇麗な目でじっと見つめられたら心臓の鼓動がおかしいことになってしまう。
よろしければ、仲良くしてください。
自分だけに語りかけている?
って、そんなことはない。
彼が座った後も、心臓の鼓動の速さは相変わらずで、自分の自己紹介の番が来るまで顔を上げることができなかった。
「よーし、留衣はなに食べたい?」
「えーとね、わたしは」
わたしたちの最寄りの駅の周辺は結構栄えていて、カフェとかレストランが多い。
どこにしようかな、と空腹具合と今日の気分を考えながら街を見ているとき、ある人の姿が目にはいる。
「え」
「留衣?」
「あ、あの人」
「あの人って……って、神山春樹じゃん! もう、留衣あの人って。クラスメートだよ? あの人じゃかわいそうじゃん。あ、そうだ。友達欲しいって言ってたし、誘う?」
一華は彼に近付こうとする。
そんな一華の腕を掴んで、彼女の歩行を邪魔する。
「ちょ、ちょっと。あれはきっと、男友達が欲しいって意味だって。それに、わたしは、一華と2人がいいな? ね、リラックスできないし」
「ええ、そう? そんなに、わたしと2人がいいの?」
「そ、そう! 一華との時間邪魔されたくない!」
「もう、可愛いんだから」
一華は彼から目を離してわたしの方を向くと、頭を思いきり撫でてきた。
朝から今まで整っていた髪形は、一華の手によって一瞬でぐちゃぐちゃになってしまった。
本当は、外から見えない席がよかったけれど昼の今は混雑していてそこしか空いていなかった。
ランチプレート。
ここから見えるみんなが、同じランチプレートを食べている。
わたしもこれでいいや、と思って外を見ると、目が合った。
「蒼」
「あれ、大野じゃん」
蒼は指を指しながら何かを言っている。
唇の動きを読もうとするけれど、読唇術を心得ていないわたしには全くと言っていいほど読み取ることができない。
そのとき、スマホが鳴る。
見ると、蒼からだった。
「そっち行っていい? ってメッセージきたんだけど」
「留衣はいいの?」
「え?」
「ほら、さっき私と2人がいいって言ってたじゃない? まあでも、大野だったらいっか」
蒼に向かって指で丸を作ると、蒼は目の前から消えてカフェの中へとはいってきた。
蒼は一華の隣に遠慮なく座ると「俺も同じやつ」と言った。
「同じやつって?」
「どうせ、ランチプレートだろ? ここのカフェってランチはランチプレートしかないし」
と、蒼はわたしよりもここのカフェに詳しいよう。
「良く知ってるね蒼」
「あれでしょ? デートに誘おうと思って下調べしてるんでしょ」
「な、なわけねえだろ」
「なに蒼。好きな人いるんだ。同じ高校? てか、あれか。同じ中学だよね。もしかして、高校も一緒?」
蒼は「好きなやつとかいねえから、まじで、嘘じゃなく。てことでこの話は終わりな」と勝手に話の幕を閉じてしまった。
「もともとはこっちに住んでいたのですが、つい最近までは神奈川にいたので知り合いが全然いません。よろしければ、仲良くしてください」
わたしの目を見ながら。
彼は言う。
整った顔で、奇麗な目でじっと見つめられたら心臓の鼓動がおかしいことになってしまう。
よろしければ、仲良くしてください。
自分だけに語りかけている?
って、そんなことはない。
彼が座った後も、心臓の鼓動の速さは相変わらずで、自分の自己紹介の番が来るまで顔を上げることができなかった。
「よーし、留衣はなに食べたい?」
「えーとね、わたしは」
わたしたちの最寄りの駅の周辺は結構栄えていて、カフェとかレストランが多い。
どこにしようかな、と空腹具合と今日の気分を考えながら街を見ているとき、ある人の姿が目にはいる。
「え」
「留衣?」
「あ、あの人」
「あの人って……って、神山春樹じゃん! もう、留衣あの人って。クラスメートだよ? あの人じゃかわいそうじゃん。あ、そうだ。友達欲しいって言ってたし、誘う?」
一華は彼に近付こうとする。
そんな一華の腕を掴んで、彼女の歩行を邪魔する。
「ちょ、ちょっと。あれはきっと、男友達が欲しいって意味だって。それに、わたしは、一華と2人がいいな? ね、リラックスできないし」
「ええ、そう? そんなに、わたしと2人がいいの?」
「そ、そう! 一華との時間邪魔されたくない!」
「もう、可愛いんだから」
一華は彼から目を離してわたしの方を向くと、頭を思いきり撫でてきた。
朝から今まで整っていた髪形は、一華の手によって一瞬でぐちゃぐちゃになってしまった。
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