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始まりの夏
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「カイさんはどうしてカフェをやろうと思ったんですか?」
夜のほっとする時間に、カイさんはディナーを食べていて私はハーブティーを飲む。
「ハーブティーって、それぞれの効能がすごいんだ。だから、それを人に伝えないのは勿体ないと考えた。それで、まあ料理も好きだったし、カフェをやろうと思ったんだよ」
「いいですね」
「真由はなんか好きなことあるのか?」
「好きなこと、ですか……」
歌が好きで中学では合唱部に入っていたけれど、将来を考えるというほどかと考えるとそうでもない。
そもそも、そんなに歌が上手と言うわけでもないし……。
考えれば、私にはまだ、これ、といったものがない。
夏休み明けの3者面談でも、理系か文系かを決めなければならないのにまだそれすら迷っているし……。
私も、カイさんみたいにこれといったものを早く探したい。
自分のしたいことを見つけたい。
「どうした?」
「いえ、私にはまだカイさんのように誇れるものや好きなものがないなあと」
「そうだな……。それならとりあえずここにいる間はハーブについて学べばいいさ。きっと何かの役には立つ」
「はいっ、そうですね」
カモミールティーを飲むと、ほっと心が落ち着いて夜の睡眠前にはちょうどいい。カイさんの言う通り、とりあえずはハーブのことについてちゃんと勉強していこう。
「こんにちは」
「この前の……」
「今日ね、新作のお菓子を持ってきたの。それで、食べて欲しくて」
その人は、可愛らしい箱をカイさんに渡す。早速その中身をカイさんが確認すると、中にはパウンドケーキのようなものが入っていた。
「これは?」
「甘くないケーキ。あなたのところのバジルを使って作ってみたの」
「ケーク・サレですね」
「そう、まさに」
「ケーク・サレ?」
初めて聞く名前に、一体どんなものだろうと想像するけれど、甘くないケーキというのがなかなか思い浮かばない。
バジル味のケーキ?
「かぼちゃとさつまいもを混ぜて甘めにしてるんだけれど、そこにさっぱりとバジルの風味を合わせたのよ」
「真由、食べるか?」
「いいんですか?」
「ええもちろん。ぜひ食べてみて。美味しいか、率直な感想が欲しいの」
一口サイズに切ってくれたそれを口の中に入れると、バジルのいい香りとかぼちゃとさつまいもの優しい甘みが口の中に広まる。
ケーキなのに、甘さはほとんどその2つの野菜からで、とても風味が良い。
それに、スポンジケーキがしっとしりとしていて口の中の水分を奪わないから、すごく食べやすい。
「美味しいですっ」
「うん、確かに」
「よかったわ。これ、うちで売ってもいいかしら?」
「ああ、バジルなら結構大量にあるし、ちょうどいい」
「そうね、ちゃんとここの宣伝もするわ」
「ありがとうございます」
その人は、私にお店の地図をくれた。あとで行って、絶対このケーキを買おうと心に誓った。
夜のほっとする時間に、カイさんはディナーを食べていて私はハーブティーを飲む。
「ハーブティーって、それぞれの効能がすごいんだ。だから、それを人に伝えないのは勿体ないと考えた。それで、まあ料理も好きだったし、カフェをやろうと思ったんだよ」
「いいですね」
「真由はなんか好きなことあるのか?」
「好きなこと、ですか……」
歌が好きで中学では合唱部に入っていたけれど、将来を考えるというほどかと考えるとそうでもない。
そもそも、そんなに歌が上手と言うわけでもないし……。
考えれば、私にはまだ、これ、といったものがない。
夏休み明けの3者面談でも、理系か文系かを決めなければならないのにまだそれすら迷っているし……。
私も、カイさんみたいにこれといったものを早く探したい。
自分のしたいことを見つけたい。
「どうした?」
「いえ、私にはまだカイさんのように誇れるものや好きなものがないなあと」
「そうだな……。それならとりあえずここにいる間はハーブについて学べばいいさ。きっと何かの役には立つ」
「はいっ、そうですね」
カモミールティーを飲むと、ほっと心が落ち着いて夜の睡眠前にはちょうどいい。カイさんの言う通り、とりあえずはハーブのことについてちゃんと勉強していこう。
「こんにちは」
「この前の……」
「今日ね、新作のお菓子を持ってきたの。それで、食べて欲しくて」
その人は、可愛らしい箱をカイさんに渡す。早速その中身をカイさんが確認すると、中にはパウンドケーキのようなものが入っていた。
「これは?」
「甘くないケーキ。あなたのところのバジルを使って作ってみたの」
「ケーク・サレですね」
「そう、まさに」
「ケーク・サレ?」
初めて聞く名前に、一体どんなものだろうと想像するけれど、甘くないケーキというのがなかなか思い浮かばない。
バジル味のケーキ?
「かぼちゃとさつまいもを混ぜて甘めにしてるんだけれど、そこにさっぱりとバジルの風味を合わせたのよ」
「真由、食べるか?」
「いいんですか?」
「ええもちろん。ぜひ食べてみて。美味しいか、率直な感想が欲しいの」
一口サイズに切ってくれたそれを口の中に入れると、バジルのいい香りとかぼちゃとさつまいもの優しい甘みが口の中に広まる。
ケーキなのに、甘さはほとんどその2つの野菜からで、とても風味が良い。
それに、スポンジケーキがしっとしりとしていて口の中の水分を奪わないから、すごく食べやすい。
「美味しいですっ」
「うん、確かに」
「よかったわ。これ、うちで売ってもいいかしら?」
「ああ、バジルなら結構大量にあるし、ちょうどいい」
「そうね、ちゃんとここの宣伝もするわ」
「ありがとうございます」
その人は、私にお店の地図をくれた。あとで行って、絶対このケーキを買おうと心に誓った。
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