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第十二話 保護
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バチッバチバチ……
「ぐっ……はっ…」
朔真が電撃を浴びて、刀を床に立てて膝をつく。
(さすがに...キツイな)
魔力流動で電撃を軽減はしたが、身体の所々を電撃による火傷を負い、肩で息をする朔真。
そして、熊鬼は魔素が散ると同時に毛色が赤黒い色から茶色に変化する。
「これは……」
朔真が熊鬼と対峙したのを見て、美羽もマルスに対して魔法を放つ。
(どんな魔法を使うか分からないけど……まずは)
「“風輪”」
風を輪のようにして創り、マルスへ飛ばす。
(捕まえる!)
マルスは懐から琥珀色の宝玉のようなものを取り出し、自分の前方の床へ投げつけた。
琥珀色の宝玉が床にぶつかると割れ、そこから土の壁が形成され、風の輪が土の壁を捕らえて縛ると土の壁は崩壊した。
「束縛効果がある魔法でしたか」
マルスが拍子抜けしたように言う。
「土魔法?」
「あぁ…これはそこの来栖さんの研究成果の一つですよ…魔爆玉とでも言いましょうか!今のは土魔法を爆発させたんですよ」
美羽の不思議そうな顔を見て、マルスが気付いたように説明を始める。
「魔爆玉?」
そんな魔具は聞いたことがない美羽はさらに首をかしげる。
「魔法を込めた爆弾で使いきりの魔具です」
「そんなの聞いたことないよ!」
魔具…それは魔法の力を持った道具全般の事を指す。
収納箱もその一つである。
ただし、美羽が言うように魔具といっても魔法そのものを使える道具は存在しない。
魔法自体が人によって異なり、同じ火を扱う魔法でも使う人によって色や温度、形など異なる事がほとんどである。
故に魔具は魔力を込めたら、擦らずとも火が付き何度でも使えるマッチや、ガソリンや電気を使わず魔力を動力とした乗り物など本来の道具を魔力を使うことによって便利にする程度のものしかない。
魔爆玉のような規模の魔具はこの世界にはない。
「そうですね…これはこの世界の技術ではないですからね」
マルスは意味深に言う。
「それはどういう…」
美羽が聞こうとしたところで、美羽の後方10メートルの所の床が溶ける。
「どうやらクラストさん達が派手にやってるみたいですね」
(武豪さんとクラストさんの二人相手に渡り合える導士となると倉敷か加賀見か?……少々厄介ですね)
顔は笑みを浮かべつつも、内心舌打ちするマルス。
「あまりおしゃべりする時間がないようですので、見逃して貰えませんかね?」
マルスの提案に美羽は
「それは無理だよ!非人道的な事もしていたみたいだし、大人しく捕まって!」
拒否を伝える。
「では、仕方ありませんね」
マルスがいくつかの魔爆玉を放り投げる。
美羽が警戒して、風の結界を展開する。
魔爆玉が破裂し、爆発を起こして床を破壊する。
下の階の舞、武豪、クラストが爆発で崩れた破片を防いでいる姿が見える。
「いきなり天井を破壊するとか止めて欲しいのだがね」
酸の魔法で自身の周りの瓦礫を溶かして防いだクラストが見上げながら、マルスに愚痴をいう。
「あなた方が手こずっているからです」
マルスが見下ろしながら、呆れるようにクラストに返答する。
「良いところだったのによぉ!」
武豪が舌打ちし、文句を言う。
(来ていたのは倉敷でしたか)
舞の姿を確認し、
「時間を掛けすぎましたので、ここは捨てて撤退しますよ!」
マルスが暗に武豪とクラストが遊び過ぎだという意味を込め、撤退を宣言する。
「あの少女は良いのか?」
クラストが少女が朔真の方にいるのを見て訊く。
「惜しいですが、それなりに成果もありましたので良いでしょう」
少し残念そうに答え、マルスが下の階に飛び降りる。
「逃がさないよ!“風刃”!」
「…逃がさない“氷柱舞”」
美羽と舞が同時に魔法を放つ。
上階からは美羽の風の刃、地面からは舞の多数の氷柱がマルスたち三人に襲い掛かる。
「ハッ!!“重鎧”オラッ!!」
「“酸の波”」
武豪は一瞬で重厚な鎧を纏い、風の刃を弾き飛ばし、クラストは酸の波を起こし、氷柱を溶かした。
「朔真!!」
熊鬼を倒し、片膝を着いている朔真に美羽が叫ぶ。
朔真が腰から長さ10センチほどの棒手裏剣を数本取り出し、マルスに向けて投擲する。
マルスは結界で防ごうとしたが、それより早く棒手裏剣がマルスの頬を掠めた。
朔真が二投目を投げようとしたところで、マルスの横にクラストと武豪が集まる。
「では、【シンフォニア】の皆さん、またどこかで!」
マルスがにこやかに手を振ると同時に三人は下に落ちていった。
美羽が飛び降りて追おうとしたが、舞が手で制して止めた。
「先に…保護が優先……」
朔真が立ち上がり、少女に近付く。
「ぅ…ん……」
まだ気を失っているが怪我をしている様子がないのを確認して、
「美羽、この子を頼む」
近付いてきた美羽に少女の事を任せた。
そして、隠れている来栖へと近付く。
すでに舞が来栖にこれからについてを話していた。
「まず……ギルドに…連れてく」
舞がそう告げるのを来栖は俯いたまま、小さく頷く。
(だいぶ参ってるみたいだな…)
「朔真…焦げてる」
「さすがに電撃は防ぎきれなかったので、こんなもんで済んで良かったです」
舞の言葉に問題なく動ける仕草をして答える朔真。
「この子も大丈夫そうだから、このまま連れていくね」
美羽が少女を風で浮かせて、連れながら言う。
そして、舞、朔真、美羽は少女、来栖を連れて『シンフォニア』のギルドハウスへと帰還した。
「お疲れ様です!まずは、救出したこの子をアリスさんの所へ!朔真さんもアリスさんの所で治療を浮けてきてください」
ギルドハウスに戻るなり、さゆりがすぐに指示を出す。
戻りながら舞が連絡して、簡易報告は済ませていたため、明け方にも関わらず、さゆりだけではなく全員が朔真たちを出迎えた。
来栖は舞と逸平から事情聴取を受けることとなった。
公的機関の警察はあるが、同程度の資格を持つ者がいればギルドでも事情聴取を行うなどの裁量権を与えられている。
【シンフォニア】では、逸平が警察の資格を取得している。
「電撃を直接受けるなんて無茶をするわね!」
楓が呆れるのに対して、
「一瞬なら上手く逃がせば、死ぬことはないと思ってな」
朔真が苦笑いを浮かべる。
「それでも、大怪我するなら無理したらダメだよ!」
そんな朔真を美羽が叱る。
「そうだよ!アリスさんが治してくれたから良かったけど、危険だよ!」
信輔も強い口調で言う。
「まぁ、無事だったし良いだろ」
朔真の言葉にその場にいた、楓、美羽、信輔、レオナルドが、
「「「「ダメ(だよ)(よ)(だろ)!!」」」」
声を揃えて言った。
その日の昼過ぎ、保護した少女が目を覚ました。
「……」
少女は状況を理解できず、ボーッとしながらも辺りを見回す。
「ここは?」
少女の声にアリスが気付き、少女に近寄る。
「ここは【シンフォニア】の医務室よ…あなたは研究施設から保護されたの」
アリスが優しく少女に伝える。
少女は驚き、気を失う前に見た熊鬼や来栖について聞いた。
アリスが何があったのかを少女に伝え、一段落したところでアリスが少女に尋ねる。
「あなた、名前は?」
「…わたしはリンカ……リンカ・フィンドール」
銀髪の少女、リンカの答えにアリスが内心驚く。
(つまり、この子はフィンドール家の娘さんなのね)
「わたしはお家に帰れる?お母さんに会える?」
リンカが不安そうな顔をアリスに向ける。
(きっとリンカちゃんの家は……)
アリスが答えに悩んでいると、
「お家は分かりませんが、お母さんには会えますよ」
さゆりが医務室に入ってきて告げた。
「今会えるように準備をしていますので、もう少しだけ待ってくださいね!」
さゆりが笑顔をリンカに向け、リンカは少し安堵した顔をする。
「お母さんに会うためにリンカちゃんは、休んで体力を戻さないとね!」
アリスが前向きな言葉をリンカに投げかけ、
「うん」
リンカが頷いた。
(母親に会うことでリンカさんには辛い選択をさせてしまうかもしれないですね)
部屋を出たさゆりは一人憂うのだった。
「ぐっ……はっ…」
朔真が電撃を浴びて、刀を床に立てて膝をつく。
(さすがに...キツイな)
魔力流動で電撃を軽減はしたが、身体の所々を電撃による火傷を負い、肩で息をする朔真。
そして、熊鬼は魔素が散ると同時に毛色が赤黒い色から茶色に変化する。
「これは……」
朔真が熊鬼と対峙したのを見て、美羽もマルスに対して魔法を放つ。
(どんな魔法を使うか分からないけど……まずは)
「“風輪”」
風を輪のようにして創り、マルスへ飛ばす。
(捕まえる!)
マルスは懐から琥珀色の宝玉のようなものを取り出し、自分の前方の床へ投げつけた。
琥珀色の宝玉が床にぶつかると割れ、そこから土の壁が形成され、風の輪が土の壁を捕らえて縛ると土の壁は崩壊した。
「束縛効果がある魔法でしたか」
マルスが拍子抜けしたように言う。
「土魔法?」
「あぁ…これはそこの来栖さんの研究成果の一つですよ…魔爆玉とでも言いましょうか!今のは土魔法を爆発させたんですよ」
美羽の不思議そうな顔を見て、マルスが気付いたように説明を始める。
「魔爆玉?」
そんな魔具は聞いたことがない美羽はさらに首をかしげる。
「魔法を込めた爆弾で使いきりの魔具です」
「そんなの聞いたことないよ!」
魔具…それは魔法の力を持った道具全般の事を指す。
収納箱もその一つである。
ただし、美羽が言うように魔具といっても魔法そのものを使える道具は存在しない。
魔法自体が人によって異なり、同じ火を扱う魔法でも使う人によって色や温度、形など異なる事がほとんどである。
故に魔具は魔力を込めたら、擦らずとも火が付き何度でも使えるマッチや、ガソリンや電気を使わず魔力を動力とした乗り物など本来の道具を魔力を使うことによって便利にする程度のものしかない。
魔爆玉のような規模の魔具はこの世界にはない。
「そうですね…これはこの世界の技術ではないですからね」
マルスは意味深に言う。
「それはどういう…」
美羽が聞こうとしたところで、美羽の後方10メートルの所の床が溶ける。
「どうやらクラストさん達が派手にやってるみたいですね」
(武豪さんとクラストさんの二人相手に渡り合える導士となると倉敷か加賀見か?……少々厄介ですね)
顔は笑みを浮かべつつも、内心舌打ちするマルス。
「あまりおしゃべりする時間がないようですので、見逃して貰えませんかね?」
マルスの提案に美羽は
「それは無理だよ!非人道的な事もしていたみたいだし、大人しく捕まって!」
拒否を伝える。
「では、仕方ありませんね」
マルスがいくつかの魔爆玉を放り投げる。
美羽が警戒して、風の結界を展開する。
魔爆玉が破裂し、爆発を起こして床を破壊する。
下の階の舞、武豪、クラストが爆発で崩れた破片を防いでいる姿が見える。
「いきなり天井を破壊するとか止めて欲しいのだがね」
酸の魔法で自身の周りの瓦礫を溶かして防いだクラストが見上げながら、マルスに愚痴をいう。
「あなた方が手こずっているからです」
マルスが見下ろしながら、呆れるようにクラストに返答する。
「良いところだったのによぉ!」
武豪が舌打ちし、文句を言う。
(来ていたのは倉敷でしたか)
舞の姿を確認し、
「時間を掛けすぎましたので、ここは捨てて撤退しますよ!」
マルスが暗に武豪とクラストが遊び過ぎだという意味を込め、撤退を宣言する。
「あの少女は良いのか?」
クラストが少女が朔真の方にいるのを見て訊く。
「惜しいですが、それなりに成果もありましたので良いでしょう」
少し残念そうに答え、マルスが下の階に飛び降りる。
「逃がさないよ!“風刃”!」
「…逃がさない“氷柱舞”」
美羽と舞が同時に魔法を放つ。
上階からは美羽の風の刃、地面からは舞の多数の氷柱がマルスたち三人に襲い掛かる。
「ハッ!!“重鎧”オラッ!!」
「“酸の波”」
武豪は一瞬で重厚な鎧を纏い、風の刃を弾き飛ばし、クラストは酸の波を起こし、氷柱を溶かした。
「朔真!!」
熊鬼を倒し、片膝を着いている朔真に美羽が叫ぶ。
朔真が腰から長さ10センチほどの棒手裏剣を数本取り出し、マルスに向けて投擲する。
マルスは結界で防ごうとしたが、それより早く棒手裏剣がマルスの頬を掠めた。
朔真が二投目を投げようとしたところで、マルスの横にクラストと武豪が集まる。
「では、【シンフォニア】の皆さん、またどこかで!」
マルスがにこやかに手を振ると同時に三人は下に落ちていった。
美羽が飛び降りて追おうとしたが、舞が手で制して止めた。
「先に…保護が優先……」
朔真が立ち上がり、少女に近付く。
「ぅ…ん……」
まだ気を失っているが怪我をしている様子がないのを確認して、
「美羽、この子を頼む」
近付いてきた美羽に少女の事を任せた。
そして、隠れている来栖へと近付く。
すでに舞が来栖にこれからについてを話していた。
「まず……ギルドに…連れてく」
舞がそう告げるのを来栖は俯いたまま、小さく頷く。
(だいぶ参ってるみたいだな…)
「朔真…焦げてる」
「さすがに電撃は防ぎきれなかったので、こんなもんで済んで良かったです」
舞の言葉に問題なく動ける仕草をして答える朔真。
「この子も大丈夫そうだから、このまま連れていくね」
美羽が少女を風で浮かせて、連れながら言う。
そして、舞、朔真、美羽は少女、来栖を連れて『シンフォニア』のギルドハウスへと帰還した。
「お疲れ様です!まずは、救出したこの子をアリスさんの所へ!朔真さんもアリスさんの所で治療を浮けてきてください」
ギルドハウスに戻るなり、さゆりがすぐに指示を出す。
戻りながら舞が連絡して、簡易報告は済ませていたため、明け方にも関わらず、さゆりだけではなく全員が朔真たちを出迎えた。
来栖は舞と逸平から事情聴取を受けることとなった。
公的機関の警察はあるが、同程度の資格を持つ者がいればギルドでも事情聴取を行うなどの裁量権を与えられている。
【シンフォニア】では、逸平が警察の資格を取得している。
「電撃を直接受けるなんて無茶をするわね!」
楓が呆れるのに対して、
「一瞬なら上手く逃がせば、死ぬことはないと思ってな」
朔真が苦笑いを浮かべる。
「それでも、大怪我するなら無理したらダメだよ!」
そんな朔真を美羽が叱る。
「そうだよ!アリスさんが治してくれたから良かったけど、危険だよ!」
信輔も強い口調で言う。
「まぁ、無事だったし良いだろ」
朔真の言葉にその場にいた、楓、美羽、信輔、レオナルドが、
「「「「ダメ(だよ)(よ)(だろ)!!」」」」
声を揃えて言った。
その日の昼過ぎ、保護した少女が目を覚ました。
「……」
少女は状況を理解できず、ボーッとしながらも辺りを見回す。
「ここは?」
少女の声にアリスが気付き、少女に近寄る。
「ここは【シンフォニア】の医務室よ…あなたは研究施設から保護されたの」
アリスが優しく少女に伝える。
少女は驚き、気を失う前に見た熊鬼や来栖について聞いた。
アリスが何があったのかを少女に伝え、一段落したところでアリスが少女に尋ねる。
「あなた、名前は?」
「…わたしはリンカ……リンカ・フィンドール」
銀髪の少女、リンカの答えにアリスが内心驚く。
(つまり、この子はフィンドール家の娘さんなのね)
「わたしはお家に帰れる?お母さんに会える?」
リンカが不安そうな顔をアリスに向ける。
(きっとリンカちゃんの家は……)
アリスが答えに悩んでいると、
「お家は分かりませんが、お母さんには会えますよ」
さゆりが医務室に入ってきて告げた。
「今会えるように準備をしていますので、もう少しだけ待ってくださいね!」
さゆりが笑顔をリンカに向け、リンカは少し安堵した顔をする。
「お母さんに会うためにリンカちゃんは、休んで体力を戻さないとね!」
アリスが前向きな言葉をリンカに投げかけ、
「うん」
リンカが頷いた。
(母親に会うことでリンカさんには辛い選択をさせてしまうかもしれないですね)
部屋を出たさゆりは一人憂うのだった。
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