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34.天使王を打ち滅し、新人冒険者が迷宮の覇者となる快挙を実現する
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振り抜かれた七死刀は、天使王を密かに守護していた防御魔法を打ち壊し、その体を引き裂いた。
七死刀の力は絶大である。
名前にある通り、斬った相手に七回の死をもたらすほどの攻撃力を持つのはもちろんのこと、実は備えている特殊能力もすさまじい。
七死刀を手に入れたばかりの頃はともかく、今のグライクには、この刀に秘められた力が完全に把握できていた。
【七死刀】
攻撃力:+99(×7)
等級:神話
解説:古代の魔神が携えていた神器。斬った相手が七回死ぬほどの攻撃力を持つ。特に存在級位が高ければ高い相手であるほど強い。あらゆる防御を無効化できる。斬った相手の魂を奪い、所持者に与える。
第四階層にて、この七死刀でリッチを斬ったグライクは、その魂を手に入れていた。
古代の魔王の魂は、神にも迫る偉大さを持つ。それを吸収したグライクは、まさに伝説的存在、すなわちレジェンドの領域に達していたのだ。
対する天使王もまた伝説的存在であり、本来は同格であったのだが、不死王の冠を被らされたことによりその 存在級位は凋落させられ、もはやグライクの相手とはなり得なかった。
ましてや、七死刀という神話等級の武具の前では、一撃のもとに滅び去るほかない。
「バ、馬鹿ナ……コノ私ヲ……人間ゴトキガーーガガガガ……」
そして、天使王の魂もまた、グライクに吸収されていく。
古代の魔王すら上回る天使王の魂の力が加わって、グライクの全身にかつてないほどの魔力が発生した。
それはこれまでのグライクという存在を上書きし、次元を突破させる――文字通り、世界を超越する権利を与える。
「みんな、お待たせ。ちょっとてこずったけど、ちゃんと倒せたよ」
「す、すごいニャ……全然ついていけなかったニャ」
「若様、とんでもないことを……いえ、若様のなさることは、何であれこのヤマトナは応援いたします」
そうしてグライクは仲間たちに向けていた顔の向きを変え、静かに立っている魔精に語り掛ける。
「ズーニー、君はもう自由だ。俺たちと一緒に行かない?」
「……ありがとう。まさかこんなことが現実になるなんて、夢にも思いませんでした。我が王、我が主、私はどこまでも貴方様についてまいります」
「そんな堅苦しい言葉遣いはやめてよ、仲間なんだから」
「はい、我が主」
「全然分かってないね」
「うふふふっ」
ニコッと悪戯に微笑んだズーニーは、以前の幼い姿の頃のような奔放さを感じさせた。
ともあれ、こうしてグライクの願いは全て叶えられ、見事に迷宮を完全制覇することに成功したのだった。
新人冒険者が初挑戦で迷宮を攻略するという前代未聞の快挙は、すぐさま国を越えて伝わっていった。
驚愕と称賛をもって人々が次の動向に注目する中、しばらくの間、当のグライクは自らの力について理解を深めることを優先して過ごした。
以前の自分とは明らかに違う、超越的な力。
それも当然である。
実は、天使王の作り出したキミョウナ迷宮は、この世界に存在するあらゆる迷宮の中でも最高難度を誇った。
そんな迷宮を制覇して伝説的存在となった今のグライクは、もはやこの世界では収まりきらない。
必然、次なる冒険の舞台は、ある場所のみに絞られていた。
七死刀の力は絶大である。
名前にある通り、斬った相手に七回の死をもたらすほどの攻撃力を持つのはもちろんのこと、実は備えている特殊能力もすさまじい。
七死刀を手に入れたばかりの頃はともかく、今のグライクには、この刀に秘められた力が完全に把握できていた。
【七死刀】
攻撃力:+99(×7)
等級:神話
解説:古代の魔神が携えていた神器。斬った相手が七回死ぬほどの攻撃力を持つ。特に存在級位が高ければ高い相手であるほど強い。あらゆる防御を無効化できる。斬った相手の魂を奪い、所持者に与える。
第四階層にて、この七死刀でリッチを斬ったグライクは、その魂を手に入れていた。
古代の魔王の魂は、神にも迫る偉大さを持つ。それを吸収したグライクは、まさに伝説的存在、すなわちレジェンドの領域に達していたのだ。
対する天使王もまた伝説的存在であり、本来は同格であったのだが、不死王の冠を被らされたことによりその 存在級位は凋落させられ、もはやグライクの相手とはなり得なかった。
ましてや、七死刀という神話等級の武具の前では、一撃のもとに滅び去るほかない。
「バ、馬鹿ナ……コノ私ヲ……人間ゴトキガーーガガガガ……」
そして、天使王の魂もまた、グライクに吸収されていく。
古代の魔王すら上回る天使王の魂の力が加わって、グライクの全身にかつてないほどの魔力が発生した。
それはこれまでのグライクという存在を上書きし、次元を突破させる――文字通り、世界を超越する権利を与える。
「みんな、お待たせ。ちょっとてこずったけど、ちゃんと倒せたよ」
「す、すごいニャ……全然ついていけなかったニャ」
「若様、とんでもないことを……いえ、若様のなさることは、何であれこのヤマトナは応援いたします」
そうしてグライクは仲間たちに向けていた顔の向きを変え、静かに立っている魔精に語り掛ける。
「ズーニー、君はもう自由だ。俺たちと一緒に行かない?」
「……ありがとう。まさかこんなことが現実になるなんて、夢にも思いませんでした。我が王、我が主、私はどこまでも貴方様についてまいります」
「そんな堅苦しい言葉遣いはやめてよ、仲間なんだから」
「はい、我が主」
「全然分かってないね」
「うふふふっ」
ニコッと悪戯に微笑んだズーニーは、以前の幼い姿の頃のような奔放さを感じさせた。
ともあれ、こうしてグライクの願いは全て叶えられ、見事に迷宮を完全制覇することに成功したのだった。
新人冒険者が初挑戦で迷宮を攻略するという前代未聞の快挙は、すぐさま国を越えて伝わっていった。
驚愕と称賛をもって人々が次の動向に注目する中、しばらくの間、当のグライクは自らの力について理解を深めることを優先して過ごした。
以前の自分とは明らかに違う、超越的な力。
それも当然である。
実は、天使王の作り出したキミョウナ迷宮は、この世界に存在するあらゆる迷宮の中でも最高難度を誇った。
そんな迷宮を制覇して伝説的存在となった今のグライクは、もはやこの世界では収まりきらない。
必然、次なる冒険の舞台は、ある場所のみに絞られていた。
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