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本編
27.白医者3
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森のだいぶ奥まで行くと、そこにあったのは一軒のログハウスだった。手作り感があるけどなかなか立派なもんで、こんな家に住みたいなーと思わせる良い家だ。
「ここに、その治療師が住んでるだな?」
当然そう思って俺が尋ねると、ゴズは鼻を鳴らして答える。なんじゃ、いちいち気分の悪い反応を。
「いいや、ここにはいない。用心深い奴でな。目的の家はもうもうちょっと奥に行ったところにある。まだ歩くから、一旦ここで休憩しようではないか」
それだけ言って、ゴズはログハウスの中に入っていく。あん? じゃあここはなんなんだ?
それにメズも続き、アビと俺もそうする。
家の中は外見同様立派なもんだったが、あんまり使われていないしく、少し埃っぽくて残念な感じだ。ま、綺麗好きな現代地球と違うこの世界じゃフツーの範疇だけど。
「適当にかけてくれ。茶を淹れてくる」
ギルドマスターのメズに気を遣ったのか、ゴスが雑用をやるようだ。俺とアビも遠慮なく座らせてもらい、待つことにする。
見回してみると、飾られているものから得られる特段の情報もなく、ここがなんなのか益々よく分からなくなってくる。
「ここのことが気になっているようですね。説明もせず、失礼しました」
俺が首を傾げているのを察したのか、声をかけてきたのはメズだ。おう、聞かせてもらおうやんけ。
「ここは我々がセーフハウスと呼んでいる、冒険者ギルドの施設です。匿う必要のある人や隔離したい人などをここで保護するのです」
「じゃあ今回狙われている治療師とやらもここにいるべきだなんじゃないの?」
俺の当然の疑問に、メズは首を横に振って答える。
「普段ならそうするのですが、彼女の家の方がずっと奥にあるんです。なので、むしろそのまま家にいてもらった方が安全と考えまして」
「無論、向こうには我々の護衛が付いている。そう簡単にやられはせんだろう」
奥からティーポッドを運んできたゴスが補足する。やたら淹れるの早いな。
手早く四人分のカップに注いで、それを回してひと息入れる……あん? 何か違和感が……これは……
「お味はいかがですか? ゴズはいれるのが上手と評判なんです。人は見かけによらないものですね?」
「いやいや、褒められるほどじゃありません」
妙な感じに微笑みながら言ったメズに、ゴスが嫌そうに答える。こんなゴツいのに手先は器用なんかしらん? 確かになかなかのお味だ。
ふと横のアビを見ると、やっぱりなんか違和感があったようで変な顔をしていた。だよね? これ、なんだろか。
しばらくそうして休んで、俺達は出発することにする。この先数時間だそうで、日のあるうちに着きたいし、モンスターが出ることも考えると急いだ方がいい。
***
「おらよっと!」
前後から挟んで襲ってきた猿のモンスター・ダークモンキーズを、前はゴズの斧が、後ろは俺が魔剣でぶった斬る。素早さと攻撃力はまずまずだが、防御はさっぱりなんで片付けるのも軽いもんだわ。
てか、この森のモンスターって、攻め全振りで守りは紙なのばっかだな。
森を行く途中で何度か、こんな感じでモンスターに襲われたが、北海岸の洞窟でイフリートのマリードを斬り伏せてきた俺には、まるで相手にならん。
ゴズも相変わらず全く危なげない戦いぶりだったけど、俺の戦いを見る目はかなりビビりが入ってた。冒険者なりたてのD級ライセンスの俺がこんなとは思わなかったんだろう。へん、見たかってんだ。
「素晴らしい腕前ですね。これほどまでとは思いませんでしたよ……本当に」
それにしても、メズの褒め方は気持ちいいね。すっと心に入ってくるよ。なんてことない言葉なのに、ちょっとおかしいくらいだ……うん、なんかおかしい。やっぱおかしい。
「いやいやそれほどでも。アビもなかなかのもんなんだけどね」
そう言ってアビを見ると、なんだか顔色が青くて具合が悪そうだ。そういえばさっきから全然戦いに参加してないし、フラフラしてる。
「おいおい、大丈夫か? 水飲む?」
そう言って近づくと、アビはちょっとだけこっちに首を向けて、それから崩れ落ちるように倒れてしまった。
「アビ? アビ! おい、しっかりしろ!」
慌てて抱き止めると、汗びっしょりでかなり体温が高い。おいおい、まじでヤバそうだ。
「おい、一回戻ろう! なんか変な病気になったかも!」
「その必要はありません。目的地はもうすぐそこですから」
やけに落ち着いた声でメズは言った。あん? なんだ、この態度は。こちとら大事なパーティメンバーが倒れてんだぞ。
イラっとして声を出そうとした時、俺の心臓がバクンと強く鳴った……あれ?
「ようやく効いてきたようですね。まったく、私の【魅了】も効かないようですし、冷や冷やしましたよ」
頭がガンガンしてきて、メズから何を言われているのか理解できない。あ、俺もかなり汗だくになってる。
「一服……盛った……な……」
そこまで言って、俺の意識は途絶えた。
「ここに、その治療師が住んでるだな?」
当然そう思って俺が尋ねると、ゴズは鼻を鳴らして答える。なんじゃ、いちいち気分の悪い反応を。
「いいや、ここにはいない。用心深い奴でな。目的の家はもうもうちょっと奥に行ったところにある。まだ歩くから、一旦ここで休憩しようではないか」
それだけ言って、ゴズはログハウスの中に入っていく。あん? じゃあここはなんなんだ?
それにメズも続き、アビと俺もそうする。
家の中は外見同様立派なもんだったが、あんまり使われていないしく、少し埃っぽくて残念な感じだ。ま、綺麗好きな現代地球と違うこの世界じゃフツーの範疇だけど。
「適当にかけてくれ。茶を淹れてくる」
ギルドマスターのメズに気を遣ったのか、ゴスが雑用をやるようだ。俺とアビも遠慮なく座らせてもらい、待つことにする。
見回してみると、飾られているものから得られる特段の情報もなく、ここがなんなのか益々よく分からなくなってくる。
「ここのことが気になっているようですね。説明もせず、失礼しました」
俺が首を傾げているのを察したのか、声をかけてきたのはメズだ。おう、聞かせてもらおうやんけ。
「ここは我々がセーフハウスと呼んでいる、冒険者ギルドの施設です。匿う必要のある人や隔離したい人などをここで保護するのです」
「じゃあ今回狙われている治療師とやらもここにいるべきだなんじゃないの?」
俺の当然の疑問に、メズは首を横に振って答える。
「普段ならそうするのですが、彼女の家の方がずっと奥にあるんです。なので、むしろそのまま家にいてもらった方が安全と考えまして」
「無論、向こうには我々の護衛が付いている。そう簡単にやられはせんだろう」
奥からティーポッドを運んできたゴスが補足する。やたら淹れるの早いな。
手早く四人分のカップに注いで、それを回してひと息入れる……あん? 何か違和感が……これは……
「お味はいかがですか? ゴズはいれるのが上手と評判なんです。人は見かけによらないものですね?」
「いやいや、褒められるほどじゃありません」
妙な感じに微笑みながら言ったメズに、ゴスが嫌そうに答える。こんなゴツいのに手先は器用なんかしらん? 確かになかなかのお味だ。
ふと横のアビを見ると、やっぱりなんか違和感があったようで変な顔をしていた。だよね? これ、なんだろか。
しばらくそうして休んで、俺達は出発することにする。この先数時間だそうで、日のあるうちに着きたいし、モンスターが出ることも考えると急いだ方がいい。
***
「おらよっと!」
前後から挟んで襲ってきた猿のモンスター・ダークモンキーズを、前はゴズの斧が、後ろは俺が魔剣でぶった斬る。素早さと攻撃力はまずまずだが、防御はさっぱりなんで片付けるのも軽いもんだわ。
てか、この森のモンスターって、攻め全振りで守りは紙なのばっかだな。
森を行く途中で何度か、こんな感じでモンスターに襲われたが、北海岸の洞窟でイフリートのマリードを斬り伏せてきた俺には、まるで相手にならん。
ゴズも相変わらず全く危なげない戦いぶりだったけど、俺の戦いを見る目はかなりビビりが入ってた。冒険者なりたてのD級ライセンスの俺がこんなとは思わなかったんだろう。へん、見たかってんだ。
「素晴らしい腕前ですね。これほどまでとは思いませんでしたよ……本当に」
それにしても、メズの褒め方は気持ちいいね。すっと心に入ってくるよ。なんてことない言葉なのに、ちょっとおかしいくらいだ……うん、なんかおかしい。やっぱおかしい。
「いやいやそれほどでも。アビもなかなかのもんなんだけどね」
そう言ってアビを見ると、なんだか顔色が青くて具合が悪そうだ。そういえばさっきから全然戦いに参加してないし、フラフラしてる。
「おいおい、大丈夫か? 水飲む?」
そう言って近づくと、アビはちょっとだけこっちに首を向けて、それから崩れ落ちるように倒れてしまった。
「アビ? アビ! おい、しっかりしろ!」
慌てて抱き止めると、汗びっしょりでかなり体温が高い。おいおい、まじでヤバそうだ。
「おい、一回戻ろう! なんか変な病気になったかも!」
「その必要はありません。目的地はもうすぐそこですから」
やけに落ち着いた声でメズは言った。あん? なんだ、この態度は。こちとら大事なパーティメンバーが倒れてんだぞ。
イラっとして声を出そうとした時、俺の心臓がバクンと強く鳴った……あれ?
「ようやく効いてきたようですね。まったく、私の【魅了】も効かないようですし、冷や冷やしましたよ」
頭がガンガンしてきて、メズから何を言われているのか理解できない。あ、俺もかなり汗だくになってる。
「一服……盛った……な……」
そこまで言って、俺の意識は途絶えた。
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