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本編
36.天使と悪魔3
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目も開けられないくらいの光の中、ジッと目を凝らして天を見据える。
そこにいたのは、まさしく天使……なのか? いや、確かに俺が知ってる天使っぽい形ではある。が、なんとなく禍々しい感じもする。この世界の天使ってこういうものなのだろうか。
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そいつの口から出てきたのは、全く意味の分からん、言葉というより音の羅列だった。
クマさんを見ても同じく呆然としているので、そう聞こえたのが俺だけじゃないのは間違いない。
しかし、メズはブツブツ言ってたのをやめ、その天使を見上げてめ出す。
「おおお、天使様! 天使様自らご降臨されるとは! ああ、崇めよ、崇めよ!!」
うーん、あんまり変わってなかった。ヤバそうな精神状態のまんまだ。
と、そのメズの様子がなんだかおかしい。いや雰囲気がおかしいのはずっとなんだけど、やおら全身が光り始め、輪郭がぼやけ出したのだ。なんじゃい!
「奇跡、奇セキが、コノ身に降りてキテイル! オオオヲヲヲ!」
喋る言葉も発音が変だ。こりゃ、天使の仕業だな。
天使をキッと睨みつけ、目に魔力を込めて何をしているか見定める。すると、呪文を唱えているらしいと分かった。
なんだか分からんが、怪しい行動は止めるしかあるまい!
そう決めて、俺は地を蹴って飛び上がる。ソッコーで天使の目の前まで到達し、魔剣を振りかぶって一撃を加えようとした、その時ーー
「っ! うおおお!」
下から撃ち上げられた魔術の光を、慌てて魔剣で防ぐ。
光の魔術! とんでもない速さと威力だ。今のタイミング、俺じゃなきゃ直撃だったろうさ。
天使への攻撃は諦め、地面に落ちながら見てみれば、今の魔術を発したのはメズだった。こんな魔術、絶対さっきまでは使えなかったはずだ。
それに、明らかにこれまでとは違う雰囲気になっていて、感じられる魔力も段違いに増えてる。
何かしらの変化を起こさせる天使の呪文のせいだな。阻止は間に合わなかったか。
しゃーない。まずは邪魔なこっちから片付ける!
「クマさん、隠れてて!」
「は、はい!」
慌てて森の木立の中に入っていくクマさん。アビのことは頼んだぜ。その後ろ姿を見送ってから、メズに狙いを定める。
メズったら、目から光が溢れてて、全身から白の魔力が立ち上ってる。大した変化だ。
「ナントイウミワザ、ナントイウキセキ! オオオオ、スバラシイ。コノチカラデ、テンシサマノテキヲカナラズヤウチハタシマショウ」
「やれるもんならやってみな、相手したる」
発音が完璧に人間のそれじゃないな。確かに厳かなんだけど、神々しいっていうか、ほんと人間じゃないって感じ。こういう声って、ホラー映画とかであるような……?
とにかく、構えた魔剣を振り抜いて、まずはひと当て。
【イヌイは 遠天打ち を放った】
が、これは簡単に避けられる。てか、動きが見えん。まさか光のスピードじゃあるまいが、相当なもんだ。
死角からビュンビュン迫る光線を避けた俺は、もう一発撃とうとするが……うーん、速くて狙いがつけられない。これはどうしたもんかな。
「っ!」
その時、空から光線が降ってきた。慌てて飛びすさって躱す。そうだ、天使もいるんだった。同時に二体、しかも結構スピードがある相手か。面倒だな、こっちももう一人いたら楽なんだけど……
そう思っていると、森の中からよく知っている元気な声とともに矢が飛び出してきた。
「イヌイ! 私も手伝います!」
おお、アビ! やった、復活したのか!
ここに来て待望の仲間が登場だ。敵は大ボスだし、いよいよクライマックス感が出てきたぞ!
そこにいたのは、まさしく天使……なのか? いや、確かに俺が知ってる天使っぽい形ではある。が、なんとなく禍々しい感じもする。この世界の天使ってこういうものなのだろうか。
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そいつの口から出てきたのは、全く意味の分からん、言葉というより音の羅列だった。
クマさんを見ても同じく呆然としているので、そう聞こえたのが俺だけじゃないのは間違いない。
しかし、メズはブツブツ言ってたのをやめ、その天使を見上げてめ出す。
「おおお、天使様! 天使様自らご降臨されるとは! ああ、崇めよ、崇めよ!!」
うーん、あんまり変わってなかった。ヤバそうな精神状態のまんまだ。
と、そのメズの様子がなんだかおかしい。いや雰囲気がおかしいのはずっとなんだけど、やおら全身が光り始め、輪郭がぼやけ出したのだ。なんじゃい!
「奇跡、奇セキが、コノ身に降りてキテイル! オオオヲヲヲ!」
喋る言葉も発音が変だ。こりゃ、天使の仕業だな。
天使をキッと睨みつけ、目に魔力を込めて何をしているか見定める。すると、呪文を唱えているらしいと分かった。
なんだか分からんが、怪しい行動は止めるしかあるまい!
そう決めて、俺は地を蹴って飛び上がる。ソッコーで天使の目の前まで到達し、魔剣を振りかぶって一撃を加えようとした、その時ーー
「っ! うおおお!」
下から撃ち上げられた魔術の光を、慌てて魔剣で防ぐ。
光の魔術! とんでもない速さと威力だ。今のタイミング、俺じゃなきゃ直撃だったろうさ。
天使への攻撃は諦め、地面に落ちながら見てみれば、今の魔術を発したのはメズだった。こんな魔術、絶対さっきまでは使えなかったはずだ。
それに、明らかにこれまでとは違う雰囲気になっていて、感じられる魔力も段違いに増えてる。
何かしらの変化を起こさせる天使の呪文のせいだな。阻止は間に合わなかったか。
しゃーない。まずは邪魔なこっちから片付ける!
「クマさん、隠れてて!」
「は、はい!」
慌てて森の木立の中に入っていくクマさん。アビのことは頼んだぜ。その後ろ姿を見送ってから、メズに狙いを定める。
メズったら、目から光が溢れてて、全身から白の魔力が立ち上ってる。大した変化だ。
「ナントイウミワザ、ナントイウキセキ! オオオオ、スバラシイ。コノチカラデ、テンシサマノテキヲカナラズヤウチハタシマショウ」
「やれるもんならやってみな、相手したる」
発音が完璧に人間のそれじゃないな。確かに厳かなんだけど、神々しいっていうか、ほんと人間じゃないって感じ。こういう声って、ホラー映画とかであるような……?
とにかく、構えた魔剣を振り抜いて、まずはひと当て。
【イヌイは 遠天打ち を放った】
が、これは簡単に避けられる。てか、動きが見えん。まさか光のスピードじゃあるまいが、相当なもんだ。
死角からビュンビュン迫る光線を避けた俺は、もう一発撃とうとするが……うーん、速くて狙いがつけられない。これはどうしたもんかな。
「っ!」
その時、空から光線が降ってきた。慌てて飛びすさって躱す。そうだ、天使もいるんだった。同時に二体、しかも結構スピードがある相手か。面倒だな、こっちももう一人いたら楽なんだけど……
そう思っていると、森の中からよく知っている元気な声とともに矢が飛び出してきた。
「イヌイ! 私も手伝います!」
おお、アビ! やった、復活したのか!
ここに来て待望の仲間が登場だ。敵は大ボスだし、いよいよクライマックス感が出てきたぞ!
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