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本編
37.天使と悪魔4
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アビの矢の狙いは、まずメズにつけてもらう。二人掛かりで雑魚からちょちょいと片付けて、天使様とやらはメインディッシュといこう。
アビの腕前なら狙った的は外さないーー避けられさえしなければ。
逆に言えば、相手は絶対に避けるということ。そしてその動きを先読みすれば……
「イヌイ、今です!」
「おう、任せろ!」
こっちの思惑通りの場所に追い込むことができる! いかに速かろうが、いる場所とタイミングさえ分かれば斬ることは難しくない。
「ウギャアアアア」
とはいえ、メズがここに来て一番のスピードを出してきたせいで、急所は外してしまった。失敗失敗。
「すまんアビ! もう一度頼む!」
「はい、任せてください!」
それでも、俺とアビのコンビネーションにメズは全くついてこれていない。このままもう一度……と思ったら、そうは問屋が卸さんのも当然の展開だった。
「ぐっ⁉︎」
「イヌイ! 大丈夫ですかっ⁉︎」
天使様もただ黙って見てるわけがない。極太の光線攻撃を頭上の死角から不意打ちで食らってしまい、全身に痛みが走る。
「グフゥ、効いたわ。アビは喰らわないほうがよさそうだよ」
天使は伊達じゃない、といったところか、これまで受けた中じゃピカイチの威力だった。光となると避けるのも難しいし。
でも、さすがにこの威力の攻撃を連発できはしないようで、天使様は溜めに入る。今がチャンスとも言えるわな。
「でも大丈夫、まずはこのまま雑魚に集中だ!」
「はいっ!」
気を取り直してメズに狙いを定め、痛みで呻いて動けなさそうなところを、アビの矢が襲う。
「ガウウウウウ!」
なんかもう天使の使徒っていうより悪魔憑きみたいな反応だ。てか、やっぱりこいつら……天使じゃないんじゃねえの?
あるいは、天使は天使でも、堕天使なんでは?
実は、光線もよく見ると灰色っぽいんだよね。
「はいそこ! これで、おわ、り!」
ただでさえこっちのコンビネーションに対応できなかったのに、弱ってる今、メズにはもうどうにもできない。
「グワアアアアア……テ、テンシサマァ、イマイチド……オチカラヲ……」
袈裟懸けに真っ二つにされたメズの最期の言葉にも、天使様はまるで反応しない。使えない奴にかける慈悲はないってことか。
メズ、利用されるだけ利用されて、かわいそうに。結局、治療師を脅迫してた件については聞けなかったな。
天使様に直接聞くとするか。言葉分かるか分からんけど。
「おら、残るはお前だけだ」
ビシッと剣先を突き付けて挑発する。すると、天使様はひと際輝きを強めながら地上に降りてきた。
眩しい中で目を凝らすと、巨大だった姿が縮んで人っぽく変わってる。
『あの程度の小物ではやはり役に立たぬか。致し方あるまい、次は貴様を我が使徒としてくれる。光栄に思うが良い』
お、今度はちゃんと分かる言葉で話しかけてきた。最初からそうしろっての。
「いきなり何抜かす。そもそもお前の目的はなんなんだ。治療師達を虐めてどうするつもりだった?」
ここぞとばかりに聞く俺。
『知りたいか? 教えてやろう。我は治療師どもの白の魔力を必要としておるのだ。全ては我が神となるためよ。この身を天使の座より堕としめた世界に復讐を果たし、新たな世界を切り開くためのな』
うーん、詳しい事情はさっぱり分からんが、要するにこいつのワガママってことだろう。
こいつ、やっぱり斬った方がいいな。
「分かった。死ね」
これ以上は聞く耳持たん。とっとと帰ってズーニーの怪我を治してやって、さっさとユーエスエイに旅立ちたい。
俺は足に力を込めて踏み出し、一歩で堕天使との間合いを一瞬で詰める。
相手もさるもの、光と見紛うスピードで後退しながら光線の発射体制に入るが、俺の全力はこっからだ。
二歩目で更にスピードを増して追いすがり、同時に振りかぶっていた剣を振り下ろす。
と同時に光線が撃ち出される。堕天使、やるやんけ。
「うおおおおおい!!!」
『ヒト如きが生意気な!』
光線と剣がぶつかり合い、耳をつんざく高周波のせめぎ合いの音と、光の爆発が辺りを呑み込む。
居合抜きの如く、お互いに一撃で決めるつもりの捨て身の攻撃全振り。
持てる技術の極みを尽くした戦いの最後が力押しってのも、乙なもんだ。
「いよおおおおいしょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「ば、馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
振り切ったのはもちろん俺。光線ごと堕天使の体を真っ二つに斬り裂き、トドメを刺す。
堕天使を構成していたものなのか、大量の魔力の爆発と共に光の洪水が俺を呑み込み、そしてそれを魔剣があまさず吸収していく。
改めて感じるが、この剣、なんて能力だ。底が知れんな。マリードの魔力と堕天使の魔力を吸い込んで、まだまだ余力がありそうな印象を受けるぞ?
「おーい、終わったぜ! さ、帰ろう」
腰を抜かしてるクマさんとアビに、俺はグッと親指を立てるのだった。
アビの腕前なら狙った的は外さないーー避けられさえしなければ。
逆に言えば、相手は絶対に避けるということ。そしてその動きを先読みすれば……
「イヌイ、今です!」
「おう、任せろ!」
こっちの思惑通りの場所に追い込むことができる! いかに速かろうが、いる場所とタイミングさえ分かれば斬ることは難しくない。
「ウギャアアアア」
とはいえ、メズがここに来て一番のスピードを出してきたせいで、急所は外してしまった。失敗失敗。
「すまんアビ! もう一度頼む!」
「はい、任せてください!」
それでも、俺とアビのコンビネーションにメズは全くついてこれていない。このままもう一度……と思ったら、そうは問屋が卸さんのも当然の展開だった。
「ぐっ⁉︎」
「イヌイ! 大丈夫ですかっ⁉︎」
天使様もただ黙って見てるわけがない。極太の光線攻撃を頭上の死角から不意打ちで食らってしまい、全身に痛みが走る。
「グフゥ、効いたわ。アビは喰らわないほうがよさそうだよ」
天使は伊達じゃない、といったところか、これまで受けた中じゃピカイチの威力だった。光となると避けるのも難しいし。
でも、さすがにこの威力の攻撃を連発できはしないようで、天使様は溜めに入る。今がチャンスとも言えるわな。
「でも大丈夫、まずはこのまま雑魚に集中だ!」
「はいっ!」
気を取り直してメズに狙いを定め、痛みで呻いて動けなさそうなところを、アビの矢が襲う。
「ガウウウウウ!」
なんかもう天使の使徒っていうより悪魔憑きみたいな反応だ。てか、やっぱりこいつら……天使じゃないんじゃねえの?
あるいは、天使は天使でも、堕天使なんでは?
実は、光線もよく見ると灰色っぽいんだよね。
「はいそこ! これで、おわ、り!」
ただでさえこっちのコンビネーションに対応できなかったのに、弱ってる今、メズにはもうどうにもできない。
「グワアアアアア……テ、テンシサマァ、イマイチド……オチカラヲ……」
袈裟懸けに真っ二つにされたメズの最期の言葉にも、天使様はまるで反応しない。使えない奴にかける慈悲はないってことか。
メズ、利用されるだけ利用されて、かわいそうに。結局、治療師を脅迫してた件については聞けなかったな。
天使様に直接聞くとするか。言葉分かるか分からんけど。
「おら、残るはお前だけだ」
ビシッと剣先を突き付けて挑発する。すると、天使様はひと際輝きを強めながら地上に降りてきた。
眩しい中で目を凝らすと、巨大だった姿が縮んで人っぽく変わってる。
『あの程度の小物ではやはり役に立たぬか。致し方あるまい、次は貴様を我が使徒としてくれる。光栄に思うが良い』
お、今度はちゃんと分かる言葉で話しかけてきた。最初からそうしろっての。
「いきなり何抜かす。そもそもお前の目的はなんなんだ。治療師達を虐めてどうするつもりだった?」
ここぞとばかりに聞く俺。
『知りたいか? 教えてやろう。我は治療師どもの白の魔力を必要としておるのだ。全ては我が神となるためよ。この身を天使の座より堕としめた世界に復讐を果たし、新たな世界を切り開くためのな』
うーん、詳しい事情はさっぱり分からんが、要するにこいつのワガママってことだろう。
こいつ、やっぱり斬った方がいいな。
「分かった。死ね」
これ以上は聞く耳持たん。とっとと帰ってズーニーの怪我を治してやって、さっさとユーエスエイに旅立ちたい。
俺は足に力を込めて踏み出し、一歩で堕天使との間合いを一瞬で詰める。
相手もさるもの、光と見紛うスピードで後退しながら光線の発射体制に入るが、俺の全力はこっからだ。
二歩目で更にスピードを増して追いすがり、同時に振りかぶっていた剣を振り下ろす。
と同時に光線が撃ち出される。堕天使、やるやんけ。
「うおおおおおい!!!」
『ヒト如きが生意気な!』
光線と剣がぶつかり合い、耳をつんざく高周波のせめぎ合いの音と、光の爆発が辺りを呑み込む。
居合抜きの如く、お互いに一撃で決めるつもりの捨て身の攻撃全振り。
持てる技術の極みを尽くした戦いの最後が力押しってのも、乙なもんだ。
「いよおおおおいしょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「ば、馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
振り切ったのはもちろん俺。光線ごと堕天使の体を真っ二つに斬り裂き、トドメを刺す。
堕天使を構成していたものなのか、大量の魔力の爆発と共に光の洪水が俺を呑み込み、そしてそれを魔剣があまさず吸収していく。
改めて感じるが、この剣、なんて能力だ。底が知れんな。マリードの魔力と堕天使の魔力を吸い込んで、まだまだ余力がありそうな印象を受けるぞ?
「おーい、終わったぜ! さ、帰ろう」
腰を抜かしてるクマさんとアビに、俺はグッと親指を立てるのだった。
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