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本編
2.初めての村
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そんなこんなで歩くことしばし。途中、時々モンスターも襲ってきて、ちょっとビビったのはナイショだ。
でも、そこでやっぱり例の剣が役に立った。
「ギエピー!!」
今もまた、ツノの生えたウサギ、俺が名付けたところのツノウサギ(見たまんまでスマンです)が、草食動物ではあり得ない凶暴な鳴き声をあげて襲ってくる。
「うひゃ、待って待って」
自慢じゃないが、平和な日本で生まれ育った俺に、武術の心得などない。なのに、あの剣を構えると、ごくごく自然に操ることができた。
「でえええい!」
【イヌイは 魔獣斬り を放った!】
驚くほど簡単に、スパッとツノウサギは真っ二つ。死体はすーっと消えていき、あとに残ったのは綺麗な石と、頭に生えていたツノ。
【イヌイは 剣の理(対獣)を身に付けた!】
【イヌイは 魔石 を手に入れた】
【イヌイは 魔物の角 を手に入れた】
また、変なアナウンスが頭に響く。
そう、こっちの世界はどうもこの手のタイプの仕組みなんだよね……てか、こういうのってお約束だけど、ツノって頭蓋骨と繋がってるんじゃないの? なんでツノだけ? ……という疑問はともかく、アイテムボックスに回収しておく。
他にも、地面に生えてた草とか、変な光り方をする石とか、珍しそうな物は見つけ次第集めている。
「それにしてもこの剣、よく切れるな。なんか体も軽いし、助かるわ」
なんとなく気付いてたけど、体は以前のものとは違うらしい。視点も高いし、全身シュッとしててメタボなんてどこへやら。多分、顔も変わってる気がする。
やがて、遠くに村が見えてきた。かすかに煙が立ち上っているし、話し声とか人の気配もある。そういやこの距離で聞こえるってのもすごいな。
「待て! そこで止まれ! 知らない顔だな、この村に何しに来た!」
ある程度近づくと、門番らしき男からこんな風に声をかけられた。
何しに来たも何も……なんだろ? 目的は特にないのだが、話を聞きたいし休むところも欲しい。正直に話してみるか。
「旅の途中で通りかかっただけだ! 特に悪意はないよ。日が暮れそうだし、今日はこの村で休ませてもらえないかな」
「旅の途中なら、荷物はどうした? それに、その剣はなんで抜いたままなんだ! この村を襲おうとしてるんじゃないだろうな?」
おっと、しまった。警戒させてしまったな。といっても、剣をアイテムボックスにしまってしまうのはいくらなんでも不用心すぎたし……
「実は、盗賊に襲われてしまって……戦って逃げてきたんだが、荷物は奪われてしまったんだ」
【イヌイは 上手な嘘 を使った】
うん、適当に考えた言い訳にしては、なかなかいい感じでは? 門番も信じたようで、少し表情が柔らかくなった。
「そうか、それは災難だったな。ま、一人でこの村を襲おうってのも変な話だし、信用することにしよう。何もない所だが、ゆっくりしていくといい」
おお、よかったよかった。信じてくれるとは……嘘なんだけど。悪いなぁ。
そうして入れた村は本当に何もない所で、唯一の宿屋をすぐ見つけることができた。
「いらっしゃい、旅の人! 素泊まりは一泊銅貨五枚、食事付きは銅貨八枚よ」
うわ、言っちゃ悪いがかなり辺鄙な村なのに、女将さんは相当な美人だ。ちょっと姉御的な感じで……うん、これは嬉しい。
「えーと、じゃあ食事付きで一泊、お願いします。お金は……」
アイテムボックスにはお金もいくらか入っていた。
ポケットから出したふりをして、お金を渡す。するとーー
「あんた、こんな村で金貨なんて出されてもお釣りは出せないよ。困ったね、せめて銀貨はないの?」
うっ、残念ながらあるのは金貨だけなんだよな。ていうか、金貨なら何百枚とあるだけど……使えないなら意味がない!
「えーとえーと、これではどうでしょう……?」
苦しまぎれに、モンスターを倒した時に手に入れた綺麗な石と、ツノウサギのツノを出してみる。
「ああ、魔石を持ってたの。しょうがない、これでいいよ。ツノの方は、こんな村でも道具屋はあるからね、持っていけば買い取ってくれるよ。そこの角のところさ」
この石、魔石っていうのか。まだまだあるし、お金代わりになるならツノと一緒に売りに行こう。
と、思っていると……
「はい、お釣りよ!」
そう言って女将さんがカウンターに載せたのは、何十枚という銅貨。え、こんなに?
「えっと、じゃあやっぱり三日分お願いします……」
俺は受け取った銅貨の中から三泊分を取り分け、女将さんに返す。
「あいよ! ご飯はどうする? すぐ食べる?」
ここで間がいいのか悪いのか、俺の腹がグーッとなった。思わずテヘヘ、と愛想笑いで誤魔化そうとする。
「……今、お願いします」
しかし、空腹には勝てない。俺は見栄を張るのはサクッと諦めて、素直に頼んだ。
そうして食堂で出されたメニューは、野菜の塩スープと何かの獣肉の炭火焼とパン。
そんな異世界での初食事はーー
「はふ! うま!」
シンプルながらも旨味を引きだす味付けで、大満足!でした。
でも、そこでやっぱり例の剣が役に立った。
「ギエピー!!」
今もまた、ツノの生えたウサギ、俺が名付けたところのツノウサギ(見たまんまでスマンです)が、草食動物ではあり得ない凶暴な鳴き声をあげて襲ってくる。
「うひゃ、待って待って」
自慢じゃないが、平和な日本で生まれ育った俺に、武術の心得などない。なのに、あの剣を構えると、ごくごく自然に操ることができた。
「でえええい!」
【イヌイは 魔獣斬り を放った!】
驚くほど簡単に、スパッとツノウサギは真っ二つ。死体はすーっと消えていき、あとに残ったのは綺麗な石と、頭に生えていたツノ。
【イヌイは 剣の理(対獣)を身に付けた!】
【イヌイは 魔石 を手に入れた】
【イヌイは 魔物の角 を手に入れた】
また、変なアナウンスが頭に響く。
そう、こっちの世界はどうもこの手のタイプの仕組みなんだよね……てか、こういうのってお約束だけど、ツノって頭蓋骨と繋がってるんじゃないの? なんでツノだけ? ……という疑問はともかく、アイテムボックスに回収しておく。
他にも、地面に生えてた草とか、変な光り方をする石とか、珍しそうな物は見つけ次第集めている。
「それにしてもこの剣、よく切れるな。なんか体も軽いし、助かるわ」
なんとなく気付いてたけど、体は以前のものとは違うらしい。視点も高いし、全身シュッとしててメタボなんてどこへやら。多分、顔も変わってる気がする。
やがて、遠くに村が見えてきた。かすかに煙が立ち上っているし、話し声とか人の気配もある。そういやこの距離で聞こえるってのもすごいな。
「待て! そこで止まれ! 知らない顔だな、この村に何しに来た!」
ある程度近づくと、門番らしき男からこんな風に声をかけられた。
何しに来たも何も……なんだろ? 目的は特にないのだが、話を聞きたいし休むところも欲しい。正直に話してみるか。
「旅の途中で通りかかっただけだ! 特に悪意はないよ。日が暮れそうだし、今日はこの村で休ませてもらえないかな」
「旅の途中なら、荷物はどうした? それに、その剣はなんで抜いたままなんだ! この村を襲おうとしてるんじゃないだろうな?」
おっと、しまった。警戒させてしまったな。といっても、剣をアイテムボックスにしまってしまうのはいくらなんでも不用心すぎたし……
「実は、盗賊に襲われてしまって……戦って逃げてきたんだが、荷物は奪われてしまったんだ」
【イヌイは 上手な嘘 を使った】
うん、適当に考えた言い訳にしては、なかなかいい感じでは? 門番も信じたようで、少し表情が柔らかくなった。
「そうか、それは災難だったな。ま、一人でこの村を襲おうってのも変な話だし、信用することにしよう。何もない所だが、ゆっくりしていくといい」
おお、よかったよかった。信じてくれるとは……嘘なんだけど。悪いなぁ。
そうして入れた村は本当に何もない所で、唯一の宿屋をすぐ見つけることができた。
「いらっしゃい、旅の人! 素泊まりは一泊銅貨五枚、食事付きは銅貨八枚よ」
うわ、言っちゃ悪いがかなり辺鄙な村なのに、女将さんは相当な美人だ。ちょっと姉御的な感じで……うん、これは嬉しい。
「えーと、じゃあ食事付きで一泊、お願いします。お金は……」
アイテムボックスにはお金もいくらか入っていた。
ポケットから出したふりをして、お金を渡す。するとーー
「あんた、こんな村で金貨なんて出されてもお釣りは出せないよ。困ったね、せめて銀貨はないの?」
うっ、残念ながらあるのは金貨だけなんだよな。ていうか、金貨なら何百枚とあるだけど……使えないなら意味がない!
「えーとえーと、これではどうでしょう……?」
苦しまぎれに、モンスターを倒した時に手に入れた綺麗な石と、ツノウサギのツノを出してみる。
「ああ、魔石を持ってたの。しょうがない、これでいいよ。ツノの方は、こんな村でも道具屋はあるからね、持っていけば買い取ってくれるよ。そこの角のところさ」
この石、魔石っていうのか。まだまだあるし、お金代わりになるならツノと一緒に売りに行こう。
と、思っていると……
「はい、お釣りよ!」
そう言って女将さんがカウンターに載せたのは、何十枚という銅貨。え、こんなに?
「えっと、じゃあやっぱり三日分お願いします……」
俺は受け取った銅貨の中から三泊分を取り分け、女将さんに返す。
「あいよ! ご飯はどうする? すぐ食べる?」
ここで間がいいのか悪いのか、俺の腹がグーッとなった。思わずテヘヘ、と愛想笑いで誤魔化そうとする。
「……今、お願いします」
しかし、空腹には勝てない。俺は見栄を張るのはサクッと諦めて、素直に頼んだ。
そうして食堂で出されたメニューは、野菜の塩スープと何かの獣肉の炭火焼とパン。
そんな異世界での初食事はーー
「はふ! うま!」
シンプルながらも旨味を引きだす味付けで、大満足!でした。
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