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第五章 終わりの始まり
令嬢の父親たち
しおりを挟む最終的に、護衛の俺が出席しないのだから護衛対象のエルンスト殿下も欠席。
婚約者を愚弄されて許せないリンジー嬢も欠席。
リンジー嬢が欠席なら行く必要を感じていないアンネマリー嬢も欠席。
一応、エルンスト殿下の側近と言うことになっているロベルタも欠席。
ミーシャ嬢は「皆様が欠席なさるからこそ、敵対しているわけではないと見せるために出席しますわ」と、聖女の告別式に向かった。
「ミーシャのあのキリッとした外見で、ちょっととぼけてズレてるところが好きなんだけどね……」
帰宅のために馬車乗り場に向かいながらエルンスト殿下がぼやく。
「頑張り屋だし」
そして褒め言葉を続けた。
「考え方が柔軟で、知らないことを学ぶのも好きだしね」
こんなふうに褒め言葉を並べるのは、最後に『でも』と続けるための言い訳だ。
「気が強そうに見えるけど優しいしね……」
つぶやく声は優しくて、長い銀色のまつげの落ちる伏せた瞳にも愛しさがこもっている。
「でもね、ミーシャに王妃は無理だと思う」
努力ができても、才能があっても、素質がない。
いや、素質をあえて育てられていないと言うべきか。
「彼女はビショップ公爵に『公爵夫人』になるものとして育てられたんだろうね……」
ひとり娘で嫡女ではあるけれど、婿入りするエルンスト殿下が公爵位を継ぎ、ミーシャ嬢は公爵夫人として社交界で活躍する。
確かにその未来であれば、ミーシャ嬢は彼女の魅力を存分に発揮していただろう。
「進むべき道があるのは分かってるのに、道が見えない。そんな気分だよ」
やけに弱気な発言を繰り返すエルンスト殿下は疲れているのだろう。
幼い頃に決められた婚約者。
陛下の唯一の子でありながら、側妃から身を守るために婿に出されるという判断を陛下が下したその結末は……
「エルンスト殿下、今度、俺たちとロベルタの三人でゆっくり話をしませんか? いい場所を知っているので」
俺がそういうと、エルンスト殿下は顔を上げて目を輝かせた。
「本当に? 僕も連れて行ってもらって良いの?」
「エルンスト殿下には息抜きが必要だと思います。……それに、それまでに色々と情報を集めておきますから、突っ込んだ話もしましょう。もちろん軽い話も」
「いいね。……正直なところ、本音で話せる相手ってアルバートとロベルタくらいしかいないからね。たまには忌憚なく話がしたい。愚痴とか悪口とかね」
そう言って笑う表情は露悪的で、整った容貌のエルンスト殿下はどんな表情をしていても似合ってしまう、というのが俺には今日の新しい発見だった。
「それでは騎士団と調整して外出の日を決めますから、楽しみにしていてください」
俺はちょっとだけ優しい気持ちで、エルンスト殿下を兄上の部下に引き渡した。
そしてミケルセン家の馬車に向かうため踵を返した俺はロベルタに召喚鳥を飛ばす。
「今晩の夕食をホーク侯爵も含めてお誘いできないか?」
真紅の瞳の漆黒の猛禽がすぐに飛んできて腕に止まる。
『了解した。伝えておく』
たったそれだけのやり取りでも、心が暖かくなる。
婚約者が決まってしまえば召喚鳥を婚約者の色にするのは慣例のようなものだ。
だからロベルタが、婚約者が決められる前に、と必死で魔力操作を練習して作り出した漆黒の猛禽は、七歳のロベルタの精一杯の愛の表現だと知っているから。
そして、今日議題にしたいのはオディール嬢とミーシャ嬢についてだ。
将来の王妃になる令嬢にしては育て方が歪すぎるし、辺境伯の令嬢が、今回の裏を全く疑わずに聖女派に所属してしまっているのも気にかかる。
特にミーシャ嬢に関しては、ビショップ公爵がミーシャ嬢をどうしたいのか、という方針がわからなければエルンスト殿下の進退も決めにくい。
何か密約のようなものがあるとするならば、それは知っておくべき事柄だと思う。
「ビショップ公爵は昔ながらの価値観を持つ政治には疎い男だな」
鷹のように鋭い目つきで俺を見ながら教えてくれたのは、ホーク侯爵だ。
「アルバートの心配もわかるよ。ミーシャ嬢は悪い娘ではないが高位貴族に嫁ぐには足りない部分が多い。当たり前だが、女公爵など無理だ。エルンスト殿下の想像通り、エルンスト殿下に公爵位を継がせてミーシャ嬢は公爵夫人になる。
王妃を除けば最高位の貴族夫人だ。足りない部分は、最高位の貴族夫人、という高いヒールを履かせて、差し障りのない社交をさせるつもりだったのだろう」
「あれだけ悪意を感じ取れず他人に甘い夫人では詐欺にあったりしそうですが……」
と、いらない心配をしてしまう。
「社交も買い物も、きちんとした人物を付ければ問題ないだろう。……そう考えるのがビショップ公爵だ。
王家から婿を迎えるのは誉高いことだし、娘はわざわざ難しい領地経営などしなくてもいい。渡りに船だと政治的背景もろくに考えず飛びついたに違いない」
「しかし、元から将来的にはカスパル殿下を廃してエルンスト殿下を立太子する計画だったんですよね? ビショップ公爵はご存じなかったのですか?」
「エルンスト殿下を立太子させたい、という話は聞いていただろうが、カスパル殿下が陛下のお子ではない、という話は知らないはずだ。知っていれば大騒ぎしてカスパル殿下を排除しただろうからな。
だが知らないから、第二王子のエルンスト殿下が立太子する、ということの意味がわからず、カスパル殿下が不祥事を起こしたらエルンスト殿下が立太子することになるのかもしれないな、という程度の認識だったのだろう。
いざ、カスパル殿下が廃太子されてエルンスト殿下が王太子になる可能性が出てきて焦り始めた。
今更婿を王家に取られたら困る、という言い分だ。
王家からすれば、避難のために預けたつもりだったのに話が全く通じていなかったのだ。
で、婿を取られまいと、エルンスト殿下の婚約者の父親でありながらカスパル殿下の立太子を強力に後押ししている。
学園での話し合いも、ミーシャ嬢を交えての話は全てビショップ公爵に伝わっていると考えた方がいい。
その上で、ミーシャ嬢は偏った情報と令嬢の好みそうな作り話を教え込まれ、エルンスト殿下を立太子させないための尖兵としてエルンスト殿下の隣に置かれているのだ」
うーん、こういうのを『獅子身中の虫』というのだろうか?
「しかし、ミーシャ嬢はエルンスト殿下がカスパル殿下が王太子だった頃、カスパル殿下を倒して自分が王になるから王妃になって欲しい、というエルンスト殿下の願いを受け取って王妃になる気でいましたよ?」
ロベルタが言うと、ホーク侯爵は顔を顰めた。
「おそらくそれをミーシャ嬢は家に帰ってビショップ公爵に話したのだろう? そしてビショップ公爵は伝書鳩のようにそれをカスパル殿下に伝えたのではないか? カスパル殿下、というかカスパル殿下を担ぐ奴らにな」
なんといえばいいのか、政治感覚が無さすぎる。
「ビショップ公爵の領地は広大な平野に麦畑の広がる王国の食糧庫だ。重要な領地ゆえに王家に庇護されていて、領地争いどころか政争というものも経験したことがないのかもしれんな。
対岸の火事、と見物するだけで、自分には関係ないと思っておる。
だから娘も小賢しい女に育てるよりは、一昔前の男が好む、女として可愛がられるような、難しいことは分かりませんわ。殿方にお任せします。というような娘に育てたのではないか?
俺は夜会で見かけたことがあるくらいで、話もしたことがないから詳しくは知らんが」
親父はよほどビショップ公爵のことが嫌いなのか、吐き捨てるようにそういった。
「エルンスト殿下は王妃として、資質不足のミーシャ嬢を諦め始めています。ただ、ミーシャ嬢に対する情と、年廻りの良い令嬢がいないので思い切れないようですが」
「ご自覚があるのなら大丈夫だろう。ビショップ公爵は、現在、エルンスト殿下の婚約者の家として最大の後援でなければならないのに、足を引っ張るようでは早々に切り離さないわけにはいくまい。
その際、婚約者であるミーシャ嬢が実家を捨ててエルンスト殿下に着くか、父親の言うなりになるか……と、見定めようとは思っていた。
実家の協力を得られない妃など何の役にも立たないが、本人の資質とエルンスト殿下の強い願いがあるのなら、実家を捨てたミーシャ嬢をどこぞの高位貴族の養女にしてから王族入りさせれば良いからな。
だが……、情報収集もろくにせず、人を見る目も危機感も無く、政治的な判断も甘いとなれば、そばに置くのは却って危険だな」
今回など、アルバートが出席を強要するならグラヴェンハルトと戦争も辞さん、と言って断った聖女の告別式に『敵対しているわけではない』という姿を見せるために出席したのだろう? 一体どういう感覚なのだ。
言ってホーク侯爵が頭を抱える。
そう、俺がグラヴェンハルトに対して『出席の強要は宣戦布告とみなす』と言ったのは、すでに聖女とは敵対関係にある、というのが前提の話なのだ。
それをミーシャ嬢は理解できていない。
目の前のオディール嬢を完全に蔑ろにしていない、という姿勢を見せたかったのだというのはわかるが、それは俺のことを蔑ろにしていることになる、という事実に全く思い至っていない。
「ビショップ公爵は、王国の食糧を握っているという驕りがあるからな。排除したいが上手く扱わねば火種になる。だからその娘のミーシャ嬢をいきなり切るわけにもいかん。
ミーシャ嬢はコーエン殿下を善人だと思っているのだろう? 懐に入れたままでは内情がそのままコーエン殿下に流れかねんが、下手に切れば聖女の二の舞になるかもしれんぞ」
鼻頭に皺を寄せて唸るように言った親父に、ロベルタが
「当分は、与える情報は最小限で、軽妙な会話で疎外感を感じさせないようにするという感じですか?」
という。
「その辺りは上手くやってくれ。アルバートよりお前の方が上手いだろう」
親父は俺を横目で見ながらロベルタにミーシャ嬢への対処を任せた。
「それと、グラヴェンハルト辺境伯なのですが……」
次の話題を切り出すと、親父とホーク侯爵は同時に投げやりな様子になって、深くソファに身を投げ出すと、顎で俺に話を促した。
「グラヴェンハルト辺境伯令嬢は、今回の演習の事件について何も知らないようでした。辺境伯に報告がされていないとは思えませんから、彼女も情報を制限されているのでしょうか? 聖女を崇めて聖女派と呼ばれる団体に入っているようですが……」
というと、親父とホーク侯爵、そしてコンラート様と兄上が顔を見合わせて何とも言い難い表情で首を振った。
「アレは……男になりたい女? なんだそうだ」
「ん?」
親父がなんとも言い難い、苦虫を噛み潰したような顔で言う。
「お前の婚約者のリンジー嬢。彼女は『女にしておくのが惜しい』と思わせるような女だ。
頭も切れるし剣も魔法もよく使う。騎士として前線で戦うには足りんかもしれんが、彼女は自分がそんな役割を求められていないのはわかっている。
武器商人の実家を継ぐにあたって、全く武芸の嗜みがなければナメられる、ということも理解しているからこそ努力してナメられない力を手に入れただけだ。
しかし、貴族の家に生まれた令嬢として、令嬢らしさが求められることも知っている。だから女性らしさも蔑ろにしない。
オールドマン伯爵家の後継としても、お前の妻としても、何ひとつ足りないもののない女性だ。
口さがないものは『女のくせに』と言うだろうが、お前がそれを言わないと知っているから表に出して見せているだけで、必要とあれば隠す知恵も技量もある」
と、突然リンジー嬢をベタ褒めされたけれど、この展開ならば、きっとオディール嬢は散々に貶されるのだろう。
「何年前だったか……、結構最近のことだ。
グラヴェンハルト辺境伯から「娘をアルバートの嫁としてもらって欲しい」と言われた」
え?! そんな話は聞いたことがないけど……と、隣に座るロベルタを見ると、ロベルタも目を丸くして驚いていた。
「もちろんこちらはオールドマン伯爵家と縁を結んでいるからと断ったのだが、なんだかんだと理由をつけてオールドマンとの縁談を破談させて自分の娘を押し付けようとしているようだった。
当たり前だが、そこまでして嫁に出したい令嬢など訳ありに違いない、と調べさせてみたら、こちらが調べていることに気づいたグラヴェンハルトが謝罪のために訪ねてきた。
で、話を聞いたら「娘は騎士になりたがっている」と言うのだ。
それなら騎士にすればいい、と思ったのだが、それがちょっと様子が違うようで、『物語の騎士』というのか『演劇に出てくる男装の女性騎士』というのか……、まあ、辺境伯領で隣国と泥と血に塗れて戦う騎士ではなく、もっと華やかな、妃殿下の側に侍るような、キラキラしい、女どもに騒がれ憧れられるような、……まあ、簡単に言えば近衛騎士になりたい、と。
女性の近衛も数は少ないがいるのだ。それなら目指せばいい、と言うと、それだけの実力はないのだと、グラヴェンハルト辺境伯もため息をついていた。
そこで、俺の息子であるアルバートと結婚させて中央騎士団に縁が出来れば、適当に騎士の真似事のようなことをして満足するんじゃないかと考えたそうだ。
いったいアルバートをなんだと思ってるのか。うちの息子をテメェの娘の人形遊びに付き合わせるな! と一発殴ってやったんだが、ようやく目が覚めたらしくてな。
男ばかりの辺境に、ようやく生まれたひとり娘だとチヤホヤして、好きにやらせていた姫騎士ごっこをやめさせて、嫁に行きたいならきちんとした淑女教育を受けること、騎士になりたいなら辺境伯の騎士団に入って下働きから始めること、と二択を迫ったらしい」
「みたところ、未だ姫騎士ごっこの最中のように見えましたが?」
そう言ったロベルタの声は冷たい。
「姫騎士ごっこかどうかはわからないけど、口調は騎士寄りでエルンスト殿下には辺境騎士の厳しさのようなものを語っていたから、卒業後は辺境伯騎士団で部隊長くらいになるのかと思ってたけど、演習での避難者の扱いを聞けば、かなり甘えた……というか、それこそ『物語の騎士道』みたいなのに影響されてるように見えなくもないな」
「お前がネイトに命じて武装解除だけでなく丸裸にして、魔力反応を見て、罠だと判断して処分させた令嬢を、オディール嬢はよりにもよって野営地の真ん中の一番安全なテントに保護して、温かい飯と毛布を分けて休ませてやったわけだからな。確かにオディール嬢の方が騎士道精神には溢れてる」
俺の言葉に続けたロベルタの話を聞いて、ホーク侯爵とコンラート様が大笑いしている。
親父と兄上は、微妙な顔で「ネイト・ボイドと同じくらい使える令嬢がいれば……」と呟いていた。
「それは俺は不可抗力だ。ネイトが必要なことをしただけだ!」
と言う俺の訴えは誰にも聞いてもらえなかった。
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