18 / 25
【ep.18】私は騎士、私の騎士
しおりを挟む
みんなは無言で私の前に立っている。ドラゴンがいつ攻撃してくるのか見定めながら。
私は何を言えばいいのか判らなくて、長剣を構えたまま動けなかった。
そうしている間にドラゴンは近付いてきて、地響きの様な鳴き声を出して、私たちに襲い掛かる。
「シャルル、エマをよろしくお願いしますね」
「うん」
「え……っ、シャルル!?」
「エマくん、シャルロットが、まもる」
シャルルは私の背中に乗って来て落ちない様にしっかりと私の服を掴んでいた。
前にソフィアと連携して防御壁を作っていた事を私にしている。
でもそれじゃあ、ソフィアに盾が無くなってしまう。私は慌ててソフィアを見ると、勢いよくドラゴンに向かってしまっていた。
私が追いかけるより先にレアがソフィアの後ろを走って行って、ソフィアの拳とレアの双剣がドラゴンに当たって弾かれる。その直後にノアの弓がドラゴンを襲って、ドラゴンの動きが鈍くなっている間に、ソフィアとレアはドラゴンとの距離を開ける。
「マリア?」
「あなたばかり騎士でいないでくださいなっ」
私の前で守る様にマリアが槍を構えている。そこは私のいるべき場所だ。だけど、マリアは私の相棒なんだ。だからお互いに守って守られる存在であるべきなんだと、マリアの背中から伝わって来た。
「あなたのことは何があっても守りますわ! だってエマは、神様になる方ですものっ」
私の前に飛んでくるものを槍で弾き飛ばすマリアの背中は温かくて、守られている事の安心感を実感できた。同時に目の前にいるマリアの事が心配になる。
(マリアはずっとこんな気持ちを抱いていたんだね)
大切だからこそ力になりたいと思っていたマリアの気持を理解しながら、私はみんなに守られていた。
みんなの攻撃でドラゴンは段々と動きが鈍くなっていて、私は様子を伺っていた。
ドラゴンの隙が出るチャンスを確実に狙うために。
みんな傷だらけになって必死に戦っていて、みんなの攻撃が集中的にドラゴンを攻める。ドラゴンの動きが一瞬止まったのを捉えて、私は走り出す。
「私もみんなを守るんだッ!」
マリアを飛び越えてドラゴンの真上にジャンプした私は、そのまま剣を振りかざす。
とどめの一撃でドラゴンは倒れた。
私は地面に着地すると、ドラゴンの前に立つ。
ドラゴンがゆっくりと起き上がって私と視線を合わせてくれて、正気に戻ったのだと感じ取れた。
「私はエマ。きみと契約しに来たの」
『ああエマ様っ! あなたの力は素晴らしい。それに皆様との連携もとても素晴らしいものでした。どうぞ我の力をお受取りください』
「……その前にわたしから一つ質問があります」
みんなが私の後ろに寄って来ていて、ソフィアが緊張した様子でドラゴンに問いかけた。質問を待っている様な素振りを見せたドラゴンにソフィアは不安そうな顔をしながら口を開く。
「エマが神様になるという事がどういう事なのか教えて頂けますか? たとえばこの世界に存在できるのか……など」
『皆様はエマ様の事をご心配されているのですね。エマ様が神様になられたら、天界へ移住する事になります。つまり人間としては存在できません』
ドラゴンは神様になる事がどういう事なのか丁寧に説明してくれた。
元々私は天界に生まれたんだけど、神様の子供は生まれてすぐに両親が人間界へ旅をさせて、神様になるために人間としての経験を積む。そしてドラゴンの力と惹かれ合う日が来たら、こうやって契約をしていって神様になるのだそう。
神様になったら天界の住民へと戻って天界の王座に座り続ける。その期限は特になくて神様の地位を譲る事も出来る。それは自分の子供にしかできない事で、私の両親は神様の地位を私に託した。そして今、私が神様になろうとしているのだそう。
『ご不安であれば契約を途中で破棄することも可能です。今まで契約した力は失われ、人間としての生活に戻りますが』
「それは……」
『どちらも強制ではありません。エマ様のお好きな道を進んでくださいませ』
ドラゴンは優しい瞳で見つめてくれていて、私は真っ直ぐに見つめ返す。私が行く道はもう決めてあると返事をする様に。
『揺らがないお気持ち、確かに受け取りました。我の力も存分にお使いください』
そう言ってドラゴンは指先で私の頭を軽く叩く。熱く燃える様な思いが私を包む様にして、私に火属性の力が宿った。
私は手を上に向けるとそこから炎を放射する。噴火する様に天井を突き抜けて炎が飛んでいく。
『どうかお気をつけて』
「わぁっ! ありがとう!」
ドラゴンは大きなカゴを持ってきてくれて、私はみんなに笑いかけるとシャルルがカゴに乗った。みんなも理解してゆっくりとカゴに全員乗ったのを確認すると、取っ手を掴むために私は羽を出して空を飛ぶ。
「みんなに素敵な景色を見せるね!」
取っ手を掴んで私は空いた天井から空へ飛び出した。高く飛んで、驚いたみんなの声が心地よくて、私は楽しくなって空高く飛んで行った。
私は何を言えばいいのか判らなくて、長剣を構えたまま動けなかった。
そうしている間にドラゴンは近付いてきて、地響きの様な鳴き声を出して、私たちに襲い掛かる。
「シャルル、エマをよろしくお願いしますね」
「うん」
「え……っ、シャルル!?」
「エマくん、シャルロットが、まもる」
シャルルは私の背中に乗って来て落ちない様にしっかりと私の服を掴んでいた。
前にソフィアと連携して防御壁を作っていた事を私にしている。
でもそれじゃあ、ソフィアに盾が無くなってしまう。私は慌ててソフィアを見ると、勢いよくドラゴンに向かってしまっていた。
私が追いかけるより先にレアがソフィアの後ろを走って行って、ソフィアの拳とレアの双剣がドラゴンに当たって弾かれる。その直後にノアの弓がドラゴンを襲って、ドラゴンの動きが鈍くなっている間に、ソフィアとレアはドラゴンとの距離を開ける。
「マリア?」
「あなたばかり騎士でいないでくださいなっ」
私の前で守る様にマリアが槍を構えている。そこは私のいるべき場所だ。だけど、マリアは私の相棒なんだ。だからお互いに守って守られる存在であるべきなんだと、マリアの背中から伝わって来た。
「あなたのことは何があっても守りますわ! だってエマは、神様になる方ですものっ」
私の前に飛んでくるものを槍で弾き飛ばすマリアの背中は温かくて、守られている事の安心感を実感できた。同時に目の前にいるマリアの事が心配になる。
(マリアはずっとこんな気持ちを抱いていたんだね)
大切だからこそ力になりたいと思っていたマリアの気持を理解しながら、私はみんなに守られていた。
みんなの攻撃でドラゴンは段々と動きが鈍くなっていて、私は様子を伺っていた。
ドラゴンの隙が出るチャンスを確実に狙うために。
みんな傷だらけになって必死に戦っていて、みんなの攻撃が集中的にドラゴンを攻める。ドラゴンの動きが一瞬止まったのを捉えて、私は走り出す。
「私もみんなを守るんだッ!」
マリアを飛び越えてドラゴンの真上にジャンプした私は、そのまま剣を振りかざす。
とどめの一撃でドラゴンは倒れた。
私は地面に着地すると、ドラゴンの前に立つ。
ドラゴンがゆっくりと起き上がって私と視線を合わせてくれて、正気に戻ったのだと感じ取れた。
「私はエマ。きみと契約しに来たの」
『ああエマ様っ! あなたの力は素晴らしい。それに皆様との連携もとても素晴らしいものでした。どうぞ我の力をお受取りください』
「……その前にわたしから一つ質問があります」
みんなが私の後ろに寄って来ていて、ソフィアが緊張した様子でドラゴンに問いかけた。質問を待っている様な素振りを見せたドラゴンにソフィアは不安そうな顔をしながら口を開く。
「エマが神様になるという事がどういう事なのか教えて頂けますか? たとえばこの世界に存在できるのか……など」
『皆様はエマ様の事をご心配されているのですね。エマ様が神様になられたら、天界へ移住する事になります。つまり人間としては存在できません』
ドラゴンは神様になる事がどういう事なのか丁寧に説明してくれた。
元々私は天界に生まれたんだけど、神様の子供は生まれてすぐに両親が人間界へ旅をさせて、神様になるために人間としての経験を積む。そしてドラゴンの力と惹かれ合う日が来たら、こうやって契約をしていって神様になるのだそう。
神様になったら天界の住民へと戻って天界の王座に座り続ける。その期限は特になくて神様の地位を譲る事も出来る。それは自分の子供にしかできない事で、私の両親は神様の地位を私に託した。そして今、私が神様になろうとしているのだそう。
『ご不安であれば契約を途中で破棄することも可能です。今まで契約した力は失われ、人間としての生活に戻りますが』
「それは……」
『どちらも強制ではありません。エマ様のお好きな道を進んでくださいませ』
ドラゴンは優しい瞳で見つめてくれていて、私は真っ直ぐに見つめ返す。私が行く道はもう決めてあると返事をする様に。
『揺らがないお気持ち、確かに受け取りました。我の力も存分にお使いください』
そう言ってドラゴンは指先で私の頭を軽く叩く。熱く燃える様な思いが私を包む様にして、私に火属性の力が宿った。
私は手を上に向けるとそこから炎を放射する。噴火する様に天井を突き抜けて炎が飛んでいく。
『どうかお気をつけて』
「わぁっ! ありがとう!」
ドラゴンは大きなカゴを持ってきてくれて、私はみんなに笑いかけるとシャルルがカゴに乗った。みんなも理解してゆっくりとカゴに全員乗ったのを確認すると、取っ手を掴むために私は羽を出して空を飛ぶ。
「みんなに素敵な景色を見せるね!」
取っ手を掴んで私は空いた天井から空へ飛び出した。高く飛んで、驚いたみんなの声が心地よくて、私は楽しくなって空高く飛んで行った。
0
あなたにおすすめの小説
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
【完結】無能と婚約破棄された令嬢、辺境で最強魔導士として覚醒しました
東野あさひ
ファンタジー
無能の烙印、婚約破棄、そして辺境追放――。でもそれ、全部“勘違い”でした。
王国随一の名門貴族令嬢ノクティア・エルヴァーンは、魔力がないと断定され、婚約を破棄されて辺境へと追放された。
だが、誰も知らなかった――彼女が「古代魔術」の適性を持つ唯一の魔導士であることを。
行き着いた先は魔物の脅威に晒されるグランツ砦。
冷徹な司令官カイラスとの出会いをきっかけに、彼女の眠っていた力が次第に目を覚まし始める。
無能令嬢と嘲笑された少女が、辺境で覚醒し、最強へと駆け上がる――!
王都の者たちよ、見ていなさい。今度は私が、あなたたちを見下ろす番です。
これは、“追放令嬢”が辺境から世界を変える、痛快ざまぁ×覚醒ファンタジー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
精霊に愛される(呪いにもにた愛)少女~全属性の加護を貰う~
如月花恋
ファンタジー
今この世界にはたくさんの精霊がいる
その精霊達から生まれた瞬間に加護を貰う
稀に2つ以上の属性の2体の精霊から加護を貰うことがある
まぁ大体は親の属性を受け継ぐのだが…
だが…全属性の加護を貰うなど不可能とされてきた…
そんな時に生まれたシャルロッテ
全属性の加護を持つ少女
いったいこれからどうなるのか…
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
聖女なんかじゃありません!~異世界で介護始めたらなぜか伯爵様に愛でられてます~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
川で溺れていた猫を助けようとして飛び込屋敷に連れていかれる。それから私は、魔物と戦い手足を失った寝たきりの伯爵様の世話人になることに。気難しい伯爵様に手を焼きつつもQOLを上げるために努力する私。
そんな私に伯爵様の主治医がプロポーズしてきたりと、突然のモテ期が到来?
エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。
王女様は聖女様?おてんば姫の大冒険~ペットのドラゴンが迷子なので冒険者になって探しに行きます!~
しましまにゃんこ
ファンタジー
アリシア王国の第3王女ティアラ姫には誰にも言えない秘密があった。
それは自分が全属性の魔力を持ち、最強のチート能力を持っていた「建国の賢者アリシア」の生まれ変わりであること!
8才の誕生日を境に前世の記憶を取り戻したものの、500年後に転生したことを知って慌てる。なぜなら死の直前、パートナーのドラゴンに必ず生まれ変わって会いにいくと約束したから。
どこにいてもきっとわかる!と豪語したものの、肝心のドラゴンの気配を感じることができない。全属性の魔力は受け継いだものの、かつての力に比べて圧倒的に弱くなっていたのだ!
「500年……長い。いや、でも、ドラゴンだし。きっと生きてる、よね?待ってて。約束通りきっと会いにいくから!」
かつての力を取り戻しつつ、チートな魔法で大活躍!愛する家族と優しい婚約者候補、可愛い獣人たちに囲まれた穏やかで平和な日々。
しかし、かつての母国が各国に向けて宣戦布告したことにより、少しずつ世界の平和が脅かされていく。
「今度こそ、私が世界を救って見せる!」
失われたドラゴンと世界の破滅を防ぐため、ティアラ姫の冒険の旅が今、始まる!
剣と魔法が織りなすファンタジーの世界で、アリシア王国第3王女として生まれ変わったかつての賢者が巻き起こす、愛と成長と冒険の物語です。
イケメン王子たちとの甘い恋の行方もお見逃しなく。
小説家になろう、カクヨムさま他サイトでも投稿しています。
迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜
青空ばらみ
ファンタジー
一歳で両親を亡くし母方の伯父マークがいる辺境伯領に連れて来られたパール。 伯父と一緒に暮らすお許しを辺境伯様に乞うため訪れていた辺境伯邸で、たまたま出くわした侯爵令嬢の無知な善意により 六歳で見習い冒険者になることが決定してしまった! 運良く? 『前世の記憶』を思い出し『スマッホ』のチェリーちゃんにも協力してもらいながら 立派な冒険者になるために 前世使えなかった魔法も喜んで覚え、なんだか百年に一人現れるかどうかの伝説の国に迷いこんだ『迷い人』にもなってしまって、その恩恵を受けようとする『当たり人』と呼ばれる人たちに貢がれたり…… ぜんぜん理想の田舎でまったりスローライフは送れないけど、しょうがないから伝説の国の魔道具を駆使して 気ままに快適冒険者を目指しながら 周りのみんなを無自覚でハッピーライフに巻き込んで? 楽しく生きていこうかな! ゆる〜いスローペースのご都合ファンタジーです。
小説家になろう様でも投稿をしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる