前世が勇者!?~巡る命と、記憶を~

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1章

聞きたいこと

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「ごはぁっ!!!!」

パチンっと響く音と同時に俺は吹っ飛んだ。
まるで、誰かにぶたれたかのような…
ぶたれた?

「エ、エレルなのか…?」

目の前にいたのは美少女だった。
とても、白い。
まわりの色がすべて霞んで見えるほど、明るく、純粋で白い肌と髪。

ただ頬だけは、ほんのりと赤く染め上げられ、膨らまされている。

「このっ、このへ、変態っ!!」

そう言いながら浴室から出ていくエレル。
まて、その先にいるのは…

「え!?なに??だれなの!?」

よりにもよって母 サイカに見つかるなんて、絶対に面倒くさくなる!
ここは俺が先制しないと…!

「助けてくださいっ!あの人が私の前で脱ぎだしたんです!!」

「ヨシキーっっ!どういう事なのー!?」

手遅れだった。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「ところでこの子、誰なの?」

俺は今正座させられている。誰であろう、目の前の2人によって。

「ご、誤解だ!俺はそいつの彼氏でもなんでもない!」

「彼氏でも何でもなかったら、もっと問題じゃない!」

くっ、迂闊だった。もっと慎重に言葉を選ばないと…
だとしても、俺の前世だ。なんて言ったって信じるわけもないだろう。
もっとややこしくなるし、第一なんで、エレルは姿を現したんだ…

「すいません、お母さん。悪いのはこいつだけど、私は大丈夫ですから。許してあげてください。」

そこで言葉を発するのはエレル。
おかしい、部外者はエレルのはずなのに2対1になっている。

「お前、エレル!どういうことだよ!母さんこれには深い事情があって…!」

「あらそう?あなた…エレルちゃん?がいいって言うならいいんだけど」

いいんかーい。
いや、俺の母さんは普通ではなかった。
普通の人だったらもっとこう、取り乱すはずだし、見たことのない女の味方はしない…はずだ。

「そして、お母さん。提案があります。私をここで住まわせてください!」

は?何言ってんだ。
そんなこと簡単に決めれることじゃないだろう!

「いいわよ!むしろウェルカムだわ!」

いいんかーい。
もうさすがとしか言えない。

「いいのかよ、母さん。そんな唐突に、結構大事なことだと思うけど」

そう、大事なこと。
うちでエレルを住まわせなければ他に宛もないだろうし、俺の中で住むとか言われても困る。
多分超困る。(風呂とかね)

「いいわよ。家族が増えるなんて!素敵だわ!それもこんなに可愛いなんて!」

母さんに家族のことを言われると何も言えない。
俺を拾ってくれたのは、子供を埋めないからだそうだ。
小さい頃に父親からの残虐な虐待を受け、男性恐怖症と子宮に障害を負った、という話らしい。

「本当ですか!ありがとうございますっ!」

嬉しそうな顔をするエレル。

「ちょっとこい、エレル!聞きたいことが山ほどあるぞ!」

そう、聞きたいこと。
まず、なぜ突然姿を見せたのか、今まで姿を見せなかったのか。
次に、記憶について。
エレルが俺から離れた時、自分の中にもう1人の自分がいるという感覚は消えた。しかし、断片的に見えるエレルの記憶については消えない。
そして最後。

なぜ、ムツキに似て、いやほぼ同じと言っていいほどの顔をしているのか。

「その前にちゃんと服着なさいよねっ」

「えっ」

そうだった。俺は今タオル1枚を腰に巻いているだけだった。
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みんなの感想(1件)

2017.07.17 ユーザー名の登録がありません

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2017.07.17

ありがとうございます!初めての感想死ぬほど嬉しいです!伏線とかわかり易すぎですかね、書いてる側だと結末が分からないように伏線を散りばめるのってかなり難しいですね…!!

解除

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