霧島がゲスすぎる話について。

虚実

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~最悪な出会い~ 1話

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「はーい、お前ら席につけー、
今日は新しい転校生を紹介しまーす。」

「はーい!はーい!!!先生!!
     その転校生って女の子ですか!!!!」

「なんだ増田。お前は女の子より勉強に集中しろー。ちなみに、男だ。」

「えー!!!!なんだよー!
       女の子が良かった!!!!」

クラスにドッと笑いが起きる。
増田くんか…あの子はいつも明るくて凄いなぁ……。

いつもみんなに優しくて、あまり目立たない僕にも話しかけてくれる。
本当に優しくて面白い、良い子だ。

でも…男の転校生か。誰だろう。
ま、僕には関係無いけどね。
どうせ話す事はそうそう無いし。
いじめられる事は無いけど、なるべく人と関わらないようにしている。だから僕の立場はクラスにいてもいなくても変わらない、村人Bのような感じだ。
そうして、僕は雲ひとつない、快晴の空に視線を移した時ーーー。

ガラガラッ

「こちら、A県から来た
「霧島 望(きりじま のぞむ)」くんだ。」

その人は見覚えのある、とても薄気味悪い笑顔を浮かべながら教室へと入ってきた。

まさか……。
……きりじま……のぞむって…。
僕は物凄く嫌な予感がした。
心臓がバクバク音を立てながら、頭が真っ白になる。
そんなはずはない。
だって………。
中学の頃の嫌な記憶が蘇る。

「霧島望です。元はA県B高にいました。
よろしくお願いします。」
そう言ってこの男はニッコリと笑った。

「「キャー!!!」」
「「かっこいいっ!!」」
「「やばい!!!!」」

クラスの女子達が一斉に騒ぎ出す。
そいつはただニコニコと笑いながら立っている。

確かに、僕の目から見てもかっこいいとは思う。
でも………。

「(嘘だろ…なんで、こいつが……。)」

なんでこいつが、この学校にいるんだ!ーーーー
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