10 / 12
~負け犬の遠吠え~ 10話
しおりを挟む
「はー、美味しかった…。ね、暁人?」
「え?あぁうん。」
クレープを食べ終えた僕たちは、ベンチの上で二人、くつろいでいた。
「俺、トイレ行ってくるからちょっとまっててくれる?」
「うん。分かった。」
そういった望は、トイレへと向かった。
「望。遅いな。」
望がトイレに行くと言ってから15分くらい経っただろうか。
それなのに望は帰ってくることはなかった。
僕がぼーっとしながら望の帰りを待っていると…………。
「よぉ。お前、【佐田暁人】だろ……?」
僕の周りはいつのまにか、柄の悪い連中に囲まれていたのだったーー。
「なぁ、なんとか言えよ、佐田くんよぉ」
「だ、誰ですか。あなた達。」
こんな柄の悪い奴ら…僕知らないんだけど……。なんなんだ、一体。
「あれぇ?佐田くん。俺らの事忘れちゃったの?あ!もしかして、中学の頃の事も忘れてたりして?」
「え……ちゅ、中学…?」
え……。な、なんで。こいつら…
え、うそ…だろ……?も、もしかして。
中学の頃…僕の事いじめてたやつらーーーーーーーーー?
「ま、まさか。」
「おぉ!やっと思い出してくれたぁ?
もー、佐田くん思い出すの遅いよー?」
その時、僕の頭の中は恐怖で埋め尽くされていた。体も、声も震え、顔は…多分青ざめていただろう。
【怖い】【怖い】【怖い】
もうそれしか考えられなかった。
「佐田くん。ちょっと俺らと遊ぼうよ。
ほら、来い。」
「い、いやだ…!」
「は?なに、佐田くん。また殴られたいの?」
「ひっ!!……い、いやだ……。」
「だったらぁ!!ついて、来るよなぁ?」
「…………は、はい。」
僕は、目の前のこいつに従うしか無かった。僕には【こいつに従う事】それが最前策だとしか思えなかった。
もう、あんな痛くて、苦しい思いはしたくないーーーーー。
「さぁ、始めようかぁ。」
えーーーー。
なんで、僕路地裏に連れ込まれてるんだ…?な、なんで……だって、ついていったら殴らないってーーーー。
「な、なんで…ついてきたら殴らないって…………!!」
「はぁ?なに、そんな事本気で信じてたの?あっはは!!!ばっかじゃねぇの?
俺らはな、あの【霧島望】に散々な目に遭わされたんだよ。そのツケは、お前が払ってくれよ、なぁっ!!!」
目の前のこいつが、腕を振り上げる。
あぁ、またこんな思いをしなきゃならないのか。
怖い。怖い怖い怖い怖いーーーー。
目を瞑り、恐怖に震えていた僕は
その時、無意識にそいつの名前を叫んでいてたーー。
「っ!!た、助けてっ!!
【のぞむっ!!!!!】」
「あきとっっ!!!!!」
「!?」
その時、僕の目の前には望の背中があったーーーーーー。
「の、のぞむ……?」
「ごめんね、暁人。遅くなって。」
そう言った暁人は、僕の方を振り返らなかった。だから、今望がどんな顔をして、どんな気持ちなのかも分からなかった。
だが、僕にはその言葉で十分だった。
「あれぇ?お前、霧島望じゃねえか。
あんときはよくも俺たちを利用してくれたなぁ?」
利用……まぁ、望ならやり兼ねないな。
「利用だなんて人聞きの悪い事言わないでよねぇ……?まぁ、でも君たちが友達からも、先生からも相手にされなくて浮いていくざまは、見ものだったけどねぇ?」
「てっめぇ!!!ふざけてんじゃねぇぞ。
ぶっ殺す。」
仲間の一人が叫ぶ。
まぁ、そんな事言われたら怒るのは当たり前だろうけど。
このとき、僕は望のゲスさを存分に思い知らされるのだったーーー。
「えー?ぶっ殺す……?それ、本当に言ってるの?君たちも、懲りないねぇ……?
あー!わかった!【負け犬の遠吠え】ってやつでしょ?笑」
この時、望の顔は見えなかったが、大体予想ができる…………きっと、ゲスい顔をしているに違いない。
「お前らっ!かかれっ!!」
そう言うと同時に、僕と望の周りにいた奴らが一斉に望に殴りかかった。
「よっ!」
望が軽快に避ける。
だが望は相手に一切触れていない。
なのに……
「「ぬわっ!?」」
「「ぐはっ!!」」
「あれ、こんなもん?俺、一切君たち触ってないんだけど?笑 案外弱いんだね。
図体だけデカイだけで、頭も力も弱い、
なんの取り柄もない奴らだなんて哀れで仕方ないなぁ。」
「てっめぇっ!!!!」
ーーーーーーーーーーーーーーー。
「く、くそっ。お前ら、引き返すぞ。」
仲間の一人がそう言うと、他の奴らはそそくさとその場から居なくなった。
望が挑発して殴りかかってきたやつらは皆地べたに這いつくばっていたーー。
僕は望のゲスさを知っていたつもりだったが、今回でまた改めてそのゲスさを思い知らされた。
回想したくないくらいにーーーー。
「い、いった…のか。」
やっと恐怖から解放された俺は、力が抜けてそのまま倒れてしまいそうになった。
「おっと、大丈夫?暁人。」
「う、うん。あ……あと助けに来てくれてありがとう。」
僕が望に向けて礼を言うと、望はとても悲しそうな顔をして僕を抱きしめた。
「!?な、なんだよっ!ど、どうしたんだ?」
僕は望から離れようと一生懸命に抵抗するが、上手く力が入らず、望の腕から逃れることは出来なかった。
だけど…なぜか、あんなに嫌いだった望に抱きしめられていても、不思議と嫌な気はしなかったのだったーーーー。
「え?あぁうん。」
クレープを食べ終えた僕たちは、ベンチの上で二人、くつろいでいた。
「俺、トイレ行ってくるからちょっとまっててくれる?」
「うん。分かった。」
そういった望は、トイレへと向かった。
「望。遅いな。」
望がトイレに行くと言ってから15分くらい経っただろうか。
それなのに望は帰ってくることはなかった。
僕がぼーっとしながら望の帰りを待っていると…………。
「よぉ。お前、【佐田暁人】だろ……?」
僕の周りはいつのまにか、柄の悪い連中に囲まれていたのだったーー。
「なぁ、なんとか言えよ、佐田くんよぉ」
「だ、誰ですか。あなた達。」
こんな柄の悪い奴ら…僕知らないんだけど……。なんなんだ、一体。
「あれぇ?佐田くん。俺らの事忘れちゃったの?あ!もしかして、中学の頃の事も忘れてたりして?」
「え……ちゅ、中学…?」
え……。な、なんで。こいつら…
え、うそ…だろ……?も、もしかして。
中学の頃…僕の事いじめてたやつらーーーーーーーーー?
「ま、まさか。」
「おぉ!やっと思い出してくれたぁ?
もー、佐田くん思い出すの遅いよー?」
その時、僕の頭の中は恐怖で埋め尽くされていた。体も、声も震え、顔は…多分青ざめていただろう。
【怖い】【怖い】【怖い】
もうそれしか考えられなかった。
「佐田くん。ちょっと俺らと遊ぼうよ。
ほら、来い。」
「い、いやだ…!」
「は?なに、佐田くん。また殴られたいの?」
「ひっ!!……い、いやだ……。」
「だったらぁ!!ついて、来るよなぁ?」
「…………は、はい。」
僕は、目の前のこいつに従うしか無かった。僕には【こいつに従う事】それが最前策だとしか思えなかった。
もう、あんな痛くて、苦しい思いはしたくないーーーーー。
「さぁ、始めようかぁ。」
えーーーー。
なんで、僕路地裏に連れ込まれてるんだ…?な、なんで……だって、ついていったら殴らないってーーーー。
「な、なんで…ついてきたら殴らないって…………!!」
「はぁ?なに、そんな事本気で信じてたの?あっはは!!!ばっかじゃねぇの?
俺らはな、あの【霧島望】に散々な目に遭わされたんだよ。そのツケは、お前が払ってくれよ、なぁっ!!!」
目の前のこいつが、腕を振り上げる。
あぁ、またこんな思いをしなきゃならないのか。
怖い。怖い怖い怖い怖いーーーー。
目を瞑り、恐怖に震えていた僕は
その時、無意識にそいつの名前を叫んでいてたーー。
「っ!!た、助けてっ!!
【のぞむっ!!!!!】」
「あきとっっ!!!!!」
「!?」
その時、僕の目の前には望の背中があったーーーーーー。
「の、のぞむ……?」
「ごめんね、暁人。遅くなって。」
そう言った暁人は、僕の方を振り返らなかった。だから、今望がどんな顔をして、どんな気持ちなのかも分からなかった。
だが、僕にはその言葉で十分だった。
「あれぇ?お前、霧島望じゃねえか。
あんときはよくも俺たちを利用してくれたなぁ?」
利用……まぁ、望ならやり兼ねないな。
「利用だなんて人聞きの悪い事言わないでよねぇ……?まぁ、でも君たちが友達からも、先生からも相手にされなくて浮いていくざまは、見ものだったけどねぇ?」
「てっめぇ!!!ふざけてんじゃねぇぞ。
ぶっ殺す。」
仲間の一人が叫ぶ。
まぁ、そんな事言われたら怒るのは当たり前だろうけど。
このとき、僕は望のゲスさを存分に思い知らされるのだったーーー。
「えー?ぶっ殺す……?それ、本当に言ってるの?君たちも、懲りないねぇ……?
あー!わかった!【負け犬の遠吠え】ってやつでしょ?笑」
この時、望の顔は見えなかったが、大体予想ができる…………きっと、ゲスい顔をしているに違いない。
「お前らっ!かかれっ!!」
そう言うと同時に、僕と望の周りにいた奴らが一斉に望に殴りかかった。
「よっ!」
望が軽快に避ける。
だが望は相手に一切触れていない。
なのに……
「「ぬわっ!?」」
「「ぐはっ!!」」
「あれ、こんなもん?俺、一切君たち触ってないんだけど?笑 案外弱いんだね。
図体だけデカイだけで、頭も力も弱い、
なんの取り柄もない奴らだなんて哀れで仕方ないなぁ。」
「てっめぇっ!!!!」
ーーーーーーーーーーーーーーー。
「く、くそっ。お前ら、引き返すぞ。」
仲間の一人がそう言うと、他の奴らはそそくさとその場から居なくなった。
望が挑発して殴りかかってきたやつらは皆地べたに這いつくばっていたーー。
僕は望のゲスさを知っていたつもりだったが、今回でまた改めてそのゲスさを思い知らされた。
回想したくないくらいにーーーー。
「い、いった…のか。」
やっと恐怖から解放された俺は、力が抜けてそのまま倒れてしまいそうになった。
「おっと、大丈夫?暁人。」
「う、うん。あ……あと助けに来てくれてありがとう。」
僕が望に向けて礼を言うと、望はとても悲しそうな顔をして僕を抱きしめた。
「!?な、なんだよっ!ど、どうしたんだ?」
僕は望から離れようと一生懸命に抵抗するが、上手く力が入らず、望の腕から逃れることは出来なかった。
だけど…なぜか、あんなに嫌いだった望に抱きしめられていても、不思議と嫌な気はしなかったのだったーーーー。
0
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ビッチです!誤解しないでください!
モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃
「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」
「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」
「大丈夫か?あんな噂気にするな」
「晃ほど清純な男はいないというのに」
「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」
噂じゃなくて事実ですけど!!!??
俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生……
魔性の男で申し訳ない笑
めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!
クラスのボッチくんな僕が風邪をひいたら急激なモテ期が到来した件について。
とうふ
BL
題名そのままです。
クラスでボッチ陰キャな僕が風邪をひいた。友達もいないから、誰も心配してくれない。静かな部屋で落ち込んでいたが...モテ期の到来!?いつも無視してたクラスの人が、先生が、先輩が、部屋に押しかけてきた!あの、僕風邪なんですけど。
ハッピーエンドのために妹に代わって惚れ薬を飲んだ悪役兄の101回目
カギカッコ「」
BL
ヤられて不幸になる妹のハッピーエンドのため、リバース転生し続けている兄は我が身を犠牲にする。妹が飲むはずだった惚れ薬を代わりに飲んで。
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる