深い森の彼方に

とも茶

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第七章 再会 いったいこの国は2

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前の宿舎であった長身の娘のことが気になっていた。一週間後に会おうって約束だった。「性転換手術」で何日寝ていたのかよくわからないが、一週間以上寝ていたのは間違いなかった。この職場に来てからも一週間以上経ってしまっていた。
前の職場の地下街は今の職場から比較的近くすぐわかっていたので、その地下街からいつもの通勤経路を通ってあの宿舎に行こうとした。毎日通っていて忘れるはずのない道だった。しかし、いくら行ってもたどり着かなかった。途中までは間違ってはいなかった。しかし、もうすぐ宿舎というところで、いつも周囲の風景が変わってしまっていた。どこで違う風景に変るのかがどうしてもわからなかった。宿舎の裏にあったはずの、広くて深い森も、長身の娘と話しをした河原も全く見当たらなかった。
毎日、終業後に歩き回った。風景の変化を一歩一歩確認しながら歩いた。でもいつの間にか知らない町に出ていた。

長身の娘と最後に会ってからそろそろ一ヶ月近くが経とうとしていた。出勤前の慌しい朝、地下街の公衆トイレに入った。かつて私が掃除をしていたところだ。相変らず、扉も仕切りもない個室(そういうのを個室というのだろうか)は居心地が悪かったが、贅沢は言っていられなかった。私も穴に跨りスカートをたくし上げショーツをおろしてしゃがんだ。隣りにも放尿している長身の若い女性がいた。ひょっとして彼女では。並んだままお互い放尿中で、顔を確認しようがなかった。
「あの、ひょっとして、あなたは。」
局部を拭き終わりショーツをあげて出ようとしている彼女に声をかけた。彼女は振り返った。
「あっ・・・」
「やっぱり・・・」
私もあわてて身繕いをしてトイレを出た。
「後から入ってきたあなたを見て、似てるなと思ったのよ。でも、あの宿舎にいたころのあなたはいつもちょっと薄汚れた仕事着だったし、こんな素敵な服着てるなんて思いもよらなかったから。」
「ごめんなさい。あれから数日後リーダーに呼ばれて一週間ぐらい身動きできなかったの。その後は職場も住居も違うところにさせられて・・・」
「ちょっと触らせてもらっていい?」
彼女は、私のブラウスのボタンを一つ外し手を差し入れブラジャーの中を探った。そしてスカートの裾から手を入れ、まだ太い異物を挿入したままの局部に触れた。
「もう、胸はまだだけど、下は女になる手術を受けたのね。色々話をしたいけど、地下街は一目につきやすいわ。リーダーもよくここには来るようだし。そこの階段を地上に上がったところから一区画東側、コンビニがあるでしょ、わかる?」
「うん、わかる。」
「じゃあ、その前で今日の午後6時、待ってるわ。」


相変らず意地悪くネチネチと言ってくる上司や先輩を無視して、そそくさと職場を離れ長身の娘との約束のコンビニの前に急いだ。彼女は既に待っていた。
「ごめんなさい、遅くなって。」
「いいのよ、あたしも今来たばっかり。じゃあ、ちょっと目立たないところに行こうか。」
「かえって、大勢の人がごちゃごちゃしてるところのほうがめだたないんじゃない?」
「そうね、じゃ、あそこのコーヒーショップで。」
大勢の勤め帰りの客でごった返しているコーヒーショップの奥まった席に落ち着いた。
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