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第十六章 様々な侵入者
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結局、長身の娘にも、ピンクハウスにも会う機会は閉ざされたといっていいだろう。そもそも会うこと自体が偶然の産物なのだ。最大の疑問はリーダーだ。どうしてしまったのか。司令官のいう「元の」が気にかかる。
司令官が武器を用意しておくと言っていた。最後に会ったピンクハウスはかなり切羽詰まった様子だった。もし奇跡的に遭遇したら話をしたい。でも、彼女の精神状態からして思わぬ行動に出るかもしれない。しばらく基地にも行っていなかったこともあるので、基地に行って武器を預かっておいたほうがよさそうだった。
どこにでかけるにも、タイミングも最近うまくいくようになってきた。着替えて、化粧をして、アクセサリーを身に着けたところでエレベータで階下に降りる。するとほぼ同時に若い運転手の運転する車はマンション前に停車する。もっとも本部付の中年運転手はそうはいかない。待たせられることもあれば、かなり前からきているらしく、運転席で居眠りをしていることもある。
今日は軍用ジープで出迎えを受けた。
「おはようございます。今日は基地ということでよろしいですか。」
「お願いします。ゆっくり揺れないように走ってくださいね。」
「わかりました。」
ジープは30km/hほどの低速でゆっくりと走った。このぐらいでないと振動と騒音で運転手と話もできない。
「最近不審者の様子はどうですか?」
「ひところより件数は減ってきたようです。」
「それはよかったですね。」
「でも、あのフリヒラ女はちょっと・・・」
「まだ、この世界に残っていたのですか?」
「いや残っていると言っていいのか、よくわかりません。突然現れるのですが、行動がかなり不穏なのです。」
「何かとんでもないことを・・・」
「あの女は、そもそも2か月ほど前までは繁華街の清掃をしていたのですが、トイレ掃除の時に奇声を発して小用中の女性にいきなり飛び掛かったのです。女性は咄嗟に逃げ出したのですがショーツを下ろしたままだったので走れずに別の便器に足を取られ、転んでしまいまいた。骨折ということです。」
「彼女は、小用中の女にどうしようとしたのでしょうか。」
「興奮させやがって、というような捨て台詞を残して逃げ出しました。」
「戻ってきたのですか?」
「いえ、管理室には戻りませんでした。その後しばらく全く姿を見せなくなりました。ところが先週あたりから、郊外の特に建物もまばらにしかない地域に突然現れ、めくらめっぽう走り回っている姿が目撃されています。ときおり、地下街や公園などのトイレにも現れて、小用中の女性に罵声を浴びせたりしています。しかし、いつも突然消えてしまうのです。」
司令官は既に会うこともできないのではないかと言っていたが、相変わらずこの世界に出現しているようだ。しかし、かなり精神に変調をきたしているように見受けられる。恐らく、羞恥心のない女たちがさらけ出す股間に対する性的興奮と、向こうの世界への郷愁がない交ぜになって混乱しているのだろうと想像できた。私も、あの学校では興奮を抑えられずに首になったのだから。この世界から完全に離れていかないのも、精神的不安定な状況に原因があるのかもしれない。
「レオタードの女とか和服の女とかも出てきたと聞きましたが。」
「その後目撃されていません。気を付けなくてはならないのはフリヒラ女だけです。」
「突然、ボーっと現れる人は?」
「結構出現しますが、ほとんど影響がないということで静観しています。」
「それは安心ですね。」
「でも、私もたまたま出会ったのですが、泣き叫ぶ7~8歳の裸の女の子に足を開かせて腰を押し付けている体の大きな毛むくじゃらの人が出現したのには驚きました。子供の悲鳴とともにすぐに消えていきましたが。」
「それはもう妄想ではなく、もう犯罪・・・」
司令官が武器を用意しておくと言っていた。最後に会ったピンクハウスはかなり切羽詰まった様子だった。もし奇跡的に遭遇したら話をしたい。でも、彼女の精神状態からして思わぬ行動に出るかもしれない。しばらく基地にも行っていなかったこともあるので、基地に行って武器を預かっておいたほうがよさそうだった。
どこにでかけるにも、タイミングも最近うまくいくようになってきた。着替えて、化粧をして、アクセサリーを身に着けたところでエレベータで階下に降りる。するとほぼ同時に若い運転手の運転する車はマンション前に停車する。もっとも本部付の中年運転手はそうはいかない。待たせられることもあれば、かなり前からきているらしく、運転席で居眠りをしていることもある。
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「ひところより件数は減ってきたようです。」
「それはよかったですね。」
「でも、あのフリヒラ女はちょっと・・・」
「まだ、この世界に残っていたのですか?」
「いや残っていると言っていいのか、よくわかりません。突然現れるのですが、行動がかなり不穏なのです。」
「何かとんでもないことを・・・」
「あの女は、そもそも2か月ほど前までは繁華街の清掃をしていたのですが、トイレ掃除の時に奇声を発して小用中の女性にいきなり飛び掛かったのです。女性は咄嗟に逃げ出したのですがショーツを下ろしたままだったので走れずに別の便器に足を取られ、転んでしまいまいた。骨折ということです。」
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「興奮させやがって、というような捨て台詞を残して逃げ出しました。」
「戻ってきたのですか?」
「いえ、管理室には戻りませんでした。その後しばらく全く姿を見せなくなりました。ところが先週あたりから、郊外の特に建物もまばらにしかない地域に突然現れ、めくらめっぽう走り回っている姿が目撃されています。ときおり、地下街や公園などのトイレにも現れて、小用中の女性に罵声を浴びせたりしています。しかし、いつも突然消えてしまうのです。」
司令官は既に会うこともできないのではないかと言っていたが、相変わらずこの世界に出現しているようだ。しかし、かなり精神に変調をきたしているように見受けられる。恐らく、羞恥心のない女たちがさらけ出す股間に対する性的興奮と、向こうの世界への郷愁がない交ぜになって混乱しているのだろうと想像できた。私も、あの学校では興奮を抑えられずに首になったのだから。この世界から完全に離れていかないのも、精神的不安定な状況に原因があるのかもしれない。
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