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晴天と嵐が常にくる仕事
しおりを挟むこの戦場へと足を踏み入れた者達は、強者である。
阿鼻叫喚は、連鎖し、一度嵐が止んだかと思えばさらなる雄叫びが響き渡る。
一分一秒で、ほんの少しの采配の差で、晴天にもなれば、雷雨にも変わる。
理解のない人間からは楽な仕事と言われ、理解あるものからは尊敬の念が注がれる。
毎日同じ繰り返しのようで、全く違う一日がその場では流れていく。
昨日は大層ご機嫌をさそったモノが、今日は阿鼻叫喚を呼ぶ引き金になる。
時に泣き叫びながらも別れを強要しなければならない。
「大丈夫」
「こっちは大丈夫だから、お願いね」
「分かりました。一度外へと気分転換に行ってきます」
「了解です」
一対一で一人が関われば、それを周りがカバーしつつ、状況全体を把握しながら動いていく。
けれど、彼らの仕事は一つではない。
窓開けから食事の補給、清掃、最近では無限消毒という任務までが加わり、また、様々な人数制限という制約から人数が足りないのにもかかわらず、部屋を分け、それをどうにかこなしていく。
皆が、緊張感と隣り合わせである。
「すみません! 会議で必要な書類は揃ってますか!?」
「え?! 印刷まだしてないの!?」
「まってまって、これ、いつまでに提出の書類?!」
「電話連絡ちゃんとしましたか!?」
「安全点検の書類は!?」
「消毒液が足りません!注文は!?」
さまざまな事柄が重なり合い、本来の仕事とは別の所で、さらなる仕事が重なっていく。
「ちょっと待って! 明日もう月が変わるわ! 準備は!?」
「出来てますが、時間内に……終わるかは不明です」
時間との勝負である。
月末にはさらに仕事が増える。しかし、彼らは常に笑顔を忘れない。
日常的に行われる挨拶で、素敵な笑顔を常に標準装備し、いかなる大変な嵐下においても、相手の事を思いやる気持ちを持っている。
その一言で、救われる人がいる。
その笑顔で、元気になる人がいる。
阿鼻叫喚と共に別れを強要しなければならない時、申し訳なさを感じた瞬間の「大丈夫ですよ。いってらっしゃい」の一言が、いかに心を救ってくれるものか。
体験した者は、心からの感謝を伝えることだろう。
そして、いつの間にかに大きくなっている姿を、感動を、共有してくれる。
虹はきらきらと輝き、笑顔が爽やかな風と共に駆け抜ける。
ありがとう。
ありがとう。
貴方達がいるから、安心して皆が戦場に立てる。
貴方達がいるから、別れがあっても頑張れる。
★★★★★
正解 → 全国の保育士、幼稚園教諭、素晴らしい先生達
たくさん読んでくれて嬉しかったので、第二弾です。
読んで下さってありがとうございました。感謝感謝でさらに感謝です。
作者 かのん
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ウーバーイーツは、途中でわかりましたが、保育士さんは、最後までわかりませんでした。
でも、読み返してみると、確かにそうだと思う仕事内容。
頭が下がります。
推測するのもおもしろかったです。ありがとうございました。
ウーバーイーツってすごいですよね。頼んだことないんですけど。
途中でわかるなんてさすがミドリさん!
保育士さんって本当にすごい。ありがたいですよね!
推測楽しんでいただけて良かったです!!
保育士さん。お世話になりました!
今でも感謝しかないです。親のメンタルまで
気にかけて下さり神!!
読んでみると意外と好きです。
問題を解くみたいに色々想像できて答えに『なるほど~』って考えさせられます
二度美味しい。