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六話 可愛い人 ※ルイス視点
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自分がこんなにも女性のことを可愛いと思うなど、ルイス自身思ってもみなかった。
元々は侯爵家の次男として生まれ、騎士として身を立てた。そんな自分は戦争にて功績を立てたことから国の英雄だなんだと言われ近づいてくる女性も多かった。
ただそうした女性は自分を肩書でしか見ていないようで少し苦手に思った。
女性は皆努力し、美しさを保つ。
だからこそ、自分自身あまり好みというものを感じたこともなければ、誰か特定の女性に対して好意を抱いたこともなかった。
それに男ばかりの職場であり、女性と関わり合いになることも少なかった。
周りはそろそろ身を固めてはどうかと持ち掛けてくれるが、自分自身結婚したいほどの相手に出会っておらず、それで女性と結婚するのは失礼に思えて、この年まで独り身でいた。
しかし、エラは違う。
一目会った時から、可愛らしい人だと感じていた。
おそらくは一目ぼれというものなのであろう。
婚約破棄を告げられても凛と立ち、取り乱すことをせずに冷静に対処しようとする姿を支えたいと思った。
笑顔であったならもっと素敵なのだろうと思い、自分が笑顔にしたいと思った。
話をしてみればよく笑う女性であり、おいしそうにご飯を食べる姿も可愛らしかった。
ルイスは、先日の食事のことを思い出しながら書類仕事を終わらせていく。
婚約破棄自体はすでに済んだということで、彼女に今婚約者はいない。
すぐにでも名乗り出ようかと思ったが、婚約破棄されたばかりの彼女の気持ちを考えると、どうすればいいのかがわからず、とにかく今は会う時間を増やし、関係を築いていくことがいいのではないかとルイスは結論付けた。
「なぁ、隊長どうしたんだ?」
「なんでもな、恋煩いらしいぞ」
「恋煩い!?」
いつもは書類仕事を渋々行うルイスは淡々と仕事している姿に騎士たちは騒ぎ、そしてルイスの恋を静かに応援する。
「なんでも、舞踏会で婚約破棄されたらしい」
「わぁ。可哀そうになぁ。でもそれなら団長にもチャンスがあるなぁ」
「あぁ! その通りだ。我らが体調の恋をみんなで応援しようぜ」
「そうだな」
騎士団内部がルイスの恋愛をひそかに応援し出したころ、そのひそかな応援は王城内でも有名なうわさ話として広がっていった。
「騎士団長様が恋したそうよ!」
「お相手は、エラ・コーラル嬢ですって! ほら、あのジャン様の」
「あぁ! まぁまぁ! よかったわねぇ。あんな浮気者の男より数十倍も素敵なお相手だわ!」
「うらやましいわぁ」
女性たちは楽しそうに話をし、それらは貴族社会の中でも広がっていった。
そして、それはジャンの耳にも届く。
「なんだと!? 騎士団長が……エラに恋!? ははっ嘘だろ。あんな可愛くない女が?」
ジャンと一緒に街でデートしていたベティはその噂に唇をかんだ。
「あの女性には靡かないルイス様が!? 嘘よ! 何かの間違いよ!」
噂は各所で広がって言っていることを、当の本人たちはまだ知らない。
元々は侯爵家の次男として生まれ、騎士として身を立てた。そんな自分は戦争にて功績を立てたことから国の英雄だなんだと言われ近づいてくる女性も多かった。
ただそうした女性は自分を肩書でしか見ていないようで少し苦手に思った。
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だからこそ、自分自身あまり好みというものを感じたこともなければ、誰か特定の女性に対して好意を抱いたこともなかった。
それに男ばかりの職場であり、女性と関わり合いになることも少なかった。
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しかし、エラは違う。
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おそらくは一目ぼれというものなのであろう。
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笑顔であったならもっと素敵なのだろうと思い、自分が笑顔にしたいと思った。
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ルイスは、先日の食事のことを思い出しながら書類仕事を終わらせていく。
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「なぁ、隊長どうしたんだ?」
「なんでもな、恋煩いらしいぞ」
「恋煩い!?」
いつもは書類仕事を渋々行うルイスは淡々と仕事している姿に騎士たちは騒ぎ、そしてルイスの恋を静かに応援する。
「なんでも、舞踏会で婚約破棄されたらしい」
「わぁ。可哀そうになぁ。でもそれなら団長にもチャンスがあるなぁ」
「あぁ! その通りだ。我らが体調の恋をみんなで応援しようぜ」
「そうだな」
騎士団内部がルイスの恋愛をひそかに応援し出したころ、そのひそかな応援は王城内でも有名なうわさ話として広がっていった。
「騎士団長様が恋したそうよ!」
「お相手は、エラ・コーラル嬢ですって! ほら、あのジャン様の」
「あぁ! まぁまぁ! よかったわねぇ。あんな浮気者の男より数十倍も素敵なお相手だわ!」
「うらやましいわぁ」
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そして、それはジャンの耳にも届く。
「なんだと!? 騎士団長が……エラに恋!? ははっ嘘だろ。あんな可愛くない女が?」
ジャンと一緒に街でデートしていたベティはその噂に唇をかんだ。
「あの女性には靡かないルイス様が!? 嘘よ! 何かの間違いよ!」
噂は各所で広がって言っていることを、当の本人たちはまだ知らない。
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