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第三十四話
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オーレリアは、こちらに敵意が無いことを示すために、明朝、数人と共にグレッグの元へと行く旨をしたためた手紙を出した。
グレッグからは了承の手紙があっさりと帰ってきたのだが、それか逆に不安を煽る。
本当に、自分を連れ帰るだけでグレッグは満足するのだろうかという思いの中、オーレリアは身支度を整えると、エドモンドとエルザ、それに数人の護衛をつけてグレッグの元へと向かった。
皆が心配してはいるが、オーレリアは大丈夫だと伝えて微笑んだ。
その様子に、さすがは元は暗部たちである。
念の為にとそれぞれが四方八方へと散り、何かがあったとしてもオーレリアだけは逃げ切れるようにと行動をしていく。
駐屯地の入り口には騎士が待機しており、オーレリアが姿を現すと明らかに好意的な笑みを浮かべた。
「オーレリア皇女殿下、ご無事で何よりです。」
「皆が待っております。」
オーレリアはその言葉に訝しげながらも騎士について行くと、その光景に目を見張った。
オーレリアが姿を現した瞬間に歓声が上がりその場に集まっていた整列をした騎士らに笑みが浮かんでいる。
どういう事かと考えている間に皆の前に立つグレッグの前へと誘導される。
久しぶりに会った兄はいつものようにグレッグオーレリアを見下した瞳で言った。
「よくぞ無事に帰ってきたな。父上がお前の無事な姿を見たいと首を長くして待っているぞ。」
「それは、有難きことにございます。」
「それにな、ここにはお前を敵国の魔の手から救おうと精鋭が集まったのだ。もし、レイズ王国がお前を返さないと言っていたならば、攻め込むつもりであった。」
その言葉にやはりかと思いながら、オーレリアは笑みを浮かべると皆に視線を移した。
皆の瞳はオーレリアが無事な事を喜んでいるように感じられる。
昔からグレッグは人の心を掴み、戦いを鼓舞することを得意としていた。その為ならば嫌っている妹であろうと、使える物は使う男だ。
「だが、きっとそなたは敵国で辛い目にあっただろう?よし、兄がその敵をとってきてやろう。」
「お言葉ですが兄様。」
「何だ?」
グレッグから余計な事は言うなという視線を感じたが、オーレリアはそれに気づかないふりをひて言った。
「戦う事はありません。レイズ王国は、オフィリア帝国の友となることが出来るはずです。」
「何だと?友だと?」
「はい。お兄様、レイズ王国と平和の道を歩もうとは、思っていただけないのでしょうか?」
グレッグは剣を引き抜くとその切っ先をオーレリアの首元へと向けた。
皆が息を呑んだ。
「洗脳でもされたのか?愛しい妹よ。」
そんな事を思ったこともないだろうにそう言う兄に、オーレリアは真っ直ぐに言った。
「争いは何も生みません。民を苦しめ、不幸を増やすだけです。争わない道を、歩む事は出来ないものでしょうか。」
グレッグは大きな声で笑うと言った。
「馬鹿な考えだ。力を持ってして戦を勝ち取ればその分だけ皆が喜ぶのだぞ。」
「皆とは誰ですか?王ですか?貴族ですか?争いで父を失った子は喜びますか?足を失った騎士は喜びますか?両親ともにいなくなり路頭に迷う子ども達は?」
騎士らのオーレリアを見つめる空気が変わっていく。
「お前はそんな事を考えなくてもいいだろう?」
グレッグの言葉にオーレリアは首を横に振った。
「いいえ。私は、、、私はオフィリア帝国に争いのない国になってもらいたい。その為に、私は帝王位を賜りたく思っております。」
オーレリアの言葉にグレッグは目を丸くした。
グレッグからは了承の手紙があっさりと帰ってきたのだが、それか逆に不安を煽る。
本当に、自分を連れ帰るだけでグレッグは満足するのだろうかという思いの中、オーレリアは身支度を整えると、エドモンドとエルザ、それに数人の護衛をつけてグレッグの元へと向かった。
皆が心配してはいるが、オーレリアは大丈夫だと伝えて微笑んだ。
その様子に、さすがは元は暗部たちである。
念の為にとそれぞれが四方八方へと散り、何かがあったとしてもオーレリアだけは逃げ切れるようにと行動をしていく。
駐屯地の入り口には騎士が待機しており、オーレリアが姿を現すと明らかに好意的な笑みを浮かべた。
「オーレリア皇女殿下、ご無事で何よりです。」
「皆が待っております。」
オーレリアはその言葉に訝しげながらも騎士について行くと、その光景に目を見張った。
オーレリアが姿を現した瞬間に歓声が上がりその場に集まっていた整列をした騎士らに笑みが浮かんでいる。
どういう事かと考えている間に皆の前に立つグレッグの前へと誘導される。
久しぶりに会った兄はいつものようにグレッグオーレリアを見下した瞳で言った。
「よくぞ無事に帰ってきたな。父上がお前の無事な姿を見たいと首を長くして待っているぞ。」
「それは、有難きことにございます。」
「それにな、ここにはお前を敵国の魔の手から救おうと精鋭が集まったのだ。もし、レイズ王国がお前を返さないと言っていたならば、攻め込むつもりであった。」
その言葉にやはりかと思いながら、オーレリアは笑みを浮かべると皆に視線を移した。
皆の瞳はオーレリアが無事な事を喜んでいるように感じられる。
昔からグレッグは人の心を掴み、戦いを鼓舞することを得意としていた。その為ならば嫌っている妹であろうと、使える物は使う男だ。
「だが、きっとそなたは敵国で辛い目にあっただろう?よし、兄がその敵をとってきてやろう。」
「お言葉ですが兄様。」
「何だ?」
グレッグから余計な事は言うなという視線を感じたが、オーレリアはそれに気づかないふりをひて言った。
「戦う事はありません。レイズ王国は、オフィリア帝国の友となることが出来るはずです。」
「何だと?友だと?」
「はい。お兄様、レイズ王国と平和の道を歩もうとは、思っていただけないのでしょうか?」
グレッグは剣を引き抜くとその切っ先をオーレリアの首元へと向けた。
皆が息を呑んだ。
「洗脳でもされたのか?愛しい妹よ。」
そんな事を思ったこともないだろうにそう言う兄に、オーレリアは真っ直ぐに言った。
「争いは何も生みません。民を苦しめ、不幸を増やすだけです。争わない道を、歩む事は出来ないものでしょうか。」
グレッグは大きな声で笑うと言った。
「馬鹿な考えだ。力を持ってして戦を勝ち取ればその分だけ皆が喜ぶのだぞ。」
「皆とは誰ですか?王ですか?貴族ですか?争いで父を失った子は喜びますか?足を失った騎士は喜びますか?両親ともにいなくなり路頭に迷う子ども達は?」
騎士らのオーレリアを見つめる空気が変わっていく。
「お前はそんな事を考えなくてもいいだろう?」
グレッグの言葉にオーレリアは首を横に振った。
「いいえ。私は、、、私はオフィリア帝国に争いのない国になってもらいたい。その為に、私は帝王位を賜りたく思っております。」
オーレリアの言葉にグレッグは目を丸くした。
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