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第十九話
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視線がこれほどまでに痛く感じるのはいつ振りか。
枯樹も深鮟も泥女も寝子も玉枝の視線に思わず苦笑を浮かべてしまう。
敵視ではない。
それはまるで自分達をどうにか救い出そうとしているかのような、そんな視線。
これが神々の薬師かと、四人は苦笑を浮かべた。
玉枝は小刀で刻んだ印を発動する時を見計らい、四人が自分の範囲に入った瞬間を狙った。
「なんだ?」
四人はその印に眉間にシワを寄せた。
玉枝は優しい声で四人に言った。
「薬を調合する間、少し待ってくださいね?」
四人が目を丸くした瞬間地面に印が広がり、発動する。
「これは!」
「転移か!」
「あら、動けないわ。」
「あはっ!まんまとやられたね。」
四人に玉枝はひらひらと手を降る。
「後でご相手しますので。」
次の瞬間四人の姿は消え去り、玉枝は鈴を立たせた。
「え・・これは?」
「さぁ、いこう。」
「え?あの、寝子達は?」
「彼らもまた、穢れてしまった神々。薬師は戦うのではない。治療するのが仕事。だからね、相手の土俵には立たないの。後からしっかりと向き合って薬を作らなければね。おおよそは予想がついたけれど、詳しくはちゃんと診てからでないと。」
玉枝はそう言うと歩き始めた。
鈴も驚きながらも玉枝の後ろを追いかけ、そして道案内を続ける。
「あの、彼らはどこへ?」
「ん?先程の社に仕掛けをしたでしょう?あそこ。穢れを身に宿す神々は出られないよ。」
玉枝はそう言うと、鈴に視線を向けた。
「どうした?」
「いえ、薬師とは・・難しい務めなのだなぁと思って・・。」
玉枝は頷いた。
「難しい。穢れを祓うのは特に、ね。」
玉枝は目の前の戸の前で足を止めると鈴に言った。
「覚悟は大丈夫?」
鈴が頷いたのを見て、玉枝は戸を開いた。
枯樹も深鮟も泥女も寝子も玉枝の視線に思わず苦笑を浮かべてしまう。
敵視ではない。
それはまるで自分達をどうにか救い出そうとしているかのような、そんな視線。
これが神々の薬師かと、四人は苦笑を浮かべた。
玉枝は小刀で刻んだ印を発動する時を見計らい、四人が自分の範囲に入った瞬間を狙った。
「なんだ?」
四人はその印に眉間にシワを寄せた。
玉枝は優しい声で四人に言った。
「薬を調合する間、少し待ってくださいね?」
四人が目を丸くした瞬間地面に印が広がり、発動する。
「これは!」
「転移か!」
「あら、動けないわ。」
「あはっ!まんまとやられたね。」
四人に玉枝はひらひらと手を降る。
「後でご相手しますので。」
次の瞬間四人の姿は消え去り、玉枝は鈴を立たせた。
「え・・これは?」
「さぁ、いこう。」
「え?あの、寝子達は?」
「彼らもまた、穢れてしまった神々。薬師は戦うのではない。治療するのが仕事。だからね、相手の土俵には立たないの。後からしっかりと向き合って薬を作らなければね。おおよそは予想がついたけれど、詳しくはちゃんと診てからでないと。」
玉枝はそう言うと歩き始めた。
鈴も驚きながらも玉枝の後ろを追いかけ、そして道案内を続ける。
「あの、彼らはどこへ?」
「ん?先程の社に仕掛けをしたでしょう?あそこ。穢れを身に宿す神々は出られないよ。」
玉枝はそう言うと、鈴に視線を向けた。
「どうした?」
「いえ、薬師とは・・難しい務めなのだなぁと思って・・。」
玉枝は頷いた。
「難しい。穢れを祓うのは特に、ね。」
玉枝は目の前の戸の前で足を止めると鈴に言った。
「覚悟は大丈夫?」
鈴が頷いたのを見て、玉枝は戸を開いた。
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