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第二章
第三話
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嵐を抜けたのか、船はだいぶ揺れが収まり、フィリアはほっと胸をなでおろした。
腕の紋様が何なのかはまた調べなければならないが、似たような紋様を何処かで見たことがある気がするが、それが思い出せない。
その時、誰かが上から降りてくる気配がしてグリードは、フィリアが見えないように背に隠した。
カツカツと足音が響き、檻を持っていた杖で叩きつけた男は、ニヤリと笑みを浮かべた。
「お前らは、化物の国と呼ばれるノラン王国に売られるんだ。もうすぐ船がつくからお利口さんにしておくんだぞ?」
眼帯をつけた男はかなりの美丈夫であり、ニヤリと笑う姿も様になっていて、フィリアは海賊とはこんなふうなのだなぁとグリードの背から覗き込んで思っていた。
様子を見に来ただけだったのだろう。すぐにまたはしごを登っていくかと思ったが、不意に足を止めて鼻を鳴らす。
「ん、、、、女の匂いがするな。」
フィリアは思わず自分をくんくんと嗅いでみたが臭くはないと思う。
男はまたこちらに歩いてくると、グリードの前で止まった。
「そこ、どいてみな。」
グリードは怯えたふりをしてフィリアを背に隠して一歩後退する。
なんだか、こんなふうに守ってもらうのは初めてでドキドキとしてしまう。
「こらこら、手荒な真似はしたくないからな。ほらどいて。」
男は杖を檻の中に差し込むとグリードを押しのけてフィリアを見た。
グリードは下手に抵抗する方がまずいと判断したようで、男を恨めしそうに見つめている。
フィリアを見た男は首を傾げた。
「女の奴隷を載せた覚えはないが。お前、どこから入った?」
するとグリードはフィリアをまた自分の後ろに隠して言った。
「俺の妹なんだ。お願いだ。俺はなんでもするから妹は助けてくれ。」
フィリアはすぐに言い返した。
「妹じゃないわ!妻よ!」
場がシンとなり、男は吹き出すようにして笑い声を上げた。
「妻!姉さん女房か!旦那を追ってこんなとこまで来ちまったのか!こりゃ傑作だな!」
グリードは顔を真っ赤にしてうつむいた。
「そうかしら?妻ですもの。いつも一緒よ?」
「そうかい。それで仲良く売られるのか。」
「ええ。そのつもり。」
「はっ!面白いな。お前の相手をしてやるよ。こっちにきな。その変な眼鏡をはずして綺麗に湯につけてやれば見目も多少はよくなるだろ?」
「あら嫌よ。」
「奴隷には人権はないんだぜ?さ、こっちに来い。」
フィリアはにっこりと微笑むと、少し考え、そして頷いた。
グリードは驚いてその腕を掴んだ。
「何を考えている?隠れていろよ。」
フィリアは笑い、可愛らしく言った。
「大丈夫よ。少し話をつけてくるわ。」
そう言うとフィリアは男と共に行ってしまい、グリードは焦りを覚えた。
あの妖精のような見た目が分かればきっと男はなんとしてでもフィリアを手に入れるだろう。
何をされるか分かったものではない。
グリードはどうするか悩んだ。
今ここで暴れるのは得策ではないが、フィリアをそのままにもしておけない。
グリードは鍵を開けて甲板に上がる決意をすると外へと出た。
すると、上の方から何やら騒がしい音が響いて聞こえる。
焦り、急いで上に上がるとグリードは目を丸くした。
「あら?グリード出てきたの?」
そこには、海賊の男達が地面に突っ伏してうめき声を上げる姿があった。
その真ん中で微笑みを浮かべるフィリアに、グリードは天を仰いだ。
腕の紋様が何なのかはまた調べなければならないが、似たような紋様を何処かで見たことがある気がするが、それが思い出せない。
その時、誰かが上から降りてくる気配がしてグリードは、フィリアが見えないように背に隠した。
カツカツと足音が響き、檻を持っていた杖で叩きつけた男は、ニヤリと笑みを浮かべた。
「お前らは、化物の国と呼ばれるノラン王国に売られるんだ。もうすぐ船がつくからお利口さんにしておくんだぞ?」
眼帯をつけた男はかなりの美丈夫であり、ニヤリと笑う姿も様になっていて、フィリアは海賊とはこんなふうなのだなぁとグリードの背から覗き込んで思っていた。
様子を見に来ただけだったのだろう。すぐにまたはしごを登っていくかと思ったが、不意に足を止めて鼻を鳴らす。
「ん、、、、女の匂いがするな。」
フィリアは思わず自分をくんくんと嗅いでみたが臭くはないと思う。
男はまたこちらに歩いてくると、グリードの前で止まった。
「そこ、どいてみな。」
グリードは怯えたふりをしてフィリアを背に隠して一歩後退する。
なんだか、こんなふうに守ってもらうのは初めてでドキドキとしてしまう。
「こらこら、手荒な真似はしたくないからな。ほらどいて。」
男は杖を檻の中に差し込むとグリードを押しのけてフィリアを見た。
グリードは下手に抵抗する方がまずいと判断したようで、男を恨めしそうに見つめている。
フィリアを見た男は首を傾げた。
「女の奴隷を載せた覚えはないが。お前、どこから入った?」
するとグリードはフィリアをまた自分の後ろに隠して言った。
「俺の妹なんだ。お願いだ。俺はなんでもするから妹は助けてくれ。」
フィリアはすぐに言い返した。
「妹じゃないわ!妻よ!」
場がシンとなり、男は吹き出すようにして笑い声を上げた。
「妻!姉さん女房か!旦那を追ってこんなとこまで来ちまったのか!こりゃ傑作だな!」
グリードは顔を真っ赤にしてうつむいた。
「そうかしら?妻ですもの。いつも一緒よ?」
「そうかい。それで仲良く売られるのか。」
「ええ。そのつもり。」
「はっ!面白いな。お前の相手をしてやるよ。こっちにきな。その変な眼鏡をはずして綺麗に湯につけてやれば見目も多少はよくなるだろ?」
「あら嫌よ。」
「奴隷には人権はないんだぜ?さ、こっちに来い。」
フィリアはにっこりと微笑むと、少し考え、そして頷いた。
グリードは驚いてその腕を掴んだ。
「何を考えている?隠れていろよ。」
フィリアは笑い、可愛らしく言った。
「大丈夫よ。少し話をつけてくるわ。」
そう言うとフィリアは男と共に行ってしまい、グリードは焦りを覚えた。
あの妖精のような見た目が分かればきっと男はなんとしてでもフィリアを手に入れるだろう。
何をされるか分かったものではない。
グリードはどうするか悩んだ。
今ここで暴れるのは得策ではないが、フィリアをそのままにもしておけない。
グリードは鍵を開けて甲板に上がる決意をすると外へと出た。
すると、上の方から何やら騒がしい音が響いて聞こえる。
焦り、急いで上に上がるとグリードは目を丸くした。
「あら?グリード出てきたの?」
そこには、海賊の男達が地面に突っ伏してうめき声を上げる姿があった。
その真ん中で微笑みを浮かべるフィリアに、グリードは天を仰いだ。
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