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27話
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意識を失ったレオは黒い繭に包まれているような形となっており、ノアは抱きかかえると楽しそうに言った。
「あぁ、やっと手に入った」
すると、ジャルが肩をすくめて言った。
「ほかにも捕まえられる時はあった。何故今だったんだ?」
ノアは楽しそうに言った。
「我が君が、自らそう思ったからですよ。それに、アルル様を守ろうという気持ちが強くなった時、殿下の瞳の色があまりにも美しくて、この人こそが王だと、確信したんです」
ジンは腕を組むと、意識を失うレオを覗き込みながらつぶやく。
「本当に、我が君なのか? アルル様ではないのか?」
「ふふふふ。王座に座らせれば分かるでしょう」
「その前に、ちょっと記憶はいじった方がよさそうですね」
皆がオロチの方を向く。
懐から小瓶を取り出したオロチはにやにやとしながら言った。
「太陽の花を採取し、それを闇で解かして調合したんです。ふふふふふ。大切に思っている人を、どうでもいいと思える、そんな薬です。ふふふふふ」
「そりゃーいい」
ジンが楽しそうにそう言い、ジャルも同意するようにうなずく。
「我が君もさぞ喜ばれるでしょう」
「さぁ、とにかく王座へと連れて行きましょう」
ノアの言葉に皆が動き出した時であった。
突然、屋敷の周りに結界がはられたかと思うと、風が吹き抜け、黒い魔法使いの周りを光が取り囲む。
それと同時に、その場に白いローブを身に纏った光の魔法使いたちが閃光と共に現れ、杖を黒い魔法使いたちに向けた。
風がやみ、静かなにらみ合いが続く、その時。
――――――ドゴォォォォォン
稲妻が地面に落ち、轟音を響かせた。
緊張が走る。
稲妻が落ちた位置に立っていたのは、偉大なる大魔法使いアロン。
その表情は怒りに満ちており、杖を黒い魔法使いに向けながら声をあげた。
「屋敷に無断で侵入し、レオを連れ去ろうとするとはな。わたしがそれを許すとでも思ったか」
低い声には怒りが含まれており、ノアは笑い声をあげた。
「ははは。あぁ、怒っているのですね」
黒い魔法使いを取り囲むようにして立つ白い魔法使いたち。
アロンは真っすぐに杖を黒い魔法使いたちへと向けたまま言った。
「レオを大人しく返すのじゃ」
「嫌ですよ」
次の瞬間から、白い魔法使いと黒い魔法使いとの戦いが巻き起こり始める。
激しい魔法のぶつかり合い。
アロンは巨大な竜を生み出しそれを操るが、それにノアが対抗する。
たくさんの虫が空を飛び会光の魔法使いへと襲い掛かる。
魔法で全身に甲冑を纏ったジンは、地面をたたき割り、白い魔法使いたちを後ろへと下がらせる。
そこへ、霧が立ち込めはじめ、幻影のオロチの幻が白い魔法使いたちを惑わせる。
アロンが霧をはらおう魔法をかけた瞬間、今度はドリーの毒の魔法が白い魔法使いたちに襲い掛かる。
「距離を取りながら、消耗戦じゃ! 絶対に逃がしてはならんぞ!」
アロンの声に、白い魔法使いたちは黒い魔法使いと距離を取り、攻撃をとめどなく仕掛け続ける。
「こりゃやっかい。ノア。どうする」
ジャルの言葉に、ノアはケラケラと笑い声を立てた。
「どうするって、押し通すしかないでしょう! 道を探して逃げましょう! 私たちは逃げたら勝ちなんですからね! あははは! 大魔法使いとはさすがですねぇ! こちらが逃げられないように、通って来た闇の道はすべて遮断されてますよ! 本当に厄介ですねぇ」
すると、ジンがフンと鼻息を荒くすると言った。
「ならば、うぬが道をこじ開けてやろう! ドリー! 行くぞ!」
「はいはい。いつでもどうぞ」
「じゃあ、私も援護しますかねぇ。くひひひ」
ジンは身体強化魔法を全身に纏っているのだろう。ほかの魔法使いとは違い、杖は構えずに地面をたたき割ると、岩を次々に空に向かって投げ始める。
その速さは尋常ではない。
ぶつかればひとたまりもないだろう。
そんなジンの投げた岩にドリーが毒の魔法を纏わせる。
白い魔法使いたちはそれを空中で叩き割ろうと魔法を唱えるが、ジャルの虫がそんな白い魔法使いたちを邪魔しにいった。
「虫か! くそ、焼き払え!」
「無駄無駄。たくさんお友達いるんですよ」
その間にノアは劫火の竜を出現させると、次々に地上を燃やし、白い魔法使いたちを攻撃し始める。
「水よ! 炎を打ち消せ!」
「ははは! 私の炎は普通の水じゃ消えませんよ!」
オロチは白い魔法使いに幻影の魔法をかけ、一人、また一人と幻影の世界へと招き入れていく。
「ふふふふふ。さぁ、幻へ、落ちて行きなさい」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ」
黒い魔法使いたちの攻撃を白い魔法使いたちも打ち消し、攻撃に転じたりもするが、どうしても闇の力の威力に押される。
「絶対に、逃がさぬぞ!」
「えぇい! じじい! 邪魔だ! ドリー! ジャル!」
アロンはジンを攻撃するが、その魔法をドリーとジャルに防がれる。
しかも、黒い魔法使いたちからあふれる闇は次第に広がり始め、はらってもはらっても、どんどんと溢れ出てくる。
「何故!? こんなにも闇が!」
アロンが闇の先へと視線を向けると、五人の中心に置かれた黒い繭に包まれたレオから闇が溢れ出ていることに気がついた。
「くっ……レオを闇で呑みこみ、レオの意識がないことをいいことに、レオの体内にある闇を、次々に外へと引き出していっているのか! まだ子どもじゃぞ! なんいう非道! そんなことをすれば、レオの心がどうなると思っている!」
五人の黒い魔法使いは、笑みを浮かべるとレオから伸びてきた闇を得て恍惚とした笑みを浮かべた。
「闇は我らの力の源です」
ノアの言葉に続くようにドリーが続ける。
「我が君はなんという素晴らしい力をお持ちなのでしょう」
ジャルは笑い声をあげながらうなずく。
「本当に、その通りですね。くひひ。それに、心? 大丈夫。黒い魔法使いとなれば心なんて必要ありませんから」
オロチは肩をすくめた。
「そんなの、この人たちに言っても理解できないでしょうね」
ジンは拳を地面に打ち付けながら声をあげる。
「その通りだ! 闇こそ正義! 闇こそ救い! それが分からぬやつらだからな!」
アロンはそんな黒い魔法使いたちを一括する。
「黙れ! お前たちにレオの何が分かる! やっとじゃ、やっと暗闇から抜け出したというのに! それなのに、また、十歳の子どもにそのような苦行を強いると言うのか! わしは絶対に許さんぞ!」
アロンは光の魔法使いたちと共に次々に魔法を生み出すが、闇の力が強大であり黒い魔法使いたちに押されていく。
「正念場じゃぞ! ここでレオを奪われれば何が起こるかわからん! 絶対に、踏みとどまらねばならん!」
「「「「「「はい!」」」」」」」
闇と光とがぶつかり合うが、光がどんどんと闇に呑まれていくような、そんな攻撃が続く。
このままでは、闇の力に呑み込まれるのも時間の問題だ。
せめて闇を止めることが出来たならば!
その時であった。
「我、闇をすべし力を持つもの、我願う。闇よ影に帰れ、闇よ、住まいし地に帰れ!」
光がその場を包み込み、皆が一斉にそちらを向く。
ほうきにまたがり銀色の髪の毛を月を後ろにして靡かせるのは、アロンの娘であり弟子のアルルであった。
「あぁ、やっと手に入った」
すると、ジャルが肩をすくめて言った。
「ほかにも捕まえられる時はあった。何故今だったんだ?」
ノアは楽しそうに言った。
「我が君が、自らそう思ったからですよ。それに、アルル様を守ろうという気持ちが強くなった時、殿下の瞳の色があまりにも美しくて、この人こそが王だと、確信したんです」
ジンは腕を組むと、意識を失うレオを覗き込みながらつぶやく。
「本当に、我が君なのか? アルル様ではないのか?」
「ふふふふ。王座に座らせれば分かるでしょう」
「その前に、ちょっと記憶はいじった方がよさそうですね」
皆がオロチの方を向く。
懐から小瓶を取り出したオロチはにやにやとしながら言った。
「太陽の花を採取し、それを闇で解かして調合したんです。ふふふふふ。大切に思っている人を、どうでもいいと思える、そんな薬です。ふふふふふ」
「そりゃーいい」
ジンが楽しそうにそう言い、ジャルも同意するようにうなずく。
「我が君もさぞ喜ばれるでしょう」
「さぁ、とにかく王座へと連れて行きましょう」
ノアの言葉に皆が動き出した時であった。
突然、屋敷の周りに結界がはられたかと思うと、風が吹き抜け、黒い魔法使いの周りを光が取り囲む。
それと同時に、その場に白いローブを身に纏った光の魔法使いたちが閃光と共に現れ、杖を黒い魔法使いたちに向けた。
風がやみ、静かなにらみ合いが続く、その時。
――――――ドゴォォォォォン
稲妻が地面に落ち、轟音を響かせた。
緊張が走る。
稲妻が落ちた位置に立っていたのは、偉大なる大魔法使いアロン。
その表情は怒りに満ちており、杖を黒い魔法使いに向けながら声をあげた。
「屋敷に無断で侵入し、レオを連れ去ろうとするとはな。わたしがそれを許すとでも思ったか」
低い声には怒りが含まれており、ノアは笑い声をあげた。
「ははは。あぁ、怒っているのですね」
黒い魔法使いを取り囲むようにして立つ白い魔法使いたち。
アロンは真っすぐに杖を黒い魔法使いたちへと向けたまま言った。
「レオを大人しく返すのじゃ」
「嫌ですよ」
次の瞬間から、白い魔法使いと黒い魔法使いとの戦いが巻き起こり始める。
激しい魔法のぶつかり合い。
アロンは巨大な竜を生み出しそれを操るが、それにノアが対抗する。
たくさんの虫が空を飛び会光の魔法使いへと襲い掛かる。
魔法で全身に甲冑を纏ったジンは、地面をたたき割り、白い魔法使いたちを後ろへと下がらせる。
そこへ、霧が立ち込めはじめ、幻影のオロチの幻が白い魔法使いたちを惑わせる。
アロンが霧をはらおう魔法をかけた瞬間、今度はドリーの毒の魔法が白い魔法使いたちに襲い掛かる。
「距離を取りながら、消耗戦じゃ! 絶対に逃がしてはならんぞ!」
アロンの声に、白い魔法使いたちは黒い魔法使いと距離を取り、攻撃をとめどなく仕掛け続ける。
「こりゃやっかい。ノア。どうする」
ジャルの言葉に、ノアはケラケラと笑い声を立てた。
「どうするって、押し通すしかないでしょう! 道を探して逃げましょう! 私たちは逃げたら勝ちなんですからね! あははは! 大魔法使いとはさすがですねぇ! こちらが逃げられないように、通って来た闇の道はすべて遮断されてますよ! 本当に厄介ですねぇ」
すると、ジンがフンと鼻息を荒くすると言った。
「ならば、うぬが道をこじ開けてやろう! ドリー! 行くぞ!」
「はいはい。いつでもどうぞ」
「じゃあ、私も援護しますかねぇ。くひひひ」
ジンは身体強化魔法を全身に纏っているのだろう。ほかの魔法使いとは違い、杖は構えずに地面をたたき割ると、岩を次々に空に向かって投げ始める。
その速さは尋常ではない。
ぶつかればひとたまりもないだろう。
そんなジンの投げた岩にドリーが毒の魔法を纏わせる。
白い魔法使いたちはそれを空中で叩き割ろうと魔法を唱えるが、ジャルの虫がそんな白い魔法使いたちを邪魔しにいった。
「虫か! くそ、焼き払え!」
「無駄無駄。たくさんお友達いるんですよ」
その間にノアは劫火の竜を出現させると、次々に地上を燃やし、白い魔法使いたちを攻撃し始める。
「水よ! 炎を打ち消せ!」
「ははは! 私の炎は普通の水じゃ消えませんよ!」
オロチは白い魔法使いに幻影の魔法をかけ、一人、また一人と幻影の世界へと招き入れていく。
「ふふふふふ。さぁ、幻へ、落ちて行きなさい」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ」
黒い魔法使いたちの攻撃を白い魔法使いたちも打ち消し、攻撃に転じたりもするが、どうしても闇の力の威力に押される。
「絶対に、逃がさぬぞ!」
「えぇい! じじい! 邪魔だ! ドリー! ジャル!」
アロンはジンを攻撃するが、その魔法をドリーとジャルに防がれる。
しかも、黒い魔法使いたちからあふれる闇は次第に広がり始め、はらってもはらっても、どんどんと溢れ出てくる。
「何故!? こんなにも闇が!」
アロンが闇の先へと視線を向けると、五人の中心に置かれた黒い繭に包まれたレオから闇が溢れ出ていることに気がついた。
「くっ……レオを闇で呑みこみ、レオの意識がないことをいいことに、レオの体内にある闇を、次々に外へと引き出していっているのか! まだ子どもじゃぞ! なんいう非道! そんなことをすれば、レオの心がどうなると思っている!」
五人の黒い魔法使いは、笑みを浮かべるとレオから伸びてきた闇を得て恍惚とした笑みを浮かべた。
「闇は我らの力の源です」
ノアの言葉に続くようにドリーが続ける。
「我が君はなんという素晴らしい力をお持ちなのでしょう」
ジャルは笑い声をあげながらうなずく。
「本当に、その通りですね。くひひ。それに、心? 大丈夫。黒い魔法使いとなれば心なんて必要ありませんから」
オロチは肩をすくめた。
「そんなの、この人たちに言っても理解できないでしょうね」
ジンは拳を地面に打ち付けながら声をあげる。
「その通りだ! 闇こそ正義! 闇こそ救い! それが分からぬやつらだからな!」
アロンはそんな黒い魔法使いたちを一括する。
「黙れ! お前たちにレオの何が分かる! やっとじゃ、やっと暗闇から抜け出したというのに! それなのに、また、十歳の子どもにそのような苦行を強いると言うのか! わしは絶対に許さんぞ!」
アロンは光の魔法使いたちと共に次々に魔法を生み出すが、闇の力が強大であり黒い魔法使いたちに押されていく。
「正念場じゃぞ! ここでレオを奪われれば何が起こるかわからん! 絶対に、踏みとどまらねばならん!」
「「「「「「はい!」」」」」」」
闇と光とがぶつかり合うが、光がどんどんと闇に呑まれていくような、そんな攻撃が続く。
このままでは、闇の力に呑み込まれるのも時間の問題だ。
せめて闇を止めることが出来たならば!
その時であった。
「我、闇をすべし力を持つもの、我願う。闇よ影に帰れ、闇よ、住まいし地に帰れ!」
光がその場を包み込み、皆が一斉にそちらを向く。
ほうきにまたがり銀色の髪の毛を月を後ろにして靡かせるのは、アロンの娘であり弟子のアルルであった。
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