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第二百二話
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アルルが先頭を歩き、先ほどの光で見えたという飛び石の所へと三人は歩いて行った。
確かにアルルの言ったとおりに、そこには水に浮かぶ飛び石が湖の奥へと続いていた。
だがしかし、その先は真っ暗闇であり、本当にそれが奥まで続いていると言う確証はない。
「行ってみる?」
アルルがそう言うと、レオとキースはそろって渋い顔をして首を縦にも横にも振らない。
その様子を見たアルルは肩をすくめると、三人で本当にほかに道がないかを見て回った。だが、道を探すが湖を渡れそうなのはその飛び石だけである。
「さっきは光を飛ばしたから、反応したのかも。今度は違うものを飛ばしてみようか。」
アルルはそう言うと魔法の杖を振った。
「蝶よ暗闇を飛んで行け。」
魔法で生まれた蝶はひらひらと音を立てずに湖の上を飛んでいく。
それを見た三人は、ゆっくりと飛んでいく姿にほっとした。
「ほら、明るかったから、それに反応、、、、」
「え。」
「は?」
次の瞬間、湖の中からにゅるりと何かが姿を現すと、蝶をじろりじろりと眺めるようにして動いた後に、口らしきものがぱっくりと開き、蝶をまるのみして水の中へと沈んでいった。
三人は、目をぱちくりとした後に、何も見ていないと言うかのようにお互いに顔を見合わせて首を振ると、小さく息を吐き、アルルが言った。
「取りあえず、飛んでいくのはなしで。」
すかさず、レオとキースは賛同した。
『賛成。』
三人はその後、どうするべきかしばらく話し合い、守護魔法と防御壁をしっかりと張ってから一気に飛び石を渡ることにした。
三人は飛び石の前で呼吸を整えると、レオ、アルル、キースの順に一気に飛び石を飛び始めた。
最初何も起こらなかったことから、三人は行けると思った。
だが、三人は気づいてしまう。
「水の中に、光が!」
「さっきのやつらだ!」
「急げ!!」
水の中にはぼんやりと光が見えた。
おそらくは先ほどのアルルの魔法の光を飲み込んだ何かが水面近くまであがってきたのだろう。
キースは走りながらアルルの背を追った。
銀色の髪が淡い光に照らされて、煌めいて見えた。
一瞬、キースはそれに気を取られてしまい、気がついたときには足を滑らせていた。
「あっ!」
キースは水の中に落ちないようにと悪魔に命じようとしたが、アルルがキースの声に反応して振り替えると迷うことなく手を伸ばし体を支える。
自分の方へとアルルはキースを引き、ぎゅっと抱き締め会う形で石の上に立つ。
キースは自分の心臓がうるさいくらいに鳴るのを感じた。
アルルは自分をまっすぐに見ると言った。
「気を抜いちゃダメだよ!行くよ!」
そう言うとアルルはまた飛び石を渡り始める。
キースはうるさい心臓の音を感じながらも必死にその後を追った。
そして、三人が飛び石を渡り終わった瞬間に飛び石の上を何かが水音をたてて飛び交ったが、しばらくすると静かになった。
三人は呆然と地面に座り込むと、堪えきれずに笑いが浮かぶ。
「こわかったぁぁ!」
「本当に!!」
「ダメかと思った!」
怖いことは、一周回って笑ってしまうのだなと三人は思った。
確かにアルルの言ったとおりに、そこには水に浮かぶ飛び石が湖の奥へと続いていた。
だがしかし、その先は真っ暗闇であり、本当にそれが奥まで続いていると言う確証はない。
「行ってみる?」
アルルがそう言うと、レオとキースはそろって渋い顔をして首を縦にも横にも振らない。
その様子を見たアルルは肩をすくめると、三人で本当にほかに道がないかを見て回った。だが、道を探すが湖を渡れそうなのはその飛び石だけである。
「さっきは光を飛ばしたから、反応したのかも。今度は違うものを飛ばしてみようか。」
アルルはそう言うと魔法の杖を振った。
「蝶よ暗闇を飛んで行け。」
魔法で生まれた蝶はひらひらと音を立てずに湖の上を飛んでいく。
それを見た三人は、ゆっくりと飛んでいく姿にほっとした。
「ほら、明るかったから、それに反応、、、、」
「え。」
「は?」
次の瞬間、湖の中からにゅるりと何かが姿を現すと、蝶をじろりじろりと眺めるようにして動いた後に、口らしきものがぱっくりと開き、蝶をまるのみして水の中へと沈んでいった。
三人は、目をぱちくりとした後に、何も見ていないと言うかのようにお互いに顔を見合わせて首を振ると、小さく息を吐き、アルルが言った。
「取りあえず、飛んでいくのはなしで。」
すかさず、レオとキースは賛同した。
『賛成。』
三人はその後、どうするべきかしばらく話し合い、守護魔法と防御壁をしっかりと張ってから一気に飛び石を渡ることにした。
三人は飛び石の前で呼吸を整えると、レオ、アルル、キースの順に一気に飛び石を飛び始めた。
最初何も起こらなかったことから、三人は行けると思った。
だが、三人は気づいてしまう。
「水の中に、光が!」
「さっきのやつらだ!」
「急げ!!」
水の中にはぼんやりと光が見えた。
おそらくは先ほどのアルルの魔法の光を飲み込んだ何かが水面近くまであがってきたのだろう。
キースは走りながらアルルの背を追った。
銀色の髪が淡い光に照らされて、煌めいて見えた。
一瞬、キースはそれに気を取られてしまい、気がついたときには足を滑らせていた。
「あっ!」
キースは水の中に落ちないようにと悪魔に命じようとしたが、アルルがキースの声に反応して振り替えると迷うことなく手を伸ばし体を支える。
自分の方へとアルルはキースを引き、ぎゅっと抱き締め会う形で石の上に立つ。
キースは自分の心臓がうるさいくらいに鳴るのを感じた。
アルルは自分をまっすぐに見ると言った。
「気を抜いちゃダメだよ!行くよ!」
そう言うとアルルはまた飛び石を渡り始める。
キースはうるさい心臓の音を感じながらも必死にその後を追った。
そして、三人が飛び石を渡り終わった瞬間に飛び石の上を何かが水音をたてて飛び交ったが、しばらくすると静かになった。
三人は呆然と地面に座り込むと、堪えきれずに笑いが浮かぶ。
「こわかったぁぁ!」
「本当に!!」
「ダメかと思った!」
怖いことは、一周回って笑ってしまうのだなと三人は思った。
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