【完結】婚約破棄され処刑された私は人生をやり直す ~女狐に騙される男共を強制的に矯正してやる~

かのん

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十二話 女狐メリー

 それから時間は流れ、ついに、ルークやオリバー、グレイが女狐メリーと出会う年がやってきた。

 シャルロッテは、一年の間に三人をまた攻略されては困るという理由から、一つ上の学年に、公爵家の力を使って入学することに成功したのである。

 そして、今年、シャルロッテも兄たちと一緒に学園に通うことが決まっている。

 絶対に女狐メリーのいいようにはさせないと、そう心に決めたシャルロッテは、意気込んで学園の門をくぐったのであった。

 これから一年、どのようにメリーが三人を攻略していったのか、それをシャルロッテは知らない。

 入学式ではルークが新入生代表の挨拶を行い、そしてつつがなく式は進行した。

「さぁ、いつ現れるのかしら?」

 式が無事に終わり、この後はグレイとルークとオリバーと共にお昼を一緒に食べる約束をしている。

「シャルロッテ」

 三人が手を振り、こちらに歩いてくるのが見えた。その時、そんな三人に横からぶつかる令嬢が現れる。

 ふんわりとしたピンク色の髪と、丸くて大きな金色の瞳。

 令嬢はぶつかって、小さく”きゃっ”と声をあげると、その場にへたりと座り込んでしう。

「失礼。大丈夫かい?」

 ルークが手を差し伸べる。

「ご、ごめんなさい」

 きゅるるんっという効果音が聞こえてくるようなその仕草に、ルークは動きを止める。

 それにメリーは小首をかしげる。

 オリバーは代わりにメリーに手を貸し、起こす。

 メリーはスカートのほこりを払うと、かわいらしく微笑みを浮かべて言った。

「申し訳ありませんでした。助け起こしてくださり、ありがとうございます」

 その様子を見ていたシャルロッテはなるほどと納得する。

 このようにして偶然を装って出会い、そして懐に入り込んでいったのかと思いながら、にやりと微笑む。

 メリーはきっとこの後、笑いかけてもらえると思っているだろう。だが、そうなるはずはない。

 三人の顔は少しばかり強張り、ルークは言った。

「いや、こちらも見ていなかったからね。では失礼するよ」

「え?」

 メリーには思わぬ反応だったのかもしれない。だが、この数年で、私はメリーの真似をしながらしっかりと三人を矯正してある。

 女は可愛いばかりのものではないと。

 女は可愛いふりをしてもしたたかであると。

 女は裏の顔を持つと。

 女は弱いばかりではないと。

 だからこそ、三人はメリーの様子に警戒心を抱いているはずだ。

 メリーは慌てた口調で言った。

「あ、あの、どうか謝罪代わりに、お茶でもいかがですか?」

 その言葉に、グレイが返事をする。

「申し訳ないが、先約があるのでね。失礼」

 そう言って、三人は私の姿を見つけるとブンブンとしっぽを振りながらこちらへとやってくる。

 シャルロッテはこちらを睨みつけてくるメリーに微笑みを向ける。

 今回はお前の思うようにはさせないと、シャルロッテは心の中で呟いた。
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