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26話
「ただの従者がなにを言っているの。わ、私は魔物憑きに人生を奪われたの。セシーリアが幾ら人を救ったって、魔物憑きが人間じゃないのに変わりはないわ!」
「そうやって考える事を捨てた貴方の方が……よほど人間ではないと思えます」
「この無礼者! 誰に発言をして!」
「いい加減になされローザ殿、貴方は先程から王家の意向を無視して発言されているのを理解しておられますか?」
制止の声を上げたのは大臣だった。
私としてはようやく仲裁をしたかと思うほどに対応は遅いが、恐らく私が手を出すのかを判断していたのかもしれない。
結果としてエミネのおかげで、彼らの望む危険な存在という判断はされなかったようだ。
「わ、私は王家のために……」
「これは王家と、セシーリア殿との話し合いです。それを中断する権利は貴方にはありません」
「な、殴られたのよ! こんな無礼を受けて……」
「貴方の発言は本来なら侮辱罪です。ここは痛み分けとして黙っていてください」
大臣の言葉にローザはようやく口を閉じる。
私はエミネに感謝を伝えるように視線を向けた後、ようやく話し合いの場に意識を向ける。
「貴方の力は十分に理解できました。そして先程侍女の方が述べた通りに、決して人に害を成す存在でもない事も分かりました」
「ご理解いただけて良かったです」
「その上で、私から王家を代表してお話をさせていただきたい」
大臣は神妙な表情のまま、言葉を続ける。
「まずご理解いただきたいのは、魔物憑きという存在を王家としては脅威と認識している事です」
「脅威、ですか?」
「えぇ……現辺境伯様が魔物憑きである事はご存知ですか? この辺境伯領では周知の事実です」
知っているもなにも、広めたのはそこの女だからね。
ひとまずうなずいておく。
「彼は貴方のように唯一単身で竜種を討てる人物であり、王家にとって重要な刃です」
「それは充分に理解できます」
「同時に王家にとって、彼こそが魔物よりも恐ろしく、危険な存在でもあるのです」
「危険?」
「えぇ、危険です。彼は従順に職務を果たしてくれておりますが、反旗を翻した際に止められる者は誰が居ましょうか? それこそ国軍を総動員しなくてはならぬ事態です」
大臣は危惧している事情を説明する。
だけど私に話す理由が分からなかった。
「それで、王家としては私をどうする気なのですか」
「先程の事情も分かりました。竜種を定期的に狩ってくださっている事に感謝と共に、そんな貴方の自由を阻害しようという気はありません」
「なら交渉通りに――」
「ですが話した通りに辺境伯は王家にとって脅威であり、それは貴方自身もまさに同じ存在です」
大臣の言葉に顔を上げる。
彼が何を言いたいのか分かってしまったからだ。
「王家にとって脅威となる存在が二人、同じ場所に居る事がどれだけ危惧すべき事か分かりますか?」
「……」
「協力されて王家に謀反を起こされた際、我らにとっては絶望ともいえる状況です」
「お嬢様はそんな事はなさりません!」
エミネが口を挟むが、大臣は関係ないと言いたげに首を横に振る。
「するしないではなく、可能性を根絶するのが国家の務めです」
「大臣様、結論を述べてください」
「あぁ……君の自由は保障する。だが……この辺境伯領からは出て行ってほしい。他の地に移り住んでほしい」
「っ!」
「考えだけで言えば、私だってローザ殿と同じく。魔物憑きという人間ならざる存在に恐れを抱いている。共に居られては……危険なのだよ」
魔物憑きというだけで、住む場所さえ離れる事を迫られる。
分かってはいた、理解していた、想像だってしていた。
私達がこの国でどう思われるか……どのように忌避されるか。
だけどここまで好き勝手に言われる事が悔しくてたまらない。
ただ力が強い、人と違うだけで、危険とみなされる事が……堪らなく苦々しい。
「私は……」
「セシーリア! 大臣様の言う通りよ、さっさと消えなさい!」
「黙っていなさい」
「いいえ大臣様、この交渉をセシーリアは受け入れるべきよ!! 人間でもない存在なのだから僻地で孤独に暮らしなさい! 私とアロルドの幸せを奪った報いを受けるのよ!」
その時私はある事に気付いた。
足音が聞こえる、誰かが屋敷に入ってきた音だ……
大臣の後ろにいた学者たちが先に気付いたのか、息を呑む音が聞こえた。
だけどローザは気付かずに、言葉をまくし立てる。
「出て行きなさい! そして二度と人に関わらないで! 人間でもない貴方は孤独に––––」
「誰が出て行く必要がある」
冷たい声が響いた。
私が聞いた事がない、怒りを含んだ彼の声だった。
「フィ、フィリクス様……」
「ローザ……お前、誰に出ていけと言っている」
屋敷に入ってきていたのは、なんとフィリクス様だった。
彼はローザへと問いかける。
彼女は驚きで口を開いたまま呆然としていた。
「辺境伯領に王家の者が来ていると報告を受けて来たが……なにをしている? 大臣……答えを聞かせろ」
「へ、辺境伯様。失礼をいたしました、我らはただセシーリア殿とお話のために……」
「誰に出ていけと言った? 答えろ」
「あ……えっ……」
その気迫に大臣が口を閉じる。
怒りが感じ取れる雰囲気に、その場に居た者達が一様に動揺を示す。
私も同じだった。
フィリクス様がここまで怒りを示してくれるとは思っていなかった。
「彼女は出て行かない。ここに居る」
「それは王家の意向とは違い––––」
「俺が決めた、問題があるか?」
「っ!」
有無を言わさぬフィリクス様の言葉。
大臣様が黙ったが、唯一の邪魔が入った。
「ま、魔物憑きが同じ所に寄り集まるなんて信じられない! 私の夫だけでなく、同じ魔物憑きまで誘惑したの? 正真正銘の毒婦ね!」
ローザだけがまくし立てる。
かつて婚約が破綻したフィリクス様を前に改めて冷静になり、怒りを取り戻したのだろう。
「魔物憑きが人並みの幸せを持つなんて信じられない! 私の幸せを奪いながら、好きに生きるなん––––」
「黙っていろ」
だけど言葉の途中で、フィリクス様が手を伸ばす。
そして本当に軽く、指先でローザの喉を突いた。
力など入れていないはず、ただ喉に指先を当てただけなのに……
「っ! げほっ! げほ! げほ! うっ……げぁ」
ローザは苦し気に咳き込み、膝をついて呻く。
喉に指を当てただけ……それでもフィリクス様の観察眼なら、的確に急所を突けるのだろう。
なんにせよ、彼女はいまや地面を転げまわる。
「がはっ! かひゅー、あ……あぁぁ、げほ!」
「暫くだまっていろ」
死にはしない。
だけどローザは呻き、ただ苦し気に地面を這いずる。
「もう一度言う。彼女は出て行かない……俺が決めた」
大臣との交渉。
その返答は私ではなく、フィリクス様の答えで締められた。
「そうやって考える事を捨てた貴方の方が……よほど人間ではないと思えます」
「この無礼者! 誰に発言をして!」
「いい加減になされローザ殿、貴方は先程から王家の意向を無視して発言されているのを理解しておられますか?」
制止の声を上げたのは大臣だった。
私としてはようやく仲裁をしたかと思うほどに対応は遅いが、恐らく私が手を出すのかを判断していたのかもしれない。
結果としてエミネのおかげで、彼らの望む危険な存在という判断はされなかったようだ。
「わ、私は王家のために……」
「これは王家と、セシーリア殿との話し合いです。それを中断する権利は貴方にはありません」
「な、殴られたのよ! こんな無礼を受けて……」
「貴方の発言は本来なら侮辱罪です。ここは痛み分けとして黙っていてください」
大臣の言葉にローザはようやく口を閉じる。
私はエミネに感謝を伝えるように視線を向けた後、ようやく話し合いの場に意識を向ける。
「貴方の力は十分に理解できました。そして先程侍女の方が述べた通りに、決して人に害を成す存在でもない事も分かりました」
「ご理解いただけて良かったです」
「その上で、私から王家を代表してお話をさせていただきたい」
大臣は神妙な表情のまま、言葉を続ける。
「まずご理解いただきたいのは、魔物憑きという存在を王家としては脅威と認識している事です」
「脅威、ですか?」
「えぇ……現辺境伯様が魔物憑きである事はご存知ですか? この辺境伯領では周知の事実です」
知っているもなにも、広めたのはそこの女だからね。
ひとまずうなずいておく。
「彼は貴方のように唯一単身で竜種を討てる人物であり、王家にとって重要な刃です」
「それは充分に理解できます」
「同時に王家にとって、彼こそが魔物よりも恐ろしく、危険な存在でもあるのです」
「危険?」
「えぇ、危険です。彼は従順に職務を果たしてくれておりますが、反旗を翻した際に止められる者は誰が居ましょうか? それこそ国軍を総動員しなくてはならぬ事態です」
大臣は危惧している事情を説明する。
だけど私に話す理由が分からなかった。
「それで、王家としては私をどうする気なのですか」
「先程の事情も分かりました。竜種を定期的に狩ってくださっている事に感謝と共に、そんな貴方の自由を阻害しようという気はありません」
「なら交渉通りに――」
「ですが話した通りに辺境伯は王家にとって脅威であり、それは貴方自身もまさに同じ存在です」
大臣の言葉に顔を上げる。
彼が何を言いたいのか分かってしまったからだ。
「王家にとって脅威となる存在が二人、同じ場所に居る事がどれだけ危惧すべき事か分かりますか?」
「……」
「協力されて王家に謀反を起こされた際、我らにとっては絶望ともいえる状況です」
「お嬢様はそんな事はなさりません!」
エミネが口を挟むが、大臣は関係ないと言いたげに首を横に振る。
「するしないではなく、可能性を根絶するのが国家の務めです」
「大臣様、結論を述べてください」
「あぁ……君の自由は保障する。だが……この辺境伯領からは出て行ってほしい。他の地に移り住んでほしい」
「っ!」
「考えだけで言えば、私だってローザ殿と同じく。魔物憑きという人間ならざる存在に恐れを抱いている。共に居られては……危険なのだよ」
魔物憑きというだけで、住む場所さえ離れる事を迫られる。
分かってはいた、理解していた、想像だってしていた。
私達がこの国でどう思われるか……どのように忌避されるか。
だけどここまで好き勝手に言われる事が悔しくてたまらない。
ただ力が強い、人と違うだけで、危険とみなされる事が……堪らなく苦々しい。
「私は……」
「セシーリア! 大臣様の言う通りよ、さっさと消えなさい!」
「黙っていなさい」
「いいえ大臣様、この交渉をセシーリアは受け入れるべきよ!! 人間でもない存在なのだから僻地で孤独に暮らしなさい! 私とアロルドの幸せを奪った報いを受けるのよ!」
その時私はある事に気付いた。
足音が聞こえる、誰かが屋敷に入ってきた音だ……
大臣の後ろにいた学者たちが先に気付いたのか、息を呑む音が聞こえた。
だけどローザは気付かずに、言葉をまくし立てる。
「出て行きなさい! そして二度と人に関わらないで! 人間でもない貴方は孤独に––––」
「誰が出て行く必要がある」
冷たい声が響いた。
私が聞いた事がない、怒りを含んだ彼の声だった。
「フィ、フィリクス様……」
「ローザ……お前、誰に出ていけと言っている」
屋敷に入ってきていたのは、なんとフィリクス様だった。
彼はローザへと問いかける。
彼女は驚きで口を開いたまま呆然としていた。
「辺境伯領に王家の者が来ていると報告を受けて来たが……なにをしている? 大臣……答えを聞かせろ」
「へ、辺境伯様。失礼をいたしました、我らはただセシーリア殿とお話のために……」
「誰に出ていけと言った? 答えろ」
「あ……えっ……」
その気迫に大臣が口を閉じる。
怒りが感じ取れる雰囲気に、その場に居た者達が一様に動揺を示す。
私も同じだった。
フィリクス様がここまで怒りを示してくれるとは思っていなかった。
「彼女は出て行かない。ここに居る」
「それは王家の意向とは違い––––」
「俺が決めた、問題があるか?」
「っ!」
有無を言わさぬフィリクス様の言葉。
大臣様が黙ったが、唯一の邪魔が入った。
「ま、魔物憑きが同じ所に寄り集まるなんて信じられない! 私の夫だけでなく、同じ魔物憑きまで誘惑したの? 正真正銘の毒婦ね!」
ローザだけがまくし立てる。
かつて婚約が破綻したフィリクス様を前に改めて冷静になり、怒りを取り戻したのだろう。
「魔物憑きが人並みの幸せを持つなんて信じられない! 私の幸せを奪いながら、好きに生きるなん––––」
「黙っていろ」
だけど言葉の途中で、フィリクス様が手を伸ばす。
そして本当に軽く、指先でローザの喉を突いた。
力など入れていないはず、ただ喉に指先を当てただけなのに……
「っ! げほっ! げほ! げほ! うっ……げぁ」
ローザは苦し気に咳き込み、膝をついて呻く。
喉に指を当てただけ……それでもフィリクス様の観察眼なら、的確に急所を突けるのだろう。
なんにせよ、彼女はいまや地面を転げまわる。
「がはっ! かひゅー、あ……あぁぁ、げほ!」
「暫くだまっていろ」
死にはしない。
だけどローザは呻き、ただ苦し気に地面を這いずる。
「もう一度言う。彼女は出て行かない……俺が決めた」
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その返答は私ではなく、フィリクス様の答えで締められた。
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