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8話
しおりを挟む 父との話し合いから直ぐに、リエン地方に向かう準備は整った。
たとえ王家が私を連れ戻すために人を寄越しても、父には隠してもらう予定だ。
これで、私の居場所が伝わる事は無い。
ただ一つ。
父は条件を受け入れる代わりに、私へとある事を要求した。
『ラツィア。リエン地方には弟のレルクも連れていけ』
『レルクを? あの子はまだ学園に通っているはずでは? それにまだ七歳ですし、同行するには若過ぎで……』
『学園は休学させる』
どうしてそこまでと驚く私に、父は言葉を続けた。
『お前はリエン地方を領主代理として治めるのなら、その姿はまだ当主として未熟なレルクにも勉学になろう。例えお前が成功しようと、失敗してもだ』
レルクを次期当主として据えるため、良くも悪くも私の傍で経験させたい。
そういった父の意向に、私は受け入れた。
だからレルクは、リエン地方へと走る馬車に私と乗りながら。
こちらへ視線を向ける。
「姉さん……どうして、また屋敷を出て行くの?」
不安げな問いかけは、まだ七歳程のレルクなら仕方ない。
子供にとって家を出る選択に、疑問を抱くのは当然だ。
「これからリエン地方を治めるためよ。私なりのやり方でね」
「せっかく帰ってきたんだから……ずっと屋敷にいたらいいのに。姉さんが領主代理なんてやる必要ないよ」
「レルク、それは違うわ」
「違くないよ。また失敗したらどうするの。廃妃だってそうだよ……姉さんは好きだけど。僕はまた姉さんが皆に悪く言われるのは…………嫌だよ」
学園にて多数の貴族と関わるレルクは、私の不名誉な噂を聞く事も多々あるのだろう。
私を心配をしてくれていると分かり、少し心が痛む。
でも……
「廃妃は失敗ではなく、新たな門出なのよ。大丈夫、きっとうまくいく。レルクだって……石鹼を使って体を洗ったんでしょ?」
「それは、姉さんの傍はいい匂いなのに……僕が臭いの嫌だから」
「ふふ、同じよ。そうやって……皆の価値観を変えていく事で、きっと上手くいくの」
「何かあったら、帰ろ。ぼくが姉さんをまもるから」
七歳のレルクが、私のためにそう言ってくれる。
隣に座り、キュッと手を握る姿は幼くはあるが、頼もしくもあった。
「ありがとう、レルク」
「うん」
「皆も、着いてきてくれて感謝します。お父様の元にいれば、安泰であるはずなのに」
私が視線を向けたのは、今も走っている馬車の御者。
それに護衛となる衛兵達や使用人だ。
皆がシモンズ公爵家を離れ、私の領主代理としての役目に、同行を志願をしてくれた。
「いえいえ、お嬢様。私達も付き添わせてください」
「その通りです。赤子であった頃から仕えていたお嬢様を、またおひとりにはできません」
「お嬢様、王妃時代は付き添えず。貴方の苦痛に寄り添えずに申し訳ありません」
皆の声に、嬉しさがこみ上げる。
彼らが共通しているのは……私が幼子だった頃からシモンズ公爵家に仕えていること。
旧知の仲で、私を想って付き添ってくれる彼らには本当に感謝しかない。
「頼りにしていますよ、皆さま。ここからリエン地方を、国を変えていきますから」
「はは、大きくでましたな。それでは……我らもお嬢様に付き添わせていただきます」
リエン地方にて、領主代理として国を変える。
今はまだ信じてもらえないけれど、私の暮らしやすい居場所を作るための一歩が、少なくも頼りになる皆と共に踏み出せそうだ。
心には不安などなく、晴れやかな気持ちだった。
……はずなのに。
「王妃時代に貯めた私の資産で、父からリエン地方の屋敷を買い取りましたが……まさか街中だとは……」
「どうしたの姉さん? ここはリエン地方でも唯一栄えている街だから、生活に困る事はないって父様が言ってたよ」
目的地へ向かう途中、私がぼやいた言葉にレルクが首を傾げる。
確かに街中に住むというのは、決して間違いではない。
だが、中世に近い衛生状況の我が国では……
農村よりも市街地の方が、ある大きな問題と直面する事になる。
「落ち着くのよ、私。街についても耐えて、しっかり状況を把握するの。領主代理として耐えなさい」
ある不安に対して自己暗示しながら、心を落ち着かせる。
レルクが奇怪な視線を向けているけれど、今は関係ない。
事前に心構えを作っておかねば、現代を生きていた私の記憶では……古い衛生観念である街中では耐えられないだろうから。
「着きましたよ。お嬢様」
御者の声に顔を上げ、私は大きく深呼吸をする。
だが、やはりすでに臭っている。
この街中にはびこる、圧倒的な問題の臭いがするのだ。
「屋敷まで、なるべく一直線に向かってください」
「分かりました。それでは、街へ入りますね」
街へと馬車が入って行く。
その道中を、車窓から眺めながら私は目を瞠る。
「やはり凄いわね。仕方ない事だけれど、これほどとは」
リエン地方の街並みは、石造りで綺麗な意匠の施された家々が並ぶ。
腕のいい職人がいるのだろう、一目ではまさに中世の街並みといった様子だ。
しかし、ある問題が目に入る。
それは少し道を外れた細道、人の住まない空き地、道路にまでゴミが散乱しているのだ。
「……うっ」
「どうかしましたか? お嬢様、酔われましたか? 馬車を停めますか?」
「いえ。なんでもないわ。止まらないで」
「それにしても私の生まれは古い建物ばかりでしたが、リエン地方はよく整備された綺麗な街並みですね」
御者の感想を疑う。
ごみが散乱する道路など気にもとめない衛生観念なのは、他の護衛達も同様だ。
現代に生きて、綺麗な舗装道路が当たり前だった私にはあまりに真反対だった。
そして極めつけは……
「おーい! 落とすぞ! 気を付けろよ!」
「おっと」
馬車が走る街道の傍に立つ住居の二階から、そんな声がかかる。
御者が慌てて進路を変えた途端、ベシャリと嫌な音が聞こえた。
「……あぁ、やっぱり」
住居の二階から道路に投げられたのは、見るも絶えない圧倒的な汚い物。
人の排泄物、つまりピーーーと、ピーーだ。
中世同様、この国では定められた場所に排泄物を集めるのだが、面倒くさがる人はこうして住居から投げ出す。
水洗式のトイレの発展がない国では、排泄物の処理こそが大きな問題だ。
多くの人々は何も気にせずに街に捨てる……これは前世での中世と同様のものだ。
我が国では、排泄物はやがて専用の業者が片付けるのだけれど、それまでは放置。
「だから……排泄物が街中に溢れてネズミも多い。衛生状況は最悪で……そりゃ病も広がるわね」
「姉さん? なにか問題があったの?」
平然としているレルク。
七歳の子供でさえ、この汚物にまみれた街を気にも止めない衛生観念なのだ。
そう、これが現代と違う衛生観念を持つ時代の街並みの現実。
これこそが、彼らにとっての常識なのだ。
前世で恐らく死んで? 転生した幸運には感謝したい。
だがゴミと排泄物が溢れる場所で、これからも暮らしていくなんて耐えられない。
だから、だからこそ!
「絶対に、変えてみせるわ。必ず」
悪臭の中。
私は王家に対して、評価を見返す目的と共に。
それ以上に自らの生活環境を変える決意を固めた。
この世界を変えねば、私は生きていけないから。
たとえ王家が私を連れ戻すために人を寄越しても、父には隠してもらう予定だ。
これで、私の居場所が伝わる事は無い。
ただ一つ。
父は条件を受け入れる代わりに、私へとある事を要求した。
『ラツィア。リエン地方には弟のレルクも連れていけ』
『レルクを? あの子はまだ学園に通っているはずでは? それにまだ七歳ですし、同行するには若過ぎで……』
『学園は休学させる』
どうしてそこまでと驚く私に、父は言葉を続けた。
『お前はリエン地方を領主代理として治めるのなら、その姿はまだ当主として未熟なレルクにも勉学になろう。例えお前が成功しようと、失敗してもだ』
レルクを次期当主として据えるため、良くも悪くも私の傍で経験させたい。
そういった父の意向に、私は受け入れた。
だからレルクは、リエン地方へと走る馬車に私と乗りながら。
こちらへ視線を向ける。
「姉さん……どうして、また屋敷を出て行くの?」
不安げな問いかけは、まだ七歳程のレルクなら仕方ない。
子供にとって家を出る選択に、疑問を抱くのは当然だ。
「これからリエン地方を治めるためよ。私なりのやり方でね」
「せっかく帰ってきたんだから……ずっと屋敷にいたらいいのに。姉さんが領主代理なんてやる必要ないよ」
「レルク、それは違うわ」
「違くないよ。また失敗したらどうするの。廃妃だってそうだよ……姉さんは好きだけど。僕はまた姉さんが皆に悪く言われるのは…………嫌だよ」
学園にて多数の貴族と関わるレルクは、私の不名誉な噂を聞く事も多々あるのだろう。
私を心配をしてくれていると分かり、少し心が痛む。
でも……
「廃妃は失敗ではなく、新たな門出なのよ。大丈夫、きっとうまくいく。レルクだって……石鹼を使って体を洗ったんでしょ?」
「それは、姉さんの傍はいい匂いなのに……僕が臭いの嫌だから」
「ふふ、同じよ。そうやって……皆の価値観を変えていく事で、きっと上手くいくの」
「何かあったら、帰ろ。ぼくが姉さんをまもるから」
七歳のレルクが、私のためにそう言ってくれる。
隣に座り、キュッと手を握る姿は幼くはあるが、頼もしくもあった。
「ありがとう、レルク」
「うん」
「皆も、着いてきてくれて感謝します。お父様の元にいれば、安泰であるはずなのに」
私が視線を向けたのは、今も走っている馬車の御者。
それに護衛となる衛兵達や使用人だ。
皆がシモンズ公爵家を離れ、私の領主代理としての役目に、同行を志願をしてくれた。
「いえいえ、お嬢様。私達も付き添わせてください」
「その通りです。赤子であった頃から仕えていたお嬢様を、またおひとりにはできません」
「お嬢様、王妃時代は付き添えず。貴方の苦痛に寄り添えずに申し訳ありません」
皆の声に、嬉しさがこみ上げる。
彼らが共通しているのは……私が幼子だった頃からシモンズ公爵家に仕えていること。
旧知の仲で、私を想って付き添ってくれる彼らには本当に感謝しかない。
「頼りにしていますよ、皆さま。ここからリエン地方を、国を変えていきますから」
「はは、大きくでましたな。それでは……我らもお嬢様に付き添わせていただきます」
リエン地方にて、領主代理として国を変える。
今はまだ信じてもらえないけれど、私の暮らしやすい居場所を作るための一歩が、少なくも頼りになる皆と共に踏み出せそうだ。
心には不安などなく、晴れやかな気持ちだった。
……はずなのに。
「王妃時代に貯めた私の資産で、父からリエン地方の屋敷を買い取りましたが……まさか街中だとは……」
「どうしたの姉さん? ここはリエン地方でも唯一栄えている街だから、生活に困る事はないって父様が言ってたよ」
目的地へ向かう途中、私がぼやいた言葉にレルクが首を傾げる。
確かに街中に住むというのは、決して間違いではない。
だが、中世に近い衛生状況の我が国では……
農村よりも市街地の方が、ある大きな問題と直面する事になる。
「落ち着くのよ、私。街についても耐えて、しっかり状況を把握するの。領主代理として耐えなさい」
ある不安に対して自己暗示しながら、心を落ち着かせる。
レルクが奇怪な視線を向けているけれど、今は関係ない。
事前に心構えを作っておかねば、現代を生きていた私の記憶では……古い衛生観念である街中では耐えられないだろうから。
「着きましたよ。お嬢様」
御者の声に顔を上げ、私は大きく深呼吸をする。
だが、やはりすでに臭っている。
この街中にはびこる、圧倒的な問題の臭いがするのだ。
「屋敷まで、なるべく一直線に向かってください」
「分かりました。それでは、街へ入りますね」
街へと馬車が入って行く。
その道中を、車窓から眺めながら私は目を瞠る。
「やはり凄いわね。仕方ない事だけれど、これほどとは」
リエン地方の街並みは、石造りで綺麗な意匠の施された家々が並ぶ。
腕のいい職人がいるのだろう、一目ではまさに中世の街並みといった様子だ。
しかし、ある問題が目に入る。
それは少し道を外れた細道、人の住まない空き地、道路にまでゴミが散乱しているのだ。
「……うっ」
「どうかしましたか? お嬢様、酔われましたか? 馬車を停めますか?」
「いえ。なんでもないわ。止まらないで」
「それにしても私の生まれは古い建物ばかりでしたが、リエン地方はよく整備された綺麗な街並みですね」
御者の感想を疑う。
ごみが散乱する道路など気にもとめない衛生観念なのは、他の護衛達も同様だ。
現代に生きて、綺麗な舗装道路が当たり前だった私にはあまりに真反対だった。
そして極めつけは……
「おーい! 落とすぞ! 気を付けろよ!」
「おっと」
馬車が走る街道の傍に立つ住居の二階から、そんな声がかかる。
御者が慌てて進路を変えた途端、ベシャリと嫌な音が聞こえた。
「……あぁ、やっぱり」
住居の二階から道路に投げられたのは、見るも絶えない圧倒的な汚い物。
人の排泄物、つまりピーーーと、ピーーだ。
中世同様、この国では定められた場所に排泄物を集めるのだが、面倒くさがる人はこうして住居から投げ出す。
水洗式のトイレの発展がない国では、排泄物の処理こそが大きな問題だ。
多くの人々は何も気にせずに街に捨てる……これは前世での中世と同様のものだ。
我が国では、排泄物はやがて専用の業者が片付けるのだけれど、それまでは放置。
「だから……排泄物が街中に溢れてネズミも多い。衛生状況は最悪で……そりゃ病も広がるわね」
「姉さん? なにか問題があったの?」
平然としているレルク。
七歳の子供でさえ、この汚物にまみれた街を気にも止めない衛生観念なのだ。
そう、これが現代と違う衛生観念を持つ時代の街並みの現実。
これこそが、彼らにとっての常識なのだ。
前世で恐らく死んで? 転生した幸運には感謝したい。
だがゴミと排泄物が溢れる場所で、これからも暮らしていくなんて耐えられない。
だから、だからこそ!
「絶対に、変えてみせるわ。必ず」
悪臭の中。
私は王家に対して、評価を見返す目的と共に。
それ以上に自らの生活環境を変える決意を固めた。
この世界を変えねば、私は生きていけないから。
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