【完結】醜い豚公爵様と結婚することになりましたが愛してくれるので幸せです

なか

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15話

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「シャーロット様…こちらにお招き頂いて本当に感謝しております。」

屋敷の前に立つ私に向けてエマが頭を下げて礼をする
私の前にいるのは数十人の使用人達
衛兵の方や、その家族も含めると大勢いた

「いえ、私ではなくウィリアム様のおかげです」

ウィリアム様にエマが再度、頭を下げる

「本当にありがとうございます…」

「いえ、こちらこそ無理を言って来てもらい申し訳ありません…仕事についてなんですが」

私の提案はグロウズ伯爵の下で仕える使用人達を全て雇用する事だった
彼らはグロウズ伯爵のむちゃぶりに耐えてきて、成し遂げてきた
エキスパート達だ、こちらでも仕事に困ることはないだろう

オルターさんが用意してくださった仕事を各自が好きに選ぶ
この屋敷でも数人雇う予定だ

オルターさんがウィリアム様の事務作業の手伝いをするために屋敷内での仕事ができたのだ
立候補したのはエマを含めた使用人達
皆、私が幼いころより見てくれていた顔なじみだった


「では、これよりお願い致します」

「「「はい!」」」

ウィリアム様の声に皆が元気に返事をした
グロウズ伯爵家では見なかった皆の笑顔、元よりあの屋敷の者は退職希望者ばかりだった
だが、辞めても次の仕事先があるとは限らずに踏みとどまっていた

私の提案を喜んで引き受けてくれて
グロウズ伯爵家から来てくれた

そして、私のもう一つの狙い

それは


「こちらをどうぞ」

「あ、ありがとうございます」「美味しそうですね」

オルターさんが出した料理を新しく働く使用人達が食べる
エマもその美味しさに驚いていた
これでウィリアム様が頂く食材が消費できる

「これはどうやって味付けを?」
「この食材の切り方は…」
「なるほど、この料理には…」


流石は皆が長く使用人を勤めていただけはあり
味付けや調理方法をオルターさんから引き継いでいた
メモにとり、自分達の知識とのすり合わせを行い、更なる味の向上を目指している
オルターさんも嬉しそうに話をしていた

私は話し相手がいないため、ウィリアム様を探す
うろうろと屋敷内を歩いていると庭で水をあげているウィリアム様を見つけた

「こちらにおりましたか、ウィリアム様」

「あぁ、シャーロット見てくれ」

「?」

彼が指差す先を見ると、私達が植えたコスモスが小さな芽を出している
今朝、水をあげていた時は出ていなかったのに

「順調に育っているね」

「はい!」

私も彼も嬉しくて、しゃがんで芽を見つめた

小さくても元気に育ってる
ちらりと横目で彼を見つめた

その瞳は優しく、コスモスを見つめており、変わらないその瞳に思わず見惚れてしまう

「シャーロット」

「は、はい!」

見ていたのがばれただろうか
跳ねた鼓動を抑えながら、返事をする

「僕はこの芽と同じだよ、君が来てくれて僕は成長できたと思う…ありがとう」

「ウィリアム様…」

彼は微笑むと私の手を握る

「僕が、自分に自信がもてたなら…君に伝えたい事があるんだ…」

まっすぐに見つめられ
2人きりで手を繋ぎながらしばしの沈黙が流れた
お互いの鼓動が聞こえる気がする

「つ、伝えたい…事とは?」

勇気を出して私が聞く
彼は目を逸らして、顔を赤くし
「今は言えない」と呟いた

なにを伝えようというのだろうか
分からないけど…彼の赤く染まる顔を見て思う
きっと…私が嬉しいと思う事のはずだろうと

彼の握る手を胸元でそっと抱く
そして、ゆっくりと彼に近づいて
彼の顔を見上げる
恥ずかしそうな彼を見つめながら
ゆっくりと囁く


「待っていますよ…ウィリアム様」と

私はいたずらっぽく笑うのだった



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