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二巡「変化」
13話
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「セレリナ、私達はずっと友達でいましょうね?」
「ええ、アンネッテ。約束ね」
アンネッテ・マクシミア。
小麦色の髪を揺らして笑う彼女を忘れた事はない。
だが彼女と私はどちらも公爵令嬢であり、次期王妃に選ばれるべき家格の二人。
競い合う政敵であり、甘い関係ではいられない。
そのため……互いの父は私達の交流に良い感情を抱いてはいない。
でも、私達はそれに逆らう誓いを立てた。
「セレリナ、どっちがレオン殿下に選ばれても友達のままでいようね。絶対に」
「ええ、絶対よ。アンネッテ」
幼少期より立てた誓いを胸に、お互いに学園で王大子のレオンと交流を深めた。
彼は優しく……私達に平等に接してくれる。
だけど私はいつからか、生徒をいじめているなどの虚偽の噂が広められ、一人でいる機会が多くなった。
そんな私に、レオン様は……
「セレリナ、隣いいか?」
「……レ、レオン。私などと居ては……」
「……安心して、俺はセレリナを信じてる」
そう言って、レオンは必ず私の傍に居てくれた。
隣に座る彼のなびく金色の髪が綺麗で、優し気な紅の瞳に見つめられると胸が弾む。
いつしか私は彼に心を奪われていたのかもしれない。
「セレリナ! 殿下も! ここにいらしたのですね!」
「アンネッテ!」
そして、必ず私達が過ごす時間に来てくれる、親友のアンネッテ。
仲の良い三人、政略など関係なく過ごす時間は楽しかった。
だけど……日が経つにつれ、私に関する噂が酷くなる。
誰が噂を広めているのか、真相を突き止める事もできない。
それでも、いつも通り接してくれるレオンに心を支えられた。
彼が私を見る瞳に熱がこもっているようにも感じて、私はずっと……彼が妃を選ぶ日を待っていた。
だけど……レオンが選んだのは、アンネッテだった。
そしてその日から、レオンとの交流が全て途絶えた。
理由もなく……
「……ごめんね、セレリナ」
レオン様からの婚約を受けたと明かしたアンネッテは、開口一番に私へと謝罪した。
なぜ? と思ったが。
お互いの想いを知るからこそ、罪悪感があるのだろう。
事実、私にも胸を焦がす嫉妬心はあった。
だけど……それ以上に祝福の言葉ばかりが溢れる。
「謝らないでアンネッテ、貴方はこれから王妃として生きていくのだから胸を張って」
「セレリナ…………私達、ずっと友達だよね」
「えぇ、当然よ」
悲しさはあったが、アンネッテが幸せになるなら嬉しかった。
無事に学園を卒業し、互いの人生を歩み始めた時。
アンネッテが、王妃教育の過労で倒れたと知らせが届いた。
見舞いのへ向かえば、よほど王妃教育は厳しいのか、彼女は酷く痩せていた。
「大丈夫!? アンネッテ!」
「心配かけてごめん、セレリナ」
久しぶりに再会した彼女は、以前と変わらない笑みを浮かべる。
だが、体調は芳しくなく……療養期間は長く続いた。
お見舞いに向かえば、同じ目的のレオン様と会う機会もあった。
久々に会った彼は、大人びていて……交流が途絶えた事もあり緊張もした。
だけど、彼は以前のように優しいままで接してくれる。
変わったのは、彼とアンネッテとの関係性であり、以前と違って熱を帯びている。
二人の仲が羨ましくもあり、幸せそうな姿が嬉しかった。
◇◇◇
そんなある日、お見舞いに来た私へアンネッテが呟いた。
「ね……セレリナ。私にもしもの事があれば、レオンの傍には貴方がいてあげてね」
「なにいってるの? 不吉な事を言わないで」
「……セレリナ、聞いて」
「っ」
アンネッテが、真っ直ぐ私を見つめる。
「約束して。友達でしょ?」
「アンネッテ……?」
「お願い。それと……ごめんなさい……」
ごめんなさい……?
なぜ、アンネッテは謝るの?
「な、何言ってるの……?」
「……ごめん。ちょっと落ち込んで、おかしな事を言ってしまったわ……今日は一人にしてくれる?」
私はその時、彼女の言葉の真意を知ろうとしなかった。
療養で気分が落ち込み、良くない考えに至ったのだと結論を付けたから。
明日も会って、元気づけてあげればいい。
そう、思っていたが……
アンネッテと会う事は二度と叶わなかった。
彼女はその日。
胸を刺され殺されたと……報告を受けたから。
◇◇◇
王妃候補であるアンネッテの殺害。
その出来事に悲しむ間も与えず、彼女の代わりに私が妃に選ばれた。
それは、修羅の道といっていい。
代替の妃など、後ろ指を刺されるに決まっている。
だが……
『セレリナ。私にもしもの事があれば、レオンの傍には貴方がいてあげてね』
アンネッテが残した言葉が、私の背中を押し、私は代替の妃を受け入れた。
王妃として入宮してからの日々は地獄だった。
王太子レオン。
彼は以前と違い、私がアンネッテ殺害を行ったと疑い、酷く虐げた。
遠ざけ、会う度に罵倒を浴びせてくる。
加えて王妃教育も厳しく過密であり、寝る時間もない日々に吐きそうな苦痛があった。
それでも耐え、民や貴族たちと交流を深める日々を過ごし、私は妃としての地位を盤石のものとした。
ここまで頑張っていたのは、アンネッテが最後に残した言葉。
そして、学園の頃にレオンへ抱いた淡い恋情が……いつか振り向いてくれると思っていたからだ。
だが……私の希望は潰えた。
『アンネッテの代わりの貴様が……彼女のためだと? 思い上がるのもいい加減にしろ!』
結婚式の日、彼は私のドレスへと果実酒を浴びせた。
幼い頃から憧れていた純白のドレス。
汚されて、名誉すら嬲られた事に……今までの我慢がプツリと絶えた。
『貴方を……もう愛する事はありません』
そう告げて、私は妃を降りることを決意する。
当然ながらレオンの父であるゴルド陛下に説得されたが、私は考えを変えなかった。
だから、民の混乱を起こさぬように三年後という期間を妃を降りること条件で話を終えた。
その三年間、私は愚直に王妃としての功績を残し続けた。
理由は、唯一の心残りであったアンネッテの遺言を違えたことへの罪悪感。
そして……少しだけ残ったレオンへの恋情が、私が居なくとも王政が続けられるようにしておこうと思ったのだ。
だが、そんな努力も虚しく……
王妃を辞めるまであと半年という所で、レオンが夜這いのような行為を仕掛けてきた。
そして、私の中にあった彼に残る恋情は、霞の如く消えた。
「明日……王妃を辞めるために、ゴルド様に告げにいこう」
そう考え、涙を拭いた瞬間。
あふれてきたのは……レオンが過ごした記憶。
私が死に、あらゆる思惑が交差して最悪の結末を向かえた悲劇の記憶だった。
「馬鹿な人……」
記憶を整理しながら、小さく呟く。
今まで私を虐げ続け、さらにこの不幸な運命に残すとは……ある意味で酷い事のように思う。
しかし、彼の記憶を知った今。
私にとある覚悟が芽生え、それらの実行のために考えを巡らせる。
「どうだ、記憶を継ぎ……不幸だらけの運命だと知った気分は」
「っ!!」
突然の声へと視線を向ければ、寝台にドロドロとした塊が浮かぶ。
気味の悪い塊に、目玉がギョロリと浮かんだ。
「驚くなよ? 継いだ記憶で知っただろ……あの時の悪魔だよ。お前の絶望を見るためわざわざ来たんだよ」
「……」
「どうだ? 不幸まみれの運命に落とされた気分は––」
「貴方、ずっと近くに居る気?」
「……? 当然だ。そのために来たんだぞ」
「なら、もっと可愛くなりなさい」
「あぁ!?」
悪魔はその目玉で睨むが、私はそれを指先で突いた。
「あぶね! お、お前!?」
「私の傍に居るなら可愛くいなさい、でなければ目玉を潰す」
「は……はぁ?」
「はやくしなさい」
私が睨めば、悪魔は動揺しながらもその姿を変化させていく。
新たに変貌し、小さく黒い犬となった。
「こ、これでいいのかよ?」
「あら、可愛くなったじゃない」
「えらく吞気だが、分かってるのか? お前はこれから不幸の運命を」
動揺する悪魔に、私は微笑む。
レオンの記憶で知り得た、この国に暗躍する者がいる事実。
だが……私には大した事ではない。
重要なのは、アンネッテとの遺言を守る必要がなくなった事。
レオンの記憶で、彼女は私の気持ちを偽っていた事が分かった。
妃になるためか、別の理由があったのかは分からない。
若干の悲しみはあるが、不思議と怒りをはない。
むしろ……今まで呪縛のようだった彼女の遺言が、スルリと抜け落ちた気がした。
彼女への罪悪感が綺麗に抜けて、身を包むのは開放感だ。
これからは罪悪感に囚われず、私の幸せのために生きてもいいと思える。
それは……なんて自由だろうか。
「悪魔さん、この世界には不幸の芽が……沢山あるのよね」
「あ、あぁ……恐ろしいだろ? 不幸な末路を迎えるのが……」
「いいえ? 全て刈り取ってしまえばいいだけじゃない」
「は?」
「もうレオンを支える必要もないなら、悪いものまとめて潰しましょうか。私はもう、自分のためだけに生きていいのだから」
彼が最後に望んだように……不幸な運命は潰してみせよう。
しかしそれは、私を虐げていたレオンを救うためではなく。
すべて、私自身のためだ。
「ええ、アンネッテ。約束ね」
アンネッテ・マクシミア。
小麦色の髪を揺らして笑う彼女を忘れた事はない。
だが彼女と私はどちらも公爵令嬢であり、次期王妃に選ばれるべき家格の二人。
競い合う政敵であり、甘い関係ではいられない。
そのため……互いの父は私達の交流に良い感情を抱いてはいない。
でも、私達はそれに逆らう誓いを立てた。
「セレリナ、どっちがレオン殿下に選ばれても友達のままでいようね。絶対に」
「ええ、絶対よ。アンネッテ」
幼少期より立てた誓いを胸に、お互いに学園で王大子のレオンと交流を深めた。
彼は優しく……私達に平等に接してくれる。
だけど私はいつからか、生徒をいじめているなどの虚偽の噂が広められ、一人でいる機会が多くなった。
そんな私に、レオン様は……
「セレリナ、隣いいか?」
「……レ、レオン。私などと居ては……」
「……安心して、俺はセレリナを信じてる」
そう言って、レオンは必ず私の傍に居てくれた。
隣に座る彼のなびく金色の髪が綺麗で、優し気な紅の瞳に見つめられると胸が弾む。
いつしか私は彼に心を奪われていたのかもしれない。
「セレリナ! 殿下も! ここにいらしたのですね!」
「アンネッテ!」
そして、必ず私達が過ごす時間に来てくれる、親友のアンネッテ。
仲の良い三人、政略など関係なく過ごす時間は楽しかった。
だけど……日が経つにつれ、私に関する噂が酷くなる。
誰が噂を広めているのか、真相を突き止める事もできない。
それでも、いつも通り接してくれるレオンに心を支えられた。
彼が私を見る瞳に熱がこもっているようにも感じて、私はずっと……彼が妃を選ぶ日を待っていた。
だけど……レオンが選んだのは、アンネッテだった。
そしてその日から、レオンとの交流が全て途絶えた。
理由もなく……
「……ごめんね、セレリナ」
レオン様からの婚約を受けたと明かしたアンネッテは、開口一番に私へと謝罪した。
なぜ? と思ったが。
お互いの想いを知るからこそ、罪悪感があるのだろう。
事実、私にも胸を焦がす嫉妬心はあった。
だけど……それ以上に祝福の言葉ばかりが溢れる。
「謝らないでアンネッテ、貴方はこれから王妃として生きていくのだから胸を張って」
「セレリナ…………私達、ずっと友達だよね」
「えぇ、当然よ」
悲しさはあったが、アンネッテが幸せになるなら嬉しかった。
無事に学園を卒業し、互いの人生を歩み始めた時。
アンネッテが、王妃教育の過労で倒れたと知らせが届いた。
見舞いのへ向かえば、よほど王妃教育は厳しいのか、彼女は酷く痩せていた。
「大丈夫!? アンネッテ!」
「心配かけてごめん、セレリナ」
久しぶりに再会した彼女は、以前と変わらない笑みを浮かべる。
だが、体調は芳しくなく……療養期間は長く続いた。
お見舞いに向かえば、同じ目的のレオン様と会う機会もあった。
久々に会った彼は、大人びていて……交流が途絶えた事もあり緊張もした。
だけど、彼は以前のように優しいままで接してくれる。
変わったのは、彼とアンネッテとの関係性であり、以前と違って熱を帯びている。
二人の仲が羨ましくもあり、幸せそうな姿が嬉しかった。
◇◇◇
そんなある日、お見舞いに来た私へアンネッテが呟いた。
「ね……セレリナ。私にもしもの事があれば、レオンの傍には貴方がいてあげてね」
「なにいってるの? 不吉な事を言わないで」
「……セレリナ、聞いて」
「っ」
アンネッテが、真っ直ぐ私を見つめる。
「約束して。友達でしょ?」
「アンネッテ……?」
「お願い。それと……ごめんなさい……」
ごめんなさい……?
なぜ、アンネッテは謝るの?
「な、何言ってるの……?」
「……ごめん。ちょっと落ち込んで、おかしな事を言ってしまったわ……今日は一人にしてくれる?」
私はその時、彼女の言葉の真意を知ろうとしなかった。
療養で気分が落ち込み、良くない考えに至ったのだと結論を付けたから。
明日も会って、元気づけてあげればいい。
そう、思っていたが……
アンネッテと会う事は二度と叶わなかった。
彼女はその日。
胸を刺され殺されたと……報告を受けたから。
◇◇◇
王妃候補であるアンネッテの殺害。
その出来事に悲しむ間も与えず、彼女の代わりに私が妃に選ばれた。
それは、修羅の道といっていい。
代替の妃など、後ろ指を刺されるに決まっている。
だが……
『セレリナ。私にもしもの事があれば、レオンの傍には貴方がいてあげてね』
アンネッテが残した言葉が、私の背中を押し、私は代替の妃を受け入れた。
王妃として入宮してからの日々は地獄だった。
王太子レオン。
彼は以前と違い、私がアンネッテ殺害を行ったと疑い、酷く虐げた。
遠ざけ、会う度に罵倒を浴びせてくる。
加えて王妃教育も厳しく過密であり、寝る時間もない日々に吐きそうな苦痛があった。
それでも耐え、民や貴族たちと交流を深める日々を過ごし、私は妃としての地位を盤石のものとした。
ここまで頑張っていたのは、アンネッテが最後に残した言葉。
そして、学園の頃にレオンへ抱いた淡い恋情が……いつか振り向いてくれると思っていたからだ。
だが……私の希望は潰えた。
『アンネッテの代わりの貴様が……彼女のためだと? 思い上がるのもいい加減にしろ!』
結婚式の日、彼は私のドレスへと果実酒を浴びせた。
幼い頃から憧れていた純白のドレス。
汚されて、名誉すら嬲られた事に……今までの我慢がプツリと絶えた。
『貴方を……もう愛する事はありません』
そう告げて、私は妃を降りることを決意する。
当然ながらレオンの父であるゴルド陛下に説得されたが、私は考えを変えなかった。
だから、民の混乱を起こさぬように三年後という期間を妃を降りること条件で話を終えた。
その三年間、私は愚直に王妃としての功績を残し続けた。
理由は、唯一の心残りであったアンネッテの遺言を違えたことへの罪悪感。
そして……少しだけ残ったレオンへの恋情が、私が居なくとも王政が続けられるようにしておこうと思ったのだ。
だが、そんな努力も虚しく……
王妃を辞めるまであと半年という所で、レオンが夜這いのような行為を仕掛けてきた。
そして、私の中にあった彼に残る恋情は、霞の如く消えた。
「明日……王妃を辞めるために、ゴルド様に告げにいこう」
そう考え、涙を拭いた瞬間。
あふれてきたのは……レオンが過ごした記憶。
私が死に、あらゆる思惑が交差して最悪の結末を向かえた悲劇の記憶だった。
「馬鹿な人……」
記憶を整理しながら、小さく呟く。
今まで私を虐げ続け、さらにこの不幸な運命に残すとは……ある意味で酷い事のように思う。
しかし、彼の記憶を知った今。
私にとある覚悟が芽生え、それらの実行のために考えを巡らせる。
「どうだ、記憶を継ぎ……不幸だらけの運命だと知った気分は」
「っ!!」
突然の声へと視線を向ければ、寝台にドロドロとした塊が浮かぶ。
気味の悪い塊に、目玉がギョロリと浮かんだ。
「驚くなよ? 継いだ記憶で知っただろ……あの時の悪魔だよ。お前の絶望を見るためわざわざ来たんだよ」
「……」
「どうだ? 不幸まみれの運命に落とされた気分は––」
「貴方、ずっと近くに居る気?」
「……? 当然だ。そのために来たんだぞ」
「なら、もっと可愛くなりなさい」
「あぁ!?」
悪魔はその目玉で睨むが、私はそれを指先で突いた。
「あぶね! お、お前!?」
「私の傍に居るなら可愛くいなさい、でなければ目玉を潰す」
「は……はぁ?」
「はやくしなさい」
私が睨めば、悪魔は動揺しながらもその姿を変化させていく。
新たに変貌し、小さく黒い犬となった。
「こ、これでいいのかよ?」
「あら、可愛くなったじゃない」
「えらく吞気だが、分かってるのか? お前はこれから不幸の運命を」
動揺する悪魔に、私は微笑む。
レオンの記憶で知り得た、この国に暗躍する者がいる事実。
だが……私には大した事ではない。
重要なのは、アンネッテとの遺言を守る必要がなくなった事。
レオンの記憶で、彼女は私の気持ちを偽っていた事が分かった。
妃になるためか、別の理由があったのかは分からない。
若干の悲しみはあるが、不思議と怒りをはない。
むしろ……今まで呪縛のようだった彼女の遺言が、スルリと抜け落ちた気がした。
彼女への罪悪感が綺麗に抜けて、身を包むのは開放感だ。
これからは罪悪感に囚われず、私の幸せのために生きてもいいと思える。
それは……なんて自由だろうか。
「悪魔さん、この世界には不幸の芽が……沢山あるのよね」
「あ、あぁ……恐ろしいだろ? 不幸な末路を迎えるのが……」
「いいえ? 全て刈り取ってしまえばいいだけじゃない」
「は?」
「もうレオンを支える必要もないなら、悪いものまとめて潰しましょうか。私はもう、自分のためだけに生きていいのだから」
彼が最後に望んだように……不幸な運命は潰してみせよう。
しかしそれは、私を虐げていたレオンを救うためではなく。
すべて、私自身のためだ。
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