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最終話 本当の愛と未来への希望
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それから三ヶ月が経った。
師匠も私の実力を認めてくれ、薬師としてさらに成長した日々を過ごしている。
そんな中で、ライアンの容態は芳しくはないと風の噂で聞いた。
それでまた私に会うため何度かマクロード家にも訪れていたようだが、エドワードが調合書を渡した際に取り交わした契約書──二度とマクロード家に足を踏み入れない──の効力で門前払いをくらっていたようだ。
それに渡した調合書は確かに本物だ。ただ、その日の体調で配分を変えていただけ。
しかし、そこまでする義理はない。
調合書のおかげで今も生きているのだから、ありがたいと思ってほしい。
そしてカリン。
ライアンの持病のせいでお勤めが出来なくなり、また違う貴族と関係を持ったらしい。
その相手は国王に近しい公爵だったらしく、関係を暴露されたカリンは強制的に婚約破棄を突きつけられ、家からも追放されたとか。
今やどこかの修道院で暮らしている、なんて噂まである。
──馬鹿につける薬はないわね。
過去を振り切るように、小さくため息をついた。
もうあの頃のことを思い出す気にもなれない。
今日もまた、調合室に軽快なノック音が響いた。
扉の向こうにいる相手はもうわかっている。
「お疲れ様、リザ」
「エドワード様、今日もありがとうございます」
笑みを交わし彼を招き入れると、わずかに甘い香りがした。焼きたての洋菓子とはまた違った匂い。
そしていつも持っているバスケットではなく、小さな白い箱を大事に掲げている。
「それは……ケーキですか?」
「さすがだね。今日はショートケーキにしたんだ」
「ありがとうございます。でもケーキって、何だか特別な日みたいですね」
ふふっと笑うと彼は少し真剣な眼差しになった。
「リザと過ごす時間は、いつだって特別だと思っているよ」
そう言ったエドワードは、すぐに顔を赤らめて目を逸らす。
「ちょっとキザすぎたかな」
その照れた表情に見惚れてしまった。
心臓が早く脈打って、全身に温かさを感じる。
「……いいえ。嬉しいです。私も、エドワード様と過ごす時間は特別だと思っていましたから」
「リザ……」
彼は箱を近くのテーブルに置いて、こちらに向かって跪いた。
「エドワード様!?」
急な所作に驚き慌ててしまうも彼は落ち着いていて、そして優しく言葉を紡ぐ。
「君の夢は、薬師として独立することだったよね」
戸惑いながらも、こくりと頷く。
「きっとリザなら達成できる。私の夢も、聞いてもらっていいかな?」
「はい」
彼は少しの間を置いてから、穏やかな表情で続けた。
「私の夢は、君と一緒にいることだ」
驚いて目を見開く。
そして彼の言葉がゆっくりと心に響き、まるで時間が止まったかのような感覚に襲われた。
「覚えているかな。あの日、酔って体調が悪くなった私を君が治してくれたこと。あの時私を助けてくれたことが、今でも忘れられないんだ」
あの日の優しさと温もりは、私だってずっと心に残っている。
エドワードに出会っていなければ、今の私はいないのだから。
「リザの存在が、私にとっては薬のようなものなんだ。どうか、私の妻になってくれないか?」
エドワードは真剣な眼差しで、あの日のように手を差しだす。
彼に抱いていた想いが溢れ出し、気がついたら涙が頬を伝っていた。
「はい」
手を取ると彼の温かさがすぐに伝わってきた。
それは胸の奥にまで広がっていく。
これから先、どんな困難が待っていても二人で手を取り合って歩んでいける。
新しい人生は、幸せと希望で満ちていた。
師匠も私の実力を認めてくれ、薬師としてさらに成長した日々を過ごしている。
そんな中で、ライアンの容態は芳しくはないと風の噂で聞いた。
それでまた私に会うため何度かマクロード家にも訪れていたようだが、エドワードが調合書を渡した際に取り交わした契約書──二度とマクロード家に足を踏み入れない──の効力で門前払いをくらっていたようだ。
それに渡した調合書は確かに本物だ。ただ、その日の体調で配分を変えていただけ。
しかし、そこまでする義理はない。
調合書のおかげで今も生きているのだから、ありがたいと思ってほしい。
そしてカリン。
ライアンの持病のせいでお勤めが出来なくなり、また違う貴族と関係を持ったらしい。
その相手は国王に近しい公爵だったらしく、関係を暴露されたカリンは強制的に婚約破棄を突きつけられ、家からも追放されたとか。
今やどこかの修道院で暮らしている、なんて噂まである。
──馬鹿につける薬はないわね。
過去を振り切るように、小さくため息をついた。
もうあの頃のことを思い出す気にもなれない。
今日もまた、調合室に軽快なノック音が響いた。
扉の向こうにいる相手はもうわかっている。
「お疲れ様、リザ」
「エドワード様、今日もありがとうございます」
笑みを交わし彼を招き入れると、わずかに甘い香りがした。焼きたての洋菓子とはまた違った匂い。
そしていつも持っているバスケットではなく、小さな白い箱を大事に掲げている。
「それは……ケーキですか?」
「さすがだね。今日はショートケーキにしたんだ」
「ありがとうございます。でもケーキって、何だか特別な日みたいですね」
ふふっと笑うと彼は少し真剣な眼差しになった。
「リザと過ごす時間は、いつだって特別だと思っているよ」
そう言ったエドワードは、すぐに顔を赤らめて目を逸らす。
「ちょっとキザすぎたかな」
その照れた表情に見惚れてしまった。
心臓が早く脈打って、全身に温かさを感じる。
「……いいえ。嬉しいです。私も、エドワード様と過ごす時間は特別だと思っていましたから」
「リザ……」
彼は箱を近くのテーブルに置いて、こちらに向かって跪いた。
「エドワード様!?」
急な所作に驚き慌ててしまうも彼は落ち着いていて、そして優しく言葉を紡ぐ。
「君の夢は、薬師として独立することだったよね」
戸惑いながらも、こくりと頷く。
「きっとリザなら達成できる。私の夢も、聞いてもらっていいかな?」
「はい」
彼は少しの間を置いてから、穏やかな表情で続けた。
「私の夢は、君と一緒にいることだ」
驚いて目を見開く。
そして彼の言葉がゆっくりと心に響き、まるで時間が止まったかのような感覚に襲われた。
「覚えているかな。あの日、酔って体調が悪くなった私を君が治してくれたこと。あの時私を助けてくれたことが、今でも忘れられないんだ」
あの日の優しさと温もりは、私だってずっと心に残っている。
エドワードに出会っていなければ、今の私はいないのだから。
「リザの存在が、私にとっては薬のようなものなんだ。どうか、私の妻になってくれないか?」
エドワードは真剣な眼差しで、あの日のように手を差しだす。
彼に抱いていた想いが溢れ出し、気がついたら涙が頬を伝っていた。
「はい」
手を取ると彼の温かさがすぐに伝わってきた。
それは胸の奥にまで広がっていく。
これから先、どんな困難が待っていても二人で手を取り合って歩んでいける。
新しい人生は、幸せと希望で満ちていた。
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