29 / 145
第2章 千の時を共に
第17話 “気”
しおりを挟む
2-17
「凄いです、アルジュエロ様!お父様は冒険者で言うAランクの実力があるんですよ!」
興奮冷めやらぬといった感じでリリが私の手を取って言います。?を赤らめながら言う姿は非常に可愛らしいのですが……。
「わかったから、ちょっと離れてちょうだい。近すぎるわ」
「あ、ごめんなさい。私ったら…」
自分が接吻でもするのかといったほどに顔を近づけていたことに気づき、慌てて離れ、さらに赤くなった顔をうつむかせます。恥ずかしがっているからでしょう。
「ありがと。それと、アルジェでいいわ」
「え?」
「対等、なんでしょう?」
「はい! アルジェお姉様!」
一転、輝かんばかりの笑顔。表情の変化が少しわかりづらい(らしい)ブランとは対照的にコロコロとそれを変えるリリです。この子、可愛いですね。……アルジェの後には何も付いていません。気のせいです。例え百合という名前だとしても。だからそろそろ手を離してくれませんかね?
いや、ブランもむぅ、なんて唸っていないで。そしてローズとレオン様はそのニヤニヤ笑いを辞めなさい!
◆◇◆
一夜が明けました。昨日はあのあと宿を引き払ってしまいました。もう必要ありませんからね。メルちゃんには泣きつかれましたが、同じ街に住むわけですし、またご飯を食べに来るといったら渋々離してくれましたよ。
そうそう、お知らせもあるんですよ。それが嬉しいかどうかという意味だと、微妙? なんですが。
昨日買った魔導書、あったじゃないですか。
ーーえ?忘れた? ……それらを夜読んでたら、なんと! ……スルーしたのは謝りますから続けさせてください。
なんと! 〈死霊魔導〉を覚えました!
正直、使いません。吸血鬼っぽいと言えばそうですが、一応禁術ですからね? それも世界的に禁じられている。外聞悪すぎです。
まあ、屋敷の使用人としては使えるかもしれないですが……。
報告はそのくらいですね。
家具なんかは揃えてくれていたので今日は依頼を受けに行く予定ですが、その前に“気”を習得したいと思いまして。
〈鑑定眼〉を駆使して情報を集め、屋敷の敷地内にある修練場に来たのが一の鐘がなる直前です。まだそれほど時間は経っていません。
調べた内容によると、どうも前世で知られていたものと大差ないようです。私の使う刀術でも意識することのあるものなので、それほど習得に時間はかからないと思います。というか、今思えばジジイの謎体術は気によるものだったのでしょう。でないと人間が水の上に立って静止出来るはずがありませんし、滝を剣圧で割るなんて出来ません! ……何故当時の私はアッサリ受け入れたんでしょう?
ともかく、下地はあるはずです。
さて、話している間に準備は整いました。今回は精神統一、所謂瞑想による“気”の循環操作を試してみることにしました。
いくつかある方法の中からコレを選んだ理由は、まず安全だから。いきなり強力な気力を得、操る方法もあるのですが、協力者が必要なことに加えて下手したら死にます。
そして、……癪ではありますが、ジジイがよくやっていたからです。あれは軽く人外してましたが、今は私も人外ですので先人に習うことにしたのです。
では、始めましょう。
地面から生やした棘の先端に丈夫な板を乗せ、その上に乗ります。ただ乗るだけなら慣れたもの。ぐらつくことなどありません。
その上でバランスを取りつつ胡座をかきます。背筋は伸ばしたまま呼吸を意識し、力をぬき、自身の内側に意識を向けます。
坐禅を組むとき、よく無心になれと言いますが、まぁ、無理ですよね。それって要は脳が働いてない、死んでるような状態じゃないですか。
ですから私はあらゆる事に集中します。空気の流れ、人の息づく音、とにかく全てを感じ取り、それらの一部となります。外と内、その境が無くなるほどに。
私の流派ではこれを『溶我』と呼んでいました。才能がありすぎると逆によくないのですが。なんでも“戻ってこれなくなる”とか。
そうして自他の区別が曖昧になってきた頃、
チリン
【熟練度が一定に達しました。
〈気力操作lv1〉を習得しました】
うん、覚えました。
しかし、ブランにはないスキルです。ブランの場合獣人としての本能で無意識に〈身体強化“気”〉を習得していたからでしょうか?
そう言えばブランは私が魔力でやるように足だけとか局所的な強化は出来ません。
このスキルの有無が関係していそうですね。また覚えさせましょう。
その後サクッと〈身体強化“気”lv1〉を習得して部屋に戻りました。
◆◇◆
さすが、本職といったところでした。料理専門のメイドさんたちによる朝食は絶品でしたね。今度地球の料理を教えて作ってもらうのもいいですね。
で、現在、私たちはギルドにいます。宣言通り依頼をこなす為ですね。
常設依頼を一応確認し、適当な討伐依頼をとってリオラさんの所にならんでいます。
「おはよう、リオラさん。コレお願い」
「あ、アルジェさんにブランさん。おはようございます。よかった、今日来ていただけて」
「うん? なにかあるの?」
「はい、ブランさんの昇格試験の日取りが決まりました」
「あら、案外早かったわね」
「そうですよね。私も驚きました」
辺境であるリムリア周辺は、森以外の魔物も強く、さらに冒険者や衛兵も精鋭揃いである為に盗賊の類は滅多に出ないはずなんです。それが、前回から一、二週間でもう現れた……。リリの件と言い、私の勘が何かを告げています。
「それで、いつなの?」
「明日です」
「また急ね。私の時もだったけど」
「どうします? 次回にしておきますか?」
教えることは教えてあるので問題ないとは思いますが……。そう思ってブランを見ると、
「姉様。大丈夫。明日行ってくる」
「そう、わかったわ。ということでお願いね」
「はい。ーー受付しておきました。それでは明日の一の鐘がなる頃にギルドへお越しください」
「うん、わかった」
一の鐘ですか。私の時より早いということは盗賊たちの拠点が遠いのでしょうね。
「ブラン、予定変更よ。今日は午前中の訓練だけして体を休めなさい」
「うん」
「リオラさん、ごめんなさい。さっきの依頼無しでいいですか?」
「ええ、そう思ってまだ手続きしていませんから」
さすがリオラさん。
それでは今日ブランに〈気力操作〉を覚えてもらいましょう。なーに、すぐ出来ますよ! ずっと使ってきたスキルを少し応用するだけですから。
◆◇◆
よかったです。ギルドを出る時の思考はフラグにはならなかったようです。帰ってからやってしまったかと焦ってたんですけど。
はい、問題なくブランは〈気力操作〉を習得しました。流石私の天使です!
それにしても、心配です。
明日はブランの試験。私は同行できません。ブランがその辺の盗賊に負けるとは思ってませんが、もしパーティメンバーが下衆だったらどうしましょう? もし他のメンバーがいない隙に手を出そうとしてきたら? いやいや、メンバー全員野獣の可能性も捨てきれません……。ああ心配です。どうしましょう? なんでパーティメンバーである私が同行できないんですかね? 誰がそんな決まりを作ったのでしょう? ヤりますか? 殺りましょうか?
「姉様、私大丈夫だから」
「!? 突然どうしました?」
「姉様、変なオーラ出してた」
「な、何のことでしょう?」
ブランに気取られるとは……。落ち着けましょう! ビークール! 冷静に! うっかりブランに心の声と同じ口調で話しかけている場合ではありません!
……ふう。落ち着きました。そうですね。同行しなければいいんですね。
私は明日ソロで狩りに行きましょう。もしかしたら! たまたま! 現地でブランとバッタリ会うこともあるかもしれませんね。
「凄いです、アルジュエロ様!お父様は冒険者で言うAランクの実力があるんですよ!」
興奮冷めやらぬといった感じでリリが私の手を取って言います。?を赤らめながら言う姿は非常に可愛らしいのですが……。
「わかったから、ちょっと離れてちょうだい。近すぎるわ」
「あ、ごめんなさい。私ったら…」
自分が接吻でもするのかといったほどに顔を近づけていたことに気づき、慌てて離れ、さらに赤くなった顔をうつむかせます。恥ずかしがっているからでしょう。
「ありがと。それと、アルジェでいいわ」
「え?」
「対等、なんでしょう?」
「はい! アルジェお姉様!」
一転、輝かんばかりの笑顔。表情の変化が少しわかりづらい(らしい)ブランとは対照的にコロコロとそれを変えるリリです。この子、可愛いですね。……アルジェの後には何も付いていません。気のせいです。例え百合という名前だとしても。だからそろそろ手を離してくれませんかね?
いや、ブランもむぅ、なんて唸っていないで。そしてローズとレオン様はそのニヤニヤ笑いを辞めなさい!
◆◇◆
一夜が明けました。昨日はあのあと宿を引き払ってしまいました。もう必要ありませんからね。メルちゃんには泣きつかれましたが、同じ街に住むわけですし、またご飯を食べに来るといったら渋々離してくれましたよ。
そうそう、お知らせもあるんですよ。それが嬉しいかどうかという意味だと、微妙? なんですが。
昨日買った魔導書、あったじゃないですか。
ーーえ?忘れた? ……それらを夜読んでたら、なんと! ……スルーしたのは謝りますから続けさせてください。
なんと! 〈死霊魔導〉を覚えました!
正直、使いません。吸血鬼っぽいと言えばそうですが、一応禁術ですからね? それも世界的に禁じられている。外聞悪すぎです。
まあ、屋敷の使用人としては使えるかもしれないですが……。
報告はそのくらいですね。
家具なんかは揃えてくれていたので今日は依頼を受けに行く予定ですが、その前に“気”を習得したいと思いまして。
〈鑑定眼〉を駆使して情報を集め、屋敷の敷地内にある修練場に来たのが一の鐘がなる直前です。まだそれほど時間は経っていません。
調べた内容によると、どうも前世で知られていたものと大差ないようです。私の使う刀術でも意識することのあるものなので、それほど習得に時間はかからないと思います。というか、今思えばジジイの謎体術は気によるものだったのでしょう。でないと人間が水の上に立って静止出来るはずがありませんし、滝を剣圧で割るなんて出来ません! ……何故当時の私はアッサリ受け入れたんでしょう?
ともかく、下地はあるはずです。
さて、話している間に準備は整いました。今回は精神統一、所謂瞑想による“気”の循環操作を試してみることにしました。
いくつかある方法の中からコレを選んだ理由は、まず安全だから。いきなり強力な気力を得、操る方法もあるのですが、協力者が必要なことに加えて下手したら死にます。
そして、……癪ではありますが、ジジイがよくやっていたからです。あれは軽く人外してましたが、今は私も人外ですので先人に習うことにしたのです。
では、始めましょう。
地面から生やした棘の先端に丈夫な板を乗せ、その上に乗ります。ただ乗るだけなら慣れたもの。ぐらつくことなどありません。
その上でバランスを取りつつ胡座をかきます。背筋は伸ばしたまま呼吸を意識し、力をぬき、自身の内側に意識を向けます。
坐禅を組むとき、よく無心になれと言いますが、まぁ、無理ですよね。それって要は脳が働いてない、死んでるような状態じゃないですか。
ですから私はあらゆる事に集中します。空気の流れ、人の息づく音、とにかく全てを感じ取り、それらの一部となります。外と内、その境が無くなるほどに。
私の流派ではこれを『溶我』と呼んでいました。才能がありすぎると逆によくないのですが。なんでも“戻ってこれなくなる”とか。
そうして自他の区別が曖昧になってきた頃、
チリン
【熟練度が一定に達しました。
〈気力操作lv1〉を習得しました】
うん、覚えました。
しかし、ブランにはないスキルです。ブランの場合獣人としての本能で無意識に〈身体強化“気”〉を習得していたからでしょうか?
そう言えばブランは私が魔力でやるように足だけとか局所的な強化は出来ません。
このスキルの有無が関係していそうですね。また覚えさせましょう。
その後サクッと〈身体強化“気”lv1〉を習得して部屋に戻りました。
◆◇◆
さすが、本職といったところでした。料理専門のメイドさんたちによる朝食は絶品でしたね。今度地球の料理を教えて作ってもらうのもいいですね。
で、現在、私たちはギルドにいます。宣言通り依頼をこなす為ですね。
常設依頼を一応確認し、適当な討伐依頼をとってリオラさんの所にならんでいます。
「おはよう、リオラさん。コレお願い」
「あ、アルジェさんにブランさん。おはようございます。よかった、今日来ていただけて」
「うん? なにかあるの?」
「はい、ブランさんの昇格試験の日取りが決まりました」
「あら、案外早かったわね」
「そうですよね。私も驚きました」
辺境であるリムリア周辺は、森以外の魔物も強く、さらに冒険者や衛兵も精鋭揃いである為に盗賊の類は滅多に出ないはずなんです。それが、前回から一、二週間でもう現れた……。リリの件と言い、私の勘が何かを告げています。
「それで、いつなの?」
「明日です」
「また急ね。私の時もだったけど」
「どうします? 次回にしておきますか?」
教えることは教えてあるので問題ないとは思いますが……。そう思ってブランを見ると、
「姉様。大丈夫。明日行ってくる」
「そう、わかったわ。ということでお願いね」
「はい。ーー受付しておきました。それでは明日の一の鐘がなる頃にギルドへお越しください」
「うん、わかった」
一の鐘ですか。私の時より早いということは盗賊たちの拠点が遠いのでしょうね。
「ブラン、予定変更よ。今日は午前中の訓練だけして体を休めなさい」
「うん」
「リオラさん、ごめんなさい。さっきの依頼無しでいいですか?」
「ええ、そう思ってまだ手続きしていませんから」
さすがリオラさん。
それでは今日ブランに〈気力操作〉を覚えてもらいましょう。なーに、すぐ出来ますよ! ずっと使ってきたスキルを少し応用するだけですから。
◆◇◆
よかったです。ギルドを出る時の思考はフラグにはならなかったようです。帰ってからやってしまったかと焦ってたんですけど。
はい、問題なくブランは〈気力操作〉を習得しました。流石私の天使です!
それにしても、心配です。
明日はブランの試験。私は同行できません。ブランがその辺の盗賊に負けるとは思ってませんが、もしパーティメンバーが下衆だったらどうしましょう? もし他のメンバーがいない隙に手を出そうとしてきたら? いやいや、メンバー全員野獣の可能性も捨てきれません……。ああ心配です。どうしましょう? なんでパーティメンバーである私が同行できないんですかね? 誰がそんな決まりを作ったのでしょう? ヤりますか? 殺りましょうか?
「姉様、私大丈夫だから」
「!? 突然どうしました?」
「姉様、変なオーラ出してた」
「な、何のことでしょう?」
ブランに気取られるとは……。落ち着けましょう! ビークール! 冷静に! うっかりブランに心の声と同じ口調で話しかけている場合ではありません!
……ふう。落ち着きました。そうですね。同行しなければいいんですね。
私は明日ソロで狩りに行きましょう。もしかしたら! たまたま! 現地でブランとバッタリ会うこともあるかもしれませんね。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる