12/10^16のキセキ〜異世界で長生きすればいいだけ……だけど妹たちに手を出すなら容赦しない!〜(カクヨム版)

嘉神かろ

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第4章 輝きは交わり繋がる

第3話 エルフの女王

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4-3

 みなさんこんにちは。
 何故か突然プッツンして追いかけ回してきたエルフさんたちから逃れ、現在いるのは……どこでしょう? ここ。

「ふぅ。まったく、若い子たちには困ったものねぇ?」
「仕方ありません。彼らは表向きのことしか知りませんからね」

 私たちをここに引き込んだ張本人さん。
 元老を若い子って……いったい「何か変なこと考えてないかしら?」

「か、考えてないわ?」

 心を、読まれた……?

「気のせいよ」

 いえ、読んでますよね? 心。
 絶対読んでますよね!?

「すまなかったな。突然あのように騎士たちに追われて驚いただろう」
「あなたは、目の敵にしないんですね。私のことを」

 必要以上に近づかないよう、警戒したままプリームスの言葉に返事を返します。

「私は君の祖父がした事の、裏側を知っているからな」

 というか、ジジイはいったい何したんでしょう?

「世界樹の根をぶった切ったのよ」
「は?」

 え、いや、ちょ、えー……。
 そら、エルフ達に目の敵にされますよねー。
 納得です。こんちくしょー!

「姉様? 世界樹の根って、切れるモノなの?」

 袖をくいくい引っ張ってのブランの疑問ですが。

「無理よ、普通」
「まあ無理だな」
「無理でしょうね」

 ああ、なるほど。だからあの伝言、と。

 でも、事情は知ってるみたいですけど?

「ジジイがおかしいだけだから、気にしなくていいのよ。それより、ジ、祖父はあなた達が事情を知ってる事を知らなかったみたいだけど?」
「そうでしょうね。あの人、その後すぐ逃げ出して行方不明になったから」

 眉間を抑える年齢不詳の一見ハイエルフの女性。
 まあ、どう考えても女王陛下ですね。

「で、伝言聞きます?」
「いいわよ。どうせ、ぶった切ってすまんとか、そんなところでしょう?」
「その通りです」

 よくジジイの事を理解しているようですね。
 きっと苦労させられたんでしょう。

「とりあえず、お茶でもしましょう」

 そういって、陛下自らお茶の用意をしてくれました。

「待って、姉様」

 ブラン、まだ警戒を解きません。
 ビクビクしてないのは、果たして警戒してるからなのか、目の前の化け物の正体に気づいていないからなのか。

「警戒しなくていいわ。そんなまどろっこしい事、するまでも無いもの」
「そうゆうことよ」

 悪戯っぽく笑う姿は可愛いんですけどねー。

「『始祖森妖精オリジン・エルフ』の【調停者】様なんて、勝てるわけないじゃない」
「あら、今のあなたなら戦いくらいにはなるわよ?」

 ブランは目を見開いてますが、そうゆう次元なんですよ。
 隠蔽してハイエルフの更に上位種、『古代森妖精エンシェント・エルフ』程度の魔力に見せかけていますが、それでも今の私より上。
 その隠蔽能力も、〈千古Rlim魔導 Shaikorth〉があって辛うじて読み取れるレベル。つまり『理外の力アウタースキル』を持っているのは間違いありません。

 そのスキルを持つものは、私のような例外を除けば世界の調整役である【調停者】しか居ませんからね。
 【調停者】の事は一般には知られていませんが、ブランには教えてありました。

「さて、彼の話したいところなのだけれど……」

 もう来ましたか。

「居たぞっ! ……女王陛下!? その者は大罪の縁者です! お離れください!」

 声の大きな騎士さんですね。
 さっさと逃げようかとも思いましたが、女王陛下にはお考えがあるようなので様子見です。

「クァルトゥムとセプトゥム、それから他の元老にも伝えなさい。『セフィロス』の意思により、この者に手を出す事は許しません。国賓として扱うように」
「は、はっ!」

 ありゃ?
 凄いですね。『世界樹の精霊』、【管理者】セフィロスの威光は。
 あ、【管理者】はそのままアーカウラの管理者なので説明は割愛しますね。

「これでいいわね」
「はい。それでは、例の魔道具のこと、お聞きしてもよろしいでしょうか?」
「あら、ゲンの事はいいの?」

 ジジイ、ゲンなんて呼ばれてたんですか……。

「はい。今は、それより大事な事がありますので。……それに、祖父のことは聞くのが怖いと言いますか……」

 プリームスがすっごい頷いてます。
 流石ジジイ。略してさすじじ。

「まあ、また話してあげるわ。妹ちゃんと一緒にね」

 くっ、こちらも『アウタースキル』でガードしている筈なのに、簡単に抜いてきますね……!
 これが年k「そこまでよ?」

「あ、はい」

 これが年季の差か……!!

「……はぁ。そういうとこ、ゲンそっくりね」

 な、なんですっ、て……?

「姉様、話が進まない」
「ご、ごめんなさい。んんっ。それで、アレは何です? どうやったら破壊できますか?」
「破壊、ね。まぁ良いわ。アレの名前は、『隷属の神環』。結論を言えば、今のあなたじゃ破壊は無理ね」
「……っ」

 やはり、そうなんですね。

「そのまんまのセンスの無い名前だけど、アレには最高位の神が関わってるから、私たちでも一人じゃ厳しいの」

 思わず、歯軋りをしてしまいます。

「……では、どうやったら、外せますか?」
「さぁ?」
「……さぁ?」
「私は知らないわ」

 知らない?
 ここまで来て?
 もう時間が無いのに?

「ほら、落ち着きなさい。あなたの魔力量でそんな暴走起こされたら、プリームスが耐えられないわ」

 そんなこと言われても……!

「私は、って言ったじゃない。知ってる人なら知ってるわ」

 ……ふぅ。

「それを早く言ってください。誰でしょうか?」

 敬語が雑になってきましたが、どうでもいいことです。

「まず、私と同じ【調停者】である『吸血族』たち。【始まりの吸血族】と【原初】の四人。こいつらに期限内に会うのは無理でしょうけどね」
「会えない人はどうでもいいです。会える人を早く教えてもらえませんか?」
「家族の事が地雷なのも同じね……。ああもう、わかってるから。抑えなさい。確実に会える子を紹介してあげるわ。先にその五人を教えたのだって理由はあるんだから。本来なら【調停者】くらいしか知り得ない情報を知ってる【調停者】以外の人なんて、【調停者】の縁者くらいでしょう?」
「つまり、その子孫、真祖……。『吸血族』の王?」

 私の呟きに、女王はニヤリとします。

「察しの良い子は大好きよ? そう、現『吸血族』の王ヴラディエト九世。私の名前で、ジネルウァ・カーミル・ヴァンピリエ宛に紹介状を書いてあげる。ヴラディエト九世に渡しなさい」
「……ありがとうございます」

 ここまで協力してもらえると、後が怖いですね……。

「ふふ、大丈夫よ。ゲンの孫に酷いことするはずがないじゃない」

 ふむ?
 
「姉様、『吸血族』の王様に渡すんだよね?」

 と、ブランはその前の話を知りませんでしたか。

「『ジネルウァ・カーミル・ヴァンピリエ』はヴラディエト九世の本名よ。つまり、国家への借りにさせず、個人として協力するよう要請してくれるってこと。いえ、もうほぼ命令と思っていいわ」
「……凄い」

 満足そうに女王は頷いてますが、私としては不気味でしかありません。
 ジジイの孫に、とか言ってますが後で何をさせられるやら……。

「もう、だからそんな事しないって言ってるのに。ゲンの孫ってことは、私の義孫ってことなのよ?」

 ふてくされたように言う女王。
 …………ん!?

「申し訳ありませんが、もう一度言っていただいても?」
「だから、あなたは私の義孫になるの」
「そして私の甥だな」
「…………はぁ!?」

 さっきまで空気だったプリームスまでも援護射撃……。
 ちょ、それって、つまりは……。

「そ、私とゲンは夫婦だったの。だから堅苦しい言葉遣いなんかしなくていいのよ?」
「姉様、王族……?」

 もう、意味わかんねぇ。
 あのクソジジイ、まじクソジジイ……!!

 もう、知るか!!!!

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