呪いの忌子と祝福のつがい

しまっコ

文字の大きさ
上 下
48 / 48

おしおきえっち2※~エピローグ

しおりを挟む
「ルクレツィア、ルクレツィア」
ラファエロの呼びかけで意識が引き戻される。
「気をやるなんて初めてだな」
嬉しそうな顔でそう言われた。声には笑いが滲んでいる。
「ごめ、なさ、い」
恥ずかしくて涙が溢れた。
「謝る必要などない。言っただろう、快楽に乱れるおまえが見たいと」
「でも……」
 愛する人にこんなはしたない姿をさらすのはやはり恥ずかしい。
「貞淑な妻が夫にだけみだらな姿を見せる。おまえは俺の理想の女だ」
 ラファエロはルクレツィアに優しく言い聞かせた。
ルクレツィアが意識を飛ばしてから、それほど時間はたっていないらしく、体内にはまだラファエロの2本の指が入ったままだ。ちゅぷっと音をたてて指が引き抜かれ、剛直が押し付けられた。
「まって、やぁぁっ、ひっんっ」
お尻の異物のせいで胎内は狭い。いつも以上にラファエロが大きく感じられる。必死に息を吸い込んでいる間に、おなかの中がラファエロでいっぱいになった。
ラファエロは少し前かがみになると、ルクレツィアの胸をやわやわ揉みながら先端をコリコリしごいた。
「やぁぁ、だめぇ、まだ、やぁぁんっ」
ルクレツィアは過ぎた快感に身をよじり涙を零した。
「まって、おねがい」
ひっくひっくと泣きながら懇願すると、ラファエロは手を止めた。
「つらいか」
ルクレツィアが頷くと、ラファエロは体を倒しルクレツィアを包み込むように抱きしめた。
「可哀想に。気持ちよくないのか?」
「きもちいいの。よすぎて、つらいの」
「……愛おしくてどうにかなりそうだ」
ラファエロがルクレツィアの顔じゅうにキスを落とす。それからぐるりと体を反転させ、ルクレツィアを上に乗せる格好で仰向けになった。
「つらいなら、おまえのペースでしてごらん」
「らふぁえろさま……?」
「体を起こして。自分で気持ちがよくなるように腰を動かしてみろ」
ルクレツィアは力の入らない上体を必死に起こした。ラファエロの割れた腹筋に手をつき、何とか身体を支える。
ルクレツィアを貫く楔は、体を起こしたことで角度を変え、より深く突き刺さった。
「あっ、ふかい」
内臓を持ち上げられる感覚に、また涙がこぼれた。
「ルクレツィア、まだつらいか」
優しく問いかけられ、ルクレツィアは首を振った。やっと絶頂の感覚が遠のいた。
腰を少しだけ浮かせて揺らすと、花芽がリングでキュッと締め付けられたまらなく気持ちがいい。
「あっ、あっ、きもちぃぃ、あんっ」
溢れた蜜がラファエロの下腹を濡らし、動くたびにくちゅくちゅといやらしい音を響かせた。
「あっ、あっ、あんっ、らふぁえろさま、いぃの、きもちいぃの」
「いい子だ、いっぱい気持ちよくなれ」
ラファエロの右手がルクレツィアの下腹に伸びてきて敏感な突起を摘まむ。
「ひゃぁん、やぁぁっ」
ルクレツィアの身体が跳ね、きつきつの蜜壺がさらにきつく収縮する。
「くっ、うっ、ルクレツィア」
ラファエロの漏らした切なげな声にルクレツィアは意識を引き戻された。自分ばかり気持ちよくなってしまっている。愛するつがいに尽くさなければ――。
ルクレツィアは深く腰を沈め、必死に前後に動かした。
「あっ、あっ、あっ、あ……っ」
奥がこすられて電流のような快感が体を駆け巡る。
くちゅ、くちゅ、という音と同期して、戒められた胸と花芽に刺激が加わり、お尻の中の張型が激しくうねり暴れた。
「あぁっ、きちゃう、また、きちゃう」
力の入らない上体が崩れかけたところで、上体を起こしたラファエロに抱きとめられた。
ラファエロをまたぐように向かい合って座り、身体の奥が強く収縮する。2度目の絶頂に身を震わせるルクレツィアをラファエロが突き上げた。
「あぁ、だめっ、だめなのぉぉ」
真下からの容赦ない突き上げで、ラファエロの剛直が薄い壁越しに張型とぶつかり合い、今まで感じたことのない強い刺激がルクレツィアを苛む。
これ以上ないほど深々と串刺しにされ、胸と花芽にも激しい責め苦が続いている。連続で蜜壺を収縮させるルクレツィアの奥深くで、ラファエロの精が弾けた。
おなかの中が魔力で熱くなり、次いで全身が満たされていく。
「らふぁえろさま、すき」
目の前にある喉ぼとけに唇を寄せてちゅっと吸い付くと、ルクレツィアを貫く楔がビクンと跳ねた。
「あっ、おぉきく、しないで」
「無理を言うな」
「あぁぁっ」
 さらに大きくなったものでズンと突き上げられ、ルクレツィアは啼き声をあげた。
「だって、まだ……」
まだルクレツィアの蜜壺は収縮を繰り返している。絶頂が退くまでこのままで抱きしめていてほしい。
「おねがい、うごかないで」
「わかった」
ルクレツィアが懇願すると、ラファエロは突き上げるのを止めた。
しかし、ほっとしたのもつかの間、左手で腰を抱き寄せられ、右手でお尻を貫く張型を引き抜かれる。
「いやっ、だめっ、あぁぁんっ」
お尻の浅い部分を小刻みにかきまぜられた後、また最奥まで張型が突き刺さる。
「あっ、やっ、だめぇ、アンッ、ひぅっ」
粘膜をこすりながら引き抜かれる感覚に身を震わせ、ぐっと突き入れられては啼き声をあげ、ルクレツィアは涙を零し続けた。
蜜壺を貫くラファエロの剛直とお尻を犯す張型がぶつかり合い、内臓をかきまぜられるような激しい違和感に襲われた。
「や、そんな、しないで」
ラファエロにしがみ付きながら懇願する。
「動くのは止めたのだ。これは許せ」
「だめ、だめなの」
「可愛いおまえを堪能させてくれ」
「あぁぁ、らふぁえろさまぁ」
注がれた魔力で体が熱くなり、ひどく感じやすくなっている。いつしか違和感が快感にすり替わり、張型が体内で暴れ始めた。これではルクレツィアが快感を拾っていることがラファエロに伝わってしまう。
「いい子だ、ルクレツィア」
「あっ、あっ、やぁ、ふぇ、ん……っ」
「これは好きか」
「あぁぁっ」
張型で蜜壺の後壁を抉るように押され、ルクレツィアは泣きじゃくった。
「いやか」
「すき、らふぁえろさま、すきなの」
泣きながら逞しい体に縋りつく。
戒められた胸の頂と花芽にも不規則な収縮と振動が加えられルクレツィアを苛んだ。
ラファエロは張型を深い位置に押し込み固定してから、二人の結合部に右手を差し込んでルクレツィアの花芽をきゅっと摘まんだ。
「やぁぁぁっ」
恥ずかしい部分に強い電流が走り、尿意に似た何かが込み上げ、ぷしゅっ、ぷしゅっと熱いものが噴き出した。蜜壺が激しく収縮し、お尻の張型が一層激しくうねりまわる。
「や、それ、いやぁ」
「いい子だ。おまえはこれが好きなのだな」
いやいやと首を振るが、お尻の奥の張型は正直だ。跳ねるようにうねり続けルクレツィアの快楽を伝えてしまった。
ラファエロはなおも花芽を指先で転がしてきゅっと摘まんだ。
「あああぁぁっ」
 指の腹でくりくり捏ねまわされては腰を震わせ、キュッと摘ままれては蜜壺をきつく締め付ける。ルクレツィアは啼きながらラファエロの愛撫に翻弄された。
「あっ、アンッ、あぁぅっ」
「ああ、ルクレツィア。おまえの中はとてつもなく気持ちがいい」
「ふぇっ、らふぁえろさま、ひぁ、だめっ」
 敏感な花芽を嬲られ続け、ルクレツィアの蜜壺は収縮しっぱなしだ。
「可愛い。可愛くてしかたがない。もっと見せてくれ。かわいい潮噴きを」
「もぅ、むり……ゆるして、らふぁえろさま、ゆるして」
「もう一度上手にできたら終わりにする」
 キュッと摘まんだ突起をさらにグイっと引っ張られ、ルクレツィアは背を反らして全身を強張らせた。再び強い尿意が込み上げる。
「ひぅっ、やっ、あぁぁっ、だめぇぇぇ」
 ぷしゅっ、ぷしゅっ、ぷしゅっ、と何かが溢れた。ラファエロは突起から指を離すことなくなおもコリコリしごき続ける。ルクレツィアの尿道からちょろちょろと熱い液体が溢れ下腹を濡らした。
潮噴きといわれたけれど、これはお小水だ。上手に潮噴きをできず、お漏らしをしてしまうなんて――…。
どっと涙が溢れ出た。
「ごめ、なさい」
ひっくひっくとしゃくりあげると花芽を嬲る指が止まり、優しく髪を撫でられた。
涙でぐしゃぐしゃになった顔にひとしきりキスが降ってくる。
「何を謝る必要がある。とても上手な潮噴きだった。こんなにかわいい潮噴きができるのはこの世でおまえ一人に違いない」
「ふぇっ……ふぇっ……」
 ラファエロは慰めてくれるが、ルクレツィアの嗚咽は止まらない。
「言っただろう。おまえが愛おしくて仕方がないと。俺だけに見せるおまえの痴態がどれほど俺を滾らせているか、おまえにはわかるまい」
寝台の上に上体を倒され、覆いかぶさってきた厚い体にルクレツィアは揺さぶられた。
「あっ、あっ、あっ、あぁっ」
激しく突き上げられる。お尻も蜜壺も、ラファエロの与える抽挿に反応してみだらに震え収縮し、ルクレツィアを戒める魔道具は絶え間ない振動と収縮でルクレツィアを苛んだ。
嬌声がすすり泣きに代わる頃、ルクレツィアの胎内に2度目の精が注がれた。
「すまない。夢中になってしまった。つらいか」
ルクレツィアが頷くと、ラファエロが楔を引き抜こうとした。
「まって。もうすこしだけ、このままで」
思わずラファエロの背にしがみ付く。激しく揺さぶられるのも声が掠れるほど感じてしまうのも嫌ではないけれど、何もせずにラファエロと繋がってただその熱を包み込んでいるこの状態がルクレツィアは一番好きだ。
「ああ、ルクレツィア。いつまででもこうしていたい」
包み込むように抱かれ、優しい体温に身をゆだねる。
徐々に激しい悦楽が退き、穏やかな安心感で満たされた。
ラファエロはルクレツィアの涙を唇で拭い髪を撫でながら、抑え気味の声で話し始めた。
「つらいなら、このまま寝てしまっても構わない。寝物語と思って聞いてくれ。エレナの名誉を守るためとは言え、おまえが他人に戦いを挑んだことが意外だった。こんなにたおやかで温厚なおまえが」
肉食獣のような獰猛な光が消え、漆黒の瞳に優しい色が浮かんでいる。
「その身が危険に晒されるのは許せない。だが、その一方でおまえ自身の手で誇りを守ったことをこの上なく尊いとも思う」
「本当は自分が呪われていると思ったこともあるのです。でも、わたくしがそれを認めてしまったら、わたくしを大切に育ててくれた家族と、こんなわたくしを愛おしんでくださるラファエロさまに顔向けができないと思いましたの」
「呪われてなどいるものか。おまえは俺の人生に与えられた最大の祝福だ。おまえを失ったら俺は正気でいられないだろう」
「許される限り、ずっとラファエロさまのお傍におります」
唇を啄ばまれうっとりしているうちに、だんだん意識が遠のき始めた。お尻に埋め込まれていた異物がズルリと引き抜かれるが、疲労した体が快楽を拾うことはなかった。
「愛している、ルクレツィア。ゆっくり休め」
ラファエロの体温に包まれながら、ルクレツィアは深い眠りに身を委ねた。


全属性・魔力過多で知られる第二王子ラファエロがつがいを得て、ローナ王国には新たな歴史が刻まれることとなった。
ラファエロの侍従ユリウス・レントラーの研究によれば、多属性・高魔力の王族・高位貴族のつがいは魔力を封印されて生まれてくる。
そして、つがいと出会い結ばれれば魔力を取り戻す。
彼らは国を救うために天から与えられた祝福の子であり、呪われた忌子などではない。
これより先、魔力を持たぬ子を忌子と呼ぶことを禁じ、国が手厚く保護することが言い渡された。
これを機に王侯貴族の人口低下に歯止めがかかり、ローナ王国は建国史上数度目の栄華期を迎えるのだった。

しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

麗しの王子殿下は今日も私を睨みつける。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:10,827pt お気に入り:140

公爵令嬢は破棄したい!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:142pt お気に入り:4,037

私のバラ色ではない人生

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:104,307pt お気に入り:5,004

妹ばかり見ている婚約者はもういりません

恋愛 / 完結 24h.ポイント:78,885pt お気に入り:6,281

王子の婚約者を辞めると人生楽になりました!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:5,033pt お気に入り:4,691

愛し方を知らない氷帝の愛し方

恋愛 / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:853

亡き妻を求める皇帝は耳の聞こえない少女を妻にして偽りの愛を誓う

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:1,556pt お気に入り:85

最初に私を蔑ろにしたのは殿下の方でしょう?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,678pt お気に入り:1,974

処理中です...