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黒豚令息の領地開拓編
猫と朝食
初日の暗雲立ち込める悪天の様な雰囲気から一転、次の日のヴィオラは、晴れ晴れ爽快な気分でテストを受けていた。
「どうしたのでしょうね。ヴィオラ様…」
「喧嘩でもして仲直りしたとか?」
「何にせよ、元気が戻って良かったわ!」
特待生組のクラスメイト達も、昨日の落ち込み様が嘘のように、再び明るいヴィオラが戻って一安心していた。
「いいか?向こうに着いたら俺の姿でちゃんと院長に挨拶しろよ?」
「わかったよ。」
「欲しいもんとか足りないもんが無いかよく聞いて、子供等にも愛想良くしてやれよ?」
「わかってるって!」
「絶対にバレるなよ!?」
「しつこいな!ちゃんとするってばよ!」
「だぁだ!」
くどくど念を押されてうんざりしながら、トムティットがデイビッドの姿に変わりライラを抱いて荷物と共に鏡の中へ消えて行く。
その後を妖精達が追って行くので、そうそう悪さはできまい。
トムティットは本当に直ぐに戻って来て、養護院側で受けた注文をメモした紙と、ざっと見で必要そうな物資の報告をした。
「傷薬と掃除用具の消耗が早い。あと食堂のスプーンの数がギリギリなのと、倉庫の天井の一部が雨漏りで腐りかけてるから張り替えた方が良さそうだった。」
「わかった。なんだ、結構ちゃんと見てんだな。」
「やれって言われたからな!仕事はきちっとするんだよこう見えて!」
「ほー…じゃ、後は夕方の迎えの時間まで好きにしてろ。俺も部屋は開けるから、変なのが入って来たらおん出せよ?」
「わかってるよ。」
デイビッドも朝からテストの採点で忙しい。
久し振りの教員室ではデスクの上にどっさり答案用紙が置かれていた。
「答えがはっきり出る問題は良いですけど、小論文や考察系は採点も難しいですね。」
「いちいち読んで誤字脱字なんかも指摘しなくちゃいけないし、泣き所よねぇ…」
「例文を作れってのも、採点にはなかなか時間食いますよ。」
「本当それよ!」
周りの教員達と雑談しながら、午前中いっぱいをデスクワークで終わらせる。
そこへミネルバ教頭が現れ、全員に通達があると前に立った。
「今年の親善会には、留学中の各国の王族も参加されます。昨年の様な失態の無い様、王弟殿下より細心の注意を払うようにと、警備の強化の為予算を頂きました。教員は全員裏方ではなく、生徒達の間に入り、些細なものであっても問題が起きない様注意をして下さい。」
皆、うんうんと頷きながら教頭の話を聞いている。
「それから、デイビッド先生。」
「は、はい!」
「申し訳ありませんが貴方だけ特別に指示が出ております。こちらの用紙をよく読んで、当日に備えて下さい。」
「え…?わ、わかり…ました…え?」
確かに、昨年は特大トラブルのど真ん中にいたが、何もこちらが起こしたものでないのに…と、少し理不尽に感じながら渡された紙を見ると、厨房の見取り図と搬入時間と食材のリストが書かれている。
「これ…は…」
「各所で希望を取った所、この様な形になりました。貴方には調理を専門にお願いします。当日は希望者も参りますので、よろしくお願いしますね。」
「希望者!?」
「隔週で調理関係の専門家をお呼びされていたでしょう?その授業の生徒達ですよ。一学期の集大成をここで見せたいと張り切っておりましたよ?」
「あ…そう…ですか…」(←忘れてた)
「なのでデイビッド先生にはそちらの生徒達の監督をお願いします。それからーーー」
ミネルバ教頭の話が終わり、教員達がぞろぞろ部屋から出て行くと、今度は商業科のサイモンがデイビッドを捕まえた。
「デイビッド殿、二学期の芸術祭の会計に今年は最初から参加してもらいたい!昨年の働きは本当に素晴らしいものだった!是非こちらへ来て頂きたいのだが、よろしいかね!?」
「ああ!会計か。いいですよ?どうせ裏方くらいしか仕事ないんで。お引き受けします。」
「ありがとう!今年も2人で厳しく査定してやりましょうぞ!ハハハハ!」
(イキイキしてんな…)
教員らしい仕事も割り振られ、また学園での生活が戻り始めている。
結局夏休みはほとんどが補講と、一学期では追いつかなかった授業で埋まるそうだ。
商業科と領地経営科の生徒は、半分以上が実家に帰れず文句を言っている。
次の日も、その次の日もテストテストまたテスト。
山積みの答案用紙とにらめっこの日々が一週間続き、昼休みも友人達と勉強漬けのヴィオラは、夕方ライラに会うのが唯一の癒やしになっていた。
「はぁぁ~…今日も疲れたよぉライラちゃん!」
「ネェネ!ヨチヨチ。」
「うぇ~~ん明日も頑張るぅぅ!!」
夏野菜が豊富になってきた事でサラダの彩りも豊かになり、肉料理もさっぱりと食べられる。
デイビッドは鳥系の魔物肉をほぐしながら、棚の上のイヴェットに独り言の様に声を掛けた。
「明日から資格用の試験も始まるってよ。」
「ナァーーン」
「せっかく3年も頑張ったんなら、落とすのもったいなくないか?」
「ンナァーーン」
「また猫になりに来るのもいいし、どっかに行くのも自由だ。でも、ここぞって所は外すなよ?後悔はなるべくしないようにな?」
「ニャーー…」
その夜、ヴィオラもシェルリアーナも居なくなった部屋では、カウチに横になったデイビッドにぴったり寄り添ったイヴェットが丸くなって眠っていた。
翌朝、火の気配で目が覚めたデイビッドは、キッチンで1人お茶を淹れようといているイヴェットと目が合った。
「なんだ…戻る事にしたのか?」
「おはようデイビッド君。すっかり世話になっちゃったね。やっぱり魔法医の資格が惜しくて、戻って来たよ。」
「後半、ほとんど意識はあったんだろ?」
「バレてたか…君の婚約者と義妹が話しかけてくるおかげで、人の意識が鮮明になってね。でも居心地が良過ぎてなかなか決心が着かなくて…いっそ猫のままでもいいかなぁなんて考えもしたんだ。」
「ま、猫じゃハーブティーは飲めねぇしな。」
「そうだね。途中で君が気がついて食事の味を濃くしてくれたのは本当にありがたかったよ。猫の餌はもうこりごりだ。」
起き出したデイビッドは、数種類のハーブを手際良くブレンドし、ポットに湯を注ぐと蒸らす間に家畜小屋の世話をしに外へ出てしまった。
実はあれから申請が通り、休暇中に新築された家畜小屋は、デイビッドが建てた簡易の物とは比べ物にならないほどしっかりとした建物に進化している。
ファルコも寝心地の良い巣を作ってもらいご機嫌だ。
餌を足して床の掃除と卵を回収し、手を洗うついでに外の水道で顔を洗い、身支度を適当に済ませた。
ハーブティーを楽しむイヴェットを他所に、パン種を仕込み、スープとサラダと今朝はパンケーキのベーコン目玉焼き乗せ。焼ける端から皿に盛っていく。
「あの…デイビッド君。ありがとう、家の事…父に縛られなくて済むと思うだけで物凄く気持ちが軽いよ。」
「そうか?家の者と出会さないようこそこそしなきゃいけねぇのも辛くねぇか?」
「元々人間嫌いの家だからね。あんまり外部には出て来ないし、そこは大丈夫。」
「卒業したらもう頼れねぇぞ?独り立ちの宛てはあるのか?」
「アハハ…実は何にもなくて困ってる。でも、気分は最高にいいよ。どこかの開業医とかで住み込みで働いたり、家を借りて一人暮らしなんてのも夢が広がらないかい?」
「貴族令嬢にゃ厳しいぞ?」
「君の第二夫人にでもしてもらえたら最高だったのに。」
「冗談!猫は飼ってやれるが、他人を囲う趣味はない。俺には婚約者1人で十分だ。」
「わかってるよ。でも君に撫でて貰うのが一番気持ちが良かったんだ…安心するって言うか、癒されるって言うか…」
「猫の話だろ?」
「うん…猫の話だよ…」
エリックが起きる前にライラの世話をするデイビッドを見ながら、イヴェットは出来たての朝食に手を付けた。
「おいしい。やっぱり君の料理は最高だね。猫じゃこれは食べさせてもらえない。」
「そりゃそうだな。」
朝食を済ませると、イヴェットはにっこり笑って立ち上がった。
「ご馳走様。僕はそろそろ部屋へ戻るよ。」
「家には帰れねぇんだろ?」
「元々下宿先に部屋を借りてるから大丈夫。心配しないで、こう見えて身の回りのことくらいは出来るようになったんだよ。3年もかかっちゃったけど…」
「試験、頑張れよ?」
「うん、ありがとう。それじゃぁね!」
イヴェットは、いつものワザと作った気怠げな雰囲気ではなく、晴れ晴れとした笑顔で去って行った。
「どうしたのでしょうね。ヴィオラ様…」
「喧嘩でもして仲直りしたとか?」
「何にせよ、元気が戻って良かったわ!」
特待生組のクラスメイト達も、昨日の落ち込み様が嘘のように、再び明るいヴィオラが戻って一安心していた。
「いいか?向こうに着いたら俺の姿でちゃんと院長に挨拶しろよ?」
「わかったよ。」
「欲しいもんとか足りないもんが無いかよく聞いて、子供等にも愛想良くしてやれよ?」
「わかってるって!」
「絶対にバレるなよ!?」
「しつこいな!ちゃんとするってばよ!」
「だぁだ!」
くどくど念を押されてうんざりしながら、トムティットがデイビッドの姿に変わりライラを抱いて荷物と共に鏡の中へ消えて行く。
その後を妖精達が追って行くので、そうそう悪さはできまい。
トムティットは本当に直ぐに戻って来て、養護院側で受けた注文をメモした紙と、ざっと見で必要そうな物資の報告をした。
「傷薬と掃除用具の消耗が早い。あと食堂のスプーンの数がギリギリなのと、倉庫の天井の一部が雨漏りで腐りかけてるから張り替えた方が良さそうだった。」
「わかった。なんだ、結構ちゃんと見てんだな。」
「やれって言われたからな!仕事はきちっとするんだよこう見えて!」
「ほー…じゃ、後は夕方の迎えの時間まで好きにしてろ。俺も部屋は開けるから、変なのが入って来たらおん出せよ?」
「わかってるよ。」
デイビッドも朝からテストの採点で忙しい。
久し振りの教員室ではデスクの上にどっさり答案用紙が置かれていた。
「答えがはっきり出る問題は良いですけど、小論文や考察系は採点も難しいですね。」
「いちいち読んで誤字脱字なんかも指摘しなくちゃいけないし、泣き所よねぇ…」
「例文を作れってのも、採点にはなかなか時間食いますよ。」
「本当それよ!」
周りの教員達と雑談しながら、午前中いっぱいをデスクワークで終わらせる。
そこへミネルバ教頭が現れ、全員に通達があると前に立った。
「今年の親善会には、留学中の各国の王族も参加されます。昨年の様な失態の無い様、王弟殿下より細心の注意を払うようにと、警備の強化の為予算を頂きました。教員は全員裏方ではなく、生徒達の間に入り、些細なものであっても問題が起きない様注意をして下さい。」
皆、うんうんと頷きながら教頭の話を聞いている。
「それから、デイビッド先生。」
「は、はい!」
「申し訳ありませんが貴方だけ特別に指示が出ております。こちらの用紙をよく読んで、当日に備えて下さい。」
「え…?わ、わかり…ました…え?」
確かに、昨年は特大トラブルのど真ん中にいたが、何もこちらが起こしたものでないのに…と、少し理不尽に感じながら渡された紙を見ると、厨房の見取り図と搬入時間と食材のリストが書かれている。
「これ…は…」
「各所で希望を取った所、この様な形になりました。貴方には調理を専門にお願いします。当日は希望者も参りますので、よろしくお願いしますね。」
「希望者!?」
「隔週で調理関係の専門家をお呼びされていたでしょう?その授業の生徒達ですよ。一学期の集大成をここで見せたいと張り切っておりましたよ?」
「あ…そう…ですか…」(←忘れてた)
「なのでデイビッド先生にはそちらの生徒達の監督をお願いします。それからーーー」
ミネルバ教頭の話が終わり、教員達がぞろぞろ部屋から出て行くと、今度は商業科のサイモンがデイビッドを捕まえた。
「デイビッド殿、二学期の芸術祭の会計に今年は最初から参加してもらいたい!昨年の働きは本当に素晴らしいものだった!是非こちらへ来て頂きたいのだが、よろしいかね!?」
「ああ!会計か。いいですよ?どうせ裏方くらいしか仕事ないんで。お引き受けします。」
「ありがとう!今年も2人で厳しく査定してやりましょうぞ!ハハハハ!」
(イキイキしてんな…)
教員らしい仕事も割り振られ、また学園での生活が戻り始めている。
結局夏休みはほとんどが補講と、一学期では追いつかなかった授業で埋まるそうだ。
商業科と領地経営科の生徒は、半分以上が実家に帰れず文句を言っている。
次の日も、その次の日もテストテストまたテスト。
山積みの答案用紙とにらめっこの日々が一週間続き、昼休みも友人達と勉強漬けのヴィオラは、夕方ライラに会うのが唯一の癒やしになっていた。
「はぁぁ~…今日も疲れたよぉライラちゃん!」
「ネェネ!ヨチヨチ。」
「うぇ~~ん明日も頑張るぅぅ!!」
夏野菜が豊富になってきた事でサラダの彩りも豊かになり、肉料理もさっぱりと食べられる。
デイビッドは鳥系の魔物肉をほぐしながら、棚の上のイヴェットに独り言の様に声を掛けた。
「明日から資格用の試験も始まるってよ。」
「ナァーーン」
「せっかく3年も頑張ったんなら、落とすのもったいなくないか?」
「ンナァーーン」
「また猫になりに来るのもいいし、どっかに行くのも自由だ。でも、ここぞって所は外すなよ?後悔はなるべくしないようにな?」
「ニャーー…」
その夜、ヴィオラもシェルリアーナも居なくなった部屋では、カウチに横になったデイビッドにぴったり寄り添ったイヴェットが丸くなって眠っていた。
翌朝、火の気配で目が覚めたデイビッドは、キッチンで1人お茶を淹れようといているイヴェットと目が合った。
「なんだ…戻る事にしたのか?」
「おはようデイビッド君。すっかり世話になっちゃったね。やっぱり魔法医の資格が惜しくて、戻って来たよ。」
「後半、ほとんど意識はあったんだろ?」
「バレてたか…君の婚約者と義妹が話しかけてくるおかげで、人の意識が鮮明になってね。でも居心地が良過ぎてなかなか決心が着かなくて…いっそ猫のままでもいいかなぁなんて考えもしたんだ。」
「ま、猫じゃハーブティーは飲めねぇしな。」
「そうだね。途中で君が気がついて食事の味を濃くしてくれたのは本当にありがたかったよ。猫の餌はもうこりごりだ。」
起き出したデイビッドは、数種類のハーブを手際良くブレンドし、ポットに湯を注ぐと蒸らす間に家畜小屋の世話をしに外へ出てしまった。
実はあれから申請が通り、休暇中に新築された家畜小屋は、デイビッドが建てた簡易の物とは比べ物にならないほどしっかりとした建物に進化している。
ファルコも寝心地の良い巣を作ってもらいご機嫌だ。
餌を足して床の掃除と卵を回収し、手を洗うついでに外の水道で顔を洗い、身支度を適当に済ませた。
ハーブティーを楽しむイヴェットを他所に、パン種を仕込み、スープとサラダと今朝はパンケーキのベーコン目玉焼き乗せ。焼ける端から皿に盛っていく。
「あの…デイビッド君。ありがとう、家の事…父に縛られなくて済むと思うだけで物凄く気持ちが軽いよ。」
「そうか?家の者と出会さないようこそこそしなきゃいけねぇのも辛くねぇか?」
「元々人間嫌いの家だからね。あんまり外部には出て来ないし、そこは大丈夫。」
「卒業したらもう頼れねぇぞ?独り立ちの宛てはあるのか?」
「アハハ…実は何にもなくて困ってる。でも、気分は最高にいいよ。どこかの開業医とかで住み込みで働いたり、家を借りて一人暮らしなんてのも夢が広がらないかい?」
「貴族令嬢にゃ厳しいぞ?」
「君の第二夫人にでもしてもらえたら最高だったのに。」
「冗談!猫は飼ってやれるが、他人を囲う趣味はない。俺には婚約者1人で十分だ。」
「わかってるよ。でも君に撫でて貰うのが一番気持ちが良かったんだ…安心するって言うか、癒されるって言うか…」
「猫の話だろ?」
「うん…猫の話だよ…」
エリックが起きる前にライラの世話をするデイビッドを見ながら、イヴェットは出来たての朝食に手を付けた。
「おいしい。やっぱり君の料理は最高だね。猫じゃこれは食べさせてもらえない。」
「そりゃそうだな。」
朝食を済ませると、イヴェットはにっこり笑って立ち上がった。
「ご馳走様。僕はそろそろ部屋へ戻るよ。」
「家には帰れねぇんだろ?」
「元々下宿先に部屋を借りてるから大丈夫。心配しないで、こう見えて身の回りのことくらいは出来るようになったんだよ。3年もかかっちゃったけど…」
「試験、頑張れよ?」
「うん、ありがとう。それじゃぁね!」
イヴェットは、いつものワザと作った気怠げな雰囲気ではなく、晴れ晴れとした笑顔で去って行った。
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