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7代目デュロック辺境伯爵編
卵泥棒
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ルーチェとトムティットは、デイビッドのデスクの上の空間が定位置で、ルーチェは大きなヒョウタンをくり抜いたドールハウス、トムティットは古い立て鏡を住処にしている。
部屋の中の人間には基本あまり干渉せず、自由にしているが、毎食のおこぼれにだけは必ずありつきにやって来る。
ルーチェは相変わらずシェルリアーナにご執心で、恍惚とエビを頬張る横顔を愛おしげに見つめていた。
「へぇ、あんなのがいいのかよ?」
「なに? 馬鹿にするの?」
「別にしやしねぇけど…アレは相当性格キツいぜぇ?」
「わかってないな その奥に優しさと弱さを隠してるから かわいいんじゃない」
「入れ込むねぇ。人間なんてつまみ食い程度で丁度いいんじゃねぇの?」
「そんなだから 100年も鏡の中から出してもらえなかったんだよ」
「おいおい、噛みつくねぇ。厭味な妖精は嫌われるぜぇ?」
「大丈夫さ 証拠が残んなきゃ良いんだから」
「お、やるか?ぽっと出の若年妖精が100年キャリアの妖魔様に敵うと思うなよ?!」
「人間に騙され続けて来ただけでしょ?そんな間抜けには負ける気がしないなぁ…」
「ほぉ~…?!」
(恋バナから口喧嘩になった…)
2匹の妖精が仲良く並んで揚げ芋とエビをかじる姿からは想像できない会話を盗み聞いたエリックが、視線を逸らして肩を震わせている。
仲が良いかと言われると謎なこの2人。
まだ直接やり合う姿は見たことが無いが、だいたい水と油な会話をしている。
人外との契約ライフ、さて、これからどうなることやら…
夏が来た。
例年より人の多い学園は、暑さに喘ぐ生徒がより涼しい部屋を求めて動き回っている。
食堂や図書室などは冷風の魔道具が始終付けられているが、各教室の冷風装置は、人が居なくなると消えてしまうため直ぐには涼しくならない。
広い食堂なども均一には冷気が行き届かず、日が当たり暑い席もある。
そんな中、常に涼しく快適な部屋がひとつ…
「あぁ…涼しい~…」
デイビッドの部屋にはキリフの特産である冷気を閉じ込めた魔石、通称“氷水晶”が棚の上に置かれ室内を涼しく保っている。
冷気が強く長く閉じ込められる程色が濃くなる性質だと言うが、デイビッドの部屋にある物は真夜中の様な濃い紫色をしている。
永久凍土の谷間から採集した物だと言うが、コレひとつで一体いくらするだろう。
暑い外から来て、ひんやりしたジュートのカーペットに寝転ぶともう起き上がれない。
そこへ冷たい飲み物やシャーベットが出され、身も心も甘やかされたシェルリアーナが溶けていく。
「もう外行きたくなぁ~い!」
「んなこと言っても午後もう一枠授業だろ?」
「うぅぅ…資格さえ取れればあんなつまんない話聞かなくてよくなるのに…」
「んじゃ、早いとこ取れるように頑張って来いよ?!」
院生として残った以上、取らねばならない資格もあり、彼女もなかなかままならない。
シェルリアーナが居なくなると、直ぐに授業から解放されたヴィオラがフラフラ帰って来た。
「はぁ…気持ちいい…」
「外は暑いだろ?昼は何かさっぱりした物にしようか?」
「エビ…食べたいです…」
「エビかぁ…」
「パーティーで食べたエビ…」
「あれから3回目だぞ?!そんなに気に入ったのか?」
「何度でも食べたいです。パリパリプリプリのエビ…」
「残りのエビで作るか…量が少なくなるからメインは別になるけど。」
「むぅ…」
「また獲って来るから、そしたら山盛り作るよ。」
エリックの風の魔石から送られてくる微風が、部屋の冷気を掻き回し、火照った身体に心地良い。
シェルリアーナ同様、動けなくなったヴィオラは冷たい果物のシャーベットに夢中になっていた。
その反面、デイビッドは部屋でじっとしてはおらず、日差しの強い屋外へ平気で出て行ってしまう。
洗濯を終え、外の菜園の世話をしたら、次は改築した家畜小屋の掃除だ。
あれから更に雛が育ち、一気に増えた大砂鳥は、雄と雌を分けて数の調節期間に入った。
なんせ50羽近い数になってしまい、現在半分の数を別の小屋へ移し、騎士科で世話をしてもらっている状態だ。
試験的に入れたただの鶏に混じって餌をついばむ大砂鳥は、番犬変わりにもなってなかなか便利だ。
更に、ひとつで通常の鶏卵の20倍もの値が付く高級食材が毎日の様に食べられて、それはもう喜ばれている。
デイビッドの所にいるのは始めに留学生のノールが連れて来た10羽とその最初の雛が育った個体の群れだ。
育成中の雛もいて、卵の消費が追いつく程度の数で落ち着いている。
この日も外の畑と放鳥した大砂鳥達の様子を見ていると、騎士科の1年生達が走ってやって来た。
「先生っ!大変です、泥棒が出ました!」
「畑泥棒か?」
「いいえ!卵泥棒です!」
「なるほどな…そりゃ出るか…」
なんせひとつで銀貨2枚以上するのだから、不心得者が出ても仕方がない。
しかし、飛んで来た生徒に話を聞くと、どうもただの泥棒ではないようだ。
「実は…平民組で大砂鳥の卵を食べてるって、貴族組にバレちゃって…」
大砂鳥の卵は、元々騎士科の平民組の生徒に、デイビッドが留守中の家畜の世話を頼む際、消費してもらっていた物だ。
食堂が開いていない日や夜食などに重宝し、栄養価も高い事から日々訓練に明け暮れる騎士科の生徒達には本当にありがたい食材だ。
その大切な卵が盗まれた。
大砂鳥は魔物故、自身の卵が無精か有精か見分けることができるので、雛を増やしながら卵が採取できて家畜としてもとても優秀だ。
巣から放り出された卵は無精卵で、手を出しても知らん顔している。
しかしこの所巣の中の卵までごっそりなくなっていることがあり、怪しんだ生徒が調べてみると、どうも貴族組の生徒がうろついていることが分かったそうだ。
「巣に手を出せば鳥が騒ぐんじゃねぇか?」
「それがどうやら魔法で眠らせてるようなんです!」
小屋の中の鳥がみんな眠り込んでいることが度々あり、そんな日には新しい卵が一つもなくなっているそうだ。
デイビッドが鳥小屋に行ってみると、卵を盗られていつもより興奮して気が立った大砂鳥達が暴れていた。
「このままじゃ世話もできないし、困ってるんです。それに…なんだか鳥の数まで減ってるような気がして…」
「よし、監視を付けてみるか。」
デイビッドは、いつだったかシェルリアーナに作らせた小石に見立てた記録装置の魔道具を鳥小屋の側に置き、数日様子を見る事にした。
犯人は予想通り直ぐに捕まった。
貴族組の下っ端の生徒で1年生の2人組が、上級生に言われて卵を盗みに来ていたそうだ。
「だって、下層組にこんないいもの食べる権利ないでしょ?」
「そうそう!ニワトリの卵ですら勿体ないのに、どうせこの先二度と食べられない物なら、味なんて知らなくていいじゃないか!」
全く悪怯れない態度に、騎士科にまた鬼教官の指導が必要になりそうでうんざりする。
「理由はともあれ、人の物を盗んだら犯罪じゃねぇのか?」
「平民が作った物を高貴な身分の僕達が食べてあげるんですよ?わざわざ取りに来させる時点でおかしいんですよ!」
「まずはこちらに持って来るのが物事の順序ってものでしょう?」
めちゃくちゃな理論を聞く内に、デイビッドはわかりやすくイライラし始めた。
「で?だから黙って盗んだってのか?」
「その、盗んだっていうの訂正して下さいよ!」
「そうですよ!礼儀のなってない平民がなかなか持って来ないから、仕方がなく僕らが回収に来てたんですから!」
「ほう…んで?その鳥の所有者は誰だか、お前らは知ってんだろうな?」
「所有者?学園にいるんだから学園のものでしょ?」
「世話は騎士科でしてるんだから、権利は僕等にもあるはずですよ?!」
後ろで様子を見ていたコールマン卿も頭を抱えている。
デイビッドは目で合図すると、徹底的に潰しにかかる姿勢で2人の生徒と向き合った。
「この鳥の所有者は俺個人だ。衛生兵の家畜管理実践の一助になるかと思って、今まで貸与していたに過ぎない。家畜泥棒から農家を守る仕事なんてのも、田舎に行けばよくあるしな。練習に丁度いいかと分けてやってたが、まさか同じ騎士科内から窃盗犯が出るとは…」
「窃盗!?」
「止めてくださいよ!そんな大げさな!」
「飼い主の許可なく農産物を荒らせば立派な窃盗だ。ここは学園だが、これが実際の農家だったらどうする?収入を失くされた上に、繁殖の目処まで潰されて被害は甚大だ。間違いなく訴えが出されるだろうな。」
「でも、ここは学園だし…」
「ほ~?騎士科の貴族は学園内では窃盗が容認されるのか。そんな環境で育った騎士を市井に送り出すわけにはいかねぇなぁ?コールマン卿はどう思います?」
話を振られたコールマン卿の顔は、見た事がない程怒りの形相をしていた。
部屋の中の人間には基本あまり干渉せず、自由にしているが、毎食のおこぼれにだけは必ずありつきにやって来る。
ルーチェは相変わらずシェルリアーナにご執心で、恍惚とエビを頬張る横顔を愛おしげに見つめていた。
「へぇ、あんなのがいいのかよ?」
「なに? 馬鹿にするの?」
「別にしやしねぇけど…アレは相当性格キツいぜぇ?」
「わかってないな その奥に優しさと弱さを隠してるから かわいいんじゃない」
「入れ込むねぇ。人間なんてつまみ食い程度で丁度いいんじゃねぇの?」
「そんなだから 100年も鏡の中から出してもらえなかったんだよ」
「おいおい、噛みつくねぇ。厭味な妖精は嫌われるぜぇ?」
「大丈夫さ 証拠が残んなきゃ良いんだから」
「お、やるか?ぽっと出の若年妖精が100年キャリアの妖魔様に敵うと思うなよ?!」
「人間に騙され続けて来ただけでしょ?そんな間抜けには負ける気がしないなぁ…」
「ほぉ~…?!」
(恋バナから口喧嘩になった…)
2匹の妖精が仲良く並んで揚げ芋とエビをかじる姿からは想像できない会話を盗み聞いたエリックが、視線を逸らして肩を震わせている。
仲が良いかと言われると謎なこの2人。
まだ直接やり合う姿は見たことが無いが、だいたい水と油な会話をしている。
人外との契約ライフ、さて、これからどうなることやら…
夏が来た。
例年より人の多い学園は、暑さに喘ぐ生徒がより涼しい部屋を求めて動き回っている。
食堂や図書室などは冷風の魔道具が始終付けられているが、各教室の冷風装置は、人が居なくなると消えてしまうため直ぐには涼しくならない。
広い食堂なども均一には冷気が行き届かず、日が当たり暑い席もある。
そんな中、常に涼しく快適な部屋がひとつ…
「あぁ…涼しい~…」
デイビッドの部屋にはキリフの特産である冷気を閉じ込めた魔石、通称“氷水晶”が棚の上に置かれ室内を涼しく保っている。
冷気が強く長く閉じ込められる程色が濃くなる性質だと言うが、デイビッドの部屋にある物は真夜中の様な濃い紫色をしている。
永久凍土の谷間から採集した物だと言うが、コレひとつで一体いくらするだろう。
暑い外から来て、ひんやりしたジュートのカーペットに寝転ぶともう起き上がれない。
そこへ冷たい飲み物やシャーベットが出され、身も心も甘やかされたシェルリアーナが溶けていく。
「もう外行きたくなぁ~い!」
「んなこと言っても午後もう一枠授業だろ?」
「うぅぅ…資格さえ取れればあんなつまんない話聞かなくてよくなるのに…」
「んじゃ、早いとこ取れるように頑張って来いよ?!」
院生として残った以上、取らねばならない資格もあり、彼女もなかなかままならない。
シェルリアーナが居なくなると、直ぐに授業から解放されたヴィオラがフラフラ帰って来た。
「はぁ…気持ちいい…」
「外は暑いだろ?昼は何かさっぱりした物にしようか?」
「エビ…食べたいです…」
「エビかぁ…」
「パーティーで食べたエビ…」
「あれから3回目だぞ?!そんなに気に入ったのか?」
「何度でも食べたいです。パリパリプリプリのエビ…」
「残りのエビで作るか…量が少なくなるからメインは別になるけど。」
「むぅ…」
「また獲って来るから、そしたら山盛り作るよ。」
エリックの風の魔石から送られてくる微風が、部屋の冷気を掻き回し、火照った身体に心地良い。
シェルリアーナ同様、動けなくなったヴィオラは冷たい果物のシャーベットに夢中になっていた。
その反面、デイビッドは部屋でじっとしてはおらず、日差しの強い屋外へ平気で出て行ってしまう。
洗濯を終え、外の菜園の世話をしたら、次は改築した家畜小屋の掃除だ。
あれから更に雛が育ち、一気に増えた大砂鳥は、雄と雌を分けて数の調節期間に入った。
なんせ50羽近い数になってしまい、現在半分の数を別の小屋へ移し、騎士科で世話をしてもらっている状態だ。
試験的に入れたただの鶏に混じって餌をついばむ大砂鳥は、番犬変わりにもなってなかなか便利だ。
更に、ひとつで通常の鶏卵の20倍もの値が付く高級食材が毎日の様に食べられて、それはもう喜ばれている。
デイビッドの所にいるのは始めに留学生のノールが連れて来た10羽とその最初の雛が育った個体の群れだ。
育成中の雛もいて、卵の消費が追いつく程度の数で落ち着いている。
この日も外の畑と放鳥した大砂鳥達の様子を見ていると、騎士科の1年生達が走ってやって来た。
「先生っ!大変です、泥棒が出ました!」
「畑泥棒か?」
「いいえ!卵泥棒です!」
「なるほどな…そりゃ出るか…」
なんせひとつで銀貨2枚以上するのだから、不心得者が出ても仕方がない。
しかし、飛んで来た生徒に話を聞くと、どうもただの泥棒ではないようだ。
「実は…平民組で大砂鳥の卵を食べてるって、貴族組にバレちゃって…」
大砂鳥の卵は、元々騎士科の平民組の生徒に、デイビッドが留守中の家畜の世話を頼む際、消費してもらっていた物だ。
食堂が開いていない日や夜食などに重宝し、栄養価も高い事から日々訓練に明け暮れる騎士科の生徒達には本当にありがたい食材だ。
その大切な卵が盗まれた。
大砂鳥は魔物故、自身の卵が無精か有精か見分けることができるので、雛を増やしながら卵が採取できて家畜としてもとても優秀だ。
巣から放り出された卵は無精卵で、手を出しても知らん顔している。
しかしこの所巣の中の卵までごっそりなくなっていることがあり、怪しんだ生徒が調べてみると、どうも貴族組の生徒がうろついていることが分かったそうだ。
「巣に手を出せば鳥が騒ぐんじゃねぇか?」
「それがどうやら魔法で眠らせてるようなんです!」
小屋の中の鳥がみんな眠り込んでいることが度々あり、そんな日には新しい卵が一つもなくなっているそうだ。
デイビッドが鳥小屋に行ってみると、卵を盗られていつもより興奮して気が立った大砂鳥達が暴れていた。
「このままじゃ世話もできないし、困ってるんです。それに…なんだか鳥の数まで減ってるような気がして…」
「よし、監視を付けてみるか。」
デイビッドは、いつだったかシェルリアーナに作らせた小石に見立てた記録装置の魔道具を鳥小屋の側に置き、数日様子を見る事にした。
犯人は予想通り直ぐに捕まった。
貴族組の下っ端の生徒で1年生の2人組が、上級生に言われて卵を盗みに来ていたそうだ。
「だって、下層組にこんないいもの食べる権利ないでしょ?」
「そうそう!ニワトリの卵ですら勿体ないのに、どうせこの先二度と食べられない物なら、味なんて知らなくていいじゃないか!」
全く悪怯れない態度に、騎士科にまた鬼教官の指導が必要になりそうでうんざりする。
「理由はともあれ、人の物を盗んだら犯罪じゃねぇのか?」
「平民が作った物を高貴な身分の僕達が食べてあげるんですよ?わざわざ取りに来させる時点でおかしいんですよ!」
「まずはこちらに持って来るのが物事の順序ってものでしょう?」
めちゃくちゃな理論を聞く内に、デイビッドはわかりやすくイライラし始めた。
「で?だから黙って盗んだってのか?」
「その、盗んだっていうの訂正して下さいよ!」
「そうですよ!礼儀のなってない平民がなかなか持って来ないから、仕方がなく僕らが回収に来てたんですから!」
「ほう…んで?その鳥の所有者は誰だか、お前らは知ってんだろうな?」
「所有者?学園にいるんだから学園のものでしょ?」
「世話は騎士科でしてるんだから、権利は僕等にもあるはずですよ?!」
後ろで様子を見ていたコールマン卿も頭を抱えている。
デイビッドは目で合図すると、徹底的に潰しにかかる姿勢で2人の生徒と向き合った。
「この鳥の所有者は俺個人だ。衛生兵の家畜管理実践の一助になるかと思って、今まで貸与していたに過ぎない。家畜泥棒から農家を守る仕事なんてのも、田舎に行けばよくあるしな。練習に丁度いいかと分けてやってたが、まさか同じ騎士科内から窃盗犯が出るとは…」
「窃盗!?」
「止めてくださいよ!そんな大げさな!」
「飼い主の許可なく農産物を荒らせば立派な窃盗だ。ここは学園だが、これが実際の農家だったらどうする?収入を失くされた上に、繁殖の目処まで潰されて被害は甚大だ。間違いなく訴えが出されるだろうな。」
「でも、ここは学園だし…」
「ほ~?騎士科の貴族は学園内では窃盗が容認されるのか。そんな環境で育った騎士を市井に送り出すわけにはいかねぇなぁ?コールマン卿はどう思います?」
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