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7代目デュロック辺境伯爵編
通路
授業終わりのヴィオラ達が戻り、夕食のライスグラタンとウサギ肉のグリルを食べる横で、ライラの顔はどんどん赤くなっていった。
「よし、そろそろ熱冷まし入れるか。」
「なんで直ぐに飲ませてあげないのよ!?」
「子供の熱は体の防衛本能だ。直ぐに解熱しちまうと病気に抗う力が上手く育たなくなる。多少の熱の時は体を冷やす程度で様子見て、高熱になったらゆっくり薬を入れてやる方が丈夫に育つんだよ。」
「お子さん何人目ですか?」
「ひとりもいねぇよ!!」
デイビッドの膝の上でモルトシロップ入りの薬湯と湯冷ましを飲むライラは、安心し切って泣きもしない。
薬が効いてくると直ぐにまた眠ってしまったので、そっと下ろすと一瞬泣きそうになるが、手を握ってやると大人しく布団で寝てくれた。
「ライラちゃん…心配ですね。」
「大丈夫、悪い病気じゃねぇよ。環境が変わると疲れなんかも出てすぐ熱が上がるんだ。そうやって成長してくんだよ。」
ライラはすぐにどっと汗をかいたので、体を拭いて着替えをさせてやると少しずつ熱が下がっているのがわかった。
水分をよく摂らせながら、丁寧に看病するデイビッドを、ヴィオラはソファの上からじっと見つめていた。
「ママになるって…口で言うのとはやっぱり違うんですね…」
「なんだいきなり?」
「私はただ可愛がるだけの親戚の様なものでした…本当のママには敵わないなぁ…って…」
「だからママじゃないって!!」
「それならパパですか?」
「書面上は義兄なんだけどよ!?」
こちらが下らない話をしている内にライラは完全に眠りにつき、デイビッドもようやく解放されて自分の食事などを摂っていると、ヴィオラとシェルリアーナがソファの向こうの床に大きな紙を広げて何か書き出した。
「なんだありゃ?」
「新しい課題ですかね?魔法陣の様ですが…」
出来上がった魔法陣を確認すると、2人は離れた壁のあっちとこっちに分かれて壁に貼り付けていく。
「いいわよヴィオラ!」
「はーい!それじゃ行きますよ!?」
ヴィオラが自分の魔法陣に手を入れるとするすると壁に飲まれていく。
それと同時に反対側にいるシェルリアーナの魔法陣からその腕がにょっきり生えて来た。
「へぇ!転移魔法ですか?!」
「いいえ?空間をパイプみたいに切って直に繋げただけ。転移魔法みたいに座標の固定も維持もできないわ。」
「範囲もまだ数百m内が限度なんです。でもこれで寮の部屋から直ぐにここまで来られますよ!?」
「いちいち歩かなきゃいけないのずっと面倒だったのよね。これなら多少の門限も気にせずこっそり自室に帰れるし、便利でしょ!?」
「いいのか?そんな事して…」
「バレなきゃいいのよ!!」
「いっそ清々しい…寮母さんにあんまり心配かけちゃ駄目ですよ?」
その後、急いで部屋に戻ったヴィオラは、自室に魔法陣を貼り付けて魔力を流すと、シェルリアーナの魔法陣を通り抜け、空間の移動に成功した。
壁からヴィオラの上半身が生えて来るという異様な光景に驚いていると、シェルリアーナも行ったり来たりしながら魔法陣が安定していることを確かめ、2人で喜んでいた。
「これで誰にも見られず、朝起きたら直ぐにデイビッド様の所へ来られますよ!」
「改良した甲斐があったわ!」
昨年、ヴィオラが熱で倒れた際、シェルリアーナが使っていた転移のテーブルクロスの改良品の現段階がこれらしい。
厳密には転移ではなく空間移動で、原理が異なるそうだがデイビッドにはさっぱりわからない。
「不用心じゃねぇのか?部屋の入り口を他所に繋げるなんてよ。」
「大丈夫よ。読み込ませた魔力以外は通さないようになってるから。」
こうして2人はこの日、門限を気にせずゆっくり過ごしてから自室へ帰って行った。
ライラの熱は一晩で下がり、次の日は元気に起きてスープ仕立ての麦粥をむしゃむしゃ食べて元気に遊んでいた。
朝一でやって来たヴィオラも、これで安心して授業が受けられると喜んだ。
歯固めのゴムのアヒルをガジガジかじり、おもちゃの風車をガラガラ回し、お気に入りの積み木を積んだり投げたり一通り遊ぶと、今度は外に出せと騒ぎ始めた。
「なんだ、もう飽きたのか…」
「あー!!あうーー!!」
「外か。じゃ一緒に来るか?」
「きゃー!」
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ……
ピンクの布靴をはいて、麦わら帽子を被り、木彫りの人形がカタカタと動く手押し車に、お気に入りのウサギのぬいぐるみとオヤツを乗せたライラが廊下を歩いて行く。
デイビッドはその後ろをゆっっくりとついて行きながら、途中で進行方向を変えつつ、中庭の菜園までひと散歩する事になった。
「ウンショ!ウンショ!」
「足がだいぶしっかりが動くようになったなぁ。」
途中すれ違う教員や生徒が手を振ってくれるので、その都度ライラは満面の笑顔を振り撒いていた。
中庭には領地経営科の作物の実験栽培の他、肥料や虫除けの試験も行っていてそこそこ広めの畑ができている。
グランドカバーの芝生の上にライラを下ろすと、デイビッドは辺りの草をむしりながら食べ頃の野菜を収穫していった。
この夏はズッキーニが豊作で、すぐにカゴがいっぱいになる。
ナス、インゲン、ラディッシュに色付きタマネギ、トマトはなんと5種類も育っている。
そして期待のキューリ。
病気に弱く、水の具合ですぐに駄目になるこの夏野菜は、昨年は失敗したが、今年はピクルス用の短いものから生食用の細長いものまでカーテンの様にたくさんできて満足だ。
トウモロコシもかなりの収穫が見込めそうで、ヒゲについた虫を払い、育ちの悪い未熟果や脇芽を取って栄養を集中させてやる。
作物を収穫用のハサミで丁寧に切り離していると、後ろからポリポリと良い音が聞こえて来た。
振り向くとライラが採れたてのキューリをかじっている。
「うまいか?」
「おいしー!!」
「なんも味付けてないのに、良く食うなぁ。」
ライラはキューリを2本食べてしまうと、次はズッキーニをかじって渋い顔をしていた。
「べぇ…」
「ハハハ!それは生でも食えなかないが、少しクセがあるだろ?」
ライラは水筒のお茶をゴクゴク飲み干し、オヤツの焼き菓子もペロリと食べてしまうと、今度は妖精達を追いかけ回している。
乳児院に預けている間も良く食べ良く遊んでいると聞いていたが、実際に目の当たりにすると安心する。
ライラはもうデイビッドの家族の一員。
手が離れるその日まで全ての責任はデイビッドにある。
正しい親の姿が見せられるかどうかはわからないが、この子だけはしっかり育ててやろうと、デイビッドは改めて心に固く決めた。
デイビッドは畑の様子を見終わると、ライラを呼び寄せて商業科の調理室へと向かって行った。
学生購買の材料にするための野菜を保冷庫にしまうと、幾らか残った分を持って引き上げる。
その道すがら、授業の終わった商業科の生徒達が戻って来る所に行き会った。
「あれ?デイビッド先生が赤ちゃん連れてる!」
「え?!まさか子供がいたんですか?!」
「んなワケあるか!!事情があって引き取った養子だよ!?」
「じゃ、やっぱりパパなんじゃないですか!」
「関係上は兄妹だ。」
「うっそだぁー!!」
「うるせぇなぁ!!」
遊び疲れてウトウトするライラを抱き上げ、もう片方の腕に野菜と手押し車をぶら下げて部屋まで歩くデイビッドの姿は多くの生徒の目に触れ、また新たな噂の種となるのだった。
昼寝から起きて元気になったライラは、またデイビッドの後をどこまでもついて行く。
よたよたと覚束ない足取りで寄って来ては、嬉しそうにデイビッドに向けて両手を広げて見せて来る。
抱っこをせがまれると、デイビッドも無碍にはせずに、作業の手を止めてマメにかまってやるので、ライラは益々デイビッドに懐いた。
本当の家族と言われても誰も疑問には思わない程に。
デュロックの令息が子育てをしているという噂は、瞬く間に拡散された。
だからだろうか。
ある日差しの強い日、商会からデイビッド宛てに手紙が届けられた。
中身は王都の貴族からの婚約の打診。
どこかの子爵家の男児を婿入り前提で受け入れる気はないかと言う…
デイビッドの頭の中にはハテナが大量に浮かび上がった。
「これ…ライラの事勘違いしてんだよな!?」
「でなかったらただのヤバいお誘いになりますけど。」
「オイやめろ!」
「学園って、社交界の縮図でしょ?もうどっかに漏れてるんじゃない?」
「どこか知らないお茶会の席で話の種にされてるかも知れませんよ?!」
「デュロックの次期当主は男色家って?サイアクね。」
「思った以上にサイアク!!!」
「面倒くさがって社交場に出ないでいるからですよ。」
この話の流れで行くと、この打診、小児性愛者の疑惑まで掛けられていることになる。
デイビッドは急いでペンを取ると、当家に該当する女児がいない事を前面に出した断りの手紙を書き上げ、速達で相手へ送り返した。
しかし、その後事態は更に悪化して帰って来た。
「よし、そろそろ熱冷まし入れるか。」
「なんで直ぐに飲ませてあげないのよ!?」
「子供の熱は体の防衛本能だ。直ぐに解熱しちまうと病気に抗う力が上手く育たなくなる。多少の熱の時は体を冷やす程度で様子見て、高熱になったらゆっくり薬を入れてやる方が丈夫に育つんだよ。」
「お子さん何人目ですか?」
「ひとりもいねぇよ!!」
デイビッドの膝の上でモルトシロップ入りの薬湯と湯冷ましを飲むライラは、安心し切って泣きもしない。
薬が効いてくると直ぐにまた眠ってしまったので、そっと下ろすと一瞬泣きそうになるが、手を握ってやると大人しく布団で寝てくれた。
「ライラちゃん…心配ですね。」
「大丈夫、悪い病気じゃねぇよ。環境が変わると疲れなんかも出てすぐ熱が上がるんだ。そうやって成長してくんだよ。」
ライラはすぐにどっと汗をかいたので、体を拭いて着替えをさせてやると少しずつ熱が下がっているのがわかった。
水分をよく摂らせながら、丁寧に看病するデイビッドを、ヴィオラはソファの上からじっと見つめていた。
「ママになるって…口で言うのとはやっぱり違うんですね…」
「なんだいきなり?」
「私はただ可愛がるだけの親戚の様なものでした…本当のママには敵わないなぁ…って…」
「だからママじゃないって!!」
「それならパパですか?」
「書面上は義兄なんだけどよ!?」
こちらが下らない話をしている内にライラは完全に眠りにつき、デイビッドもようやく解放されて自分の食事などを摂っていると、ヴィオラとシェルリアーナがソファの向こうの床に大きな紙を広げて何か書き出した。
「なんだありゃ?」
「新しい課題ですかね?魔法陣の様ですが…」
出来上がった魔法陣を確認すると、2人は離れた壁のあっちとこっちに分かれて壁に貼り付けていく。
「いいわよヴィオラ!」
「はーい!それじゃ行きますよ!?」
ヴィオラが自分の魔法陣に手を入れるとするすると壁に飲まれていく。
それと同時に反対側にいるシェルリアーナの魔法陣からその腕がにょっきり生えて来た。
「へぇ!転移魔法ですか?!」
「いいえ?空間をパイプみたいに切って直に繋げただけ。転移魔法みたいに座標の固定も維持もできないわ。」
「範囲もまだ数百m内が限度なんです。でもこれで寮の部屋から直ぐにここまで来られますよ!?」
「いちいち歩かなきゃいけないのずっと面倒だったのよね。これなら多少の門限も気にせずこっそり自室に帰れるし、便利でしょ!?」
「いいのか?そんな事して…」
「バレなきゃいいのよ!!」
「いっそ清々しい…寮母さんにあんまり心配かけちゃ駄目ですよ?」
その後、急いで部屋に戻ったヴィオラは、自室に魔法陣を貼り付けて魔力を流すと、シェルリアーナの魔法陣を通り抜け、空間の移動に成功した。
壁からヴィオラの上半身が生えて来るという異様な光景に驚いていると、シェルリアーナも行ったり来たりしながら魔法陣が安定していることを確かめ、2人で喜んでいた。
「これで誰にも見られず、朝起きたら直ぐにデイビッド様の所へ来られますよ!」
「改良した甲斐があったわ!」
昨年、ヴィオラが熱で倒れた際、シェルリアーナが使っていた転移のテーブルクロスの改良品の現段階がこれらしい。
厳密には転移ではなく空間移動で、原理が異なるそうだがデイビッドにはさっぱりわからない。
「不用心じゃねぇのか?部屋の入り口を他所に繋げるなんてよ。」
「大丈夫よ。読み込ませた魔力以外は通さないようになってるから。」
こうして2人はこの日、門限を気にせずゆっくり過ごしてから自室へ帰って行った。
ライラの熱は一晩で下がり、次の日は元気に起きてスープ仕立ての麦粥をむしゃむしゃ食べて元気に遊んでいた。
朝一でやって来たヴィオラも、これで安心して授業が受けられると喜んだ。
歯固めのゴムのアヒルをガジガジかじり、おもちゃの風車をガラガラ回し、お気に入りの積み木を積んだり投げたり一通り遊ぶと、今度は外に出せと騒ぎ始めた。
「なんだ、もう飽きたのか…」
「あー!!あうーー!!」
「外か。じゃ一緒に来るか?」
「きゃー!」
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ……
ピンクの布靴をはいて、麦わら帽子を被り、木彫りの人形がカタカタと動く手押し車に、お気に入りのウサギのぬいぐるみとオヤツを乗せたライラが廊下を歩いて行く。
デイビッドはその後ろをゆっっくりとついて行きながら、途中で進行方向を変えつつ、中庭の菜園までひと散歩する事になった。
「ウンショ!ウンショ!」
「足がだいぶしっかりが動くようになったなぁ。」
途中すれ違う教員や生徒が手を振ってくれるので、その都度ライラは満面の笑顔を振り撒いていた。
中庭には領地経営科の作物の実験栽培の他、肥料や虫除けの試験も行っていてそこそこ広めの畑ができている。
グランドカバーの芝生の上にライラを下ろすと、デイビッドは辺りの草をむしりながら食べ頃の野菜を収穫していった。
この夏はズッキーニが豊作で、すぐにカゴがいっぱいになる。
ナス、インゲン、ラディッシュに色付きタマネギ、トマトはなんと5種類も育っている。
そして期待のキューリ。
病気に弱く、水の具合ですぐに駄目になるこの夏野菜は、昨年は失敗したが、今年はピクルス用の短いものから生食用の細長いものまでカーテンの様にたくさんできて満足だ。
トウモロコシもかなりの収穫が見込めそうで、ヒゲについた虫を払い、育ちの悪い未熟果や脇芽を取って栄養を集中させてやる。
作物を収穫用のハサミで丁寧に切り離していると、後ろからポリポリと良い音が聞こえて来た。
振り向くとライラが採れたてのキューリをかじっている。
「うまいか?」
「おいしー!!」
「なんも味付けてないのに、良く食うなぁ。」
ライラはキューリを2本食べてしまうと、次はズッキーニをかじって渋い顔をしていた。
「べぇ…」
「ハハハ!それは生でも食えなかないが、少しクセがあるだろ?」
ライラは水筒のお茶をゴクゴク飲み干し、オヤツの焼き菓子もペロリと食べてしまうと、今度は妖精達を追いかけ回している。
乳児院に預けている間も良く食べ良く遊んでいると聞いていたが、実際に目の当たりにすると安心する。
ライラはもうデイビッドの家族の一員。
手が離れるその日まで全ての責任はデイビッドにある。
正しい親の姿が見せられるかどうかはわからないが、この子だけはしっかり育ててやろうと、デイビッドは改めて心に固く決めた。
デイビッドは畑の様子を見終わると、ライラを呼び寄せて商業科の調理室へと向かって行った。
学生購買の材料にするための野菜を保冷庫にしまうと、幾らか残った分を持って引き上げる。
その道すがら、授業の終わった商業科の生徒達が戻って来る所に行き会った。
「あれ?デイビッド先生が赤ちゃん連れてる!」
「え?!まさか子供がいたんですか?!」
「んなワケあるか!!事情があって引き取った養子だよ!?」
「じゃ、やっぱりパパなんじゃないですか!」
「関係上は兄妹だ。」
「うっそだぁー!!」
「うるせぇなぁ!!」
遊び疲れてウトウトするライラを抱き上げ、もう片方の腕に野菜と手押し車をぶら下げて部屋まで歩くデイビッドの姿は多くの生徒の目に触れ、また新たな噂の種となるのだった。
昼寝から起きて元気になったライラは、またデイビッドの後をどこまでもついて行く。
よたよたと覚束ない足取りで寄って来ては、嬉しそうにデイビッドに向けて両手を広げて見せて来る。
抱っこをせがまれると、デイビッドも無碍にはせずに、作業の手を止めてマメにかまってやるので、ライラは益々デイビッドに懐いた。
本当の家族と言われても誰も疑問には思わない程に。
デュロックの令息が子育てをしているという噂は、瞬く間に拡散された。
だからだろうか。
ある日差しの強い日、商会からデイビッド宛てに手紙が届けられた。
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デイビッドの頭の中にはハテナが大量に浮かび上がった。
「これ…ライラの事勘違いしてんだよな!?」
「でなかったらただのヤバいお誘いになりますけど。」
「オイやめろ!」
「学園って、社交界の縮図でしょ?もうどっかに漏れてるんじゃない?」
「どこか知らないお茶会の席で話の種にされてるかも知れませんよ?!」
「デュロックの次期当主は男色家って?サイアクね。」
「思った以上にサイアク!!!」
「面倒くさがって社交場に出ないでいるからですよ。」
この話の流れで行くと、この打診、小児性愛者の疑惑まで掛けられていることになる。
デイビッドは急いでペンを取ると、当家に該当する女児がいない事を前面に出した断りの手紙を書き上げ、速達で相手へ送り返した。
しかし、その後事態は更に悪化して帰って来た。
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