68 / 411
黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活
ひと夏の成果
しおりを挟む
顔色も良くなった2人を見て、安心したデイビッドが調理場へ戻ると、散らばった米と一緒に生徒が数人、手を押さえて飛び回っていた。
「今度は何だ!?」
「コイツ等デイビッドの真似をしようとして、米の鍋に手を入れたんだ…」
炊きたての米が張り付き、手が真っ赤になっている。
「アホか!あれは単純そうに見えてコツが居るんだよ!騎士が手を負傷してどうする!?さっさと冷やして来い!!」
その間に、炒め物の平鍋を再度火にかけ、そこへ炊けた米をドサッと乗せると、焦げ付かないようかき回しながら、具材と混ぜて味をなじませていく。
「わぁぁ…」
「すごいうまそう!」
「いただきます!!」
「これとスープくらいならお前等でもできるだろ?今後は食堂が無い日は、毎回自分達で当番決めて作れ!今日は夕刻にもう一回!見に来てやるから、自分達だけで作ってみろ!」
「なぁ、本当のいいのか?その金だって、どうせ出してるのはお前だろ?」
「言ったろ?試作品の実績が欲しいのと、今後の米市場の底上げがしたいんだよ。ここで使うといい宣伝になるから、その分で来月分まではチャラになる。その間に衛生兵の養育の一環として、正式な予算組ませるよ。」
「先生!コレすごいウマい!!」
「俺おかわり!」
「俺も!!」
「お前等よく噛んで食え!!慌てて腹に詰め込むんじゃない!!」
「いや!ホントに手が止まんないんだよ!デイビッド、本気で金取ってもいい味だってコレは!!」
「なら、ひとまず最初の配合は成功だな。後は保存性か。一月は持たせたいところだが…今のままじゃ、いいとこ未開封でも2週間てとこだろうな。改良の余地あり、か。」
洗い物の前に、鍋に残った米をかき集めると、手の平にちょこんと乗る程度の大きさになった。
軽く塩を降って、小さな握り飯を作ると、一口で食べてしまう。
(あ、思い出した。握り飯の名前…確か…オムスビだ。)
遠い国の神様に捧げる食べ物で、良い縁を願い結んでもらうという意味でオムスビ。
験担ぎのようなものらしい。
(縁か…なら、ここにも縁があったのか?…来る前はあんなに嫌々だったのに、すっかり馴れちまったな…)
煩わしいと思っていた生徒達との関わりも、日々の生活も、人との巡り合いも、それなりに楽しんでいる自分が居る。
(そういや最近、人の目があんまり気にならなくなって来たな…)
毎日数え切れない視線に晒されている内に、他人の色んな感情が籠もった視線にも慣れてきた。
好意を正面から受け取る事も、悪意から逃げずに受け止める事もだんだん覚えて、人前に出るのが当たり前になった。
(これが親父の狙いか?にしちゃ荒療治だったな…)
騎士科が落ち着くと、急いで研究室へ戻り、昼食の支度に取り掛かる。
夏野菜のミネストローネに、パリパリに揚げたジャガイモ。
バゲットに塗るパテはレバー、クリームチーズ、バジルの3種類。
スティックサラダと、(ちゃんと切った)ソーセージの盛り合わせ。
デザートはナッツとフルーツをふんだんに練り込んだクランペット。
「はい!今日は間に合いました!!」
一番乗りのエリックがつまみ食いをするのを防いでいると、ヴィオラとシェルリアーナが顔を出す。
「いい香り!今日はミネストローネですね?!」
「良くわかったな!?フリッジも入ってるぞ!」
「あのクルクルのパスタ!私大好きです!」
「今日は控え目に…控えないと…食べ過ぎないように…そうよ、スープ!スープだけなら…」
何かブツブツ言っているシェルリアーナの目の前に、バゲットと揚げ芋がドンと出され、彼女は固まったまま動かなくなってしまった。
「イモがサクサク~!手が止まらな~い!」
「パテが濃厚で、バゲットも進んじゃいます!おいしいですよ先輩!」
両隣でサクサクパリパリ良い音がして、更にシェルリアーナを誘惑して来る。
気づけば両手に芋とパンを持って、行儀悪くも交互にムシャムシャ食べてしまっていた。
「ハッ!!いけないっ!また悪魔の罠に掛かってしまいましたわ!!こうなったらデザートは抜いて…抜い…」
抗わなければ、今朝履いたロングソックスの上に、もっちり乗ってしまったあの贅肉をなんとかしなければ…
しかし、この日もしっかり完食し、デザートにはバターまで塗って食べてしまったシェルリアーナだった。
「なんで?!なんでこのタイミングでバターなんか出してきましたの?!」
「え?あったから…?ラムレーズン入りの甘いのもあるぞ?そっちの方がいいか?」
「ヤメて!そんなもの見せないで!!ああ、ダメよ!そんな事したら…」
香ばしくて甘酸っぱいクランペットに、こってりたっぷり塗られたラムレーズン入りのスイートバターは、気がつけばシェルリアーナの腹にしっかり収まっていた。
「あ…あぁ…また、負けてしまいましたわ……」
「どうしたんですか先輩!?すごく美味しいですよ?大人の味ですね!?」
ほろ苦いラムレーズンの味わいに、ヴィオラは少し大人になった気分で、大喜びしている。
「美味しい…美味しいのよ!!それがいけないのよ!!」
「いや、なんで!!?」
「太っちゃったのよ!!太腿が太くなっちゃったの!!歩くとお肉がぽよぽよするの!!」
「それを俺の前で言うのか…」
「黙れもちもち豚団子!!元はと言えばアンタのせいよ!」
「想像するとちょっとエッチですね!」
「想像すんな!!」
「大丈夫です!シェル先輩はどんなにもちもちでもステキです!」
「ヴィオラァァァ!!痩せたいって言うのは全女性の夢なのよぉぉ!!私はスレンダーで居たいのぉぉ!!」
「食った分消費すりゃ済む話じゃねぇのか?!」
「できると思ってますの?!こんだけのカロリーを!!」
「それは魔法でなんとかならんのか?」
「…アンタ魔法を何だと思ってますの?」
「じゃぁダンスとかどうです?今、同好会で強化合宿してる子達がいて、すごく汗かきながら踊ってましたよ?毎日つきあわされてる僕はうんざりですけど…」
「それですわ!!」
「わぁ!私も踊れるようになりたいです!!先生には及第点はもらえましたけど、まだまだ足が思うように動かなくて…」
「なら2人でやりましょう!?ノエルパーティーでトップ舞台に立てる位上達させてみせますわよ!?」
12月の冬を迎える祭り、ノエルの時期に行われるこの学園のパーティーでは、毎年ダンスの腕を競う催しが同時に行われている。
パートナーを連れて来る生徒がほとんどなので、親善会より華やかで人も多い。
シェルリアーナはそこでヴィオラと舞台に立とうと言うのだ。
(まだ夏なのに…)
「今度は何だ!?」
「コイツ等デイビッドの真似をしようとして、米の鍋に手を入れたんだ…」
炊きたての米が張り付き、手が真っ赤になっている。
「アホか!あれは単純そうに見えてコツが居るんだよ!騎士が手を負傷してどうする!?さっさと冷やして来い!!」
その間に、炒め物の平鍋を再度火にかけ、そこへ炊けた米をドサッと乗せると、焦げ付かないようかき回しながら、具材と混ぜて味をなじませていく。
「わぁぁ…」
「すごいうまそう!」
「いただきます!!」
「これとスープくらいならお前等でもできるだろ?今後は食堂が無い日は、毎回自分達で当番決めて作れ!今日は夕刻にもう一回!見に来てやるから、自分達だけで作ってみろ!」
「なぁ、本当のいいのか?その金だって、どうせ出してるのはお前だろ?」
「言ったろ?試作品の実績が欲しいのと、今後の米市場の底上げがしたいんだよ。ここで使うといい宣伝になるから、その分で来月分まではチャラになる。その間に衛生兵の養育の一環として、正式な予算組ませるよ。」
「先生!コレすごいウマい!!」
「俺おかわり!」
「俺も!!」
「お前等よく噛んで食え!!慌てて腹に詰め込むんじゃない!!」
「いや!ホントに手が止まんないんだよ!デイビッド、本気で金取ってもいい味だってコレは!!」
「なら、ひとまず最初の配合は成功だな。後は保存性か。一月は持たせたいところだが…今のままじゃ、いいとこ未開封でも2週間てとこだろうな。改良の余地あり、か。」
洗い物の前に、鍋に残った米をかき集めると、手の平にちょこんと乗る程度の大きさになった。
軽く塩を降って、小さな握り飯を作ると、一口で食べてしまう。
(あ、思い出した。握り飯の名前…確か…オムスビだ。)
遠い国の神様に捧げる食べ物で、良い縁を願い結んでもらうという意味でオムスビ。
験担ぎのようなものらしい。
(縁か…なら、ここにも縁があったのか?…来る前はあんなに嫌々だったのに、すっかり馴れちまったな…)
煩わしいと思っていた生徒達との関わりも、日々の生活も、人との巡り合いも、それなりに楽しんでいる自分が居る。
(そういや最近、人の目があんまり気にならなくなって来たな…)
毎日数え切れない視線に晒されている内に、他人の色んな感情が籠もった視線にも慣れてきた。
好意を正面から受け取る事も、悪意から逃げずに受け止める事もだんだん覚えて、人前に出るのが当たり前になった。
(これが親父の狙いか?にしちゃ荒療治だったな…)
騎士科が落ち着くと、急いで研究室へ戻り、昼食の支度に取り掛かる。
夏野菜のミネストローネに、パリパリに揚げたジャガイモ。
バゲットに塗るパテはレバー、クリームチーズ、バジルの3種類。
スティックサラダと、(ちゃんと切った)ソーセージの盛り合わせ。
デザートはナッツとフルーツをふんだんに練り込んだクランペット。
「はい!今日は間に合いました!!」
一番乗りのエリックがつまみ食いをするのを防いでいると、ヴィオラとシェルリアーナが顔を出す。
「いい香り!今日はミネストローネですね?!」
「良くわかったな!?フリッジも入ってるぞ!」
「あのクルクルのパスタ!私大好きです!」
「今日は控え目に…控えないと…食べ過ぎないように…そうよ、スープ!スープだけなら…」
何かブツブツ言っているシェルリアーナの目の前に、バゲットと揚げ芋がドンと出され、彼女は固まったまま動かなくなってしまった。
「イモがサクサク~!手が止まらな~い!」
「パテが濃厚で、バゲットも進んじゃいます!おいしいですよ先輩!」
両隣でサクサクパリパリ良い音がして、更にシェルリアーナを誘惑して来る。
気づけば両手に芋とパンを持って、行儀悪くも交互にムシャムシャ食べてしまっていた。
「ハッ!!いけないっ!また悪魔の罠に掛かってしまいましたわ!!こうなったらデザートは抜いて…抜い…」
抗わなければ、今朝履いたロングソックスの上に、もっちり乗ってしまったあの贅肉をなんとかしなければ…
しかし、この日もしっかり完食し、デザートにはバターまで塗って食べてしまったシェルリアーナだった。
「なんで?!なんでこのタイミングでバターなんか出してきましたの?!」
「え?あったから…?ラムレーズン入りの甘いのもあるぞ?そっちの方がいいか?」
「ヤメて!そんなもの見せないで!!ああ、ダメよ!そんな事したら…」
香ばしくて甘酸っぱいクランペットに、こってりたっぷり塗られたラムレーズン入りのスイートバターは、気がつけばシェルリアーナの腹にしっかり収まっていた。
「あ…あぁ…また、負けてしまいましたわ……」
「どうしたんですか先輩!?すごく美味しいですよ?大人の味ですね!?」
ほろ苦いラムレーズンの味わいに、ヴィオラは少し大人になった気分で、大喜びしている。
「美味しい…美味しいのよ!!それがいけないのよ!!」
「いや、なんで!!?」
「太っちゃったのよ!!太腿が太くなっちゃったの!!歩くとお肉がぽよぽよするの!!」
「それを俺の前で言うのか…」
「黙れもちもち豚団子!!元はと言えばアンタのせいよ!」
「想像するとちょっとエッチですね!」
「想像すんな!!」
「大丈夫です!シェル先輩はどんなにもちもちでもステキです!」
「ヴィオラァァァ!!痩せたいって言うのは全女性の夢なのよぉぉ!!私はスレンダーで居たいのぉぉ!!」
「食った分消費すりゃ済む話じゃねぇのか?!」
「できると思ってますの?!こんだけのカロリーを!!」
「それは魔法でなんとかならんのか?」
「…アンタ魔法を何だと思ってますの?」
「じゃぁダンスとかどうです?今、同好会で強化合宿してる子達がいて、すごく汗かきながら踊ってましたよ?毎日つきあわされてる僕はうんざりですけど…」
「それですわ!!」
「わぁ!私も踊れるようになりたいです!!先生には及第点はもらえましたけど、まだまだ足が思うように動かなくて…」
「なら2人でやりましょう!?ノエルパーティーでトップ舞台に立てる位上達させてみせますわよ!?」
12月の冬を迎える祭り、ノエルの時期に行われるこの学園のパーティーでは、毎年ダンスの腕を競う催しが同時に行われている。
パートナーを連れて来る生徒がほとんどなので、親善会より華やかで人も多い。
シェルリアーナはそこでヴィオラと舞台に立とうと言うのだ。
(まだ夏なのに…)
41
あなたにおすすめの小説
国王一家は堅実です
satomi
恋愛
オスメーモ王国…そこは国王一家は麗しくいつも輝かんばかりのドレスなどを身につけている。
その実態は、国王一家は国民と共に畑を耕したり、国民(子供)に読み書きを教えたり庶民的な生活をしている。
国王には現在愛する妻と双子の男女の子に恵まれ、幸せに生活している。
外部に行くときは着飾るが、領地に戻れば庶民的で非常に無駄遣いをしない王族である。
国庫は大事に。何故か、厨房担当のワーグが王家の子どもたちからの支持を得ている。
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
力は弱くて魔法も使えないけど強化なら出来る。~俺を散々こき使ってきたパーティの人間に復讐しながら美少女ハーレムを作って魔王をぶっ倒します
枯井戸
ファンタジー
──大勇者時代。
誰も彼もが勇者になり、打倒魔王を掲げ、一攫千金を夢見る時代。
そんな時代に、〝真の勇者の息子〟として生を授かった男がいた。
名はユウト。
人々は勇者の血筋に生まれたユウトに、類稀な魔力の才をもって生まれたユウトに、救世を誓願した。ユウトもまた、これを果たさんと、自身も勇者になる事を信じてやまなかった。
そんなある日、ユウトの元へ、ひとりの中性的な顔立ちで、笑顔が爽やかな好青年が訪ねてきた。
「俺のパーティに入って、世界を救う勇者になってくれないか?」
そう言った男の名は〝ユウキ〟
この大勇者時代にすい星のごとく現れた、〝その剣技に比肩する者なし〟と称されるほどの凄腕の冒険者である。
「そんな男を味方につけられるなんて、なんて心強いんだ」と、ユウトはこれを快諾。
しかし、いままで大した戦闘経験を積んでこなかったユウトはどう戦ってよいかわからず、ユウキに助言を求めた。
「戦い方? ……そうだな。なら、エンチャンターになってくれ。よし、それがいい。ユウトおまえはエンチャンターになるべきだ」
ユウトは、多少はその意見に疑問を抱きつつも、ユウキに勧められるがまま、ただひたすらに付与魔法(エンチャント)を勉強し、やがて勇者の血筋だという事も幸いして、史上最強のエンチャンターと呼ばれるまでに成長した。
ところが、そればかりに注力した結果、他がおろそかになってしまい、ユウトは『剣もダメ』『付与魔法以外の魔法もダメ』『体力もない』という三重苦を背負ってしまった。それでもエンチャンターを続けたのは、ユウキの「勇者になってくれ」という言葉が心の奥底にあったから。
──だが、これこそがユウキの〝真の〟狙いだったのだ。
この物語は主人公であるユウトが、持ち前の要領の良さと、唯一の武器である付与魔法を駆使して、愉快な仲間たちを強化しながら成り上がる、サクセスストーリーである。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます
22時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。
エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。
悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる