80 / 412
黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活
開き直り
しおりを挟む
すっかり遅くなったデイビッドは、昼は簡単に大皿のグラタンとスープと残り物で作り、ヴィオラ(とシェルリアーナ)と他愛ない話をした。
そして昼休みが終わり、2人が授業へ戻って行くと、昼前の騒動を思い出し、デスクにうなだれた。
「アーハッハッハッハッ!!馬小屋半壊させて始末書って!?ウケるーー!!めっちゃ恩を仇で返されてる!!」
「うるせぇよ!!」
「まぁまぁいいじゃないですか、貴方は減給されたって痛くも痒くもないでしょ?」
「処分を受けた事自体が問題なんだよ!!」
午後も遅くになって帰って来たエリックは、始末書を横から覗き込み、大爆笑している。
「えー…なんか、すっごい書き慣れてません?始末書なんてそんなスラスラ書ける人あんまりいませんよ。経験豊富なんですね。」
「受け取る側のな!!?書かれたヤツ散々見たから書けるだけで!俺が書くのは初めてだよ!!」
「え!?意外!!」
「お前は少し黙ってろ!!」
無事始末書を提出すると、今度はファルコを引き取りに行く。
壊れた馬房にいた馬達は、一時別の厩舎に移したが、ファルコを見ると怯えてしまうようになったので、完全に切り離さないとストレスを与えてしまう。
半壊した屋根の下でのんびりしていたファルコを連れて行こうとすると、まだ残っていたムスタが髪を引っ張った。
「痛い痛い!!わかったよ!お前も連れてくよ!!」
大砂鳥もいることで、この際大きめの畜舎でも建てようか考えながら歩いていると、遠目から生徒達がこっちを見ているのに気がついた。
やはりヒポグリフは特に男子生徒からの人気が高い。
「良かったなお前、人気者じゃねぇか…イダダダダ!!ちょっ…待て!頭に羽を刺そうとするな!!そこには刺さらない!!むしろ刺さる!なぜ脳天?!そこは野生のヒポグリフでも無理だろ!!」
立派な尾羽根を引き抜いて、なぜかデイビッドの頭のてっぺんに刺そうとするファルコ。
「普通は羽毛とか!人間相手なら髪に刺すのは聞いたことあるけどよ!?なぜそこに刺したがる!!逆に本当に刺さってみろ!人間が頭のてっぺんから羽生やしてたらアホみてぇだろ!ここには刺さない!だ!め!だ!」
羽を取り上げ叱りつけると、シュンとして上目遣いにこっちを見上げて来る。
叱ると一応止めてはくれるので、そこそこ聞き分けはいい方のようだ。
「求愛行動にしちゃ乱暴過ぎないか?それじゃ相手に嫌われちまうぞ?…そもそも俺にするな!!」
ヒポグリフは、気に入った相手の羽毛に、自分の羽根や綺麗な他の鳥の羽根を拾って来て飾る習性がある。
若い個体のファルコは、仲間と離されて暮らしていたのか、本来は親兄弟や群れから教わるはずの行動が、いまいちうまいことできていない。
それを見て、しかたないとでも言うように、今度はムスタが手本を見せる。
「いっってぇ!!いきなり髪を引くなムスタ!!鞭打ちになるわ!!あーもーなんでこんな人の頭ばっかり狙って…イデデデ!真似するなファルコ!!それは違う!!尻尾じゃない!!離せ!!その先輩の言う事は聞くんじゃない!」
「…コントですか?」
「笑ってみろ、ぶっ飛ばすぞ?!」
エリックは改めて見るヒポグリフにやや引き気味だ。
研究室の前の庭先にムスタを繋ぎ、ファルコは一番太い木の根本に鎖を掛けて、更に縄も太い物に替えた。
「動物系は控えるとか言ってたクセに、1年立たずに動物園ですね?!」
「自前はムスタだけだろ?その内、そっちの空き地に畜舎を作らせてもらえないか申請してみる。それまで雨が振らないといいんだがなぁ…」
文句も言いながら、益々賑やかになる庭先が、悩みの種であると同時に、少しだけ嬉しく感じるデイビッドだった。
次の日の授業は領地経営科。
生徒達は、なかなか集中できなかった。
「先生…イメチェンですか…?」
「あー、こうしてないと馬に食われるから、しかたなくだ…」
今日のデイビッドは、長い髪をかんざしにグルグル巻き付けて、高い位置に括り付け、派手なヒポグリフの羽根を刺している。
デイビッドが自分の羽を身に着けているとわかると、ファルコも満足するのかイタズラがいくらか内場になる。
「先生…窓の外にいるのって…」
「俺の馬とヒポグリフだ。気にするな。」
「え、でも…めちゃくちゃこっち見てる…」
「かまって欲しいだけだ。気にしたら負けと思え!それじゃ前回の続きからーーー」
ファルコはデイビッドの声が聞こえる場所にいると、安心するのか静かだ。
日溜まりでムスタにじゃれながら、チラチラ教室の方を見ているが、もう音を立てたり鳴いたりはしない。
ファルコが落ち着くまで、デイビッドは自分の授業に2頭を毎度連れて行くことにした。
これなら監視もできて、ファルコもムスタも大人しい。
簡易の柵も付けて、生徒とも距離を設け、これで文句は無いだろうと開き直って学園内を堂々と連れ回すようになった。
おかげで、ファルコの人気はどんどん高くなる。
「デイビッド様…頭エライことになってますよ?」
ファルコは気に入った物をなんでもデイビッドの頭に刺すので、カラスの羽や木の枝や、落ちていた紐や紙切れなど、好き放題くっつけられて、とんでもないことになっている。
エリックが遠巻きにそれを見て、怪訝な顔をする。
「…毟られるよりマシだろ…」
「虫の羽根まで突っ込まれてますよ…髪、ちゃんとよく洗って下さいね?!」
ゴミを払って髪を解くと、ヒポグリフの羽が落ちる。
髪を結い直し、羽根を拾おうとすると、丁度研究室のドアが開いた。
「デイビッド様!今日の髪型とっても素敵でした!!」
「ヴィオラ…アレをステキと言われても、ちょっと嬉しくはならないなぁ…」
羽根を拾い、立ち上がるとシェルリアーナと目が合った。
「…ねぇ、貴方、その手に持ってるの…」
「あぁ、聞いてないか?保護したヒポグリフの…」
「欲しい!!」
「え?!」
「欲しい!欲しい!欲しい!!ちょーだい!!」
「シェルが幼児退行した!?」
常日頃、魔術式超過重ね掛けのベストやら、魔鉱石やら、アダマントやら、王宮の魔術師でさえ、早々お目に掛かれないようなお宝を見せびらかされて来たシェルリアーナは、デイビッドのことだから、ねだればもしかしたらくれるかもしれないヒポグリフの羽に、食いついて離れなかった。
「ちょーだい!ちょーだい!!」
「こんなんでいいのか…?変な奴。」
腕程ある大きな羽を渡すと、シェルリアーナの目がキラキラした。
「すごい…綺麗な尾羽根…古くなって抜けた羽じゃないのね!!」
「自分で引っこ抜いて、人にぶっ刺してきたヤツだからな。」
「これがあれば、魔法の錬成の精度が更に上がりますの!先生達が話してましたわ!うふふ。魔法棟で一番に手に入れたのは私ですわ!ありがとう!」
「やけに素直だな…雨でも降るのか…?」
「お礼にそのうっとうしい髪、私が引き千切って差し上げましょうか?!」
「やめてくれ!」
デイビッドはそれからしばらくの間、いきなり髪を引かれる恐怖から、無意識に髪をまとめ上げるのが癖になった。
そして昼休みが終わり、2人が授業へ戻って行くと、昼前の騒動を思い出し、デスクにうなだれた。
「アーハッハッハッハッ!!馬小屋半壊させて始末書って!?ウケるーー!!めっちゃ恩を仇で返されてる!!」
「うるせぇよ!!」
「まぁまぁいいじゃないですか、貴方は減給されたって痛くも痒くもないでしょ?」
「処分を受けた事自体が問題なんだよ!!」
午後も遅くになって帰って来たエリックは、始末書を横から覗き込み、大爆笑している。
「えー…なんか、すっごい書き慣れてません?始末書なんてそんなスラスラ書ける人あんまりいませんよ。経験豊富なんですね。」
「受け取る側のな!!?書かれたヤツ散々見たから書けるだけで!俺が書くのは初めてだよ!!」
「え!?意外!!」
「お前は少し黙ってろ!!」
無事始末書を提出すると、今度はファルコを引き取りに行く。
壊れた馬房にいた馬達は、一時別の厩舎に移したが、ファルコを見ると怯えてしまうようになったので、完全に切り離さないとストレスを与えてしまう。
半壊した屋根の下でのんびりしていたファルコを連れて行こうとすると、まだ残っていたムスタが髪を引っ張った。
「痛い痛い!!わかったよ!お前も連れてくよ!!」
大砂鳥もいることで、この際大きめの畜舎でも建てようか考えながら歩いていると、遠目から生徒達がこっちを見ているのに気がついた。
やはりヒポグリフは特に男子生徒からの人気が高い。
「良かったなお前、人気者じゃねぇか…イダダダダ!!ちょっ…待て!頭に羽を刺そうとするな!!そこには刺さらない!!むしろ刺さる!なぜ脳天?!そこは野生のヒポグリフでも無理だろ!!」
立派な尾羽根を引き抜いて、なぜかデイビッドの頭のてっぺんに刺そうとするファルコ。
「普通は羽毛とか!人間相手なら髪に刺すのは聞いたことあるけどよ!?なぜそこに刺したがる!!逆に本当に刺さってみろ!人間が頭のてっぺんから羽生やしてたらアホみてぇだろ!ここには刺さない!だ!め!だ!」
羽を取り上げ叱りつけると、シュンとして上目遣いにこっちを見上げて来る。
叱ると一応止めてはくれるので、そこそこ聞き分けはいい方のようだ。
「求愛行動にしちゃ乱暴過ぎないか?それじゃ相手に嫌われちまうぞ?…そもそも俺にするな!!」
ヒポグリフは、気に入った相手の羽毛に、自分の羽根や綺麗な他の鳥の羽根を拾って来て飾る習性がある。
若い個体のファルコは、仲間と離されて暮らしていたのか、本来は親兄弟や群れから教わるはずの行動が、いまいちうまいことできていない。
それを見て、しかたないとでも言うように、今度はムスタが手本を見せる。
「いっってぇ!!いきなり髪を引くなムスタ!!鞭打ちになるわ!!あーもーなんでこんな人の頭ばっかり狙って…イデデデ!真似するなファルコ!!それは違う!!尻尾じゃない!!離せ!!その先輩の言う事は聞くんじゃない!」
「…コントですか?」
「笑ってみろ、ぶっ飛ばすぞ?!」
エリックは改めて見るヒポグリフにやや引き気味だ。
研究室の前の庭先にムスタを繋ぎ、ファルコは一番太い木の根本に鎖を掛けて、更に縄も太い物に替えた。
「動物系は控えるとか言ってたクセに、1年立たずに動物園ですね?!」
「自前はムスタだけだろ?その内、そっちの空き地に畜舎を作らせてもらえないか申請してみる。それまで雨が振らないといいんだがなぁ…」
文句も言いながら、益々賑やかになる庭先が、悩みの種であると同時に、少しだけ嬉しく感じるデイビッドだった。
次の日の授業は領地経営科。
生徒達は、なかなか集中できなかった。
「先生…イメチェンですか…?」
「あー、こうしてないと馬に食われるから、しかたなくだ…」
今日のデイビッドは、長い髪をかんざしにグルグル巻き付けて、高い位置に括り付け、派手なヒポグリフの羽根を刺している。
デイビッドが自分の羽を身に着けているとわかると、ファルコも満足するのかイタズラがいくらか内場になる。
「先生…窓の外にいるのって…」
「俺の馬とヒポグリフだ。気にするな。」
「え、でも…めちゃくちゃこっち見てる…」
「かまって欲しいだけだ。気にしたら負けと思え!それじゃ前回の続きからーーー」
ファルコはデイビッドの声が聞こえる場所にいると、安心するのか静かだ。
日溜まりでムスタにじゃれながら、チラチラ教室の方を見ているが、もう音を立てたり鳴いたりはしない。
ファルコが落ち着くまで、デイビッドは自分の授業に2頭を毎度連れて行くことにした。
これなら監視もできて、ファルコもムスタも大人しい。
簡易の柵も付けて、生徒とも距離を設け、これで文句は無いだろうと開き直って学園内を堂々と連れ回すようになった。
おかげで、ファルコの人気はどんどん高くなる。
「デイビッド様…頭エライことになってますよ?」
ファルコは気に入った物をなんでもデイビッドの頭に刺すので、カラスの羽や木の枝や、落ちていた紐や紙切れなど、好き放題くっつけられて、とんでもないことになっている。
エリックが遠巻きにそれを見て、怪訝な顔をする。
「…毟られるよりマシだろ…」
「虫の羽根まで突っ込まれてますよ…髪、ちゃんとよく洗って下さいね?!」
ゴミを払って髪を解くと、ヒポグリフの羽が落ちる。
髪を結い直し、羽根を拾おうとすると、丁度研究室のドアが開いた。
「デイビッド様!今日の髪型とっても素敵でした!!」
「ヴィオラ…アレをステキと言われても、ちょっと嬉しくはならないなぁ…」
羽根を拾い、立ち上がるとシェルリアーナと目が合った。
「…ねぇ、貴方、その手に持ってるの…」
「あぁ、聞いてないか?保護したヒポグリフの…」
「欲しい!!」
「え?!」
「欲しい!欲しい!欲しい!!ちょーだい!!」
「シェルが幼児退行した!?」
常日頃、魔術式超過重ね掛けのベストやら、魔鉱石やら、アダマントやら、王宮の魔術師でさえ、早々お目に掛かれないようなお宝を見せびらかされて来たシェルリアーナは、デイビッドのことだから、ねだればもしかしたらくれるかもしれないヒポグリフの羽に、食いついて離れなかった。
「ちょーだい!ちょーだい!!」
「こんなんでいいのか…?変な奴。」
腕程ある大きな羽を渡すと、シェルリアーナの目がキラキラした。
「すごい…綺麗な尾羽根…古くなって抜けた羽じゃないのね!!」
「自分で引っこ抜いて、人にぶっ刺してきたヤツだからな。」
「これがあれば、魔法の錬成の精度が更に上がりますの!先生達が話してましたわ!うふふ。魔法棟で一番に手に入れたのは私ですわ!ありがとう!」
「やけに素直だな…雨でも降るのか…?」
「お礼にそのうっとうしい髪、私が引き千切って差し上げましょうか?!」
「やめてくれ!」
デイビッドはそれからしばらくの間、いきなり髪を引かれる恐怖から、無意識に髪をまとめ上げるのが癖になった。
51
あなたにおすすめの小説
魔の森に捨てられた伯爵令嬢は、幸福になって復讐を果たす
三谷朱花
恋愛
ルーナ・メソフィスは、あの冷たく悲しい日のことを忘れはしない。
ルーナの信じてきた世界そのものが否定された日。
伯爵令嬢としての身分も、温かい我が家も奪われた。そして信じていた人たちも、それが幻想だったのだと知った。
そして、告げられた両親の死の真相。
家督を継ぐために父の異母弟である叔父が、両親の死に関わっていた。そして、メソフィス家の財産を独占するために、ルーナの存在を不要とした。
絶望しかなかった。
涙すら出なかった。人間は本当の絶望の前では涙がでないのだとルーナは初めて知った。
雪が積もる冷たい森の中で、この命が果ててしまった方がよほど幸福だとすら感じていた。
そもそも魔の森と呼ばれ恐れられている森だ。誰の助けも期待はできないし、ここに放置した人間たちは、見たこともない魔獣にルーナが食い殺されるのを期待していた。
ルーナは死を待つしか他になかった。
途切れそうになる意識の中で、ルーナは温かい温もりに包まれた夢を見ていた。
そして、ルーナがその温もりを感じた日。
ルーナ・メソフィス伯爵令嬢は亡くなったと公式に発表された。
エメラインの結婚紋
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢エメラインと侯爵ブッチャーの婚儀にて結婚紋が光った。この国では結婚をすると重婚などを防ぐために結婚紋が刻まれるのだ。それが婚儀で光るということは重婚の証だと人々は騒ぐ。ブッチャーに夫は誰だと問われたエメラインは「夫は三十分後に来る」と言う。さら問い詰められて結婚の経緯を語るエメラインだったが、手を上げられそうになる。その時、駆けつけたのは一団を率いたこの国の第一王子ライオネスだった――
勝手にしろと言ったのに、流刑地で愛人と子供たちと幸せスローライフを送ることに、なにか問題が?
赤羽夕夜
恋愛
アエノール・リンダークネッシュは新婚一日目にして、夫のエリオット・リンダークネッシュにより、リンダークネッシュ家の領地であり、滞在人の流刑地である孤島に送られることになる。
その理由が、平民の愛人であるエディットと真実の愛に満ちた生活を送る為。アエノールは二人の体裁を守る為に嫁に迎えられた駒に過ぎなかった。
――それから10年後。アエノールのことも忘れ、愛人との幸せな日々を過ごしていたエリオットの元に、アエノールによる離婚状と慰謝料の請求の紙が送られてくる。
王室と裁判所が正式に受理したことを示す紋章。事態を把握するために、アエノールが暮らしている流刑地に向かうと。
絶海孤島だった流刑地は、ひとつの島として栄えていた。10年以上前は、たしかになにもない島だったはずなのに、いつの間にか一つの町を形成していて領主屋敷と呼ばれる建物も建てられていた。
エリオットが尋ねると、その庭園部分では、十年前、追い出したはずのアエノールと、愛する人と一緒になる為に婚約者を晒し者にして国王の怒りを買って流刑地に送られた悪役王子――エドが幼い子を抱いて幸せに笑い合う姿が――。
※気が向いたら物語の補填となるような短めなお話を追加していこうかなと思うので、気長にお待ちいただければ幸いです。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
「仕方ないから君で妥協する」なんて言う婚約者は、こちらの方から願い下げです。
木山楽斗
恋愛
子爵令嬢であるマルティアは、父親同士が懇意にしている伯爵令息バルクルと婚約することになった。
幼少期の頃から二人には付き合いがあったが、マルティアは彼のことを快く思っていなかった。ある時からバルクルは高慢な性格になり、自身のことを見下す発言をするようになったからだ。
「まあ色々と思う所はあるが、仕方ないから君で妥協するとしよう」
「……はい?」
「僕に相応しい相手とは言い難いが、及第点くらいはあげても構わない。光栄に思うのだな」
婚約者となったバルクルからかけられた言葉に、マルティアは自身の婚約が良いものではないことを確信することになった。
彼女は婚約の破談を進言するとバルクルに啖呵を切り、彼の前から立ち去ることにした。
しばらくして、社交界にはある噂が流れ始める。それはマルティアが身勝手な理由で、バルクルとの婚約を破棄したというものだった。
父親と破談の話を進めようとしていたマルティアにとって、それは予想外のものであった。その噂の発端がバルクルであることを知り、彼女はさらに驚くことになる。
そんなマルティアに手を差し伸べたのは、ひょんなことから知り合った公爵家の令息ラウエルであった。
彼の介入により、マルティアの立場は逆転することになる。バルクルが行っていたことが、白日の元に晒されることになったのだ。
見捨ててくれてありがとうございます。あとはご勝手に。
有賀冬馬
恋愛
「君のような女は俺の格を下げる」――そう言って、侯爵家嫡男の婚約者は、わたしを社交界で公然と捨てた。
選んだのは、華やかで高慢な伯爵令嬢。
涙に暮れるわたしを慰めてくれたのは、王国最強の騎士団副団長だった。
彼に守られ、真実の愛を知ったとき、地味で陰気だったわたしは、もういなかった。
やがて、彼は新妻の悪行によって失脚。復縁を求めて縋りつく元婚約者に、わたしは冷たく告げる。
【完結】婚約破棄され国外追放された姫は隣国で最強冒険者になる
まゆら
ファンタジー
完結しておりますが、時々閑話を更新しております!
続編も宜しくお願い致します!
聖女のアルバイトしながら花嫁修行しています!未来の夫は和菓子職人です!
婚約者である王太子から真実の愛で結ばれた女性がいるからと、いきなり婚約破棄されたミレディア。
王宮で毎日大変な王妃教育を受けている間に婚約者である王太子は魔法学園で出逢った伯爵令嬢マナが真実の愛のお相手だとか。
彼女と婚約する為に私に事実無根の罪を着せて婚約破棄し、ついでに目障りだから国外追放にすると言い渡してきた。
有り難うございます!
前からチャラチャラしていけすかない男だと思ってたからちょうど良かった!
お父様と神王から頼まれて仕方無く婚約者になっていたのに‥
ふざけてますか?
私と婚約破棄したら貴方は王太子じゃなくなりますけどね?
いいんですね?
勿論、ざまぁさせてもらいますから!
ご機嫌よう!
◇◇◇◇◇
転生もふもふのヒロインの両親の出逢いは実は‥
国外追放ざまぁから始まっていた!
アーライ神国の現アーライ神が神王になるきっかけを作ったのは‥
実は、女神ミレディアだったというお話です。
ミレディアが家出して冒険者となり、隣国ジュビアで転生者である和菓子職人デイブと出逢い、恋に落ち‥
結婚するまでの道程はどんな道程だったのか?
今語られるミレディアの可愛らしい?
侯爵令嬢時代は、女神ミレディアファン必読の価値有り?
◈◈この作品に出てくるラハルト王子は後のアーライ神になります!
追放された聖女は隣国で…にも登場しておりますのでそちらも合わせてどうぞ!
新しいミディの使い魔は白もふフェンリル様!
転生もふもふとようやくリンクしてきました!
番外編には、ミレディアのいとこであるミルティーヌがメインで登場。
家出してきたミルティーヌの真意は?
デイブとミレディアの新婚生活は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる