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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
姫の計らい
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エリックがヴィオラとシェルリアーナを寮へ送り研究室へ戻ると、消したはずの明かりが点いていた。
中へ入ると誰も居ないが、流しに料理器具が出されていて、部屋の主が帰って来たことがわかる。
(外かな?)
身も凍るほど冷たい夜の風が吹く中、家畜小屋にもたれかかったデイビッドが大きなボールを抱えて、しきりに何か混ぜている。
「うわぁさっむ~~い!!風邪引かないで下さいよ?」
「あー…」
「どうでした?初めての生徒体験は?」
「ん~…途中まで予想通りだった…」
「途中からは?」
「なんか始まって…ついてけなかった…」
「でしょうねぇ…」
色々察したエリックは、1人で笑いを堪えながら上着を着直し、デイビッドの側へ降りて行った。
「ここまで来て、まさか貴方が生徒側になるなんて思いもしませんでした。そんな提案良く受け入れましたね。」
「これが交換条件なら仕方ねぇだろ。」
「等価交換になると良いですね。」
「なんなかったら本気でキレるな…」
氷と寒さのおかげでアイスクリームはどんどん固まっていく。
クリームの泡を潰さないよう丁寧に空気を含ませながら混ぜていくと、4つのボールはあっという間にアイスになった。
ボールを保冷庫に寝かせて、部屋の中へ入ると寒暖の差に手足がじんとする。
堪らず毛布を被り早々横になるが、色々思い出してしまい、また眠れない。
「なんでこんなに遅くなったんです?」
「んー?なんかな…マンドラゴラ食ったって言ったら拘束された…」
「はい?!」
「旅先で良く食ってたんだよ。普通に食えるもんかと思ってたら違ったらしい。なんか…それで論文書くんだと。」
「硬くて渋くて苦くて美味しくないのに?」
「それなんだよなー…甘くて粘りのある芋みたいで美味かったんだけどなぁ…」
「なんか別の物だったんじゃなくて?」
「引っこ抜く時叫んでたから間違いないはずなんだけどなー…」
「それ大丈夫なんですか?!」
「でっけぇ声でキンキン叫ぶから耳が痛くはなるけどよ、その程度だったぞ?!」
「……よし!寝ましょう!うん、あんま考えると寝れなくなりそうなんで、おやすみなさい!」
「聞いてきたのそっちなのに?!」
嫌な事をなるべく考えないようにしている内に手足も温まり、デイビッドはようやく眠ることができた。
次の日、授業が始まる少し前にやって来たのはアリスティア付きの侍女見習いの1人だった。
「デイビッド様、エリック様、アリスティア殿下がお呼びでございます。どうかご足労頂けませんでしょうか…」
2人は顔を見合わせ、頷くと侍女見習いについて外へ出た。
反対側からヴィオラとシェルリアーナも別の侍女見習いと一緒にやって来る。
学園の裏口まで来ると、堅牢な護送用馬車の前でアリスティアが待っていた。
「皆様、お呼びして申し訳ありません。どうか私の身勝手をお許し下さい。これより皆様にこの方の話を聞いて頂きたいのです。」
アリスティアが合図すると、女性騎士が馬車から1人の女性を連れ出して来た。
粗末な古着に身を包んでいるがその立ち居振る舞いはどこか品がある。
4人はこの人物が誰か知っていた。
「マリアンナ様……」
それはかつてエリックに傍若な懸想をし、アリスティアとヴィオラを魔法陣で誘拐した事で罪人となった元ルルーシェ家の令嬢、マリアンナだった。
「皆様、この度は大変な迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした…」
深く頭を下げるマリアンナからは、かつての傲慢さが消えていた。
「彼女は、ルルーシェ家を捨てた母親に隣国へ売られるところだったのを、この国の罪人となる事でラムダに留まることになりました。」
かつて侯爵夫人として栄華を振るったマリアンナの母親は、ルルーシェ家の衰退と同時に離縁し、自国へ戻ろうとしていた。
その際、先に捕まえておいた金持ちに娘を嫁がせ、その支度金で余生を送るつもりだったそうだ。
それに気がついたマリアンナは、母親の手からなんとか逃れようと必死に考え、王族誘拐という大胆な行動に出たのだった。
アリスティアに縋り心情を打ち明け、ラムダ国の罪人として修道院へ送られるよう取り計らって貰うことで、自身の未来を変えようとしたのだ。
「マリアンナ様は、道こそ間違えましたが、あの事件の被害者の一人と言っても過言ありません。彼女自身も真剣に覚悟をお決めになられておいででしたので、私もそれに応えようと思いました。」
マリアンナは一歩前に出てまた頭を下げた。
「アリスティア姫殿下の深い慈悲により、私はラムダに留まることが出来ました。巻き込んでしまったヴィオラ様、ご心配をお掛けしてしまったシェルリアーナ様、デイビッド様…本当に申し訳ありません。許しは請いません。ただ最後に直接謝罪させて頂きたく、お時間を頂いてしまいました。ここからは今まで犯した己の罪と愚かさに向き合い、少しでも償えるよう生きてゆく所存でございます。」
マリアンナは最後にポケットから小さな包みを取り出してエリックに差し出した。
包みを開けると中から緑色の宝石が出てくる。
「エリック様、どうかこれを受け取って頂けませんか?きっと貴方様のお役に立つはずです。」
「これは…魔石?精霊魔石ですか…家宝に近い物では?」
「私にはもう必要の無い物です。今の家族に見つかればどうせ売り飛ばされてしまうでしょうし、エリック様にならば使いこなせるかと…」
「そうですか…では遠慮なく受け取っておきましょう。身体に気をつけて、レディ…」
エリックは静かに涙を流すマリアンナにハンカチを手渡し、再び馬車に戻る横顔に手を振った。
「悲しいものです…彼女にも本来であれば家門の再興に尽力してもらい、これまでの態度の反省を促すはずだったのに…まだまだ女性の立場は危ういものですね。合法とは言え身売りに近い婚姻が後を絶ちません…特に貴族は…」
「マリアンナ様はこの後どうなるのですか…?」
「そうですね、数年は修道院で務めを果たして頂き、私が婿を取る際にでも温情として市井に出られるよう計らおうと考えています。」
「元お貴族様には厳しいだろうが…ま、妥当だな。」
「すごい物もらっちゃった。実は一番迷惑被ってたのデイビッド様なのに…」
「刀振り回したり髪切り落としたり自傷行為したり…」
「言い方ぁ!!」
その後、始めの授業にすっかり遅れてしまったヴィオラ達は急いで教室へ向って行った。
エリックもこの後授業になるので、デイビッドはすっかり気乗りしなくなった温室へ向う。
「はぁー…前は気晴らしに来てたはずだったのによぉー…」
「もうイヤイヤな態度がだだ漏れだね!!」
ほぼ毎日通っていた憩いの場から一転、ガラスの扉が地獄の入り口に見えてきてしまう。
しかし悔しいかなヒュリスの研究はベルダの介入により飛躍的に進展した。
薬効成分の抽出から加工段階まで一気に進み、後は調合を安定させるのみ。
「ここからが一番難しいんだけどね、まぁ大船に乗ったつもりで任せなさい!」
「そのまま死神のとこまで連れて行く気じゃねぇだろうな…」
アリーはデイビッドがまた温室に来るようになってご機嫌だ。
リディアの助言通り、付かず離れずの距離で構ってもらえるのをずっと待っている。
「デイビッド ミテミテ!」
アリーは自分の姿を他人に変えることができるようになり、通りすがりの生徒や、落ちていた雑誌の写真を真似て次々と変化して見せた。
「擬態能力がまた上がったなぁ。その内外に出て人に紛れちまうんじゃねぇのか?」
「まだそこまで精度はないけど、かなり人っぽくなってきたよね。特技も増えてきたし。」
「頼むから黙って実行するのだけはもう止めてくれよ?!何度も言うけどな、人間は簡単に死ぬし、俺は人間なんだ!わかるか?!」
「ダイジョウブ デイビッドハ デイビッド。チャントワカッテル!」
「なんか今別枠作らなかったか?!大丈夫かよホントに…」
若干の不安を残したまま、デイビッドが昼前に自室へ戻ろうと外の渡り廊下に差し掛かると、後ろから誰かに声をかけられた。
「あの…失礼します、デイビッド・デュロック伯爵令息様、よろしいですか…?」
「……誰だ…?」
中へ入ると誰も居ないが、流しに料理器具が出されていて、部屋の主が帰って来たことがわかる。
(外かな?)
身も凍るほど冷たい夜の風が吹く中、家畜小屋にもたれかかったデイビッドが大きなボールを抱えて、しきりに何か混ぜている。
「うわぁさっむ~~い!!風邪引かないで下さいよ?」
「あー…」
「どうでした?初めての生徒体験は?」
「ん~…途中まで予想通りだった…」
「途中からは?」
「なんか始まって…ついてけなかった…」
「でしょうねぇ…」
色々察したエリックは、1人で笑いを堪えながら上着を着直し、デイビッドの側へ降りて行った。
「ここまで来て、まさか貴方が生徒側になるなんて思いもしませんでした。そんな提案良く受け入れましたね。」
「これが交換条件なら仕方ねぇだろ。」
「等価交換になると良いですね。」
「なんなかったら本気でキレるな…」
氷と寒さのおかげでアイスクリームはどんどん固まっていく。
クリームの泡を潰さないよう丁寧に空気を含ませながら混ぜていくと、4つのボールはあっという間にアイスになった。
ボールを保冷庫に寝かせて、部屋の中へ入ると寒暖の差に手足がじんとする。
堪らず毛布を被り早々横になるが、色々思い出してしまい、また眠れない。
「なんでこんなに遅くなったんです?」
「んー?なんかな…マンドラゴラ食ったって言ったら拘束された…」
「はい?!」
「旅先で良く食ってたんだよ。普通に食えるもんかと思ってたら違ったらしい。なんか…それで論文書くんだと。」
「硬くて渋くて苦くて美味しくないのに?」
「それなんだよなー…甘くて粘りのある芋みたいで美味かったんだけどなぁ…」
「なんか別の物だったんじゃなくて?」
「引っこ抜く時叫んでたから間違いないはずなんだけどなー…」
「それ大丈夫なんですか?!」
「でっけぇ声でキンキン叫ぶから耳が痛くはなるけどよ、その程度だったぞ?!」
「……よし!寝ましょう!うん、あんま考えると寝れなくなりそうなんで、おやすみなさい!」
「聞いてきたのそっちなのに?!」
嫌な事をなるべく考えないようにしている内に手足も温まり、デイビッドはようやく眠ることができた。
次の日、授業が始まる少し前にやって来たのはアリスティア付きの侍女見習いの1人だった。
「デイビッド様、エリック様、アリスティア殿下がお呼びでございます。どうかご足労頂けませんでしょうか…」
2人は顔を見合わせ、頷くと侍女見習いについて外へ出た。
反対側からヴィオラとシェルリアーナも別の侍女見習いと一緒にやって来る。
学園の裏口まで来ると、堅牢な護送用馬車の前でアリスティアが待っていた。
「皆様、お呼びして申し訳ありません。どうか私の身勝手をお許し下さい。これより皆様にこの方の話を聞いて頂きたいのです。」
アリスティアが合図すると、女性騎士が馬車から1人の女性を連れ出して来た。
粗末な古着に身を包んでいるがその立ち居振る舞いはどこか品がある。
4人はこの人物が誰か知っていた。
「マリアンナ様……」
それはかつてエリックに傍若な懸想をし、アリスティアとヴィオラを魔法陣で誘拐した事で罪人となった元ルルーシェ家の令嬢、マリアンナだった。
「皆様、この度は大変な迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした…」
深く頭を下げるマリアンナからは、かつての傲慢さが消えていた。
「彼女は、ルルーシェ家を捨てた母親に隣国へ売られるところだったのを、この国の罪人となる事でラムダに留まることになりました。」
かつて侯爵夫人として栄華を振るったマリアンナの母親は、ルルーシェ家の衰退と同時に離縁し、自国へ戻ろうとしていた。
その際、先に捕まえておいた金持ちに娘を嫁がせ、その支度金で余生を送るつもりだったそうだ。
それに気がついたマリアンナは、母親の手からなんとか逃れようと必死に考え、王族誘拐という大胆な行動に出たのだった。
アリスティアに縋り心情を打ち明け、ラムダ国の罪人として修道院へ送られるよう取り計らって貰うことで、自身の未来を変えようとしたのだ。
「マリアンナ様は、道こそ間違えましたが、あの事件の被害者の一人と言っても過言ありません。彼女自身も真剣に覚悟をお決めになられておいででしたので、私もそれに応えようと思いました。」
マリアンナは一歩前に出てまた頭を下げた。
「アリスティア姫殿下の深い慈悲により、私はラムダに留まることが出来ました。巻き込んでしまったヴィオラ様、ご心配をお掛けしてしまったシェルリアーナ様、デイビッド様…本当に申し訳ありません。許しは請いません。ただ最後に直接謝罪させて頂きたく、お時間を頂いてしまいました。ここからは今まで犯した己の罪と愚かさに向き合い、少しでも償えるよう生きてゆく所存でございます。」
マリアンナは最後にポケットから小さな包みを取り出してエリックに差し出した。
包みを開けると中から緑色の宝石が出てくる。
「エリック様、どうかこれを受け取って頂けませんか?きっと貴方様のお役に立つはずです。」
「これは…魔石?精霊魔石ですか…家宝に近い物では?」
「私にはもう必要の無い物です。今の家族に見つかればどうせ売り飛ばされてしまうでしょうし、エリック様にならば使いこなせるかと…」
「そうですか…では遠慮なく受け取っておきましょう。身体に気をつけて、レディ…」
エリックは静かに涙を流すマリアンナにハンカチを手渡し、再び馬車に戻る横顔に手を振った。
「悲しいものです…彼女にも本来であれば家門の再興に尽力してもらい、これまでの態度の反省を促すはずだったのに…まだまだ女性の立場は危ういものですね。合法とは言え身売りに近い婚姻が後を絶ちません…特に貴族は…」
「マリアンナ様はこの後どうなるのですか…?」
「そうですね、数年は修道院で務めを果たして頂き、私が婿を取る際にでも温情として市井に出られるよう計らおうと考えています。」
「元お貴族様には厳しいだろうが…ま、妥当だな。」
「すごい物もらっちゃった。実は一番迷惑被ってたのデイビッド様なのに…」
「刀振り回したり髪切り落としたり自傷行為したり…」
「言い方ぁ!!」
その後、始めの授業にすっかり遅れてしまったヴィオラ達は急いで教室へ向って行った。
エリックもこの後授業になるので、デイビッドはすっかり気乗りしなくなった温室へ向う。
「はぁー…前は気晴らしに来てたはずだったのによぉー…」
「もうイヤイヤな態度がだだ漏れだね!!」
ほぼ毎日通っていた憩いの場から一転、ガラスの扉が地獄の入り口に見えてきてしまう。
しかし悔しいかなヒュリスの研究はベルダの介入により飛躍的に進展した。
薬効成分の抽出から加工段階まで一気に進み、後は調合を安定させるのみ。
「ここからが一番難しいんだけどね、まぁ大船に乗ったつもりで任せなさい!」
「そのまま死神のとこまで連れて行く気じゃねぇだろうな…」
アリーはデイビッドがまた温室に来るようになってご機嫌だ。
リディアの助言通り、付かず離れずの距離で構ってもらえるのをずっと待っている。
「デイビッド ミテミテ!」
アリーは自分の姿を他人に変えることができるようになり、通りすがりの生徒や、落ちていた雑誌の写真を真似て次々と変化して見せた。
「擬態能力がまた上がったなぁ。その内外に出て人に紛れちまうんじゃねぇのか?」
「まだそこまで精度はないけど、かなり人っぽくなってきたよね。特技も増えてきたし。」
「頼むから黙って実行するのだけはもう止めてくれよ?!何度も言うけどな、人間は簡単に死ぬし、俺は人間なんだ!わかるか?!」
「ダイジョウブ デイビッドハ デイビッド。チャントワカッテル!」
「なんか今別枠作らなかったか?!大丈夫かよホントに…」
若干の不安を残したまま、デイビッドが昼前に自室へ戻ろうと外の渡り廊下に差し掛かると、後ろから誰かに声をかけられた。
「あの…失礼します、デイビッド・デュロック伯爵令息様、よろしいですか…?」
「……誰だ…?」
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