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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
アイスパーティー
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左足を石膏で固め、左腕を首から釣り下げ、右半身も包帯だらけ。
頭にも包帯を巻いていて、身体のあちこちから痣が見えてあまりにも痛々しい。
松葉杖を付き、満身創痍と言う言葉がしっくり来るこの生徒にデイビッドは全く見覚えがなかった。
「えーと…」
「…僕の事…覚えてますか……セルジオです……」
「あ!あー!わかった!わかった…けど全然わかんねぇ…お前何してんだこんなとこで…?」
名前を聞いてようやく判明したのは、アリスティアのデビュタントの日に広間で盛大な馬鹿をやらかして姉の制裁を受けたエルムの王子、セルジオだった。
「今日から…ここでお世話になります…」
「…アザーレアのヤツ、国から出さねぇつっといて早速放り出してんじゃねぇか!」
「ここに来たら、まずはデイビッド様に謝罪をと…」
「あー、そういうのはいらねぇよ!本人が反省してりゃそれで良い。口先より今後の自分と向き合えよ。その方が辛い分幾分か早くマシになれるぞ?」
「…ありがとうございます……」
「しっかし…何だその怪我?」
「姉上に殴られた怪我がまだ治らなくて…」
それでも自力で歩けるようになったのだからと、容赦なくここへ寄越されたそうだ。
「骨もくっつかねぇ内にか?お前の姉ちゃん相当鬼畜だな?!」
「僕が悪かったんです…僕が……」
アザーレア曰く、勉強などペンが持てれば十分だそうだ。
「1年の政務科になります…よろしくお願いします…」
「じゃ、俺は関係ねぇかもな。その身体じゃ大変だろうが、ガンバレよ?!」
「はい…」
デイビッドは供もなく1人でひょこひょこ廊下を歩いていくセルジオを、やや心配げに見送った。
(アイツ…どっかで倒れちまわないかな…)
また無自覚なお人好しが芽を出しかけているようだ。
今朝は重い話題でヴィオラも少し気落ちしていたので、少しでも元気が出るようにとデイビッドも色々考えた。
ヴィオラが置いていったアイスのチラシを見ながら、パフェにクッキーサンドに、薄焼きのゴーフレット、スティックパイにシロップを数種類用意し、アップルパイをいつでも焼けるよう準備する。
その代わり昼食は少し軽めのクロックマダム。
焼いてる側からヴィオラとアリスティアがやって来て何かお喋りを始める。
焼き上がった順に皿を運ぼうとすると、いつの間にかシェルリアーナも増えていた。
(しれっと居たな…昨日のアレはなかった事にする気か…)
それならそれで別にいい。
塩気のある物の後に出されたアイスクリームにアリスティアは感動し、器に自分だけのサンデーを作って頬張った。
ヴィオラは大皿に積まれたクッキーサンドをどれから食べようか悩んでいる。
シェルリアーナは真っ先にチョコレートのアイスに手を伸ばしていた。
「はぁ…こんな物までお作りになるとは…アイスクリームは反則です。」
「しっとりクッキーとアイスがどこまでも続いて幸せ!」
「あの店より美味しい気がするの…なんでかしら…?」
それもそのはず、材料費に限度が無い上、甘さのバランス、風味から素材の味ひとつ取っても、僅かな雑味すらなく調和されていれば美味しくならないはずがない。
「そういやヴィオラ、こないだの忘れ物。ずっと預かってたの返すよ。」
デイビッドはチラシのことを思い出し、ヴィオラに渡した。
「まぁ、なんて素敵な広告でしょう!」
「ちょっと!!それどこで手に入れたの!?」
「友達から借りました。今スゴく人気のチラシなんです!」
「人気なのはアイスが?チラシが?」
「両方じゃないですかねぇ?わぁ、よく撮れてるぅ~!」
いつの間にか加わっていたエリックも、フルーツソースをたっぷりかけたアイスを堪能している。
最後に熱々のアップルパイにバニラを添えて出すと、ヴィオラとアリスティアは手を叩いて喜んだ。
「例えばどんなに過酷な政務を行ったとしても、これがあれば頑張る気にもなりますね。」
「真冬に温かい部屋でアイスパーティーなんて贅沢過ぎてどうにかなっちゃいそう!」
最後に冷えた身体を紅茶で温め、ひとしきりお喋りをしてから女の子3人は午後の授業へ出かけて行った。
「姫も魔女もただの生徒も大変だなぁ。」
「身分を超えて友人と青春しながら学び合えるなんて、今だけの特権ですよ。」
「そういやエリック、エルムの第四王子が留学に来たの知ってるか?」
「なんか包帯だらけで気味の悪い編入生がエルムから来たとは聞いてますが…」
「さっきシモンズ先生のとこ通って薬貰ってるって聞いたから、コレ持ってってやってくれよ。」
「またいつものお節介ですか?!流石に2度目でその対応は人が良いじゃ済みませんよ?!」
「王族を預かるってのは管理者側も何かと気を使うんだよ。今回のは本人のためって言うより、学園長のためか。あの状態でコケでもしてみろ、面倒見るのはラムダ側になるぞ?」
エリックは渡された塗り薬の瓶と、なぜかアイスの入った器を持って医務室へと向って行った。
研究室の人気がなくなった頃、次にやって来たのはアニスだった。
また例のチラシを高々掲げている。
「デイビッド先生ー!!ちょっとこの広告見て!」
「どうしたアニス…またコレか。この所よく見るなぁ。」
「コレ!このミス・シェルリアーナの着てる服!私がデザインしたのよ?!今人気爆上がりで生産追いつかないの。嬉しすぎて思わずアトリエで踊っちゃった!師匠がね、シェルリアーナ様に是非またお店に来て欲しいって!」
「ほー…良かったな。知名度も上がるだろ?」
「この街にアニス・モード来ちゃうかも!商会の方にも足りない素材とかどんどん注文してるから、その内顔出した方がいいって言ってました。」
「わかった。ま、そのうちな…」
中へ戻ろうとすると、デイビッドのエプロンをつかんで、アニスが引き留める。
「なんだよ…」
「なんか…また美味しい物作ってました?!」
「……アイスクリ…」
「いただきまーす!!」
「まだ出してもないのに?」
アニスは震える手でアイスを堪能すると、幸せそうな顔で教室へ戻って行った。
そして次の日、デイビッドが商業科の教室へ向っていると、また後ろから遠慮がちな声がした。
「あの…デイビッド伯爵令息様…」
「そんな丁寧の呼び方する奴誰もいねぇよ。身分不問が校則なの聞いてねぇか?テキトーに呼べよ。」
「それでは…デュロック先生…」
「一番聞き慣れねぇの来たな…なんか用か?」
「き、昨日…薬ありがとうございました!朝起きたら手の痛みが取れて、顔の痣も薄くなってて…」
「シモンズ先生の薬だろ?」
「シモンズ先生は、デュロック先生からの差し入れだって…」
「黙ってるよう言ったんだけどなぁ…」
「アイスクリームも、凄く美味しかったです…エルムの王宮でも食べた事なかった…あんな美味しいアイス…」
「怪我人が久々食ったからそう感じるだけだろ?薬の事も気にするな。案外利己的な考えで渡したもんかも知れねぇぞ?王族なら感情は抑えた方がいいんだろ?俺の事は端から疑ってかかって来い。そのくらいでいい。」
「姉上は…一番信頼できる人だって…」
「脳筋瞬間沸騰機の信頼は信頼に値するのか?!」
廊下をよろよろ戻って行くセルジオは、何度も振り向いてこちらを気にしていた。
(変な奴に懐かれたな…)
そのまま商業科の前に来ると、中がいつも以上に騒がしい。
入ると黒板にびっしり何かが書き込まれ、生徒達が何か夢中で話し合っている。
「おーい、何してんだ?随分楽しそうだな。」
「あ、先生!!」
書き込まれた黒板の文字を追うと、どうやらどこかの領地を拠点にした商業計画の寄せ案らしい。
「へぇ~…面白いな!でもこれだと運河の流通に頼りすぎてないか?こっち側に独自で何かルートを確保して、周辺領と連携…いや、そもそも何処の領地だ?位置的に王都近郊だな…こんなとこあったか?」
「先生の新領地です!」
「消せ!!」
「あーーせっかく皆で考えてたのに!」
黒板の文字が雑に消されていく。
「やっぱり街作りましょうよ!」
「商人が集まる交流地もいいねって話が出てて!」
「知るか!まだ未確認なんだから外野が騒ぐな!!」
商業科は三学期も相変わらず賑やかだった。
頭にも包帯を巻いていて、身体のあちこちから痣が見えてあまりにも痛々しい。
松葉杖を付き、満身創痍と言う言葉がしっくり来るこの生徒にデイビッドは全く見覚えがなかった。
「えーと…」
「…僕の事…覚えてますか……セルジオです……」
「あ!あー!わかった!わかった…けど全然わかんねぇ…お前何してんだこんなとこで…?」
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「今日から…ここでお世話になります…」
「…アザーレアのヤツ、国から出さねぇつっといて早速放り出してんじゃねぇか!」
「ここに来たら、まずはデイビッド様に謝罪をと…」
「あー、そういうのはいらねぇよ!本人が反省してりゃそれで良い。口先より今後の自分と向き合えよ。その方が辛い分幾分か早くマシになれるぞ?」
「…ありがとうございます……」
「しっかし…何だその怪我?」
「姉上に殴られた怪我がまだ治らなくて…」
それでも自力で歩けるようになったのだからと、容赦なくここへ寄越されたそうだ。
「骨もくっつかねぇ内にか?お前の姉ちゃん相当鬼畜だな?!」
「僕が悪かったんです…僕が……」
アザーレア曰く、勉強などペンが持てれば十分だそうだ。
「1年の政務科になります…よろしくお願いします…」
「じゃ、俺は関係ねぇかもな。その身体じゃ大変だろうが、ガンバレよ?!」
「はい…」
デイビッドは供もなく1人でひょこひょこ廊下を歩いていくセルジオを、やや心配げに見送った。
(アイツ…どっかで倒れちまわないかな…)
また無自覚なお人好しが芽を出しかけているようだ。
今朝は重い話題でヴィオラも少し気落ちしていたので、少しでも元気が出るようにとデイビッドも色々考えた。
ヴィオラが置いていったアイスのチラシを見ながら、パフェにクッキーサンドに、薄焼きのゴーフレット、スティックパイにシロップを数種類用意し、アップルパイをいつでも焼けるよう準備する。
その代わり昼食は少し軽めのクロックマダム。
焼いてる側からヴィオラとアリスティアがやって来て何かお喋りを始める。
焼き上がった順に皿を運ぼうとすると、いつの間にかシェルリアーナも増えていた。
(しれっと居たな…昨日のアレはなかった事にする気か…)
それならそれで別にいい。
塩気のある物の後に出されたアイスクリームにアリスティアは感動し、器に自分だけのサンデーを作って頬張った。
ヴィオラは大皿に積まれたクッキーサンドをどれから食べようか悩んでいる。
シェルリアーナは真っ先にチョコレートのアイスに手を伸ばしていた。
「はぁ…こんな物までお作りになるとは…アイスクリームは反則です。」
「しっとりクッキーとアイスがどこまでも続いて幸せ!」
「あの店より美味しい気がするの…なんでかしら…?」
それもそのはず、材料費に限度が無い上、甘さのバランス、風味から素材の味ひとつ取っても、僅かな雑味すらなく調和されていれば美味しくならないはずがない。
「そういやヴィオラ、こないだの忘れ物。ずっと預かってたの返すよ。」
デイビッドはチラシのことを思い出し、ヴィオラに渡した。
「まぁ、なんて素敵な広告でしょう!」
「ちょっと!!それどこで手に入れたの!?」
「友達から借りました。今スゴく人気のチラシなんです!」
「人気なのはアイスが?チラシが?」
「両方じゃないですかねぇ?わぁ、よく撮れてるぅ~!」
いつの間にか加わっていたエリックも、フルーツソースをたっぷりかけたアイスを堪能している。
最後に熱々のアップルパイにバニラを添えて出すと、ヴィオラとアリスティアは手を叩いて喜んだ。
「例えばどんなに過酷な政務を行ったとしても、これがあれば頑張る気にもなりますね。」
「真冬に温かい部屋でアイスパーティーなんて贅沢過ぎてどうにかなっちゃいそう!」
最後に冷えた身体を紅茶で温め、ひとしきりお喋りをしてから女の子3人は午後の授業へ出かけて行った。
「姫も魔女もただの生徒も大変だなぁ。」
「身分を超えて友人と青春しながら学び合えるなんて、今だけの特権ですよ。」
「そういやエリック、エルムの第四王子が留学に来たの知ってるか?」
「なんか包帯だらけで気味の悪い編入生がエルムから来たとは聞いてますが…」
「さっきシモンズ先生のとこ通って薬貰ってるって聞いたから、コレ持ってってやってくれよ。」
「またいつものお節介ですか?!流石に2度目でその対応は人が良いじゃ済みませんよ?!」
「王族を預かるってのは管理者側も何かと気を使うんだよ。今回のは本人のためって言うより、学園長のためか。あの状態でコケでもしてみろ、面倒見るのはラムダ側になるぞ?」
エリックは渡された塗り薬の瓶と、なぜかアイスの入った器を持って医務室へと向って行った。
研究室の人気がなくなった頃、次にやって来たのはアニスだった。
また例のチラシを高々掲げている。
「デイビッド先生ー!!ちょっとこの広告見て!」
「どうしたアニス…またコレか。この所よく見るなぁ。」
「コレ!このミス・シェルリアーナの着てる服!私がデザインしたのよ?!今人気爆上がりで生産追いつかないの。嬉しすぎて思わずアトリエで踊っちゃった!師匠がね、シェルリアーナ様に是非またお店に来て欲しいって!」
「ほー…良かったな。知名度も上がるだろ?」
「この街にアニス・モード来ちゃうかも!商会の方にも足りない素材とかどんどん注文してるから、その内顔出した方がいいって言ってました。」
「わかった。ま、そのうちな…」
中へ戻ろうとすると、デイビッドのエプロンをつかんで、アニスが引き留める。
「なんだよ…」
「なんか…また美味しい物作ってました?!」
「……アイスクリ…」
「いただきまーす!!」
「まだ出してもないのに?」
アニスは震える手でアイスを堪能すると、幸せそうな顔で教室へ戻って行った。
そして次の日、デイビッドが商業科の教室へ向っていると、また後ろから遠慮がちな声がした。
「あの…デイビッド伯爵令息様…」
「そんな丁寧の呼び方する奴誰もいねぇよ。身分不問が校則なの聞いてねぇか?テキトーに呼べよ。」
「それでは…デュロック先生…」
「一番聞き慣れねぇの来たな…なんか用か?」
「き、昨日…薬ありがとうございました!朝起きたら手の痛みが取れて、顔の痣も薄くなってて…」
「シモンズ先生の薬だろ?」
「シモンズ先生は、デュロック先生からの差し入れだって…」
「黙ってるよう言ったんだけどなぁ…」
「アイスクリームも、凄く美味しかったです…エルムの王宮でも食べた事なかった…あんな美味しいアイス…」
「怪我人が久々食ったからそう感じるだけだろ?薬の事も気にするな。案外利己的な考えで渡したもんかも知れねぇぞ?王族なら感情は抑えた方がいいんだろ?俺の事は端から疑ってかかって来い。そのくらいでいい。」
「姉上は…一番信頼できる人だって…」
「脳筋瞬間沸騰機の信頼は信頼に値するのか?!」
廊下をよろよろ戻って行くセルジオは、何度も振り向いてこちらを気にしていた。
(変な奴に懐かれたな…)
そのまま商業科の前に来ると、中がいつも以上に騒がしい。
入ると黒板にびっしり何かが書き込まれ、生徒達が何か夢中で話し合っている。
「おーい、何してんだ?随分楽しそうだな。」
「あ、先生!!」
書き込まれた黒板の文字を追うと、どうやらどこかの領地を拠点にした商業計画の寄せ案らしい。
「へぇ~…面白いな!でもこれだと運河の流通に頼りすぎてないか?こっち側に独自で何かルートを確保して、周辺領と連携…いや、そもそも何処の領地だ?位置的に王都近郊だな…こんなとこあったか?」
「先生の新領地です!」
「消せ!!」
「あーーせっかく皆で考えてたのに!」
黒板の文字が雑に消されていく。
「やっぱり街作りましょうよ!」
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