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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
マナーレッスン
「お腹空いたわ!なんか作ってよ!」
「もう遠慮も何もなくなったなぁ…」
「さっき魚獲ってたでしょ?!焼くとかなんかできないの?!」
「わかったわかった…ワタ抜いて洗うから少し待て!」
シェルリアーナはこの半年ちょいの間にすっかり餌付けされ、お腹が空いたらとりあえずデイビッドに要求するという癖がついていた。
周りの生徒が唖然とする中、デイビッドは手際良く魚を捌き、香草を詰めて大きな葉っぱに包んでいく。
少し遠火で蒸し焼きにする間、焼いた残りのマンドラゴラを潰して、持ってきていた袋からバターを一欠片落とし、少しの砂糖と練り合わせ、くり抜いたマンドラゴラの皮に戻して再度焼き色をつける。
空いた鍋でネトルとサルトリイバラを煮出し、何故か用意して来たカップに注いでシェルリアーナに差し出すと、マドンナは何の疑問も持たずに受け取って優雅に口にした。
「あら、ローズヒップみたい。悪くないわね。」
「こっちも焼けた。」
「捕れたての魚ってこんなに身離れが良いのね!香りも爽やかでしっとりしてて美味し……」
いつもの調子でパクパク食べてから、周りの目に気が付き我に返る。
「今授業中よね!?なんで作っちゃったのよ!!思わず食べちゃったじゃない!!」
「腹減ったからなんか作れって言ったのお前だったよなぁ!?」
「こんな森の中でいきなり料理なんかしないでよ!!私まで奇異の目で見られたじゃないの!!」
「…これは俺が悪かったのか…?」
試しにポカンとしているエド達に話しかけてみると、3人は一呼吸開けて大笑いし出した。
「プッ…アハハハ!!シェリーってば!アナタがそんなに食いしん坊だったなんて知らなかったぁ!!」
「フフフ…これは意外だったよ。なるほど、アナが君にぞっこんの理由がわかった。」
「流れるような見事な手際だね!それに美味しそう!僕も一緒にいいかな?」
こちらを見る目が増える中、それすら気にせず声を掛けてくる変わり者達。
もしもデイビッドが本当に学生として学園に入っていたとしても、案外こういった友人は居たのかも知れない。
「全員合格できそうなところで、そろそろ転移門開けるから先に終わったグループから帰っていいよ?!教室でまとめしたら解散にするから、先に行って待っててね!」
火の始末をし、その場を片付けると、デイビッドは上空に向って指笛を吹き鳴らした。
するとしばらくして遠くからファルコが戻ってくる。
「何を獲って来たんだお前は…?」
「ククルルルル!」
ファルコは巨大な兎の魔物を咥えて降りて来ると、得意気に獲物をデイビッドに見せてきた。
「どうすんだよこれ!!」
「キュルルル!!」
どうやらお土産のつもりらしい。
大兎をデイビッドの足元に降ろし、早く褒めろとでも言いたげだ。
「すごいな!チャージラビットだ!ずいぶん大きいね!?」
「肉も毛皮も高級品だよ?良かったねデイビッド君!」
「この大きさなら魔石が取れるかも知れないよ?」
「なんで揃いも揃って俺に余計な仕事持って来んだよ!?」
それでも獲ってきてしまったモノは仕方がない。
その日授業が終わり帰ってからも、デイビッドは休まず兎の解体に精を出す事になった。
なんとか間に合ったこの日の夕食は、なんとコースタイプのラムダの王都貴族風。
ヴィオラがマナーの授業で点数が取れないと言うので、その特訓のためだ。
「いい?肘の位置はここ、手首はあまり動かさずに、腕を引き上げた時に優雅に見えるよう少し傾げて…そう上手よ!」
「食べる時は下を向かずに…えーと…あ、こぼれちゃう…」
「もう少し量を減らさないとかしらね、口を開ける時もなるべく周りに見えない角度で…」
流石にシェルリアーナは上級者だ。
エリックもやれと言われれば完璧な所作でなんでもこなして見せる。
「意外だったのはアンタに出来てた事よ。なによ、普通に貴族マナーも覚えてんじゃない!?」
「猫被るとこじゃ被るし、あっちこっち行けば状況に合わせて色々出来なきゃだしよ。母親は王都の純高位貴族の生まれで、親父は城使えだったんだから、そりゃぁ散々叩き込まれたよ!」
ヴィオラが前菜をいつもの倍以上時間をかけて食べ終わると、メインが出される。
「え…これ、どっかで食べたことある…なんだっけ?なんかすごいレストランでご相伴に預かった時に味わった奴に似てますね…」
「リストランテ・グルマンディゾ……」
「それだ!シェル様よくわかりましたね!?」
「お父様の誕生日は毎年そこで食事するから…でも、なんで?」
「そこの引退したシェフから教わったんだよ。商会の厨房に来てて、暇してた時期に色々世話になってな。」
「アンタの料理の腕がおかしいレベルなのはそのせいか?!」
「そりゃ美味しいはずですよ…」
「他にも料理人は大勢居たんだよ。いいとこ取りで教わってるから、メニューは限られるし、難しいのはできねぇよ?」
「エリック、コイツちょっとムカつくわ…」
「なんでだよ!?」
やいやい言い合うその下で、ヴィオラは必死にフォークとナイフの動きをゆっくりゆっくり繰り返していた。
「音を立てないように…そ~っと…うぅ…うまく切れない…」
「もう少しナイフは立てていい。その代わりフォーク側に力が入りすぎると滑るから気をつける事。切り分ける量はフォークの枝3本分に収まるように。大丈夫、ちゃんとできてるぞ。」
「全然減らないし…食べた気がしません…」
「食事をしようと思うと上手くはいかねぇよな。俺も一度も食った気はした事ねぇからよくわかる。ただ、これも自分の武器だと思えば少しは磨いとこうと思って覚えたよ。」
「私の…武器…はいっ!頑張ります!」
その後なんとかデザートまで食べ終えたヴィオラを皆して褒めた。
ヴィオラはご褒美のシロップ漬けのサクランボのタルトを目一杯頬張ると、これからおさらいをするのだと言ってシェルリアーナと一緒に寮へ帰って行った。
ヴィオラの特訓は次の日も続き、姿勢から目線からだいぶ洗練されてきた。
試しに一度ドレスを着て動いてみると、余計に気合が入り佇まいまで完璧な淑女の出で立ちとなる。
「完璧ね!!これで合格間違いなしよ?!」
「素晴らしい仕上がりになりましたよヴィオラ様!」
「ありがとうございます!」
「ガッツポーズは止めなさい!!」
「頑張ったなぁ、明日もきっと上手くいくよ。」
運命の土曜。
デイビッドはまた教員室へ呼ばれ行ってみると、今度は机に厚い本が積まれていた。
「これがエリス語のテキストですか?」
「さぁ、ご自分で確かめればよろしいのでは?」
「えぇ…?」
「貴方は人の授業を妨害なさって謝罪もないのですか?これだから田舎者の礼儀知らずは嫌になりますね。」
「妨害…ああ!例の20年前のテキスト!学園長にもお見せしましたが、あんな酷いものを生徒に使わせていたのかと、かなりお怒りのようでしたね。新しい本はもう届きましたか?」
「あのような下らない本で何を教えろというのです?!」
「教頭のミセス・ミネルバお勧めの教本ですよ?言語のみならず、ラムダの情勢から文化の描写まで、鮮明で分かりやすいと評判の1冊です。これで生徒達も恥をかかずに済むでしょう。ではこちらの教本もお預かりしていきますね。」
言い過ぎではないはずだ。
現にステイシーは学園長からかなりのお叱りを受け、減俸処分が下されているということは、内密ではあるが教員なら皆知っている。
貴族を教える学園で、まさか誤情報の授業を受けさせるなどあってはならない。
ましてや他国との繋がりにヒビが入ってもおかしくない重大なミスを犯したのだ。
クビにならないだけ有り難いものを、文句を言って来るとは、指摘したのがデイビッドだっただけに、余程恨みを買ったようだ。
(苦手…っつーか…なぁーんか嫌な感じがするんで避けてんだよな俺も…ま、そこはお互い様か…?)
ステイシーの事はデイビッドもはっきり言って嫌いだ。
が、何かもっと本能的に避けようとする自分がいて、少し疑問に思っている。
「もう遠慮も何もなくなったなぁ…」
「さっき魚獲ってたでしょ?!焼くとかなんかできないの?!」
「わかったわかった…ワタ抜いて洗うから少し待て!」
シェルリアーナはこの半年ちょいの間にすっかり餌付けされ、お腹が空いたらとりあえずデイビッドに要求するという癖がついていた。
周りの生徒が唖然とする中、デイビッドは手際良く魚を捌き、香草を詰めて大きな葉っぱに包んでいく。
少し遠火で蒸し焼きにする間、焼いた残りのマンドラゴラを潰して、持ってきていた袋からバターを一欠片落とし、少しの砂糖と練り合わせ、くり抜いたマンドラゴラの皮に戻して再度焼き色をつける。
空いた鍋でネトルとサルトリイバラを煮出し、何故か用意して来たカップに注いでシェルリアーナに差し出すと、マドンナは何の疑問も持たずに受け取って優雅に口にした。
「あら、ローズヒップみたい。悪くないわね。」
「こっちも焼けた。」
「捕れたての魚ってこんなに身離れが良いのね!香りも爽やかでしっとりしてて美味し……」
いつもの調子でパクパク食べてから、周りの目に気が付き我に返る。
「今授業中よね!?なんで作っちゃったのよ!!思わず食べちゃったじゃない!!」
「腹減ったからなんか作れって言ったのお前だったよなぁ!?」
「こんな森の中でいきなり料理なんかしないでよ!!私まで奇異の目で見られたじゃないの!!」
「…これは俺が悪かったのか…?」
試しにポカンとしているエド達に話しかけてみると、3人は一呼吸開けて大笑いし出した。
「プッ…アハハハ!!シェリーってば!アナタがそんなに食いしん坊だったなんて知らなかったぁ!!」
「フフフ…これは意外だったよ。なるほど、アナが君にぞっこんの理由がわかった。」
「流れるような見事な手際だね!それに美味しそう!僕も一緒にいいかな?」
こちらを見る目が増える中、それすら気にせず声を掛けてくる変わり者達。
もしもデイビッドが本当に学生として学園に入っていたとしても、案外こういった友人は居たのかも知れない。
「全員合格できそうなところで、そろそろ転移門開けるから先に終わったグループから帰っていいよ?!教室でまとめしたら解散にするから、先に行って待っててね!」
火の始末をし、その場を片付けると、デイビッドは上空に向って指笛を吹き鳴らした。
するとしばらくして遠くからファルコが戻ってくる。
「何を獲って来たんだお前は…?」
「ククルルルル!」
ファルコは巨大な兎の魔物を咥えて降りて来ると、得意気に獲物をデイビッドに見せてきた。
「どうすんだよこれ!!」
「キュルルル!!」
どうやらお土産のつもりらしい。
大兎をデイビッドの足元に降ろし、早く褒めろとでも言いたげだ。
「すごいな!チャージラビットだ!ずいぶん大きいね!?」
「肉も毛皮も高級品だよ?良かったねデイビッド君!」
「この大きさなら魔石が取れるかも知れないよ?」
「なんで揃いも揃って俺に余計な仕事持って来んだよ!?」
それでも獲ってきてしまったモノは仕方がない。
その日授業が終わり帰ってからも、デイビッドは休まず兎の解体に精を出す事になった。
なんとか間に合ったこの日の夕食は、なんとコースタイプのラムダの王都貴族風。
ヴィオラがマナーの授業で点数が取れないと言うので、その特訓のためだ。
「いい?肘の位置はここ、手首はあまり動かさずに、腕を引き上げた時に優雅に見えるよう少し傾げて…そう上手よ!」
「食べる時は下を向かずに…えーと…あ、こぼれちゃう…」
「もう少し量を減らさないとかしらね、口を開ける時もなるべく周りに見えない角度で…」
流石にシェルリアーナは上級者だ。
エリックもやれと言われれば完璧な所作でなんでもこなして見せる。
「意外だったのはアンタに出来てた事よ。なによ、普通に貴族マナーも覚えてんじゃない!?」
「猫被るとこじゃ被るし、あっちこっち行けば状況に合わせて色々出来なきゃだしよ。母親は王都の純高位貴族の生まれで、親父は城使えだったんだから、そりゃぁ散々叩き込まれたよ!」
ヴィオラが前菜をいつもの倍以上時間をかけて食べ終わると、メインが出される。
「え…これ、どっかで食べたことある…なんだっけ?なんかすごいレストランでご相伴に預かった時に味わった奴に似てますね…」
「リストランテ・グルマンディゾ……」
「それだ!シェル様よくわかりましたね!?」
「お父様の誕生日は毎年そこで食事するから…でも、なんで?」
「そこの引退したシェフから教わったんだよ。商会の厨房に来てて、暇してた時期に色々世話になってな。」
「アンタの料理の腕がおかしいレベルなのはそのせいか?!」
「そりゃ美味しいはずですよ…」
「他にも料理人は大勢居たんだよ。いいとこ取りで教わってるから、メニューは限られるし、難しいのはできねぇよ?」
「エリック、コイツちょっとムカつくわ…」
「なんでだよ!?」
やいやい言い合うその下で、ヴィオラは必死にフォークとナイフの動きをゆっくりゆっくり繰り返していた。
「音を立てないように…そ~っと…うぅ…うまく切れない…」
「もう少しナイフは立てていい。その代わりフォーク側に力が入りすぎると滑るから気をつける事。切り分ける量はフォークの枝3本分に収まるように。大丈夫、ちゃんとできてるぞ。」
「全然減らないし…食べた気がしません…」
「食事をしようと思うと上手くはいかねぇよな。俺も一度も食った気はした事ねぇからよくわかる。ただ、これも自分の武器だと思えば少しは磨いとこうと思って覚えたよ。」
「私の…武器…はいっ!頑張ります!」
その後なんとかデザートまで食べ終えたヴィオラを皆して褒めた。
ヴィオラはご褒美のシロップ漬けのサクランボのタルトを目一杯頬張ると、これからおさらいをするのだと言ってシェルリアーナと一緒に寮へ帰って行った。
ヴィオラの特訓は次の日も続き、姿勢から目線からだいぶ洗練されてきた。
試しに一度ドレスを着て動いてみると、余計に気合が入り佇まいまで完璧な淑女の出で立ちとなる。
「完璧ね!!これで合格間違いなしよ?!」
「素晴らしい仕上がりになりましたよヴィオラ様!」
「ありがとうございます!」
「ガッツポーズは止めなさい!!」
「頑張ったなぁ、明日もきっと上手くいくよ。」
運命の土曜。
デイビッドはまた教員室へ呼ばれ行ってみると、今度は机に厚い本が積まれていた。
「これがエリス語のテキストですか?」
「さぁ、ご自分で確かめればよろしいのでは?」
「えぇ…?」
「貴方は人の授業を妨害なさって謝罪もないのですか?これだから田舎者の礼儀知らずは嫌になりますね。」
「妨害…ああ!例の20年前のテキスト!学園長にもお見せしましたが、あんな酷いものを生徒に使わせていたのかと、かなりお怒りのようでしたね。新しい本はもう届きましたか?」
「あのような下らない本で何を教えろというのです?!」
「教頭のミセス・ミネルバお勧めの教本ですよ?言語のみならず、ラムダの情勢から文化の描写まで、鮮明で分かりやすいと評判の1冊です。これで生徒達も恥をかかずに済むでしょう。ではこちらの教本もお預かりしていきますね。」
言い過ぎではないはずだ。
現にステイシーは学園長からかなりのお叱りを受け、減俸処分が下されているということは、内密ではあるが教員なら皆知っている。
貴族を教える学園で、まさか誤情報の授業を受けさせるなどあってはならない。
ましてや他国との繋がりにヒビが入ってもおかしくない重大なミスを犯したのだ。
クビにならないだけ有り難いものを、文句を言って来るとは、指摘したのがデイビッドだっただけに、余程恨みを買ったようだ。
(苦手…っつーか…なぁーんか嫌な感じがするんで避けてんだよな俺も…ま、そこはお互い様か…?)
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カクヨムで公開したものに手を入れたものです。