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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
負け犬同盟
過去のテレンスは、誰にも負けたくなくて、皆に好かれたくて、人の上に立ちたくて、他人を出し抜いて蹴落として押し退けて、上へ上へ登っているつもりになっていた。
正義の味方を気取りたくて、柄の悪い生徒や陰で暴力を振るう教師を辞めさせた事もあったが、評判は落ちる一方。
ついには目先の評価と手っ取り早い優越感に溺れて、言い寄ってくる女の子達を相手にしている内に、本当の目的を見失い全てを失った…
などと思っていた過去の自分が、なんと馬鹿げていたのかと。
ソファの反対側で自分の課題を始めたヴィオラは、デイビッドの方を見るテレンスを面白くない顔で見ていた。
「…また何か企んでるんですか?」
「え?違うよ!?ただ…四方八方敵だらけで、よく自分を保てるなぁって…感心してたんだよ、そう君の婚約者にさ!」
「どうでもいい人の相手はするだけ時間の無駄ですよ。そんなの気にするより、大切な人と美味しくご飯食べる方がよっぽど大事だよって、私言われましたから!」
婚約者というワードに気を良くしたヴィオラが、謎のマウントを取る。
「…そう言えばそろそろお昼だね、セルはいつもどこで食べるの?」
「食堂でしたけど、土曜は開いてないんですよね?!なら購買かなぁ。」
「僕もだよ。もう人が並んでる時間かな、早く行かないと…」
「テレンス先輩、テーブル片付けて下さい。ご飯来ますよ?」
「あら、もうお昼なのね。今日は何?」
「チャージラビットが手に入ったから、兎肉尽くし。」
「冬のご馳走ですよね!脂も乗ってて美味しそうですよ?!テーブルも広くしといて大正解!この人数でも余裕でお皿が乗りますね!」
さも当然のように並べられていく6人前のご馳走。
席を立ちかけた男子2人は、エリックに座らされ、好き嫌いや何を飲むかなど聞かれて戸惑っていた。
「「いただきまーす!!」」
だいたい先に食べ始めるのがエリックとシェルリアーナ。
次いでヴィオラのフォークが伸びて、いつも食事が始まる。
「食べないんですか?」
「いや!なんでこんな自然に食事が出て来るのか驚いてるんだよ!?」
「…あ、でもすごく美味しそう…」
「セルジオ君の分は片手で食べられる用になってますからね。マナーはさて置き、ちゃんと食べないと治るものも治りませんよ?」
恐る恐るセルジオがフォークを掴み、切り分けられた肉を口に運ぼうとすると、何故かシェルリアーナと目が合った。
「あ…あの、何か…?」
「その一口が、毒にならない事を祈りますわ。」
「え?!」
「意味深な台詞止めて下さい!貴女に言われると怖いんですよ!毒って何?!なんか入ってるの?」
「なんも入ってねぇよ!!はよ食え!」
テレンスがシェルリアーナの一言に怯えている横で、セルジオの手はもう止まらないようだ。
「兎も美味しい!チャージラビット初めて食べました!デイビッド様が捕まえたんですか?」
「いや、捕って来たのはファルコだ。一番美味いとこ食ったら満足したみたいで、残りもらった。」
「ファルコは優秀ですね!」
その隣りでは、シェルリアーナが当時の野外実習の事を思い出し、少し憂鬱になっていたが、デザートの新作チョコレートテリーヌを見て直ぐに立ち直っていた。
テレンスは午後も補講があり、セルジオも医務室へ行かないといけない。
「ご馳走様でした。あの、すごく美味しかったです!」
「もう教員とか貴族とか止めて料理人にでもなった方がよかったんじゃないのか?!」
「さっさと行け!!」
男子2人が居なくなると、ヴィオラは洗い物をするデイビッドにここぞとばかりに引っ付いた。
「エへへ…やっぱりこの方がいい…今日はすごーく頑張ったので、ご褒美下さい!」
「補講か、大変だったろ?…辛くなかったか?」
「あの先生、いつも私にばっかり注意するんです!何がいけないのかは教えてくれないクセに!でも今日は教頭先生も来て、満点貰いました!特訓したおかげです!」
「ヴィオラは強いなぁ…」
「…田舎者は普通クラスで充分なんて言われて、悔しかった…でも負けませんでしたよ!だからいっぱい褒めて下さい!!」
デイビッドに擦り寄るヴィオラを横目に見ながら、シェルリアーナはエリックの襟を掴んで引き寄せた。
「なんでしょ?」
「貴方、いつも大衆小説読んでるでしょ?下剋上の復讐劇系とか、成り上がりの溺愛系とか、ちょっと過激な描写入ってる奴。あれヴィオラに貸して読ませてみたらどうかしら…?」
「発破かける気ですか…?」
「半年以上あそこから進展しないのよ?!いい加減こっちも我慢の限界よ!いいじゃないそのくらい!何も一線越えろとは言ってないじゃない!!あの分厚い壁をもう少しうすーくできないかって思ってるだけよ!」
「ヴィオラ様はそれでもいいと思いますけど…向こうはそんな事したら浸透圧で死んじゃうんじゃないですかね?」
「熱帯魚か!?」
シェルリアーナとヴィオラは、その後それぞれの課題の参考書を借りに図書室へ。
エリックも席を外したので、デイビッドは少しずつ集めていた新領地の報告書を読んでいた。
するとノックと共にテレンスがまた現れる。
「なんだまたお前か…」
「なんだはないよ。これでも領地経営科の生徒なんだから、貴方の管轄でしょ?」
「だから、俺は教師じゃないんだって…」
「今日で補講が終了したよ。3年も上位クラス間違いなしだ…それから、生徒会は今期で辞める事にした…」
「いいのか?いい点数稼ぎなんだろ?」
「アレックスさんに睨まれてるし、ちょっと居づらくて。自領の引き継ぎなんかもあるしね。」
「まぁ好きにすりゃいいじゃねぇの?」
テレンスはデイビッドの正面に座ると、少し真剣な顔つきで話し出した。
「それでさ、さっき資料を作りに生徒会に寄ったら部屋にミス・リリアが居たんだ。教会関係者が来るのは珍しくて、気にしてたら、アレックスさんがまたなんかでっかい事企んでるみたいで…僕は警戒されてるから内輪には入れないけど、情報を集めてみようかと思って…」
「なんで?」
「なんでって…また標的にされてもいいのかよ?!」
「だから、なんでそんな事お前が気にすんだよ。」
「だ…だって…それは…」
「いちいち他人に気ぃ揉んでる時間がもったいねぇだろ。多少の自衛と対策は打ってる。生徒に心配される程じゃねぇよ。」
デイビッドはややうっとおしがっているが、テレンスはそんな言葉では引き下がらない。
「じゃ、負け犬同士仲良くしてよ!」
「誰が負け犬だ!?」
「エリック先生がさ、行き場がないなら自分で作るのも大切って教えてくれたんだ。ここなら過去の自分と向き合いながら成長できるかと思って…」
「本気で摘み出してやろうか…?」
「邪険にしないでよ!情けない者同士で丁度いいじゃないか!!」
「情けないってなんだ!?そっちに引きずり込もうとすんな!」
テレンスは結局その後も居座り、夕食までしっかり食べて帰って行った。
それに対してヴィオラは少し不満気だった。
(私が入る隙が減っちゃったんだもの…)
晴れ間の続いた日々から一転、週末から一気に冷え込み夜昼なく空が曇る。
王都に冬の名残の雪が降り、一面がまた銀世界に包まれた。
この雪が溶けたら王都にも春が来る。
「雪が積もったら大切な用があるのでお弁当作って下さい!」
「わかった。何するか知らんが、寒くないようにな。」
前日そんな会話をした次の朝、外を見るとどこもかしこも真っ白な雪に覆われて、何もかもが眩しい。
デイビッドは早くからオーブンに火を入れ、プチパイを何種類も焼いてバスケットへ詰めて行く。
すべすべの丸い白パンに卵を挟み、薄切りのローストチキンのサラダと、ジャムの小瓶を添えて、温かいハーブティーをポットに淹れたら、息を弾ませて駆けて来たヴィオラに渡す。
頬を真っ赤にしながらとても楽しそうだが、何をするかは秘密だそうだ。
「楽しみにしてて下さいね?!」
「無理だけはするなよ?!」
デイビッドは小走りで去って行くヴィオラを、心配気に見送った。
正義の味方を気取りたくて、柄の悪い生徒や陰で暴力を振るう教師を辞めさせた事もあったが、評判は落ちる一方。
ついには目先の評価と手っ取り早い優越感に溺れて、言い寄ってくる女の子達を相手にしている内に、本当の目的を見失い全てを失った…
などと思っていた過去の自分が、なんと馬鹿げていたのかと。
ソファの反対側で自分の課題を始めたヴィオラは、デイビッドの方を見るテレンスを面白くない顔で見ていた。
「…また何か企んでるんですか?」
「え?違うよ!?ただ…四方八方敵だらけで、よく自分を保てるなぁって…感心してたんだよ、そう君の婚約者にさ!」
「どうでもいい人の相手はするだけ時間の無駄ですよ。そんなの気にするより、大切な人と美味しくご飯食べる方がよっぽど大事だよって、私言われましたから!」
婚約者というワードに気を良くしたヴィオラが、謎のマウントを取る。
「…そう言えばそろそろお昼だね、セルはいつもどこで食べるの?」
「食堂でしたけど、土曜は開いてないんですよね?!なら購買かなぁ。」
「僕もだよ。もう人が並んでる時間かな、早く行かないと…」
「テレンス先輩、テーブル片付けて下さい。ご飯来ますよ?」
「あら、もうお昼なのね。今日は何?」
「チャージラビットが手に入ったから、兎肉尽くし。」
「冬のご馳走ですよね!脂も乗ってて美味しそうですよ?!テーブルも広くしといて大正解!この人数でも余裕でお皿が乗りますね!」
さも当然のように並べられていく6人前のご馳走。
席を立ちかけた男子2人は、エリックに座らされ、好き嫌いや何を飲むかなど聞かれて戸惑っていた。
「「いただきまーす!!」」
だいたい先に食べ始めるのがエリックとシェルリアーナ。
次いでヴィオラのフォークが伸びて、いつも食事が始まる。
「食べないんですか?」
「いや!なんでこんな自然に食事が出て来るのか驚いてるんだよ!?」
「…あ、でもすごく美味しそう…」
「セルジオ君の分は片手で食べられる用になってますからね。マナーはさて置き、ちゃんと食べないと治るものも治りませんよ?」
恐る恐るセルジオがフォークを掴み、切り分けられた肉を口に運ぼうとすると、何故かシェルリアーナと目が合った。
「あ…あの、何か…?」
「その一口が、毒にならない事を祈りますわ。」
「え?!」
「意味深な台詞止めて下さい!貴女に言われると怖いんですよ!毒って何?!なんか入ってるの?」
「なんも入ってねぇよ!!はよ食え!」
テレンスがシェルリアーナの一言に怯えている横で、セルジオの手はもう止まらないようだ。
「兎も美味しい!チャージラビット初めて食べました!デイビッド様が捕まえたんですか?」
「いや、捕って来たのはファルコだ。一番美味いとこ食ったら満足したみたいで、残りもらった。」
「ファルコは優秀ですね!」
その隣りでは、シェルリアーナが当時の野外実習の事を思い出し、少し憂鬱になっていたが、デザートの新作チョコレートテリーヌを見て直ぐに立ち直っていた。
テレンスは午後も補講があり、セルジオも医務室へ行かないといけない。
「ご馳走様でした。あの、すごく美味しかったです!」
「もう教員とか貴族とか止めて料理人にでもなった方がよかったんじゃないのか?!」
「さっさと行け!!」
男子2人が居なくなると、ヴィオラは洗い物をするデイビッドにここぞとばかりに引っ付いた。
「エへへ…やっぱりこの方がいい…今日はすごーく頑張ったので、ご褒美下さい!」
「補講か、大変だったろ?…辛くなかったか?」
「あの先生、いつも私にばっかり注意するんです!何がいけないのかは教えてくれないクセに!でも今日は教頭先生も来て、満点貰いました!特訓したおかげです!」
「ヴィオラは強いなぁ…」
「…田舎者は普通クラスで充分なんて言われて、悔しかった…でも負けませんでしたよ!だからいっぱい褒めて下さい!!」
デイビッドに擦り寄るヴィオラを横目に見ながら、シェルリアーナはエリックの襟を掴んで引き寄せた。
「なんでしょ?」
「貴方、いつも大衆小説読んでるでしょ?下剋上の復讐劇系とか、成り上がりの溺愛系とか、ちょっと過激な描写入ってる奴。あれヴィオラに貸して読ませてみたらどうかしら…?」
「発破かける気ですか…?」
「半年以上あそこから進展しないのよ?!いい加減こっちも我慢の限界よ!いいじゃないそのくらい!何も一線越えろとは言ってないじゃない!!あの分厚い壁をもう少しうすーくできないかって思ってるだけよ!」
「ヴィオラ様はそれでもいいと思いますけど…向こうはそんな事したら浸透圧で死んじゃうんじゃないですかね?」
「熱帯魚か!?」
シェルリアーナとヴィオラは、その後それぞれの課題の参考書を借りに図書室へ。
エリックも席を外したので、デイビッドは少しずつ集めていた新領地の報告書を読んでいた。
するとノックと共にテレンスがまた現れる。
「なんだまたお前か…」
「なんだはないよ。これでも領地経営科の生徒なんだから、貴方の管轄でしょ?」
「だから、俺は教師じゃないんだって…」
「今日で補講が終了したよ。3年も上位クラス間違いなしだ…それから、生徒会は今期で辞める事にした…」
「いいのか?いい点数稼ぎなんだろ?」
「アレックスさんに睨まれてるし、ちょっと居づらくて。自領の引き継ぎなんかもあるしね。」
「まぁ好きにすりゃいいじゃねぇの?」
テレンスはデイビッドの正面に座ると、少し真剣な顔つきで話し出した。
「それでさ、さっき資料を作りに生徒会に寄ったら部屋にミス・リリアが居たんだ。教会関係者が来るのは珍しくて、気にしてたら、アレックスさんがまたなんかでっかい事企んでるみたいで…僕は警戒されてるから内輪には入れないけど、情報を集めてみようかと思って…」
「なんで?」
「なんでって…また標的にされてもいいのかよ?!」
「だから、なんでそんな事お前が気にすんだよ。」
「だ…だって…それは…」
「いちいち他人に気ぃ揉んでる時間がもったいねぇだろ。多少の自衛と対策は打ってる。生徒に心配される程じゃねぇよ。」
デイビッドはややうっとおしがっているが、テレンスはそんな言葉では引き下がらない。
「じゃ、負け犬同士仲良くしてよ!」
「誰が負け犬だ!?」
「エリック先生がさ、行き場がないなら自分で作るのも大切って教えてくれたんだ。ここなら過去の自分と向き合いながら成長できるかと思って…」
「本気で摘み出してやろうか…?」
「邪険にしないでよ!情けない者同士で丁度いいじゃないか!!」
「情けないってなんだ!?そっちに引きずり込もうとすんな!」
テレンスは結局その後も居座り、夕食までしっかり食べて帰って行った。
それに対してヴィオラは少し不満気だった。
(私が入る隙が減っちゃったんだもの…)
晴れ間の続いた日々から一転、週末から一気に冷え込み夜昼なく空が曇る。
王都に冬の名残の雪が降り、一面がまた銀世界に包まれた。
この雪が溶けたら王都にも春が来る。
「雪が積もったら大切な用があるのでお弁当作って下さい!」
「わかった。何するか知らんが、寒くないようにな。」
前日そんな会話をした次の朝、外を見るとどこもかしこも真っ白な雪に覆われて、何もかもが眩しい。
デイビッドは早くからオーブンに火を入れ、プチパイを何種類も焼いてバスケットへ詰めて行く。
すべすべの丸い白パンに卵を挟み、薄切りのローストチキンのサラダと、ジャムの小瓶を添えて、温かいハーブティーをポットに淹れたら、息を弾ませて駆けて来たヴィオラに渡す。
頬を真っ赤にしながらとても楽しそうだが、何をするかは秘密だそうだ。
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カクヨムで公開したものに手を入れたものです。