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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
1つ目の功績
「おっかえりぃぃーデイビッドくぅーーん!!無事に戻って来てくれた君に朗報朗報!いい知らせ持ってきたよー!?」
疲れている所に疲れる奴が現れると余計に疲れてしまう。
閉めようとしたドアを突破して入り込んできたベルダは、半ば強引にデイビッドを連れ出して温室へと向かって行った。
「もう昨夜から興奮が収まらなくて!ついに完成したんだよ!例の薬が!!」
「何もこのタイミングは止めて欲しかった…」
引きずり込まれるように入った温室では、アリーとリディアがにこにこしながら待っていた。
「ジャーン!見てくれたまえ!!ついに完成したんだよ!これがヒュリス精製薬第一号だ!!」
指差す先のテーブルに置かれた瓶には、薄桃色の液体が満たされている。
「…で?これはどの成分の薬だ?」
ヒュリスは魔性植物の中でも上位に入る程、数多くの成分を含んだ植物だ。
麻痺や鎮痛の成分から、幻覚や幻聴を引き起こす成分に、刺激や興奮作用のある成分、消化器官に作用するものもあれば、呼吸器に作用するものなど、抽出と精製次第では用途は数え切れない。
「フッフッフッ…これはねぇ、髪がトゥルントゥルンになる薬さ!!」
「あーそっち…」
そう言えばヒュリス討伐直後、消化液にまみれたデイビッドの髪がしばらくやたらツヤツヤしていたことがあった。
若干の肩透かしを食らったが、あの効果が絶大な事は悲しいかな身を以て実証済みだ。
「アリーがヒュリスの量産と巨大化に成功したおかげで、他の薬もそれぞれ完成間近といったところだよ。本当に君の周りは奇縁に満ちているね。彼女はまるで長年敵だったヒュリスを手懐けるためにもたらされた天使の様だよ…」
「完成したはいいけどよ、生産体制はどうなるんだ?」
「危険性が無いことは既にテスト済みだけど、まずは承認を受けてヒュリス自体の通常栽培の許可を貰わないとね。」
実はこの冬の間、温室の隣の空き地にもうひとつ温室形の研究室を建築中で、そこにヒュリス含めアリーを移そうという話になっている。
そこまで大きくはないがそこそこの広さがあり、春先には完成するそうだ。
「そうすれば必要部位だけ出荷して、精製も委託が可能になるよ。」
「確かに…それ考えたら美容薬が先ってのも案外悪くねぇな。」
散々人を煽ってデカい口を叩いた結果、出来上がったのがただの美容薬となれば、件の研究者達は腹を抱えて笑うだろう。
そして小馬鹿にしながら適当に許可証にサインをして寄越すに違いない。
許可証さえ手に入れば後はもうこっちのものだ。
手始めに安全性の高いものから作り出すというのも、世間に受け入れられ易いだろう。
早速、承認を要請するための申請書と、薬品の効果や成分をまとめた表などを用意していく。
「量はこんなもんか。」
「ううん?バケツ一杯くらいあって、容れ物が足りないんだよ。何とかならない?」
「そんなに…?」
「でっかいヒュリスの消化液が主成分だからね。大量に採れるから一番量ができるよ。」
「明日良さげな容れ物見つけて来る。このサンプルはもらっても?」
「むしろ使ってみて!君もだいぶ髪伸びたでしょ?僕の髪見てよ!サラサラ過ぎて上手く結べなくなっちゃったよ!」
「俺が使うんじゃねぇよ?」
僅かずつでも進展があると気持ちが晴れる。
売り方を考えながら廊下を歩いていると、後ろからゾッとするような圧が迫ってくるのを感じた。
急ぎ足からだんだん小走りになり、ついに本気で走って研究室に辿り着きドアを閉めようとした瞬間、隙間に手と足が入り込み閉まるのを阻止する。
「怖ぇよ!何してんだお前?!」
「そっちが逃げるからでしょ!行き先割れてんだから逃げたって無駄よ?!」
何故か追ってきたシェルリアーナが、ドアをこじ開けるようにして中へ入って来た。
「アザーレアの用はもう終わったのか?」
「アザーレア様は大使館でお仕事よ。アリス様は城に残られたわ。又従兄弟に当たる方が粛清の対象になってしまわれたのよ。王弟殿下が酷く憔悴されていて、今夜はお帰りにならないそうよ。」
「又従兄弟ってぇと…王族でも端の方だよな?」
「3大公爵筆頭ルミネラ家御曹司!ここの生徒会長よ!!そのくらい覚えなさいよ!なんでそういうとこだけポンコツ極めてんの?!」
「あー…」
この卒業目前の最も重要な時期に、なんと愚かな事を仕出かしたものか。
「テレンスが言ってたのはこれか…」
「なんでも愛する者のために、その脅威を取り除こうとしたとかなんとか…」
「それと同じ様なセリフ、ついこの前も聞きましたよ?」
モソモソ起き出してきたエリックが、シェルリアーナの話に続く。
「あの刺客もどきの生徒も、聖女様の脅威を取り除くのが自分の役目だと、かなり陶酔されていました。」
「テレンスは生徒会室に聖女含む教会関係者が集まっていたとも言ってた。」
「怪しいところじゃないわね…」
黒幕は教会か、それとも聖女そのものか、何をそこまでしてデイビッドを排除しようと執着しているのか、理由が分からず不気味でもある。
「でも協力者はかなり減りましたよ?そろそろ抱き込める手駒も少なくなってきたはずです。」
「公爵家を逃したのだから、これで大人しくなってくれれば良いですわね。」
「聖女に命狙われてんのか俺…なんか…民意煽って私刑で抹殺とかされそうで怖ぇな…」
そうならないよう、コイツにももう少し大人しくさせるべきではないかと悩むエリックとシェルリアーナだった。
「さて、そろそろお腹空いたのでなんか作って下さい!デイビッド様のいない間一人で色々頑張ったんですから、ちょっといいご馳走食べたいなぁ!」
「もう侍従の肩書き捨てちまえよ…」
「私も。お昼に軽くお茶だけして帰って来たから早めに食べたいわ。」
「安定の多数決…」
デイビッドはザルを持って外に出ると、しばらく放ったらかしにしていた花壇の菜園から、終わりの冬豆をもいでカブを引き上げ、外の貯蔵庫から塩漬けにしておいた鹿肉とチーズを回収して昼食の下拵えを始めた。
手の空いているエリックに豆の鞘剥きをさせていると、シェルリアーナも面白がって手伝っている。
トウが立ち始めたカブは厚めに剥いてポトフに加え、鹿肉は丁寧にローストし、チーズを小鍋で溶かして茹でた芋とパンを添える。
剥き終えた豆は茹でてベーコンと和えてサラダにした。
その様子を見ながらシェルリアーナが話しかけて来る。
「ねぇ、アンタ“真実の眼”の裁きを受けたんでしょ?」
「受けたよ。頭割れるかと思った…」
「じゃぁやっぱり会ったのよね…その…」
「ミセス・アンジェリーナとなら少し話した。」
「何か言ってた?」
「普通の親が子に言う事くらいだったぞ?ちゃんと食って楽しく過ごせてるかってよ。」
「そう…」
「喋るとああ親子だなって思った!口調がマジで似て…うぐっ…」
背中に華麗な肘が入ったので、余計な口はこのくらいにして夕食を作ってしまうが、この日珍しくヴィオラは研究室に現れなかった。
「緊張が解けて疲れて休んでるはずよ。あの部屋なら大丈夫。3重掛けで守護と結界張ってあるし、例の指輪にも多重防壁が掛かってるから、例え魔王が来ても手出しはできないわ。」
「国宝級のセキュリティですね。」
「完全に俺の出る幕無しか。」
日が落ちてもヴィオラは現れず、珍しくヴィオラ抜きの3人で食事をする事になった。
「チーズめちゃくちゃのびる~!」
「どうしてくれるのよ!芋とパンが止まんないわ!!」
「鹿肉ローストやわらか~い!オムレツもお豆が甘くて美味しい。やっぱり採れたては最高ですね。」
「私が剥いた豆よ!ありがたく食べなさい!」
「作ったの俺なのに…?」
最早変な部屋着を着替えることもなく平然と過ごすエリックと、それを全く気にしなくなった食いしん坊令嬢のシェルリアーナが、魔法陣を挟んで何やら話合っているのを横目に片付けを済ませると、デイビッドは例の薬のことを思い出した。
疲れている所に疲れる奴が現れると余計に疲れてしまう。
閉めようとしたドアを突破して入り込んできたベルダは、半ば強引にデイビッドを連れ出して温室へと向かって行った。
「もう昨夜から興奮が収まらなくて!ついに完成したんだよ!例の薬が!!」
「何もこのタイミングは止めて欲しかった…」
引きずり込まれるように入った温室では、アリーとリディアがにこにこしながら待っていた。
「ジャーン!見てくれたまえ!!ついに完成したんだよ!これがヒュリス精製薬第一号だ!!」
指差す先のテーブルに置かれた瓶には、薄桃色の液体が満たされている。
「…で?これはどの成分の薬だ?」
ヒュリスは魔性植物の中でも上位に入る程、数多くの成分を含んだ植物だ。
麻痺や鎮痛の成分から、幻覚や幻聴を引き起こす成分に、刺激や興奮作用のある成分、消化器官に作用するものもあれば、呼吸器に作用するものなど、抽出と精製次第では用途は数え切れない。
「フッフッフッ…これはねぇ、髪がトゥルントゥルンになる薬さ!!」
「あーそっち…」
そう言えばヒュリス討伐直後、消化液にまみれたデイビッドの髪がしばらくやたらツヤツヤしていたことがあった。
若干の肩透かしを食らったが、あの効果が絶大な事は悲しいかな身を以て実証済みだ。
「アリーがヒュリスの量産と巨大化に成功したおかげで、他の薬もそれぞれ完成間近といったところだよ。本当に君の周りは奇縁に満ちているね。彼女はまるで長年敵だったヒュリスを手懐けるためにもたらされた天使の様だよ…」
「完成したはいいけどよ、生産体制はどうなるんだ?」
「危険性が無いことは既にテスト済みだけど、まずは承認を受けてヒュリス自体の通常栽培の許可を貰わないとね。」
実はこの冬の間、温室の隣の空き地にもうひとつ温室形の研究室を建築中で、そこにヒュリス含めアリーを移そうという話になっている。
そこまで大きくはないがそこそこの広さがあり、春先には完成するそうだ。
「そうすれば必要部位だけ出荷して、精製も委託が可能になるよ。」
「確かに…それ考えたら美容薬が先ってのも案外悪くねぇな。」
散々人を煽ってデカい口を叩いた結果、出来上がったのがただの美容薬となれば、件の研究者達は腹を抱えて笑うだろう。
そして小馬鹿にしながら適当に許可証にサインをして寄越すに違いない。
許可証さえ手に入れば後はもうこっちのものだ。
手始めに安全性の高いものから作り出すというのも、世間に受け入れられ易いだろう。
早速、承認を要請するための申請書と、薬品の効果や成分をまとめた表などを用意していく。
「量はこんなもんか。」
「ううん?バケツ一杯くらいあって、容れ物が足りないんだよ。何とかならない?」
「そんなに…?」
「でっかいヒュリスの消化液が主成分だからね。大量に採れるから一番量ができるよ。」
「明日良さげな容れ物見つけて来る。このサンプルはもらっても?」
「むしろ使ってみて!君もだいぶ髪伸びたでしょ?僕の髪見てよ!サラサラ過ぎて上手く結べなくなっちゃったよ!」
「俺が使うんじゃねぇよ?」
僅かずつでも進展があると気持ちが晴れる。
売り方を考えながら廊下を歩いていると、後ろからゾッとするような圧が迫ってくるのを感じた。
急ぎ足からだんだん小走りになり、ついに本気で走って研究室に辿り着きドアを閉めようとした瞬間、隙間に手と足が入り込み閉まるのを阻止する。
「怖ぇよ!何してんだお前?!」
「そっちが逃げるからでしょ!行き先割れてんだから逃げたって無駄よ?!」
何故か追ってきたシェルリアーナが、ドアをこじ開けるようにして中へ入って来た。
「アザーレアの用はもう終わったのか?」
「アザーレア様は大使館でお仕事よ。アリス様は城に残られたわ。又従兄弟に当たる方が粛清の対象になってしまわれたのよ。王弟殿下が酷く憔悴されていて、今夜はお帰りにならないそうよ。」
「又従兄弟ってぇと…王族でも端の方だよな?」
「3大公爵筆頭ルミネラ家御曹司!ここの生徒会長よ!!そのくらい覚えなさいよ!なんでそういうとこだけポンコツ極めてんの?!」
「あー…」
この卒業目前の最も重要な時期に、なんと愚かな事を仕出かしたものか。
「テレンスが言ってたのはこれか…」
「なんでも愛する者のために、その脅威を取り除こうとしたとかなんとか…」
「それと同じ様なセリフ、ついこの前も聞きましたよ?」
モソモソ起き出してきたエリックが、シェルリアーナの話に続く。
「あの刺客もどきの生徒も、聖女様の脅威を取り除くのが自分の役目だと、かなり陶酔されていました。」
「テレンスは生徒会室に聖女含む教会関係者が集まっていたとも言ってた。」
「怪しいところじゃないわね…」
黒幕は教会か、それとも聖女そのものか、何をそこまでしてデイビッドを排除しようと執着しているのか、理由が分からず不気味でもある。
「でも協力者はかなり減りましたよ?そろそろ抱き込める手駒も少なくなってきたはずです。」
「公爵家を逃したのだから、これで大人しくなってくれれば良いですわね。」
「聖女に命狙われてんのか俺…なんか…民意煽って私刑で抹殺とかされそうで怖ぇな…」
そうならないよう、コイツにももう少し大人しくさせるべきではないかと悩むエリックとシェルリアーナだった。
「さて、そろそろお腹空いたのでなんか作って下さい!デイビッド様のいない間一人で色々頑張ったんですから、ちょっといいご馳走食べたいなぁ!」
「もう侍従の肩書き捨てちまえよ…」
「私も。お昼に軽くお茶だけして帰って来たから早めに食べたいわ。」
「安定の多数決…」
デイビッドはザルを持って外に出ると、しばらく放ったらかしにしていた花壇の菜園から、終わりの冬豆をもいでカブを引き上げ、外の貯蔵庫から塩漬けにしておいた鹿肉とチーズを回収して昼食の下拵えを始めた。
手の空いているエリックに豆の鞘剥きをさせていると、シェルリアーナも面白がって手伝っている。
トウが立ち始めたカブは厚めに剥いてポトフに加え、鹿肉は丁寧にローストし、チーズを小鍋で溶かして茹でた芋とパンを添える。
剥き終えた豆は茹でてベーコンと和えてサラダにした。
その様子を見ながらシェルリアーナが話しかけて来る。
「ねぇ、アンタ“真実の眼”の裁きを受けたんでしょ?」
「受けたよ。頭割れるかと思った…」
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「何か言ってた?」
「普通の親が子に言う事くらいだったぞ?ちゃんと食って楽しく過ごせてるかってよ。」
「そう…」
「喋るとああ親子だなって思った!口調がマジで似て…うぐっ…」
背中に華麗な肘が入ったので、余計な口はこのくらいにして夕食を作ってしまうが、この日珍しくヴィオラは研究室に現れなかった。
「緊張が解けて疲れて休んでるはずよ。あの部屋なら大丈夫。3重掛けで守護と結界張ってあるし、例の指輪にも多重防壁が掛かってるから、例え魔王が来ても手出しはできないわ。」
「国宝級のセキュリティですね。」
「完全に俺の出る幕無しか。」
日が落ちてもヴィオラは現れず、珍しくヴィオラ抜きの3人で食事をする事になった。
「チーズめちゃくちゃのびる~!」
「どうしてくれるのよ!芋とパンが止まんないわ!!」
「鹿肉ローストやわらか~い!オムレツもお豆が甘くて美味しい。やっぱり採れたては最高ですね。」
「私が剥いた豆よ!ありがたく食べなさい!」
「作ったの俺なのに…?」
最早変な部屋着を着替えることもなく平然と過ごすエリックと、それを全く気にしなくなった食いしん坊令嬢のシェルリアーナが、魔法陣を挟んで何やら話合っているのを横目に片付けを済ませると、デイビッドは例の薬のことを思い出した。
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